いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #FPL 24/25 】GW13 赤を信じた者たちが見返りを得る

アマドとサカの2人で40Pts稼ぎ私自身の今季最高得点を更新。とにかくがキーワードになったGameweekでした。

 

Gameweek12はこちら


【FPL 24/25】GW12 絶不調のMan Cityをどう解釈する

 

 

 

スカッド

 

キャプテンのアマドが11×2=22Ptsで素晴らしい結果を残し、サカは3ゴールに関与する活躍で18Ptsと左利きアタッカーの活躍が目覚ましかったGW13。マズラウィがあと5分程度出場していれば文句なしだったが、それでも80Ptsは自チームの今季最高ポイントなので概ね満足している。

 

 

クラブ

(スタメン)
マンチェスター・ユナイテッド:ダロト、マズラウィ、アマド
アーセナル:サカ、ウーデゴール
フォレスト:セルス、アイナ
ブライトン:ウェルベック
ブレントフォード:エンベウモ
ニューカッスル:ゴードン
ウルブス:クーニャ

(リザーブ)
ディーン・ヘンダーソン、ソランケ、マイケル・キーン、リコ・ルイス

 

IN:マテウス・クーニャ
OUT:ジェイミー・ヴァーディ

 

ハーランド貯金の必要性が無くなったと判断した為かなり資金的余裕が生まれ、ヴァーディに代えて好調のクーニャを補強。なるべくクラブをばらけさせたいので今後の補強戦略との兼ね合いでソランケも放出候補に。

 

対戦カード

 

 

Amadしか勝たん!期待通りポイントを加算していく新世代の主役候補

 

もう何度も取り上げているかもしれませんがアマド・ディアロの勢いを留まる事を知らず、ルベン・アモリム体制での公式戦3試合目となったオールド・トラッフォードでのエバートン戦では前線守備から得点に直結するボール奪取を複数回記録し、自身も2アシストでチームの快勝に大きく貢献。

 

シーズン序盤にプチブレイクをした後、一時は出場機会に恵まれない期間を過ごしたが直近のリーグ戦3試合ではフル出場を継続中で、この間4アシストとマン・ユナイテッド最大のチャンスクリエイターとして猛威を振るっている。

 

FPL目線でもレスター戦以降6→8→11と1節辺りのポイントを伸ばし続けており、絶好調の状態で迎えるアーセナルとのBIG6直接対決で更に上積みするようなことがあれば、いよいよ押しも押されもせぬ世界的なスターへの仲間入りを果たすに違いない。

 

そんなアマドの前に立ち塞がるのはウエストハム相手に1ゴール3アシストで計18Ptsと出色の結果を残したブカヨ・サカ。こちらもフォレスト戦から2試合続けて二桁ポイントと上り調子なので、2クラブの対戦結果を占う上でこの左利きウインガー2名のプレー内容は非常に重要な要素になるだろう。

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勝ち点差6に11クラブ、混迷のCL圏争い

参照:premierleague.com

 

13試合消化時点で首位リバプールは2位アーセナルに勝ち点差9とタイトルレースは早くも一強状態になっている一方、チャンピオンズリーグ出場権を巡る争いは混迷を極めており、勝ち点差6までに11クラブが名を連ねる大混戦。

 

特にマン・シティがまさかの4連敗でとうとう5位まで転落した事もあって、ロベルト・デ・ゼルビが退任してトップフライトでの指揮経験のないファビアン・ヒュルツェラー率いる新生ブライトンが4位につけるサプライズ。

 

ユナイテッドvsアーセナルの他に、シティvsフォレストの5位6位直接対決や11クラブ中唯一得失点マイナスのアストン・ヴィラと直近3戦2勝1分けと復調しつつあるブレントフォードの対戦などもGW14の注目カード。

 

今節はユナイテッド,アーセナル,リバプール,フォレスト,ボーンマスと兎にも角にも赤色をチームカラーとするクラブが軒並み勝利を挙げてFPL的にも良い結果を残したが、果たしてこれが継続するのか、はたまた青を筆頭に他の色が巻き返しとなるのか、カラーで分ける主導権争いも1つの見どころになりそうだ。

 

 

あとがき

 

溜めてきたFree Tranferをここで使って2枚替えを敢行。選手交代のタイミングが早いアモリムのユナイテッドではDFのクリーンシートボーナスの目途が立ちづらい為に泣く泣くマズラウィ放出という決断に至る。

 

 

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FPL-記事一覧

 

 

【 #MUNEVE 】ホームで4得点の快勝!! Amad燦々と

※24/25 イングリッシュプレミアリーグ

マンチェスター・ユナイテッドvsエバートン戦の記事です。

 

燦々と光り輝くアマドに攻撃でも守備でも魅了させられた90分。怪我から戻ってきた選手を実戦で始動させながら勝利している事も後々にいい影響を与えるのではないか。

 

 

 

 

【Match Review】

Starting lineup

ベンチ入りマンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 5 Maguire, 7 Mount, 9 Højlund, 12 Malacia, 17 Garnacho, 21 Antony, 23 Shaw, 25 Ugarte

エバートン
2 N.Patterson, 8 O.Mangala, 9 Calvert-Lewin, 11 J.Harrison, 12 Virgínia, 15 J.O'Brien, 23 Coleman, 31 Begović, 45 H.Armstrong

 

メイヌーが先発出場でカゼミロとデュオを組む中盤。機動力にやや不安を覚えるがアモリムは実戦をこなす中で最適解を見つけたいのだと思われる。

 

前半

 

なかなか形を見出せていない左サイドについてはブルーノをシャドーに持ってくるこれまでとは異なる陣容でスタート。逆に右サイドはマズラウィ-アマドのラインが信頼できるのでポジティブな意味で様々な選手を残るウイングの位置で試す事が可能で、今回はラッシュフォードがここに収まっている。

 

ダロトが大外で幅を取り、空いたスペースをブルーノが使ってバックスやCMからのパスの出口になるポジション交換を意識してビルドアップを行う事でWBがプレスのハメどころになってしまう問題にある程度歯止めを利かせられた点はこの試合の収穫。

 また、エバートンの前線プレスがフラット4-4-2ベースで片方のウイングが3CBの3枚目を埋める為に飛び出す4-3-3との併用で、そのままだと浮いているこちら側のWBへの対処に関して明確なルールが存在しなかった点も低い位置でのボールロスト減少をアシストしたかもしれない。

 

特にヤングとリンドストロム間のマークの受け渡しでゴチャつくケースが目立ち、その間にダロトが左サイド裏のスペースを突くランでリチャやマズラウィからのロングパスを引き出すというのが前半序盤はよく決まっていた。

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逆にまだテコ入れ出来ていない部分についてはデ・リフトが相手に読まれている状態で安易にリチャorマズラウィへの横パスを出してしまいがちな点が代表例で、3CBの中央は相手のプレスを誘って陣形を崩させやすいポジションである為、ここでタメを作って少しでもその後の組み立てを楽にするような気配りとそれを可能にするボールの晒し方や姿勢の作り方を意識してもらいたい。

 

もう1つは過負荷になりがちなセントラルMFについて、カゼミロと復帰したばかりのメイヌーの組み合わせではどうしてもトランジション局面において手が回らない場面が出やすく、どの2枚にするにしても片方にはウガルテか彼並みのカバー範囲を有する汗かき屋タイプが必要不可欠という事を改めて認識させられた。特に21分のベトのビッグチャンスが典型的なシーン。

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アモリム体制では前政権よりもDFラインの背後を陥れる意識が高いが、ライン際ギリギリから走るのではなくある程度距離を確保してスピードに乗るまでの時間を作る事でオフサイドにかからず裏抜け出来ており、特に無意識でも助走が取れるWBの選手(ダロト,アマド)は理想的なオフボールが実現しやすい。先述のようにエバートンウイングバックに誰が付くか迷いながら守備している事もあって効果はてきめん。

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33分、5-2のブロックでエバートンの攻撃を凌ぎ、左寄りで前線に残っていたラッシュフォードへカゼミロからパスが入るとそのままスピードに乗ってCKを獲得。そのコーナーでブルーノはカーブではなくストレートキックを選び、ペナルティボックスに入るか入らないかという場所で1人そのボールを待っていた背番号10はハーフバウンドで完璧にお膳立てに応えると、ターコウスキの股を通過したボールはそのままゴールネットに吸い込まれる直前でブランスウェイトのつま先に当たり得点となった。

 仮にブランスウェイトの足に当たっていなくても得点になっていたと思う。オウンゴール判定ではなかった事から、恐らく審判団もそう判断しているはず。

 

41分、選手間の距離が遠いエバートンのビルドアップに対して、ピックフォードから後ろ向きのドゥクレへの縦パスにアマドが猛烈なプレスをかけてバックパスを強制させると、ミコレンコの位置取りが高過ぎる事もあって逃げ道を失い一瞬フリーズしたブランスウェイトに2度追いでプレッシャーを与えボール奪取。そこからはショートカウンターでブルーノ→ジルクゼーにプレゼントボールが渡りユナイテッドに追加点!!

