いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUFC 】22/23シーズンのチーム全体を振り返る

先日、マンチェスター・ユナイテッドの22/23シーズンの総括の手始めとして選手の評価とそれぞれにひと言ふた言所感を書きましたが、今度はチーム全体について振り返ってみたい。

 

 

 

 

【22/23 Man United】トップチームの様々な記録

 

まずはチームとして積み上げた数字について振り返っていく。

 

経験した公式戦の数:62

 

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22/23のユナイテッドはリーグ戦38試合に加えてFAカップ,カラバオカップ,ヨーロッパリーグと合計4つのコンペティションを戦い、特に国内のカップ戦ではどちらも決勝まで勝ち進むなど試合数が多くなりやすい環境に置かれていた。

 

更に、シーズン途中にワールドカップを挟むという特殊なスケジュールの影響もあって通常よりも試合間隔が詰まり気味かつ、代表選手を多く抱えるチームにとってはあまりにもタフな1年間であった事はまず間違いない。疲労蓄積による筋肉系のトラブルや、楽をしたい守備側の安易なスライディング及び回避行動が遅れる攻撃側の両方が要因になる接触時の怪我に赤い悪魔も苦しめられている。

 

そんな中でシーズンを完走したブルーノ・フェルナンデスの鉄人っぷりには頭が上がらないが、確実に肉体にはダメージが溜まっている筈なので、来季は高い水準でターンオーバーが出来るようなスカッドを構築したいところ。

 

 

獲得タイトル:カラバオカップ

 

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端的に言えば、エリック・テン・ハフのファーストシーズンはチームに16/17シーズン以来のタイトルをもたらしたという点において確実に成功の1年だったと評すことが出来るだろう。

 

決勝に至るまでの相手を振り返ると、アストン・ヴィラ→バーンリー→チャールトン→フォレストとかなり恵まれていた事は否定できないが、それでも終盤まで熾烈な順位争いを演じたニューカッスル相手に被オンターゲットを2本に抑えて完封勝利という決勝戦の内容は優勝するに値するものだったと思う。

 

また、同コンペティションではラッシュフォードが通算6ゴールで大会得点王に輝いており、アシスト数でも2位タイの2アシストと丁度彼自身が好調であった時期と重なった事もあって出場した全ての試合で得点に直接関与しチームを牽引する大活躍であった。

 

勝戦の詳細レポート

irohasesun-fm-foot.hatenablog.com

 

 

戦績(勝利/敗戦/引き分け):41勝12敗9引き分け

 

 

22/23シーズンの特徴としては勝敗がついた試合がここ数年に比べ圧倒的に多かったこと。大勝はそれほど無い一方で大敗が幾つかあり、見栄えとしてはあまり良くなかったが、リーグ戦の勝利数で言えば近10季の中で17/18に次ぐ2番目という事で勝ち点もそのモウリーニョ体制2季目の次に多く積み上げる事が出来た。

 

引き分けが少ない、というのはタイトルレースにおいて重要な指標の1つで、オーレ・グンナー・スールシャール時代はドローの数がとにかく多かった点も勝ち点が伸び悩んだ理由だと考えられる。

 

アプローチとしては失点を減らすか得点を増やすか、或いはその両方を同時に達成する必要があるが、今季に関しては全盛期ほどのショットストップ能力を有していないダビド・デヘアがゴールデングローブを受賞した事に表れているように、まず前者から改革が執り行われたと見るのが自然。人材面の変化で言えば、リサンドロ・マルティネスやカゼミロの加入が大きな効果をもたらしていて、故に先に行った選手評価の記事ではリチャを個人的なMVPとした。

 

 

得点/失点:108得点63失点

 

  • リーグ戦:58ゴール43失点(得失点差+15)、クリーンシート17試合
  • FAカップ:13ゴール6失点(得失点差+7)、クリーンシート1試合
  • カラバオカップ:16ゴール2失点(得失点差+14)、クリーンシート5試合
  • ヨーロッパリーグ:21ゴール12失点(得失点差+9)、クリーンシート5試合

 

得失点の記録をコンペティションごとに算出していくと、38試合の中で僅か15得点しかプラスを生み出せなかったプレミアリーグでの成績に物足りなさを覚えるが、一方で無失点ゲームはリーグ最多17試合という事で、全般的な守備崩壊の兆候にあったというよりも突発的な大量失点がしばしば発生したというのが数字が伸び悩んだ理由。

 

