どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
(https://twitter.com/EuropaLeague/status/1365275140200800263より)
マンチェスター・ユナイテッドvsACミランのヨーロッパリーグベスト16 ファーストレグは"The Theatre of Dreams" オールド・トラッフォードでの開催。
両チーム共に自国内では名門中の名門で数多くのサポーターを抱えているのでこのマッチアップは試合前から盛り上がりを見せているラウンド16屈指の好カードです。
両チームの対戦史や直近の調子についてはこちらをご覧ください
irohasesun-fm-foot.hatenablog.com
試合プレビュー
マンチェスター・ユナイテッドはエディソン・カバーニの周辺が騒がしくなり、来季の契約やこの試合の出場可否など彼の話題が多く占める事になりましたが、復帰が間に合わなかったのかスカッドからは外れています。
ACミランは主力の怪我が相次ぎCBのロマニョーリまでもが欠場を疑われる緊急事態。
勿論この試合の勝敗は大切ですが首位インテルとの差を考えるとまだ逆転優勝の可能性も残っているので本心はそちら側に向いているのではないでしょうか。
スタメン
マンチェスター・ユナイテッド
ベンチ入り
2リンデロフ、13グラント、17フレッジ、19A.ディアロ、23ルーク・ショー、30ビショップ、33B.ウィリアムズ、38トゥアンゼベ、74ショレティレ
マルシャルはメンバー入りを果たしましたがそれ以外の怪我を疑われていた選手はほぼスカッド外。
特に今シーズンは大きな怪我なくここまで来ていたラッシュフォードを欠いた試合で左サイドからのカウンターが機能するかどうかには一抹の不安が残ります。
ACミラン
ベンチ入り
1タタルサヌ、7カスティジェホ、8トナーリ、20P.カルル、30R.トニン、46M.ガッビア、90A.ドンナルンマ
怪我人続出の影響でベンチ入りは規定人数の上限よりも少ない7人。
1トップのレオン、中盤のケシエのフィジカルには強い警戒が必要です。
そしてユナイテッドからローン中のディオゴ・ダロトはLBで先発起用。
ポジション争いのライバルワン=ビサカと対面する事になったので持ち味の攻撃力で彼を出し抜いてアピールに成功すればユナイテッドでのキャリアも開けるかも。
試合内容
3日前の試合でボルテージをMAXまで持って行った反動なのかマンチェスター・ユナイテッドは試合の序盤から皆一様に身体の重さを感じさせる鈍重なプレーが目立ち、特にテレス、マティッチ、ジェームズの左サイドで安易なボールロストを繰り返してボールキープすらままならない時間が続きます。
5分にはレオンの裏抜けからゴールネットを揺らされるもののオフサイドで命拾いという場面もありこの日のユナイテッドは明らかに悪い方の顔を見せていたので厳しい試合になると覚悟を決めました
それでも8分にはテレスのアーリークロスからマルシャルが胸トラップで空間を確保してチーム初シュートを記録してようやくエンジンがかかり始めます。
しかしながら11分にマグワイアとマティッチがボックス内でお見合いしてボールホルダーのケシエに余裕が生まれると、この運動量豊富なダイナモはボレーシュートをゴール左隅に沈めてミランベンチからは歓喜の声。
尚、このゴールもVARの結果シュートに至る前のケシエのトラップにハンドボールの反則というジャッジが下ってユナイテッドは命拾い、ミランは不満の残る結果で試合再開
Handball? 🤔#UEL pic.twitter.com/JbPcFh4JSh
— Goal (@goal) March 11, 2021
前半の30分過ぎまではひたすらミランの攻撃をユナイテッドが凌ぐ時間が長く続きましたが31分にはオフサイドになったもののジェームズが持ち前のスプリントを発揮してロングカウンター、36分にはブルーノがゴール正面約25m程の位置でFKをゲットするなど終盤になるにつれてユナイテッドが主導権を取り戻す展開に。
どうやったらそれを外せるんだ……
結果的にこの試合の結果を大きく左右する事になってしまったシーンは38分。
先程のFKから続くユナイテッドの攻撃チャンスで右サイドからのコーナーキックを得たユナイテッド。
テレスはニアサイドにボールを蹴り、これに反応したブルーノがボールをファーサイドへ逸らすとその先にいたのはキャプテン ハリー・マグワイア。
上記のプレーでミランDFはボールウォッチャーとなりフリーでボールに触る事ができたマグワイアは後は軽くタッチしてゴールに押し込むだけの決定機を何故か左のゴールポストに当ててしまいこのチャンスを決める事が出来ず……
What?! How?! Harry Maguire produced the miss of the season against AC Milan! 😱
— Sony Sports (@SonySportsIndia) March 12, 2021
Rank this howler from Harry amongst the all-time greatest misses ever 😌#SirfSonyPeDikhega #UEL #EuropaLeague #MUN #ManUtd #MUNACM #ACMilan #Maguire pic.twitter.com/gD3lGhvEu3
プロフットボーラーなら100回あれば95回以上決められそうなごっつぁんゴールの場面でしたがどうしたのでしょうか。
前半はスコアレスで折り返し
後半頭から投入されたアマド、早速最高の結果を残す