 

ブランスウェイト-ミコレンコ間のコミュケーションエラーはこの後も改善されておらず、エバートンは個々のアドリブがハマった瞬間しかチームになっていないような、バラバラ感を随所に匂わせてユナイテッドに2点を先行されて前半終了。ホームチームにとってはかなり運が良かった。

 

後半

 

エバートンボールで始まった後半、バックパスからピックフォードのロングキックで陣地獲得を狙ったアウェイチームだが赤い悪魔は競り合いに勝ってカウンター始動。

 

ジルクゼーが全く力感のないボールタッチから、身体の向きで相手を騙しながら右サイドのスペースに見事なスルーパスを送る。スピードに乗ったアマドはアタッキングサードに入ったところで減速しながらラッシュフォードのオフボールを待ち、完璧な息の呼吸でお膳立てのパスを届けると最後は背番号10がGKの股下を抜いてこの日2ゴール目!!

 

何といってもジルクゼーのパスがclassだったが、大前提としてロングボールを遠くにクリア出来た事がカウンターのキッカケなのでカゼミロにも賛辞を送りたい。また、ブルーノとラッシュフォードの両シャドーがしっかりとゴール前に顔を出して最低でも数的同数を確保出来ていた点も良い。

 

3点リードで安全圏に持ち込んだユナイテッドだが、その後の試合運びには後悔の残る部分もある。それは49分~51分の間にメイヌー,リチャが相次いでイエローカードを貰ってしまった点で、いずれも不用意なプレーであったり無理にファウルで止める必要のない場面であり、両者累積5枚目の警告だった為にミッドウィークのアーセナル戦ではこの2名を欠いて戦わなければいけなくなってしまった。

 

63分、ユナイテッド陣内でエバートンが得たFKからの一連の攻撃を凌ぐと、右サイドでボールをコントロールしたアマドがタッチライン際に逃げながらタイミングを計って縦突破を試みる。これはミコレンコの身体が先に入って凌がれたものの、近くにいたラッシュフォードがプレッシャーをかけて相手に余裕なきバックパスを強要させる。

 

すると、背番号10に連動する形でプレッシングを続けていたアマドはブランスウェイトに届く前にボールを奪い、無人の右サイドをそのまま切り裂き敵陣ゴール前で最後の壁として待っていたヤングを利き足ではない右足でのパスで無力化してジルクゼーにプレゼントボールを送りダメ押しの4点目をアシストした。

 

並みの選手ならば左足で正直にパスを出すか強引にシュートを狙って難しい状況に持っていってしまう所をパス前の1タッチでリズムを変化させて右足で横パスを出す事でより簡単なフィニッシュを作り出す知性とテクニック、やはりこの男こそ赤い悪魔の再興の鍵を握るキーマンに違いない。

 

また、ジルクゼーのシュートもほとんど身体を開かずミートの瞬間だけ脱力しながらしっかりとボールを抑えて強いグラウンダーショットを決める流石の柔軟性で、特に前半にゴールを決めてからは自信を取り戻したのか、フィニッシュのみならずビルドアップでもポストプレーから多くのチャンスの起点に。

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4点の余裕があるユナイテッドはミッドウィークの試合を見据えてブルーノを下げ、66分の段階で4枚の交代枠を消費するアモリムの積極的な交代策はここでも健在。50分台の交代からリチャは右CBへ入っており、マズラウィ不在時のこのポジションもまだ空白という事を示唆している。

 

84分のエバートンのチャンスではクロスボールに対するショーとマグワイアの対応に不安を募らせざるを得なかったがオナナのスーパーセーブで失点は回避。終盤はウガルテ-マウントの恐らく現スカッドで一番機動力の高いCMデュオを試しながら攻めの手を緩めず、アディショナルタイムには僅差ならばPKを与えられていたであろうアマドの決定的なテイクオンを挟むなど最後まで相手ゴールに迫り続けて試合を終えた。

 

 

データ

 

Standard

 

6割のポゼッションかつ相手のシュートを一桁に抑えられているので試合をコントロール出来ていた試合と言える。パス成功率もボデ/グリムト戦に続き90%に到達し、こちらのシュートがやや少ないこと以外はスタッツ上からの問題点は見当たらない。

 

ただ、イエローカード2枚は試合内容の方で触れたように3点差がついてから立て続けに食らうという勿体なさすぎる内訳であり、なおかつ2人とも次節出場停止になってしまった為この部分は大いに反省して欲しい。

 

xG

 

参照:

Manchester United 4 - 0 Everton (December 01 2024) | EPL | 2024/2025 | xG | Understat.com

 

ゴール期待値はマンチェスター・ユナイテッド1.76、エバートン0.77で実際のスコアよりは差が小さい。これは単純に得点機会の数自体が両チーム合わせても19回とやや少なめだった点が影響しているが、そんな中でユナイテッドはビッグチャンス3回を全てゴールに結びつけられており、これが見ていてストレスを感じなかった理由の1つ。

 

欲を言えばゴールエリア内でもシュートシーンを作りたかったが、基本的にカウンターからのチャンスが多かったのでそうなる前に決定機を迎える事が多かった。

 

 PASSING NETWORKはフィールドプレイヤーの中でダロトが一番低い位置にいる少々歪な結果が出ているが、ビルドアップでダロトが高い位置を取ってブルーノにスペースを作る際に、ほとんど彼にボールが入らなかった事も影響しているかもしれない。全体的に中央の線が薄目であるものの、エバートンがWBへのマーク管理で後手後手だったので外回しでも問題が起きにくい構造だった。

 

ただ、xTやField Tiltを参照するとほとんど差がない状態なので見た目ほどユナイテッドが試合を支配していた訳ではないという事は留意する必要がある。

 

あとがき

 

アモリムの交代策は疲労を特定の選手に集中させないように管理されている印象があり、固定の11人を好んだテン・ハフとは180度違う考えで運用されているように見える。ボデ/グリムト戦ではホイルンドが、今回はジルクゼーが2ゴールとストライカーの得点が盛んになっている点も非常に好ましい。

 

 

【 #MUNBOD 】解を見つけるまでに時間を要しそうな左WB

※24/25 UEFAヨーロッパリーグ

マンチェスター・ユナイテッドvsFKボデ/グリムト戦の記事です。

 

失点の内容は個人のエラーが大きな割合を占めているとはいえ、7割のボールポゼッションを記録したようなゲームで2失点は少々不安になる結果でもある。

 

 

 

 

【Match Review】

Starting lineup

ベンチ入りマンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 10 Rashford, 11 Zirkzee, 14 Eriksen, 16 Amad, 18 Casemiro, 20 Dalot, 22 Heaton, 23 Shaw, 37 Mainoo

ボデ/グリムト
1 J.F.Lund, 2 V.Nielsen, 8 Auklend, 9 Høgh, 11 Espejord, 14 Saltnes, 18 B.Moe, 20 Sjøvold, 25 Määttä, 27 Sörli, 30 A.Sørensen, 94 A.Mikkelsen

 

 

前半

 

開始から40秒、ボデ/グリムトのバックラインでのパス交換の中で、CBグンダルセンからGKハイキンへのバックパスに狙いをつけていたホイルンドは短くなったパスを追いかけ、ハイキンの選択肢を奪うプレッシングでもみ合いになりながらもボールを突っつき、これをガルナチョが沈めてユナイテッドは2試合連続で電光石火の先制弾を記録した。

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ユナイテッドは3-4-3継続で左CBにリチャ、前回RWだったブルーノがCMに一列降りるなど調整を加えながら最適解を探している最中。今回は対戦チームの前線プレスが抑え目でCFが中盤に吸収される4-1-5のミドル/ローブロックだったためにビルドアップ負荷が低く、特にプレッシャーから解放されたデ・リフトは伸び伸びとパスコースを探しながらボールを前進させる事が出来た。

 

なお、1年超の離脱を経て久々に戦列に復帰したマラシアはまだまだトップフォームから程遠く、ボールプレーの質もスプリント勝負になった際のアジリティも全てにおいて不足しており、使い続けながら戻していくのか、それとも一時的にアンダー世代に合流させて試合勘を取り戻させていくのか、個人的には後者が望ましいと考える。