リーグで複数失点を喫したのは9試合、その戦績は7敗2分けという事で0~1失点で抑えなければ勝利出来ないというのが今シーズンのユナイテッドだった。一方、チームの得点が0~1に終わったゲームも18回存在しており、どちらに問題があったか問われればアタッカー陣を中心とするオフェンス面である事に疑いの余地なし。

 

個人得点を見るとチーム内公式戦トップスコアラーはラッシュフォードの30ゴール。これは立派な数字だが、2番手になるとブルーノの14ゴールと一気に差が開いている。更に3番手はマルシャルの9ゴールで早くも一桁得点に突入してしまうので、安定して勝利するチームへ変貌するには10ゴール以上を容易くマーク出来るような選手があと2人~3人は欲しい。

 

チーム全体の方に目を向けると、シュート数590本はリーグ4位、シュート・クリエイト・アクション(シュートに繋がった直近2つ前までのプレー)1051本でリーグ3位と単純な試行回数で言えば特別問題のある水準では無いので、来季は1つ1つの中身についてより成熟させる必要がある。

 

 

1試合最多得点:4ゴール、最多失点:7失点

 

最多ゴールはカラバオカップ3回戦のvsアストン・ヴィラ、ELラウンド16のvsベティス、PL32節延期分のvsチェルシーの3試合が4ゴールで並び最多。正直この数字には不満を覚えているが、先述したようにそもそもゴール数自体が多くないので致し方ない。

 

ベティス戦は後述するのでここでは割愛するが、1つ目のヴィランズ戦はリーグ戦で敗れた直後のリベンジマッチで、開始10分までの連続失点が致命傷になった1戦目の反省を活かす好内容。また、アレハンドロ・ガルナチョがトップリーグの相手にも通用すると証明してみせた90分でもある。

Carabao Cup】 vs Aston Villa

irohasesun-fm-foot.hatenablog.com

 

CL出場権争いの真っ只中にあったリーグ戦終盤のチェルシー戦では、若手選手を大量起用していたフランク・ランパードのチームに対してスピードのごり押しに押されるような場面もあったが、相手のフィニッシュワークでの正確性の欠如や緊急で右ウイングへ回ったサンチョがカゼミロとのコンビネーションで得た決定機等で内容以上に点差が開いていく。

 

ブルーノが自ら獲得したPKでリードを広げ、更にダメ押しのラッシュフォードのゴールが生まれた事でスコア的には完勝。この勝ち点3でユナイテッドはCL圏を確たるものとしたので印象に残る試合だったと思う。

【PL 】vs Chelsea(H)

irohasesun-fm-foot.hatenablog.com

 

 

なお、最多失点は3月初旬のアンフィールド。初歩的なポジショニングのエラーに起因する失点から始まり、緊張の糸が切れてしまったが如く相手に得点を奪われ続けてしまった見るに堪えないゲーム。ユナイテッドも狙っていたというコーディ・ガクポのポリバレント性と賢さをまざまざと見せつけられた事も未だにトラウマ。

【PL】vs Liverpool(A)

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1試合最多シュート数:34本、最少被シュート数:0本

 

この2つの記録は共にヨーロッパリーグで達成されている。

 

まずは最多シュートから見ていこう。

【EL】vs Omonia(H)

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この試合は34本のシュートを放ちながら中々得点が生まれず、後半アディショナルタイムになってマクトミネイがようやく先制点を挙げたという苛立ちの募る内容。

 

ただ、ユナイテッドの選手のシュート精度がお粗末だったというよりは相手のGKフランシス・ウゾホのセービングが神がかっていたというのが真実である。ウゾホは被オンターゲット13本に対しシュートストップ12本、fbref.com算出のPSxG:4.7に対し実際の失点数はたった1失点、俄かには信じがたい圧倒的なパフォーマンスを見せた。そんなナイジェリア代表GKはユナイテッドの熱狂的なファンである事も試合後のインタビューで明かしている。

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最初の被シュートはこちらもホーム開催のシェリフ戦。

【EL】vs Sheriff(H)

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記事タイトルにあるように、この後一気にスターダムを駆け上がっていくガルナチョのクラブでの初先発だったこの試合。CKからダロトが得点を奪ったり不振に苦しんでいたロナウドがチーム3点目を挙げるなどこの時点ではかなり希望を抱く内容だったが、まさかこの1カ月後に彼がテン・ハフとチームに対し半ば造反のような行動をとって喧嘩別れで退団する事になるとはつゆ知らず……

 

 

ベストゲームを考える

 

