※25/26 イングリッシュプレミアリーグ
AFCボーンマスvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。
これでボーンマスに対して6試合勝利無し。あまりフォーカスされてきませんでしたが赤い悪魔はチェリーズの大の苦手としているのでこの結果は正直覚悟していました。だた、今回勝利出来なかった大きな原因であるスチュアート・アトウェルの酷いジャッジにはうんざり。
The points are shared on the south coast.
— Manchester United (@ManUtd) March 20, 2026

【Match Review】

Starting lineup

前半

非常に高い強度で進んでいくバイタリティ・スタジアムでのプレミアリーグ第31回戦。そうなってくると個々のトランジションやスペース管理の能力差が嫌でもハッキリとしていき、ユナイテッドが押し込んで最終的にアマドのシュートが弾かれた後のボーンマスのカウンター、04:07~の場面におけるメイヌーの判断は悪い意味でその象徴だった。
ユナイテッド視点右サイドペナルティボックス角付近でアミン・アドリにボールが渡る瞬間、メイヌーは距離を狭めてボールホルダーに近付いていったが、前を向く前に潰しきれる距離感では無かったにもかかわらず中央を空けてサイドに出ていった事でアドリは楽に前方の味方へパスを入れられるようになり、無人のスペースをタヴァーニアがキャリー。その後ショーとのロングスプリント勝負に勝ったライアンへのスルーパスが通り、最終的にファーポストを狙ったグラウンダーショットが逸れた為命拾いしたものの、ビッグチャンスまで繋がってしまった。
判断エラーを足の速さや心肺機能の高さや脚の長さなどから来るカバー範囲の広さといったフィジカル的な資質で取り返せるタイプではない以上、メイヌーは状況判断の正確性を高めていくしかないのだが、現状はポゼッションでもアウトオブポゼッションでもその瞬間にどこに立つべき/動くべきなのかあまり分かっていないように見える瞬間が多い。正直今の彼が不動のスタメンになるようでは優勝は夢物語だろう。
劣勢だったユナイテッドは左サイド大外に張るクーニャが相手RBアレックス・ヒメネスとの1on1で質的優位を作れる事に気が付くとポゼッションの中心が右から左に代わり、徐々に試合の主導権をホームチームから奪い返していく。
チェリーズで気になったのはマン・シティへ移籍したセメンヨの後釜としてヴァスコ・ダ・ガマから獲得した19歳のブラジル人アタッカー,ライアン。180㎝台後半と身長面の弱みがなく、更にこの年齢ながら既に身体の厚みはプレミアリーグ水準程度にはあり、大きなフットワークとそれに見合わぬ柔軟なボールスキルは前任者を思い出させる。更に守備の意識はセメンヨよりも高いように見え、怪我無く順調に経験を重ねればとてつもないところまで到達しそうな期待感を持てるワンダーキッドだった。
また、彼らの強みは中盤構成にもある。アレックス・スコットは攻守に大きな欠点のないオールラウンダーでパスも正確性重視でエラーが少ない。タヴァーニアとクリスティーは若干プレスバックの緩い場面もあるがパス・キャリーの両面においてビルドアップからチャンスクリエイトまでの幅広いフェーズで貢献出来るプレイメイカー。そして3人ともにそれなり以上に動けるのでトランジションゲームに真っ向から立ち向かうことが出来、カオスを重視するアンドニ・イラオラにとっては欠かせない選手。とくにスコットはボールを持つ際の姿勢が良く、周囲の状況を常に把握しているのでプレス耐性も高い。不安があるとすればハードコンタクトへの耐性と離脱なくフルシーズン戦いきれるかという耐久力くらいで、やれと言われれば10番の役割も完遂してくれるだろう。
ユナイテッドの前半最大のチャンスは35分。ボーンマス陣内でのポゼッションから、中央でパスを受けたカゼミロが右サイドのペナルティボックス内で待つアマドに斜めのパスを入れ、カットインを意識付けたところでアマドは外側を走るダロトを使う。最後はダロトのゴール前を通過してバックポスト側に落とす見事なチップキックにブルーノがダイレクトボレーで合わせたがシュートはペトロビッチの正面に飛んで得点ならず。ただ、相手の目線・身体を大きく動かすような形としては完璧な攻撃だった。
10分辺りからは継続的にユナイテッドがゲームの主導権を握る内容だったのでそれでいて得点を奪えずに前半を終えた事は痛かったが、大の苦手にしているチェリーズ相手、しかもアウェイという点を加味すれば悪くない45分。
後半
ボーンマスのDF陣は単純な競り合いに関してあまり強くなく、前半に引き続きラメンスのフィードをエンベウモやクーニャが収めて定期的に得点機会まで繋げる事が出来ており、ハイプレスでビルドアップに苦しんでいる状況も相まって中盤を省略して手数の少ない攻撃でボックス内を陥れるケースが増加。
59分、ラメンスのロングフィードを左ハーフレーンでクーニャがアレックス・ヒメネスとの駆け引きに勝って胸でのファーストタッチで収めると、そのままボックス内へ運んでいき、アレックス・スコットのプレスバックで相手がダブルチームになりかけた中の一瞬の隙、両者の間のスペースを見逃さずにカットインを試みると、たまらずユニフォームを引っ張ったヒメネスの対応によってPKを獲得。