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ユナイテッドの守備で気になった点の1つはリチャ,マズラウィのワイドCBがタッチライン付近に釣り出された後の全体の横スライドが遅い事。この状況ではボールに関与していない方のWBが下がる事で実質4バック化するが、デ・リフトがボールサイドのハーフレーンを埋めきれておらず、これに続く選手たちもそのまま本来居て欲しい場所よりも外に位置取りする事になる為に簡単にボックス内まで運ばれてしまうケースが目立っている。

 

先制したホームチームだったが、正に懸念材料がそのまま失点に直結してしまったのが19分のこと。相手のロングフィードに対しマラシアが優位性のある位置取りをしていながらボールコントロールし切れず、マイボールに出来ないままクリアボールをボデ/グリムトに拾われてカウンターを食らうと、マラシアはリチャが迎撃した後のスペースを埋めておらず中央にパスを通され、最後はタイミングをずらして上がる事でペナルティアーク近辺でフリーになっていたエヴイェンが狙いすましたコントロールショットを沈めて試合は振り出しに。

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完全に相手のLBがウィークポイントだと気が付いたグリムトは右サイドにボールを集中させるようになり、23分にはRBウェンバンゴモからのパスをパトリック・ベルグがダイレクトで右前方へ飛ばし、マラシアとの走力勝負に勝ったツィンカーナーゲルがそのままボックス内を陥れて右足の精密な一撃で逆転弾を奪った。

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リードを奪われたものの、マズラウィ、リチャがボールを持って相手のプレッシャーを誘いながら陣形に綻びを入れ、低い位置で安易にWBにパスを入れずなるべくピッチ中央でボールを繋いでいく事で押し込んだポゼッションになる時間を増やしていくユナイテッド。ただ、ミドルサードからアタッキングサードへ侵入していく際の入り口はどうしてもWBになる為、なかなかその後の打開が出来ずもどかしい展開が続く。

 

更に、バックラインでボール保持している際にデ・リフトが焦ってパスをする傾向が強く、ここで相手のプレスを1~2枚誘引してからリリース出来ていれば遥かに状況のいいポゼッションだったという場面が多い為、これも今後に向けて修正が必要な箇所。

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45分、相手の安易な横パスをウガルテがインターセプトして敵陣深くでボールを奪い返したユナイテッド。ウガルテからのラストパスは通らなかったものの、クリアボールをマズラウィが回収し、そのまま相手の複数枚のプレスを見事な足技で交わしていくと、ボックス手前からゴール前への狙いすましたアウトスイングクロスにホイルンドが呼応し、素早い2タッチボレーで相手GKのタイミングを外して前半のうちに同点に追いついた!!

 

周りが彼をデコイにしたがる事もあって、機会そのものが少なすぎるだけでスコアラーとしてのスタッツは常に水準を越えているホイルンド。点取り屋らしい相手DF間を突くポジショニング→狭い空間で即座にシュート体勢へ持っていく身のこなしを見せて「我こそが赤い悪魔のエースストライカー」と高らかに宣言するかのような得点だった。

 

後半

 

折り返しの45分は明らかに試運転だったマラシアに代えてダロトが左ウイングバックへ入ってスタート。外に張りたがるガルナチョに合わせてダロトは中盤に入っていくので、前半とは左サイドの役割が大きく変化している。

 

48分にはウェンバンゴモの背後を取ったガルナチョにリチャから完璧なロブパスが供給され、折り返しにマウントが合わせるもシュートはクロスバー直撃で得点ならず。マウントのシャドー起用自体は非常に効果的に見えた為、今後も継続して欲しいところだ。

 

50分、相手陣内で押し込みながらボールを繋ぐユナイテッドは右サイドを起点にボックス内への侵入を試み、アントニーがタメを作ってウガルテへ戻すと、マズラウィ→マウントを経由してレイオフの動きでフリーになった背番号25がポケットを奪う。ウガルテはGKとDFの間に鋭いグラウンダーを通し、これにホイルンドが合わせてホームチームが再びリードを奪い返す!!

 

勝ち越したユナイテッドは70分までに全てのカードを使い切る積極的な交代策出選手を入れ替え、その中にはダロト,マズラウィ酷使の一因にもなっていたショーも含まれている。

 

ダロトは今回もやや不安定なプレーぶりが目立ち、味方のチャンスクリエイトと同じ数だけ相手のチャンスになるエラーをするような状況なので、結局のところアモリム体制の2試合で左WBについては適任が見つかっていない。一方でCBにプレッシャーのかからない今回の試合によくフィットしていたのはデ・リフトに代わって出場したカゼミロ。相対的に中央での縦パスや対角線のフィードで安易な横パス以外の選択肢が増えた為、アタッキングサードまで安定してボールを運べるようになった。

 

が、試合の閉め方を忘れたままのユナイテッドは相変わらず終盤にピンチが多く、時間を使えばいい所でも急いで攻撃して逆に相手のカウンターを招く見慣れた光景+低い位置で開き過ぎてプレスの網に自ら引っかかっていくショーのポジショニング問題等で最後までヒヤヒヤさせられる中、何とかホイルンドの勝ち越し弾を守り切って勝利。ヨーロッパリーグの順位表でも12/36、上位3分の1まで上昇している。

 

 

データ

 

Standard

 

ポゼッションが7割を超えたユナイテッドのシュート数は20本。うちオンターゲット6つというのは少々数が足りていないようにも思え、本音を言えばこれが10本を越えるようなフィニッシュワークのパターンの多さと質を求めたいところ。

 

アモリム体制になってからは基本的に5-2の7枚が守備時に前向きでボールホルダーにアプローチできているため、レイトタックルが減少する事でファウルやイエローカードの数を前体制よりも少なく留められている印象。ただ、プレミアリーグでの戦いを考えれば前線3枚、特に両ウイングの守備貢献が不足しているようにも見えるため、欧州コンペティション仕様とリーグ戦仕様で戦い方を組み替えていく必要に迫られそうだ。

 

 

xG

 

 

markstats算出のゴール期待値はマン・ユナイテッド2.47、ボデ/グリムト0.67でホームチームがおよそ2点分のリード。アタッキングサードでの総タッチ数に対しての各チームのタッチ数を意味するField Tiltで83:17という一方的なスコアが出ている事からも分かるように基本的にはユナイテッドが攻勢を続けた試合だったが、残り15分に限るとxTの伸びが同程度なのでこの点からも試合の閉じ方が下手くそである点が垣間見える。

 

PASSING NETWORKはデ・リフト以外のフィールドプレイヤーが全て相手陣内にマッピングされている特異な内容となっているが、それほど押し込めていた状況にも関わらずデ・リフトから前進する線が存在しない事については試合内容の方で触れた課題点そのままという形。

 

 

あとがき

 

ホイルンドが全ゴールに絡む活躍で一気にファーストチョイスへ躍り出た点については嬉しく思うが、一方でウイングバックへの対応に苦しむダロトのように新たに出てきたいくつかの課題もある。

 

エバートンとのホームゲームは10年以上負けの無い相性の良いカードだが、壮絶な乱打戦になる事も少なくないので油断は禁物。

 

 

 

【 #FPL 24/25 】GW12 絶不調のMan Cityをどう解釈する

 

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【FPL 24/25】早くもLIVの独走態勢か

 

 

 

 

スカッド

 

キャプテン指定のアマドが8×2=16Ptsとまずまず優秀な結果を残し、他にはサカも1ゴール2アシストの活躍で13Ptsと復調をアピール。ただ、放出したマディソンがマン・シティ相手に2ゴールで大きくポイントを加算しているので後悔も残っている……

 

 

クラブ

(スタメン)
マンチェスター・ユナイテッド:ダロト、マズラウィ、アマド
アーセナル:サカ、ウーデゴール
マンチェスター・シティ:リコ・ルイス
ブライトン:ウェルベック
トッテナム:ソランケ
ニューカッスル:ゴードン
ブレントフォード:エンベウモ
クリスタル・パレス:ディーン・ヘンダーソン

(リザーブ)
セルス、ヴァーディ、マイケル・キーン、アイナ

 

IN:マルティン・ウーデゴール
OUT:ジェームズ・マディソン

 

ウーデゴールもサカの得点をアシストしてクリーンシートボーナス込みの6Ptsと十分貢献してくれたのだが、後述する衝撃的な試合結果もあって放出したマディソンが圧巻の活躍だった為に正直悔しい。

 

