24/25シーズン終了から一週間と経たずにマレーシアへ遠征したマンチェスター・ユナイテッドは。立て続けにアジア選抜チーム、香港代表との2試合を行い赤い悪魔の人気の高いアジア地域でのツアーは興行面で成功を収めた。
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— マンチェスター・ユナイテッド (@ManUtd_JP) June 1, 2025
今回はその2戦のなかでシニアチームのメンバーに混ざって出場したアカデミーの選手たちの中で印象に残った何人かのプレーを見た雑感を書き連ねていく。
〈セク・コネ〉
大人と混ざるとサイズ感が思っているよりも小さく、その一方で背中を相手に向けてボールを隠しながらのレシーブやターンが上手いので小回りが利き、イメージとしてはデビューしたてのメイヌーに近い部分がある。トップ下的だったメイヌーと比べるとよりNo.8感が強く、守備時のポジショニングも(あくまでこの試合では)大きな破綻なくこなしていた。将来的に身体を大きくして当たり負けしないようになるのか、あるいは素軽さを重視してリンクプレイヤーとして定着するのかは分からないが少なくとも技術面での信用は担保されている。
〈ゴッドウィル・クコンキ〉
フィジカルだけならばすでにシニアチームに交じっても一目見て彼を認識出来る程に出来上がっており、まるでラグビー選手のような分厚い上半身の鎧が象徴。ただ、プレー選択はまだプロフットボールに適応出来ておらず、スプリントが要求される場面での出足の悪さも目立つなどぱっと見のツワモノ感で過剰に囃し立てられているというのが実情か。上手くいけばコンタクトの強さを発揮するモンスター型のCBとして戦力化出来そうなものの、古いイングリッシュフットボールの不器用だが弾き返す能力は高いという淘汰されつつあるCB像に落ち着いてしまう危険性も多分に含んでいる。
〈シェイ・レイシー〉
ミドルサードからアタッキングサードでボールを持った際、横方向に大きく移動するドリブルを好むタイプで、そこからパス&ムーブやレイオフなど味方とのコンビネーションでDF裏に潜り込んでフィニッシュまで持っていこうという意識が高い。彼の問題としては線の細さと故障癖であり、才能を有しながら怪我に泣いたカラム・グリビンの姿と重なる部分もある。ワイドレーンでのプレーに固執せずハーフスペースを拠点に出来るという点では3-4-3のシャドー適性はそれなりにありそうで、食事やトレーニングで故障しにくい身体を作れたならばトップチーム昇格の芽も見えてくるかも。
〈タイラー・フレデリクソン〉
シーズン終盤、大抜擢されたウルブス戦でいきなりチームMVP級のプレーを見せたフレデリクソン。ポゼッションでの前進するパスコースを即座に見つけられる落ち着きやそれを成立させるボールスピードの速さなど、全体的に20歳とは思えぬ落ち着きを見せる部分に既にトップチームデビューを果たしている理由が詰まっており、ここまでに挙げた才能の原石と比べると洗練されている。彼の場合はクロス対応やマークとボールの同時管理など、実戦経験で克服させたい課題が多いので多くの試合に出場出来る道を見つけたいところ。チャンピオンシップあるいはプレミア昇格組からのオファーがあれば理想だが。
〈エイデン・ヘヴン〉
チド・オビと共にアーセナルのアカデミーから引き抜いて早くもトップチームに定着しつつあるヘヴン。キックの安定感はまだないものの低弾道で対角線に強いボールを蹴れるレンジや球際で絶対にボールから逃げない根性、そしてセットプレーのターゲットとしても期待できるという点において利き足が左である事も込みで彼をたった150万ポンドの補償金で獲得出来たのは奇跡的。万全の状態ならば左CBのファーストチョイスになるリチャとは全くタイプが違うので、状況に応じて使い分けがしやすい点も彼のスカッド入りを後押しする。若干裏抜けに対する準備が甘い点は実戦経験を積む中で改善していきたい。
〈チド・オビ=マルティン〉
自分を見失っている感の強い今のホイルンドと比べると背中向きでボールを受ける際の腕の使い方やリーチの長さを活かした突っつかれない間合いの作り方など、ポストプレイヤーとしての能力やその後の落とし・ターン・複数人でのコンビネーションのセンスは上回っており、後はやや遠慮が見られるゴール前でどれだけ自分にボールを集めさせる存在感と信頼を積み上げられるかがポジション獲得に向けた課題。彼の場合はローンではなくカップ戦を中心にチームの原則を浸透させつつパンクしない程度にシニアチームで起用するのが一番いいと思うので、後々クラブ育成選手に換算できるようにしたいという思惑も込みでCF3番手として来季の戦力構想に入ると期待している。
あとがき
香港戦でゴールを奪ったのがどちらもアーセナルから獲得したチド・オビ、ヘヴン。
香港で2ゴールをあげたチド ⚽️⚽️@Snapdragon #MUFC || #ShotOnSnapdragon pic.twitter.com/dxld42LzPt
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エイデンのシニア初ゴール 🙌#MUFC || #MUTOUR25 pic.twitter.com/Q9HDkxjeMR
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そして今夏のマーケットではレアル・マドリーの下部組織から引き抜いた後、ユナイテッドでの数年を経てベンフィカで花開いたアルバロ・カレーラスが次回移籍の売却益という形で富をもたらしそうな事を考えると、他クラブでフットボールIQを身につけた10代後半の選手を契約切れのタイミングで獲得してトップチームで戦力化、あるいは売却して収入を得るという経営スタイルが魅力的に映る。