次に今季公式戦62試合の中から、その時に置かれていた状況や実際のゲーム内容、そして後に与えた影響などを考慮して最も良かった90分を選んでみたい。

 

結論から言えば、クラブの中期戦略にまで関わっていくかもしれないある選手の良い変化のキッカケになったという点を重視して私は現地2023年3月9日、オールド・トラッフォードで開催したベティスとのヨーロッパリーグの1戦を推す。

 

皆1人1人「最高の1試合」は存在すると思うので、新たなシーズンが始まる前にじっくりと考えてみるのも一興かと。

 

候補その①:リーグ戦第6節 vs Arsenal(H)

自陣から20回弱パスを繋いで得点に至ったアントニーのゴールは、まるでモハメド・サラーの十八番にしている形を彷彿とさせて今後の得点量産を思わせるものがあった。ただ、シーズンが進むにつれてカットイン対策が進んだ事と彼自身のシュートフォームの問題で順調とはいかず。

 

一度同点に追いつかれた後、再び勝ち越す事になるラッシュフォードのゴールではその前のブルーノのアウトサイドパスがあまりに芸術的で3桁は軽く見返した。

 

 

候補その②:リーグ戦第20節 vs Man City(H)

まだカンセロがスタメンにいて、センターバック本職でバックスを固めポゼッション時にストーンズが中盤にスライドするという22/23の完成系になる前のマン・シティ相手ではあったが、4-1-2-3の中盤逆三角形へのパスコースをとにかく消し、大外で持たれる事はある程度許容するという割り切りでライバルクラブを機能不全に追いやった。

 

この次のクリスタル・パレス戦で勝利出来ず、公式戦連勝が9でストップしてしまった点が唯一の心残りかもしれない。

 

 

候補その③:EL-プレーオフ 2nd leg vs FC Barcelona(H)

LBのバルデが実質WBとしてプレーし、左上がりの可変システムを組むバルセロナ。フリーマンとなったセルジ・ロベルトを捕まえきれず、失点はPKであったがリードをされてHTを迎えた。

 

その後、試合再開のタイミングでアントニーを投入しスピードのある選手を増やしてトランジションゲームに持ち込んだユナイテッドは天敵バルサから2ゴールを奪って逆転勝利する訳だが、ゲーム途中での修正能力と国外のメガクラブ相手に展開をひっくり返した事で得られた自信がこの試合の選出理由。

 

 

候補その④:EL-ラウンド16 1st leg vs Betis(H)

とにかく縦に早く鋭く、ハイリスクハイリターンというパスのスタイルがじっくりとボールコントロールしながら戦いたいテン・ハフの志向と相反する部分が多く、どうしたものかと思っていたブルーノ。

 

そんな彼がいきなり人が変わったかのようにポゼッションで自らテンポの緩急を調整し、寧ろチーム内でも1,2を争う程に指揮官の思想をピッチで体現し始めるようになった直接のキッカケがこの試合と考えられる。

 

その背景は、エリクセンFAカップのレディング戦で相手選手の悪質タックルにより負傷し戦線離脱を強いられた事により、ボール保持の際に中盤でバランスを取ってくれる選手がいなくなったのが1つ。そしてエリクセンの代替役として出場する選手たちは使われて良さが出るタイプばかりなので、必然的にブルーノがこれまでよりも攻守のバランスを重視したプレーを選択せざるを得ない状況だった。

 

このベティス戦ではブルーノが右CM,フレッジが左CMに配置されてそれぞれサイドの選手と3ユニットを形成しながら相手陣内に攻め込み、1点を奪われはしたものの終始自分たちの思い通りに時間を進めていくことが出来た。更に、冬加入から高い献身性でチームを支えていたヴェフホルストに待望のゴールが生まれている。

 

 

候補その⑤:リーグ戦第37節 vs Wolves(H)

上に挙げた4つに比べると最後の候補は些か地味に映るかもしれない。

 

ただ、セビージャとのEL準々決勝2ndLegに0-3で敗れてから悪化傾向にあったチーム戦績に加え、この試合の前にはブライトン,ウエストハムに連敗を喫し追いすがるリバプールとの勝ち点が接近していたという状況を考慮すると、ウルブスの枠内シュートを0に抑えてもう一度エンジンを点火したこのゲームの重要度は非常に高かった。

 

終盤戦のキーマンはリチャ,ヴァランの相次ぐ離脱をカバーし続けたリンデロフで、この試合でもキーパス3本とチームの攻撃を後方から支え、更にチャンスメイクでもマルティネス並みの貢献度で勝利を手繰り寄せている。

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