対戦カード

レスターvsチェルシー
 ↪1-2 チェルシー勝利

アーセナルvsフォレスト
 ↪3-0 アーセナル勝利

アストン・ヴィラvsクリスタル・パレス
 ↪2-2 ドロー

ボーンマスvsブライトン
 ↪1-2 ブライトン勝利

エバートンvsブレントフォード
 ↪0-0 ドロー

フラムvsウルブス
 ↪1-4 ウルブス勝利

マンチェスター・シティvsトッテナム
 ↪0-4 トッテナム勝利

サウサンプトンvsリバプール
 ↪2-3 リバプール勝利

イプスウィッチvsマンチェスター・ユナイテッド
 ↪1-1 ドロー

ニューカッスルvsウエストハム
 ↪0-2 ウエストハム勝利

 

深刻なMan City

 

WWLLL

これは直近のプレミアリーグ5試合のマン・シティの戦績ですが、23/24シーズンでは年間を通して3敗だった前年度王者がここまで一気に崩れる事を一体誰が想像できたのでしょうか。

 

エティハド・スタジアムにトッテナムを迎えた行われたプレミアリーグ第12節では、試合を通してイージーなエラーが多く何度もスパーズのカウンターを自ら招いた結果マディソンの2ゴールを含む大量4失点で惨敗を喫している。

 

 

ロドリがACL損傷で今季絶望の怪我を負ってから、最初のうちは勝ち星を積み上げていたものの、やはりピッチ全体をコントロールしながら攻守でチームメイトに的確な指示を飛ばし、中盤からDFラインへ飛び出してくる相手へのケアも抜群だった彼が抜けた事で、2列目からの飛び出しへのチームとしての対応力が低下している感は否めない。

 

また、明らかにトランジション強度も落ちている為、ペップ・グアルディオラへの求心力自体も低下している可能性がある。あれほどの選手層を誇るクラブでさえ替えが効かない中心選手がいるという事を改めて認識させられる。

 

カップ戦を含めれば10月26日のセインツ戦以降6試合続けて勝利から見放されており、丁度今週ミッドウィークに行われたフェイエノールトとのチャンピオンズリーグでも3-3のドローと未だ復調の兆しは見えず。果たしてこの負のスパイラルはいつまで続くのだろうか。

 

Total ScoreはもうMo Salahの一人勝ちになっている

 

上記画像がGW12終了時点での個人スコアだが、100の壁を越えているのはモハメド・サラーただ1人。しかも2位のパルマーに24Ptsの大差をつける独走状態であり、サラーの1Gameweek辺りのポイントは10なので彼をスカッドに加えない事は勝手にハンデを背負っているのと同じこと。私はリバプールの選手を1人もチームに入れないという勝手な縛りを設けているのでどうしようもないが、フラットにFPLをプレーしている方々は絶対に彼をスタメンに置くべきだろう。

 

また、ダークホースとして注目したいのは総合6位につけているウルブスのクーニャ。

Embed from Getty Images  

 

ここのところ4節連続で得点に関与しており、昨季の時点で既にチームを牽引する圧倒的な個人能力を示していたが今季は更にその輝きを増しており、ウルブスの総得点の半分は彼の直接的な関与(ゴールorアシスト)によってもたらされている。そして、クーニャの優秀なポイントとしては現段階でまだ£7.0Mとミドルクラスの価格帯で補強できる点。現に私もヴァーディとの入れ替えで彼をスカッドに引き入れる事を決断した。

 

 

あとがき

 

もう一枠トレードを使用するならばゴードンが放出候補ですが、今のところこれという相手が見つからないのでまだ取っておく可能性が高い。

 

 

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FPL-記事一覧

 

 

【 #IPSMUN 】目先より未来を見据えたアモリム初陣

※24/25 イングリッシュプレミアリーグ

イプスウィッチ・タウンvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

ボトム3相手に引き分けという結果だけみればとても褒められたものではないルベン・アモリムの初陣。ただ、リスクを負ってでも自らの哲学を貫こうとする彼の奮闘をしばらくは温かく見守りたいと思う。

 

 

 

 

【Match Review】

Starting lineup

ベンチ入りイプスウィッチ
2 H.Clarke, 6 Woolfenden, 10 C.Chaplin, 14 J.Taylor, 16 Al-Hamadi, 22 C.Townsend, 25 Luongo, 28 C.Walton, 47 J.Clarke

マンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 7 Mount, 9 Højlund, 11 Zirkzee, 12 Malacia, 21 Antony, 23 Shaw, 25 Ugarte, 37 Mainoo

 

公開された初トレーニングの動画に登場していた故障者リスト入りの選手のなかでは、ヨロ以外の選手がベンチに入ってほとんどの選手が起用可能な状態に。特にマウントとメイヌーの復帰が非常に心強く、更に左利きのフルバックが2名帰ってきた事でダロト、マズラウィ酷使もようやくひと段落となりそうだ。

 

前半

 

ルベン・アモリムの代名詞である3-4-3で船出となった新生ユナイテッド。

 

狭い空間で階層を作り中央に追い詰めていくイプスウィッチの4-2-2-2プレスに対し、左右のCBがオナナを扇の頂点にボックス幅を取り中央のデ・リフトがカゼミロと2センターを組む3-2の2列で網をかいくぐると、タッチライン際で出口になったアマドはその前方でノンプレッシャーになっているブルーノへボールが預け、アンダーラップで相手選手2人の間を駆け抜けてリターンを受け一気に加速。カバーに入るカユステを置き去りにすると、ダラ・オシェイの背後からニアに走りこんだラッシュフォードがプレゼントボールに応えて開始2分で赤い悪魔に先取点!!

 

相手を自陣ボックスまで引き込んで全体を押し上げさせる事で敵陣内にスペースを生み出し、ショートパスで繋ぎながらパス&ムーブやレイオフで一気にスピードを上げる疑似カウンターが見事にハマってゴールが生まれている。アモリムフットボールでカギを握るのはウイングバックという事もよく分かる流れであり、今回任されたアマド、ダロトの2人はそれだけ期待をかけられているのだろう。

 

また、ゴールシーンでニアにラッシュフォード、中央にガルナチョ、ファーにダロトがいる事からも読み取れるようにこの3バックは守備的な意図ではなくフィニッシュワークで得点に関与する人数を増やす為の戦術。5トップ化するのでファー詰め役になる両WBはここでも非常に重要な役割を担う事に。

 

新たなシステムで得をしそうな選手の1人はガルナチョ。純粋なウイングではなくリンクプレイヤーとしての需要が上がる3-4-3のアタッカーでは、ウィークポイントだった1on1での選択肢の少なさや瞬間的なボールプレーの質を問われるケースが減り、なおかつアモリム自身がWB to WBのボール移動を素早く行って相手の守備スライドを崩して攻略するというやり方を志向しているので、得意の中央へのドリブル→逆側へのミドルレンジのパスが評価されやすい。

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ただしかし、同じ評価基準を用いるとチェルシー時代に3-4-3の左ウイングとして圧巻のスタッツを残していたメイソン・マウントが万全なコンディションならば完全な上位互換となるため、現状からは1段階、いや2段階の進化が求められるのは間違いない。

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 チェルシー時代のマウント

 

先制パンチに成功したユナイテッドだったが、その後は主導権を握り切れない時間が続いていく。理由としてはイプスウィッチの前から捕まえに行く守備が整備されていたのが大きく、4バック目線での3バック対応で最も悩ましい左右のWBに誰が迎撃するかという問題をリーフ・デイヴィス、トゥアンゼベの両フルバックがチェックするとチーム全体で意思統一出来ていた為にアウェイチームとしてのここのギャップを思ったように使えずにむしろ先制後は相手の前線プレスに引っかかるか前進出来ずにバックパスに逃げざるを得ない場面の方が目立つ有り様。

 

また、広範囲に顔を出して細かいボールタッチと選択肢の多さでユナイテッドを翻弄していくオマリ・ハッチンソンは両チームのフィールドプレイヤーで最も目立っていた選手であり、この試合のクオリティだけ見ればメガクラブのスタープレイヤー並みだったのでツイてなかった。

 

 

ラッシュフォードの守備意識が一定水準を保っていたのは精々試合開始から20分程度であり、2度追いを全くしなくなって1stDFとして機能しなくなると、40分には余裕をもってロングフィードを蹴ったバージェスを起点に高い位置を取っていたリーフ・デイヴィスがアマドの背後を奪いそのままボックス内へ侵入。中途半端なポジショニングでエヴァンスがこれまた背中側にパスを通されるとゴール前でリアム・デラップに決定機到来もオナナが右手一本でこれを凌いで何とか失点を回避した。

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43分、オナナのロングフィードが相手ボールになると、またしても無関心な守備対応でラッシュフォードが機能せず前線守備を突破され、カユステがボールを運んでイプスウィッチがチャンスを得る。約束事のように中盤の脇の捕捉されにくい位置でハッチンソンがパスを受けると、その後右サイドでタメを作り再びリターンを受けた新進気鋭のアタッカーが名手オナナにもどうしようも出来ない完璧なミドルシュートを決めて試合は振り出しに。