ペナルティスポットにボールを置いたブルーノは大きく息を吐いて心身を整えると、お馴染みのステップで前半に決定機を防がれたペトロビッチを揺さぶり、我慢しきれずに相手が動いたのを確認した後にその逆方向にボールを流し込んでマンチェスター・ユナイテッドが先制!!
アウェイチームが均衡破る💥
— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) March 20, 2026
クーニャが獲得したPKを
いつも通り冷静に沈める#ブルーノ・フェルナンデス🥶
互いに多くのチャンスを迎えた中
ついに試合が動き出す🔥
🏆 プレミアリーグ第31節
⚔️ ボーンマス v マンチェスター・U
📺 https://t.co/RmIATe489C pic.twitter.com/kr5359lO0C
リードを手にしたユナイテッドは全体的に前掛りになる+時間経過で足が重くなり、特に守備時のクリスティーの細かいポジショニング修正が遅れるようになった事で生まれたボーンマスの中盤のスペースを起点に積極的に次の1点を狙いにいく。
後から振り返った際に試合展開を左右する事象、それも人為的エラーとなってしまったのは67分のユナイテッドのカウンター。メイヌーのパスがイレギュラーしたところを上手くコントロールしたブルーノのロブパスで右サイドのアマドにオープンな状況でボールが渡ると、一番得意なシチュエーションに水を得た魚の如く切れ味鋭いテイクオンを発揮したコートジボワール代表アタッカーのカットインに対して、対面するトリュフォーは先述のヒメネス同様に手を使って対応してしまいこれはPK間違いなしというケースだったのだが、何故か主審スチュアート・アトウェルは一旦笛に手をかけたところで突然動きを止めて試合続行。
The ref took the whistle to blow for a penalty for a foul on Amad but then suddenly stopped.
— ☈ッ (@TheFergusonWay) March 23, 2026
[via @ue_shm] pic.twitter.com/YmB1RYi9ad
しかも、完全に呆気にとられたユナイテッドを尻目にボーンマスが直後のカウンターで同点弾を決めるという最悪の結果までついてきた始末で、ハッキリ言ってこのプレーに対してPKを宣告できないのであれば即刻審判を辞めた方がいいレベルのエラー。更に言えばVARもこれに対して正しい助言を出来ないのであれば存在する意味がない。そのVARもあのクレイグ・ポーソンだったので起こるべくした起こった感が強いが、このようにPGMOLは以前からマンチェスター・ユナイテッドに対して不当に厳しい判定を積み重ねており、好き嫌いで判定を変えているような節すらあるのはファン/サポーターならば誰もが知るところ。
技ありの同点弾👏
— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) March 20, 2026
スコットランド代表に選出された#ライアン・クリスティー 🏴
ゴール前でうまく前を向き
狙いすましたシュートで
ネットを揺らす🍒
🏆 プレミアリーグ第31節
⚔️ ボーンマス v マンチェスター・U
📺 https://t.co/RmIATe3Ak4 pic.twitter.com/JubbxUvK7Q
本来は存在しないゴールではあるが、この同点弾そのものについて触れると、直前のファウル(になるべきプレー)の張本人であるトリュフォーはアンダーラップのタイミングとコース選びが上手く、シューターとなったクリスティは全く予備動作をとらず普通にボールタッチをするような流れから意表をついたインサイドキックでラメンスの手の届かないサイドネットにボールを流し込むという技術力と使い分けられるキックの手数の多さが光った内容。
怒り心頭のアウェイチームだが、やる事はそれまでと変わらずボールサイドに人を集めるチェリーズの守備に対してサイドチェンジから一気に攻め立てる、特にクーニャvsヒメネスの盤面を作るという目標を持ちながらチャンスを生み出していく。
71分、そのクーニャのテイクオンで獲得した左サイドからのCKでブルーノのバックポストへのインスイングキックに待ち構えていたマグワイアに対し、大きな上半身でブロックされていたジェームズ・ヒルがボールをクリアしきれずオウンゴールで再びユナイテッドがリードを手にした!!
痛恨のオウンゴール💥
— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) March 20, 2026
ここまで好守を見せていた
ボーンマスの #ヒル 💪
CKの競り合いで変化したボールが
頭に当たり失点に
🏆 プレミアリーグ第31節
⚔️ ボーンマス v マンチェスター・U
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元からハイボールに対して付け入る隙があったボーンマスに対し、コーナーキックの直前でエンベウモに代えてシェシュコを投入しダブルチーム前提でマークしなければならないような強力なターゲットがマグワイア,カゼミロ,シェシュコと3枚に増えた事もこのゴールの背景にあると個人的には考えている。
なお、失点後のホームチームは一挙3枚の選手交代を行い、クーニャ相手に劣勢かつ時間経過による動きの鈍化も考慮してヒメネスをアダム・スミスに変えた以外はブルックス,クルーピと攻撃の変化を加えるカードを切ってきた。