後半に向けてマンチェスター・ユナイテッドはマルシャル🔁アマドの交代を行います。マルシャルは前半のプレーで相手と接触して痛みを訴える場面があったのでもしかすると怪我かもしれません。
歓喜のタイミングは50分、ブルーノのCB裏を狙ったロブパスに抜群のタイミングで抜け出したアマド・ディアロは後ろ向きの体勢のまま一瞬GKドンナルンマの位置を確認するとバックヘッドを敢行。
Amad Diallo's Man Utd career to date:
— Squawka Football (@Squawka) March 11, 2021
◎ 1 shot
◎ 1 goal
That header though. 🔄 pic.twitter.com/VqE9HwOGmn
因みに、ディアロはこれがマンチェスター・ユナイテッドのトップチームでは最初のシュートだったのでゴール決定率は100%🥰
ネタバレになりますが彼はこれ以降この試合でシュートを記録しなかったので今もこの珍しい記録は継続中。
中盤から前線にかけて怪我人多発という状況の中、ミラン相手にゴールを記録したアマドは今後のクラブの救世主的存在になるのかもしれません。
これが彼の伝説の始まりだったというナレーションが既に脳内再生容易いくらいには期待しているので怪我に細心の注意を払いつつ、プレミアリーグでも戦える身体作りを敢行していきたい。
先制したユナイテッドは優勢を保っていましたが64分にはミランRBカラブリアのアーリークロスから逆サイドのクルニッチにヘディングのチャンスを許し、待っていたのがストライカーだったら失点していたかもしれないピンチでした。
雨脚が強まる夢の劇場、待っていたのは悪夢だった
70分過ぎには試合前から降っていた雨が一層激しくなり、気温一桁のスタジアム内は只でさえ寒さを感じる状況でしたがより一層選手達にとってはタフな環境に変化していきます。
直後の72分には右サイドでグリーンウッド、アマドとクラブの将来を担う2人のヤングスターの連係プレーでチャンスを作ると、グリーンウッドのクロスに反対側のダニエル・ジェームズにボールが渡りますがジェームズは無人のゴールにボールを押し込む事が出来ず、左足のシュートは大きく枠外を外れてユナイテッドはこの試合2度目のビッグチャンスのエラー。
74分には3枚替えで試合をクローズしにかかるユナイテッドでしたが80分代後半からアディショナルタイムにかけてミランの最後の攻勢に押される展開になってしまい、92分にはコーナーキックからシモン・ケアーに痛恨の同点ゴールを許してしまいます。
元々ケアーを見ていたのはマティッチでしたが容易くマークを外されると最後はスタンディングヘッドを許してしまう最悪の結果で、GKヘンダーソンも正面に来たボールを弾き切れずに必要のないアウェイゴールを与えたマンチェスター・ユナイテッド。
試合は1vs1のドローで終了しています
動画ハイライト
ゴール⚽
50分:アマド・ディアロ(👟ブルーノ・フェルナンデス)
92分:シモン・ケアー(👟ラデ・クルニッチ)
交代選手
46分 in:アマド・ディアロ out:マルシャル
74分 in:フレッジ、ウィリアムズ、ルーク・ショー out:ブルーノ、ワン=ビサカ、ダニエル・ジェームズ
69分 in:トナーリ、カスティジェホ out:ブラヒム、サレマーカーズ
74分 in:P.カルル out:カラブリア
データ
シュート数ではアウェイのミランが2倍の差をつけてリードし枠内シュートも同様。
しかしながらビッグチャンスはユナイテッド2つ、ミラン1つとホームチームが上回っていたのでチャンスを決めきっていれば勝てた試合だったと考えています。
同点ゴールのキッカケになってしまったネマニャ・マティッチは他にも瞬発力でピッチ上の誰よりも劣っているのではないかというシーンが目立ち、彼自身の特徴としてプレスが甘くリトリートを選択する傾向が強いので出足の速いミランのサイドアタッカーに後手に回る事が多かったです。
それでも、ボール保持の安定感や局面での強さは健在でタックル数はフィールド上最多の5回を記録するなど使い方を誤らなければまだまだ一線級。
失点シーンでの対応に一部非難を受けたディーン・ヘンダーソンも試合全体で見ればシュートストップ4回、内3つがボックス内のシュートなのでパフォーマンス自体は安定していたと思います。
ただ、ダビド・デヘアのような全身のバネは持ち合わせていないので最大出力で比較すると彼の全盛期をよく見ているファンにとっては物足りなさを覚える場面も今回のように出てくるかもしれません。
しかし低い位置からのビルドアップを志向するスールシャール体制下のユナイテッドにとってはヘンダーソンにより適性があるのも事実なので、彼にメインGKをシフトさせていくのが自然な流れになるかと。
あとがき
最早何度目なのかも分からないくらいにまたしてもセットプレー守備のミスから失点を喫したマンチェスター・ユナイテッド。
攻撃側ではマグワイアの決定機に繋がったニアサイドからの逸らしなど一定の成長を感じとる事が出来ますがディフェンスでは一向にマーカーの受け渡しが改善される気配がありません。
近年のフットボールではセットプレーの価値が見直され、専門のコーチングスタッフを雇うクラブ(ブレントフォード、そのビーズからコーチを引き抜いたアーセナルetc.)もそう珍しくないのでユナイテッドも潮流に乗り遅れる前にその決断をしてみてはどうですか?と問いかけたくなります。
今のユナイテッドで最も分かりやすく改善出来そうなのは間違いなくセットプレー対応で、この課題は今シーズンだけでなくここ数年通じてのウィークポイントなので。