 

まだ新システム初戦なので致し方のない点もあるが、ネガティブトランジションから撤退守備フェーズにかけて、セントラルMFの両脇をどう埋めるか、誰がこのスペースに侵入する相手をマークするかという決まりごとが曖昧であり、失点前からハッチンソンを自由にし続けていた。シュート自体はマズラウィのディフレクションがあまりにも相手にとって都合のいい結果になった点も含めてそう何度も決まる形ではなかったものの、構造的な問題を突き付けられたという点で今後これを克服できるかどうかでアモリムの評価が変動しそうだ。

 

後半

 

同点で始まった折り返しの45分はボールホルダーに対して強く当たりに行けないユナイテッドのデュエルの貧弱さをイプスウィッチが突く形となり、更にグラウンダークロスへの対応の悪さもあって失点の匂いを強く漂わせながら進んでいく。

 

逆にキーラン・マッケナ率いるホームチームは被カウンターでも各々が足を止めず最後まで追いかけ続け、ガルナチョのキャリーをカユステのハードタックルで潰した54分のシーンのように敵ながらあっぱれと称賛を送りたくなる闘志あふれるプレーが目立った。

 

アモリムは70分までに4枚の交代カードを使用しラインナップは以下のように。

 

ラッシュフォードがCFだった時よりも明確に守備強度は上がっており、ジルクゼーはフィットしきれていない要素も見受けられたがこのラインナップが1つのベースになっていくであろう事は間違いない。ここにメイヌー、ヨロのような伸び盛りのワンダーキッドやリチャ、マウントら実績と実力のある中堅が混ざり合って年末には最適解を見つけられればという所感。

 

イプスウィッチ視点で1つ気になったのはジャック・クラークがベンチスタートだった点。RWで先発したウェズ・バーンズは攻撃面でウィークポイントに見えたのでハッチンソンRW、スモディクスOM、クラークLWの方が敵目線では脅威だった。

 

試合自体は1-1のまま終了。イプスウィッチは代表戦前のスパーズ戦に続きビッグ6から勝ち点を獲得し風向きが変わってきたか。

 

データ

 

Standard

 

スタッツを見るとポゼッションこそ4:6でユナイテッドがリードしているが、シュート数で並びオンターゲットで負けているように試合をうまく運んだのはむしろイプスウィッチの方だった。

 

低い位置でリスキーなポゼッションをする割にパス成功率が88%と高めに留まった事については、あまりポジティブに捉えすぎない方が吉だと思う。

 

 

xG

 

参照:

Ipswich 1 - 1 Manchester United (November 24 2024) | EPL | 2024/2025 | xG | Understat.com

 

ゴール期待値は1.99-1.27でイプスウィッチがリード。彼らのビッグチャンスはグラウンダーの速いクロスを中心に作られており。ユナイテッドの弱みを明確についてきた。逆にアウェイチームとしては幸先良く先制したラッシュフォードのゴールが最もゴール期待値が高く、6割のポゼッションありながら積み上げたxGがたった1.30弱というのが何とも物悲しくなる。

 

 

あとがき

 

良くも悪くもこの試合だけで何かを判断するには材料不足なので、しばらく様子を見ながら哲学の浸透具合や適切なスカッドの構築といった部分を観察していきたい。

 

 

【 #FPL 24/25 】GW11 早くもLIVの独走態勢か

秋をパスして冬が始まりそうな気配をひしひしと感じる11月下旬。体調を崩しているので紅葉を満喫出来なかったのは残念ですがいよいよ前半戦の佳境を迎えるプレミアリーグをファンタジーフットボールの目線で見ていきたい。

 

Gameweek10はこちら


【FPL 24/25】GW11 最後に勝つのはAinaのか

 

 

 



スカッド

 

マン・シティ大崩れとスパーズがホームでイプスウィッチに敗戦するという2つの読み違いで全くポイントを加算できず、終わってみればアベレージから18Ptsも離される凄惨たるGameweekに。

 

 

クラブ

(スタメン)
マンチェスター・ユナイテッド:ダロト、マズラウィ、アマド
フォレスト:セルス、アイナ
トッテナム:マディソン、ソランケ
マンチェスター・シティ:リコ・ルイス
アーセナル:サカ
ブライトン:ウェルベック
ブレントフォード:エンベウモ

(リザーブ)
ディーン・ヘンダーソン、ヴァーディ、マイケル・キーン、ゴードン

 

IN:ドミニク・ソランケ
OUT:オリー・ワトキンス

 

正直にいうと交代の決定的な判断材料はなく、コストを浮かせる為の入れ替えなので、近く他との兼ね合いでまたソランケから別のFWに変える可能性も高い。

 

対戦カード

 

いよいよ新監督就任のMan United。誰がFPL的に熱いのか

 

ルベン・アモリムスポルティングCPのボスの座を降りてマンチェスター・ユナイテッドの新監督に就任。初めての公式戦はアウェイでのイプスウィッチ戦。トラクター・ボイーズの愛称でも知られるイースト・アングリア地域有数の都市に拠点をおくチームの指揮官を務めているのはユナイテッドにかつてアシスタントとして所属していたキーラン・マッケナで、第10節ではトッテナム相手に敵地で勝利しトップフライトでの初勝利を記録している。

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普遍的な考えとしては、自力に勝るマン・ユナイテッドが勝利を収めるという結論になりやすい対戦カードだが、仮にそうなるとして誰がFPLでポイントを加算していくのかという予想が1つの鍵となる。

 

まずはアモリムが3バックで行くのか4バックで行くのかという部分で、代表参加組が不在だったトレーニングでは3-4-3で戦っている事が確認できる。

 

今季のスポルティングCPを見ると全ての試合でこの形を用いており、普通に考えれば割を食いやすいのはフルバック、攻撃的MF、ウインガーの3ポジション。ダロトとマズラウィのどちらか一方はリザーブに回る可能性も十分考えられる為、両者をスカッドに入れている私としては少々頭が痛くなる問題。

 

逆に言えば競争相手が少なく需要の大きいスピードタイプのCBであるヨロは戦線復帰と共に大きく出場機会を伸ばす事が予想され、例えるならばウスマン・ディオマンデのように一気に欠かせぬレギュラーに定着する未来は十分に想像がつく。

 

そして、スタッツでは欧州トップリーグ全体でも有数のチャンスクリエイト能力を示しているアマド・ディアロが完全に独り立ちして押しも押されもせぬ絶対的なファーストチョイスに定着するならば、FPLでは現在£4.9Mとまだ安価なので昨年のコール・パルマーに続く入れておくだけで利得が生まれる優良選手になり得るかも。

 アマドは中央でも高いボールプレーの質を維持できるタイプである為、ハーフスペースでのボールレシーブが増える3-4-3のウイングに最も早く対応する素質があると個人的に考えている。

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という事で結論としては、ヨロアマドが私の考えるコスパ良の選手。

 

あとがき

冒頭に書いたとおり、しばらく身体の調子を崩していた事もあってなかなか筆が進まず、今回は1章のみとなっております。

 

トレードではマディソンを放出してウーデゴールを補強。アーセナル攻撃陣の活躍を予想してまずまずの結果が出たものの、マディソンの大暴れを見て後悔が。。。

 

そしてシティはトッテナムに大敗していて本格的にリバプール独走態勢に……

 

 

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FPL-記事一覧

 

 

【 #MUFC 】トレーニング風景から少し見えてきた新指揮官の流儀

11月中旬のインターナショナルウィークにて多くの選手が代表に招集されているなか、居残り組を中心にトレーニングを始めているルベン・アモリム新監督。

 

 

いくつかのセットアップをまとめたハイライトがクラブ公式にてアップされているが、どれを見てもそのトレーニングの真ん中に入って選手目線で指導を行っているのが特徴的であり、これは代表レベルの選手として現役時代を過ごしまだ40歳手前の若さであるというアモリム自身の強みを生かしているとも言える。

 

また、ボールレシーブ時の姿勢や身体の動かし方をメイヌーに事細かく教えている場面にも見られるように細部へのこだわりも強く、就任インタビューを見るに英語でのコミュニケーションを滞りなく行えそうなのも心強い。

 

 

さらに、ブルーノ、ダロト、カゼミロ、アントニーとクラブ内にはポルトガル語話者も多く、中でもチームキャプテンと密接に連携を取れるというのが何より安心できる要素であり、解決しなければならない課題であったブルーノのプレースタイルの転換という事柄についてもディテールを詰めやすい点は非常に頼もしく思う。