76分、セネシからの縦パスをFW-MFライン間で受けたスコットがスムーズな反転から姿勢を整えて強烈なミドルショットでクロスバーを叩いたシーンがあったが、レシーブ直前のスキャニング、身体をスッと開いてターンを滑らかにする予備動作、蹴り足着地でボールに体重を乗せるシュートと全てが美しく、改めて1人の選手としての完成度の高さを目の当たりに。正直彼が今回のイングランド代表に選出されていないのが不思議でならない。
ホームチームの攻勢は続き、78分にはCB前でタヴァーニアの縦パスを引き出し、なおかつボールを利き足側のマイナス方向へ動かすクルーピの実践的なファーストタッチ→咄嗟の身体制御や状況判断の苦手なマグワイアを突くスルーパスで最終的にエヴァニウソンに対するボックス内でのファウルを誘発させてPKを獲得。さらにDOGSO適応のファウルだった為マグワイアは一発レッドで退場となった。
抜け出したエヴァニウソンを
— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) March 20, 2026
押してしまった #マグワイア 🫷
このファールでPK献上
さらに退場となってしまう🟥
🏆 プレミアリーグ第31節
⚔️ ボーンマス v マンチェスター・U
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正直このファウルはマグワイアが軽率すぎる。何故手で相手を突き飛ばしたのか理解に苦しむ対応で、仮にシュートを撃たれたとしても角度的に簡単ではなく、なおかつ失点したとしても11人ならばまだ3度目の勝ち越しを十分に狙える展開だった。
PKはクルーピが冷静にラメンスの逆をついてチェリーズが同点に追いつく。
終盤で試合は振り出しに🎲#クルーピ の蹴ったPKは
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GKもノーチャンスのコースに👏
チャンスを確実にモノにして
終盤でタイスコアに持ち込む🔥
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⚔️ ボーンマス v マンチェスター・U
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10人になったユナイテッドはクーニャとカゼミロを下げてヘヴン,ウガルテを投入。ブルーノを左サイドにスライドさせて4-2-3でカウンターのワンチャンスを狙いつつ、基本的には両ウイングをCMラインまで落とし4-4-1のローブロックで耐え続けるという展開。