 

上記のインタビューでも繰り返しのように選手に対して明確なメッセージを発信していく事の大切を説いていて、その言葉はマンチェスター・ユナイテッドにいながら負ける事になれてはいけないという姿勢の部分と実戦の中でどのような立ち回りを監督が求めているのかという実践面の双方にかかっている。

 

 

なお、このトレーニングにて3-4-3システムを使用してミニゲームを行った事でアモリムはユナイテッドでも3バックを本格運用するのではないかと囁かれているが、個人的な感覚としてはポゼッション時のそれぞれの動き方を理解させる上でスペースの区分が分かりやすいこの形を使ったと考えている為、一時的にそうなる事はあっても最終的には3でも4でもシステムありきではなく選手の特徴に合わせて柔軟に対応するのではなかろうか。

 

インテリジェンス不足の感をひしひしと感じる場面が多々ある今のユナイテッドにとってはフットボールを体系化出来得るアモリムは需要を満たす指揮官である事は間違いなく、シーズン途中の就任という難しいプロジェクトに彼のようなどこからでもオファーが届くような新進気鋭の監督がやってきてくれた縁に感謝すると共にサー・ジム・ラトクリフ体制への信頼も高まった人事である。

 

 

【 #MUNLEI 】プレミア3試合ぶりの勝利を置き土産に。Thank You, Ruud!!

※24/25 イングリッシュプレミアリーグ

マンチェスター・ユナイテッドvsレスター・シティ戦の記事です。

 

ペナルティボックス外から2発得点が生まれたのはツキもありましたが、スコア上は3-0と完勝でインターナショナルウィークに突入。ルート・ファン・ニステルローイ暫定監督は指揮した4試合で3勝1分けと見事な結果を残し次のボスへバトンを繋ぐ。本当にありがとう!!
 またどこかで会える日を待っています。

 

 

 

 

【Match Review】

Starting lineup

ベンチ入りマンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 2 Lindelöf, 7 Mount, 11 Zirkzee, 14 Eriksen, 17 Garnacho, 21 Antony, 22 Heaton, 35 J.Evans

レスター
1 D.Ward, 4 C.Coady, 5 Okoli, 10 Mavididi, 11 El Khannouss, 17 Choudhury, 22 O.Skipp, 29 O.Édouard, 35 McAteer

 

 

前半

 

ユナイテッドはプレスラインを低めに設定しダブルピボットがどちらもCBの前に残った状態を確保しながら相手を待ち構えるファン・ニステルローイ体制での特徴でもあるミドルローのブロック守備を採用。あえて中盤と前線の間のスペースを広く取る事でロングボールを落とす空間を確保し、無理に足元で繋ごうとせずにカウンター向きの主力選手(ラッシュフォード,ブルーノ)を素直に活かそうとするのもこれまでの3試合と同様。

 

全体的な傾向としてはターンオーバーになってひっくり返されたり、或いは低い位置で無理やりショートパスを選んでボールを奪われショートカウンターを食らったりという失点に直結するエラーを回避しようという意図が強く、これはそもそもカゼミロ-ウガルテという守備的な中盤の組み合わせを見ても明らかではある。守備における個人戦術の面でまだまだ課題の多いユナイテッドだが、人数が確保されていて前向きに対処できる状況ならばそう簡単にやられる事は無いという判断もあると思われる。

 

レスターは4-1-2-3をベースにハリー・ウィンクスが中盤の底で構え、ブバカリ・スマレが上下に大きく動く事で相手のプレス強度や枚数に応じてウィンクスのサポートに入るかNo.8として一列前に向かうかをその都度変えていく。右サイドのブオナノッテは内側に入ってプレーしたがる傾向にあり、その分RBのジャスティンは外で幅を取りウイング化するケースが多かった。

 

また、ミッドウィークのPAOK戦で2ゴールのアマドに対してはクリスティアンセン1人ではなく、オープンな展開ではない限りほぼ必ずアブドゥル・ファタウ、エンディディ、スキップの誰かがサポートに入って挟み込んで奪いに行ける態勢作りを意識していたが、それでも奪い切れず時間を稼がれたりボックス内に侵入されてしまうのだからアマドのボールプレーは圧倒的。

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左サイドはラッシュフォードが少し低い位置でボールを受ける代わりにマズラウィがNo.8として振る舞う事が多く、これまではDM2枚のうち一方が担っていた役目を代わりにLBが請け負う形。これによって普段は左側にプレーエリアが寄りがちなブルーノがバランスよく位置取りするようになり、なおかつウガルテ-カゼミロが中央で二重のフィルターとして残っているのでボールロスト後のカウンタープレスも決まりやすくなった。

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17分、相手CK後のこぼれ球をホイルンドが大きくクリアすると、ハイボールに目測を合わせられずバウンドさせたクリスティアンセンのまずい対応を見逃さなかったアマドがボールを掻っ攫い深い位置までボールを運んでスローインを獲得。

 そして、マズラウィのスローを受けたブルーノはそのまま左サイドに残っていたアマドにアウトサイドキックでボールを預け、前の試合で2ゴールのウインガーは縦に向かうフリをして完全に相手の虚を突いたヒールキックでリターンパスを通すと、最後はポルトガル代表MFの狙いすましたミドルショットが決まりユナイテッド先制!!

 

ファン・ニステルローイ体制では4戦4発と一気に得点感覚を取り戻してきたブルーノのシュートは勿論素晴らしいが、チャンスのキッカケを守備で作りその後のプレーでも相手の脳裏に無いプレーを作り出す閃きでアシストを記録したアマドを称えたい。彼のチャンスクリエイト能力はヨーロッパフットボール全体で見てもTOP10に入るのではないかというくらい個人的には高く買っているので、見た目の派手さも抜群なこのプレーを以って正しく評価されるようになってくれれば幸いだ。

 

リードを得たユナイテッドだが、相手左ウインガーのファタウには手を焼くシーンが多くなっていく。本来は右サイドでカットインと縦突破の2択を押し付けながら後出しでその場に合ったプレーを選ぶ事で優位性を得る逆足ウインガーだが、実質その片方を封じられた利き足サイド起用でもコンディション不良感もあったとはいえダロトを手玉に取れるくらいにクイックネスとボールスキルを兼ね添えているため非常に厄介なアタッカーである事を認識させられる。

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4-1-4-1ミドルブロックをベースにしつつ、オナナへのバックパスやDFラインでの距離感の長い横パスを合図にハイプレスをかけるレスターの守備に対して時折怪しい場面はあったが、奪われた後の相手のショートカウンターのクオリティがそれ程ではなかった点やラインを割ってスローインになるケースが多かった事もあって致命的なエラーにはならず、安定しているとは言い難いもののリードを守って時計の針を進めていくホームチーム

 両チームのショートパスに注目すると明らかにボールの減速具合が強く水しぶきも舞っているのでグラウンドの水分量は非常に多かったと思われ、グラウンダーパスでもただ転がすのではなく芝上を滑らせるようなスライス性の回転が求められていた。

 

38分、パスコースがなく苦し紛れに前線を狙ったファエスミドルパスを回収してポゼッションへ移行したユナイテッドはラッシュフォード→ブルーノへの斜めの鋭いパスでアタッキングサードへ侵入し、その後左外で幅を取っていたマズラウィにボールが渡ると、ゴール前を狙ったインスイングキックに対してホイルンドがニアで潰れ役になって相手DF2枚を釣り出し、ファー側から中央に忍び込んだブルーノがクロスに合わせて追加点。公式記録は最後にボールに触れてコースを変えたクリスティアンセンのオウンゴールとなっている。

 

今回はホイルンドがデコイになったが、オンターゲット率やシュート数に対する得点率で優秀なスタッツを残す彼をフィニッシャーにする為に周りが囮になるパターンももっと増やしていきたい。

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アディショナルタイムにはレスターのCKを防いだ後のオープンな展開から、相手のクリアが中途半端になった所を逃さずショートカウンターのチャンスを作りウィンクス,ヴェスターゴーア,ファエスを立て続けに交わしたアマドがゴール前で決定機を得るも、expected statsでリーグ屈指の指標を叩き出しているハーマンセンが意地を見せてアウェイチームは致命傷となる3失点目は許さず何とか2失点で凌ぎハーフタイムへ。

 

 

後半

 

両チーム入れ替え無しで始まった後半。ピッチコンディションの影響でコントロールが難しく足元からボールが離れる瞬間が多い展開で輝きを増していったのはその一瞬の隙を見逃さない素早いタックル・インターセプトでボール奪取を積み重ねていくウガルテ。リカバリーとキャリーに仕事を集中させるとこれ程までに圧倒的なパフォーマンスを発揮するのかと改めて実感する試合でもあり、ルベン・アモリムのチームでも恐らくこの役割で重要なパーツになる事が想像できる。

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早めに交代策に出る傾向がここまでの3試合で確認されたファン・ニステルローイはこの日も60分を前に早速2人の入れ替え。まずは足さばきに若干の違和感を感じる上にファタウとの対面で苦しい対応が続いたダロトに代えてエヴァンスを投入しリチャがLB、マズラウィがRBへそれぞれ移動。続いてラッシュフォードに代えてガルナチョを投入しフレッシュなアタッカーを置く事でカウンターから更なる追加点を狙う。

 

2点ビハインドのフォクシーズがそれほどギアを上げてこない/これなかった事もあって静かに進む後半だが、元々ゲームの閉じ方が下手なユナイテッドにとってはこれは好都合。ファタウの個による局面打開さえ防げればゴール前を脅かされる事はないという展開に。

 

80分前には疲労なのか怪我なのかは不明だがピッチに座り込んだカゼミロを下げてエリクセンを投入。先述のダロトも含め、ここで無理をさせなかった判断が後に生きてくるかもしれない。

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82分、レスターのCKとその後の2次攻撃を凌いだユナイテッドはカウンターに移行。ジルクゼー,エリクセンが相手のプレッシャーをいなした事でスペースのある状況でブルーノにボールが渡り、3,4人のディフェンダーの視線を集めたポルトガル代表MFは警戒が薄れたガルナチョにパスを送る。最高のお膳立てに対しここ最近の焦りが全面に出たプレーとは打って変わって落ち着いてテイクバックを取りシュートに及んだガルナチョのカーブショットは美しい弧を描いてゴール右上へ吸い込まれていった。

 

また、一連の流れを見ると、ジルクゼーの適性は純粋なストライカーというよりもトップ下、何なら一歩遅れてボックス内に侵入してカットバックに反応するのが得点パターンである事を踏まえると更に一列下がってDeep-Lying Playmakerなのではないかと改めて最も強みを発揮させられる使い方について考えさせられた。丁度今のチームでエリクセンが担っている役割をそのまま継承するとピッタリはまりそうな気配もする。

 

スコアはこのまま3-0でユナイテッドがインターナショナルウィーク前最後の試合を完勝。

 

4試合3勝1分けで暫定監督としての仕事を終えた後、ルベン・アモリムの新体制には残らずクラブを離れる事が試合翌日に明かされたルート・ファン・ニステルローイ。無理な部分は切り捨てて得意な形に集中させるという短期的に結果を残す上では非常に合理的な采配を執ってチームに自信を取り戻させてくれた事に心から感謝したい。

 

 

データ

 

Standard

 

シュート数が両チーム合わせても20本未満という事でそれほど得点機会の多い試合では無かった。ユナイテッドは3本のオンターゲットで3ゴールを奪っているが、オウンゴールの2点目はカウントされておらず、残り1度のチャンスもアマドがゴール前まで侵入した決定機だったが相手GKのファインセーブに阻まれている。

 

相変わらず低い枠内シュート率は気がかりであるものの、ファウルを一桁に抑えてイエローカード0で終えたのはポジティブに捉えたい。

 選手個人では1ゴール1アシストのブルーノがMOTMだが、これはスペースのある攻撃が増えたファン・ニステルローイ体制での恩恵に授かった結果とも言える。同郷のアモリムが指揮する代表戦明けのチームでどうなるかは良くも悪くも予想出来ない。

 

 

xG

参照:

Manchester United 3 - 0 Leicester (November 10 2024) | EPL | 2024/2025 | xG | Understat.com

 

ゴール期待値はホームチーム1.24に対しアウェイチーム0.42と枠内シュートの少なさがそのまま数字に反映されている。試合を通してビッグチャンスは3度で、それらはいずれも得点に結びついていないのもこの一戦を象徴している。

 

ほとんど同じゾーンから決まったブルーノ,ガルナチョのミドルシュートはそれぞれxG:0.02,xG:0.04と再現性は低いので、今後はゴール前での得点機会、出来ればゴール前を通過してファーポストやその先のポケットに落とす相手の視点の穴を突くようなフィニッシュワークを確立してもらいたい。

 

 PASSING NETWORKは引き続き縦の距離感を意図的に広げてロングボールが刺さりやすい状況を作ろうとしている事が見えてくる。マズラウィがNo.8になる結果として左サイドで細かい線が多くつながっており、右サイドはアマドの個人打開力で形を保たせるという結果に。ただ、サポートが皆無だった訳ではなく、ブルーノが水平、カゼミロが斜め後ろのバックアップに回っていたので悪い意味での孤立感は無い。

 

あとがき

 

今回の3ゴールでプレミアリーグでの得失点はようやく±0まで戻ってきた。(12G-12GA)

 

レスター視点ではエンディディやファタウを最大化出来ていないように見えたので勿体なさを感じており、仮に後者をRWにして前者がゴール前に侵入してシュートチャンスに向かう回数が増えていれば正直これほど簡単に勝てる試合では無かったかもしれない。

 

 

【 #MUNPAO 】出場機会の減っていたAmadが改めて質の高さを証明

※24/25 UEFAヨーロッパリーグ

マンチェスター・ユナイテッドvsPAOKテッサロニキ

 

 

 

 

 

【Match Review】

Starting lineup

ベンチ入りマンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 4 De Ligt, 6 L.Martínez, 7 Mount, 10 Rashford, 11 Zirkzee, 14 Eriksen, 21 Antony, 22 Heaton, 36 Wheatley, 41 Amass, 71 Fitzgerald

PAOK
5 Michailidis, 8 T.Bakayoko, 9 Chalov, 23 Sastre, 25 Thymianis, 41 Monastirlis, 47 Shoretire, 54 Balomenos, 71 B.Thomas, 77 Despodov

 

 

前半

 

ようやく念願かなってアマドが右ウイングで先発出場したホームでの欧州カップ戦。相手クラブにはショレティレもいて再会を喜ぶ気持ちと10代前半から将来を嘱望されていた素材を戦力化出来なかった事の悲しさがせめぎ合う中で試合開始。

 

 

カウンター気味に攻められている際、ダブルピボットが下がり過ぎてCBと同化してしまいかえって2列目から飛び出してくる相手へのマークがフリーになってしまうという数年前によく見られたかつての課題が再び噴出して序盤からあわやというピンチを許すなどあまりいい立ち上がりとは言えず。

 

更には中盤のフォローでバックラインの1人が前に出た際の残った選手たちのスペース管理があやふやで、リポジショニングの遅れから空いたギャップにボールを蹴られるシーンが頻繁に見られて守備の課題はまだまだ山積している事を実感する序盤の内容。

 

攻撃面ではやはり現状のウインガー陣で頭1つ抜け出ているアマドのボールプレーの質・選択肢の多さ、そして狭い空間でも自身に優位な状況を作り出す為のレシーブまでの工夫など、この選手をファーストチョイスにしない理由が存在しなかった。何故しばらくの間ベンチ生活だったのか本当に疑問が残る。

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そのアマドvs相手LBババ・ラーマン対面の質的優位を元に攻めたてた右サイドに対し、左サイドはミドルサードアタッキングサードでの攻略を逆サイドからの対角線のフィードをダロトが競り勝ってガルナチョに流すというユニット単位での戦いを取る事が多く、このような内訳もあって攻撃の中心は右。

 

なお、右サイドで恒常的に相手の注目を集められるアタッカーがいる事で最も恩恵を受けたのがカゼミロ。アマドやマズラウィがテイクオンを匂わせながらボールキープし、空白地帯になった後方にカゼミロが入ってバックパスに対しダイレクト,2タッチでボックス内に蹴り込むというパターンは試合を通して有効打となり、余裕のないボールレシーブが減ればカゼミロのキック精度は非常に高いためチームとしても個人としても強みを発揮できる環境だった。

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基本的には上述した要素が全てで、他に言及する部分があるとすればヨーロッパリーグの試合はどの程度の相手までウガルテの1アンカーでポゼッション出来るかという試験台に使われている節があり、ファン・ニステルローイは試合の中でパズルを組み替えて最適解を見つけ出そうという意思が強い指揮官である事が伺える。また、テン・ハフと比較すると選手交代の決断が早く主力組の過負荷を避けようという思いが強く、ダロトが60分過ぎに早々にピッチを離れた事がこれを証明している。

 

前半はアタッキングサードまで侵入しクロスやテイクオンでコンスタントに敵陣ボックス内にボールを運べたものの最後の決め手に欠いてゴールレスドローで折り返した。

 

後半

 

50分、左サイドでフルバックとウイングが縦幅を広く取って相手の守備ブロックを間延びさせると、ダロトからのロブパスを受け取ったガルナチョは一瞬ボールタッチが乱れながらもロストすることなく後ろに戻し、サポートに入ったブルーノのタイミングを1拍ずらしたブルーノのストレート性のクロスにアマドがプルアウェイで相手DFとの距離を確保。身体がボールから遠ざかる方向に流れる難しい体勢ながらループ性のヘディングシュートはファー側のサイドネットに落として見事先制点を奪った!!