一方、数的優位となったチェリーズの方は少しペースが落ちてしまい、ライン間やDF裏を取るオフボールが少なく、ポゼッション率だけが上がっていくような手詰まりさを見せてユナイテッドにとっては嬉しい誤算に。最終スコアは2-2のドロー。
データ

Standard

最終的なスタッツはシュート数16:14、オンターゲットも5つで並びポゼッションでは終盤にユナイテッドが10人になった影響でスコアに開きが出たがほとんど五分の内容と言っていい。ボーンマスはブロックではなくプレッシングでボールを奪う積極的なスタイルで、特にユナイテッドの左サイドでのビルドアップを徹底して狙っていた。その証拠としてマグワイアとショーのパス成功率は80%を下回っており、彼らにストレスをかけ続けた成果がマグワイアの退場だったのかもしれない。
ボーンマスはシーズン単位での空中戦勝率がリーグ全体でバーンリーに次いで低く、セットプレーの失点数もブービーなので、トランジションゲームに付き合う事は出来れば避けたいものの、ロングボールを活用するのは非常に有効的だった。
xG

Bournemouth 2 - 2 Manchester United (March 20 2026) | EPL | 2025/2026 | xG | Understat.com
ゴール期待値は僅か0.02差に収まる大接戦で、ホームチームとしては10人の相手に僅かxG0.13しか加算できなかった80分以降の拙攻を悔やんでいる事だろう。ボックス内からのシュート数はユナイテッドに分があるので、アウェイチームとしても本当にあそこでファウルを犯してまで止める必要があったのか、マグワイアには深く反省してもらいたいが。
Bournemouth 2 : 2 Man Utd
— markstats bot (@markstatsbot) March 20, 2026
▪ xG: 1.69 - 1.8
▪ xThreat: 1.36 - 1.25
▪ Possession: 55.2% - 44.8%
▪ Field Tilt: 57.6% - 42.4%
▪ Def Action Height: 49.0 - 42.1
Donations https://t.co/nlgfzDqYhs pic.twitter.com/KWrd9DHrmW
PASSING NETWORKでも左サイドからのビルドアップに苦労した形跡が現れており、右サイドと比べると明らかに線の数が少なく距離感も空いている。ボーンマスの方を見るとセネシ、スコットの2人がポゼッションのキーマンである事が分かる。この2人はポジション的な希少性を含めて夏のマーケットで他クラブからの関心を集めるのではないかと思う。
特にセネシは今夏フリーになる事、そしてDeep-Deep-Lying Playmakerとでも表現すればいいのか、CBながら長短のパス、そしてキックの種類を使い分けて決定的な貢献が出来るので争奪戦になる予感。
🇦🇷 Marcos Senesi vs Top 5 League Centre-backs
— DataMB (@DataMB_) March 21, 2026
◉ Interceptions – 1st
◉ Shots blocked – 1st
◉ Possessions won – 1st
◉ Forward passes – 1st
◉ Long passes completed – 1st
◉ Progressive passes completed – 1st
◉ Through passes completed – 1st
◉ Progressive actions – 1st
◉… pic.twitter.com/NMUv3dUQP0
あとがき

インターナショナルウィークを挟むので次の試合までは20日ほど間が空きます。ただ、この試合の先発メンバーで言えばショー,ヨロ,エンベウモ以外は代表戦が待っているのでむしろ疲労を溜めて帰ってくると考えた方がいい。なので、キーマンは名を挙げた3名+同じく代表戦の無いシェシュコ、そして復帰への道筋が見えてきたドルグになるでしょう。




































