 オフボールの質も高いのがこれまでのアマドとは一味違う部分。 

 

この試合に見られた問題で今すぐ修正してもらいたいのはダロト-エヴァンス間の距離が恒常的に広く、特にマズラウィサイドから展開されるケースでダロトの絞りが甘くゴール前にスペースが生まれてしまうケースが複数回見られた点。これはダロト自身のポジショニングエラーなのかダロトのフォローに回る意思がそれほど見られないガルナチョ含めチームとしての指示が悪かったのか定かでは無いが、いずれにしても相手のフィニッシュ精度に助けられただけで場合によっては複数失点していても不思議ではない為放置すれば大きな痛みを伴うだろう。

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一気に両チームが動いたのは65分のこと。ユナイテッドは3人、PAOKも2人の入れ替えを行いホームチームは主力の休養と復帰組の試運転の機会を同時に行った。特にエリクセンが戦列に戻ってきた事はレスター戦に向けて非常に心強い。

 

77分、エリクセンからアマドを狙ったロングフィードはババ・ラーマンにカットされたが、その後の処理にもたついている間に背後から近づいたアマドがボールを突っつき、奪った後は自らボールを運んでいって右斜めの得意ゾーンから左足をひと振り、力強いカーブショットが相手GKコタルスキの手の届かぬ場所へ吸い込まれて行って待望の追加点が生まれている。

 

クラブ公式Xには1点目とひとまとめにしたクリップが投稿されており、いずれもアマドの質で生まれたと言ってもいいゴールだった事がよく分かる。よって今回の試合が根本的な決定力不足解消には至らないという事は留意しておきたい。

 

2点のリードを得た後、コンタクトプレーで治療を挟んだアマドは大事を取って途中交代。代わりに入ったのは負傷離脱を繰り返しているマウントで、今度こそ健康なままシーズン最後まで走り切って欲しいものである。

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データ

 

Standard

 

シュート数16本に対しオンターゲット僅か4つという内容を見ても決してマンチェスター・ユナイテッドのフィニッシュワークの問題は改善されていない。今回はひとえにアマド・ディアロという一人のタレントによりもたらされた勝利であり、そんな彼を起用してこなかった数週間前までの選手選考には改めて疑問符がつく。

 

正直に言えば、今回の相手ならばポゼッションで6割越えするくらいに圧倒していて欲しいのだが、一歩間違えば負けていても不思議ではないくらい効率的にゴール前でのシュート機会を許している(8本中4本が枠内シュート)のでまだまだこのチームには改善しなければならない部分が無数にある。

 

 

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markstats算出のゴール期待値はマンチェスター・ユナイテッド1.48、PAOK0.8とロースコア決着。ファン・ニステルローイ体制ではDef Action Heightが格下の相手でも低めに出る事が多いが、これは引き込んで得意のショートカウンターに移行する機会を増やしたいという狙い合ってなのか、それともプレスラインを設定できず後手後手で何となくブロックを敷く事になっているからなのかはまだ分かりかねる。そもそも次の試合で暫定体制は終わりルベン・アモリムのもとで新たな章が始まるので深く考えてもそれ程意味がないかもしれない。

PASSING NETWORKの全体的バランスが良いのはむしろPAOK側で、ユナイテッドは中盤と前線の間のスペースが大きく開いている事を考えるとロングボールからの展開を重視しているのではないかと推測できる。ガルナチョはこういったスタイルの方が明確に得意なので恩恵を得ている選手の1人だろう。

 

 

あとがき

 

インターナショナルウィーク前の最後の試合はレスター戦なので、カラバオカップでの大勝をもう一度再現してみせて欲しい。報道によればヨロがトレーニングに復帰しメイヌーもそう遠くないうちに戦線復帰出来そうなので、2週間後にユナイテッドの逆襲が始まると信じている。

 

 

 

 

【 #FPL 24/25 】GW10 最後に勝つのはAinaのか

全体平均39と今季の推移からすると低めに落ち着いた難しい週で満足とはいかないものの及第点の立ち回りが出来たのは良かった点。

 

Gameweek9はこちら


【FPL 24/25】GW9 ただただ運に身を委ねるしかなかった



 

 

 

スカッド

 

ユナイテッド3人衆が3Pts、マン・シティのリコ・ルイスも途中出場で1Pts、そしてアーセナルのサカも2PtsとBIG6の選手たちが軒並み伸び悩んでしまったゲームウィークだったが、フォレストの快進撃でアベレージは突破。

 

クラブ

(スタメン)
マンチェスター・ユナイテッド:ダロト、マズラウィ、アマド
フォレスト:セルス、アイナ
マンチェスター・シティ:リコ・ルイス
アーセナル:サカ
アストン・ヴィラ:ワトキンス
トッテナム:マディソン
ブレントフォード:エンベウモ
レスター:ヴァーディ

(リザーブ)
ディーン・ヘンダーソン、ゴードン、マイケル・キーン、ウェルベック

 

IN:リコ・ルイス、マイケル・キーン
OUT:ウィリアム・サリバ、ヨアキム・アンデルセン

 

 

対戦カード

 

 

I wanna Aina. いぶし銀のDFへ注目が集まったGW10

 

 

 

トップフライトでは、CBでもフルバックでもディフェンダーならばどこでもそれなりの水準でこなせるポリバレントなバックアップという立場に落ち着いている感もあったオラ・アイナ。

 

いわゆるいぶし銀でコアなプレミアリーグフリークでなければ特段と興味を持つタイプではなかったチェルシーアカデミー出身の彼が2024年に入って突如としてプレーの幅や強みである対人守備を伸ばしている理由は定かでは無いが、ヌーノ・エスピリト・サント率いるフォレストの強固な守備を語る上では欠かせないキーパーソンの1人であり、GW10では遂にボックス外からの逆足ミドルという圧巻のゴラッソまで決めてその充実っぷりをアピールしている。

 

なお、そんなアイナのGW10の獲得ポイントは15Ptsに上り、これは今節の個人得点で1位のソランケに1Pts差及ばずながら全体2位という素晴らしい結果を残している。選出率はまだ10%未満だが、そう遠くないうちに二桁の壁を越えるのは間違いなく、彼のようなホットな選手をどれだけ早く、旬の間に確保できるかがFPLでは毎年明暗を分かつ大きな要素となる。

 

大物喰らいのチェリーズ

 

 

 

GW8でアーセナルを破った事に続き、GW10では前年度王者マン・シティを2-1で下したチェリーズことAFCボーンマス。いずれはフットボール界の潮流を作る名将になるのではないかとその資質を高く評価されるアンドニ・イラオラ率いるチェリーズはどちらが主導権を握っているとも言えない状態、いわゆる「カオス」の扱い方とその生み出し方が巧みであり、ポゼッション・フットボールの象徴とも言えるペップ・グアルディオラ及びその流れを色濃く汲むミケル・アルテタのチームを立て続けに破った事は決してフロックではない。

 

スパニッシュ・フットボールの中では特異点とも言えるバスクの雄、アトレティック・クラブで現役時代のほとんどを過ごしてきた事も影響しているのか、好むのは足元の技術に長けたテクニカルな選手というよりもハードなプレッシングやボディ・コンタクトを厭わないアスリート能力の高い選手で、チームの中で今もっとも勢いのあるアントニー・セメンヨを見てもそれは一目瞭然だろう。

 

正直、セメンヨについて昨季時点では意思決定に難があって明確な強みを見出しにくい選手だと軽視していたが、そんな彼が身体の幅を活かしたボールキャリー/キープとゴール前での位置取りの優位性を学習してリーグ屈指のアタッカーに成長した事を考えるとイラオラは選手育成の面でも高い能力を持っているのかもしれない。

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今後もボーンマスがビッグクラブと相対する際には他を出し抜けるチャンスなので積極的に狙っていきたい。

 

あとがき

 

イプスウィッチ戦を予定しているスパーズを重要視してワトキンスに替えソランケ投入を決断。これまでの動きによって1節あたり1トレードを守っている限りは常にFree Transfer1枠がラストエリクサーとして残っているので、インターナショナルウィーク明けに怪我人状況や出場停止などを鑑みて使おうと思う。

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