どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
16年間サポーターの声を無視し続けたグレイザーが慌てて声明を出すほどに大規模なものとなった5月2日のオールド・トラッフォードでの抗議活動。
その余波は未だクラブ、サポーターの間に色濃く残っておりこの延期分の開催に当たってもユナイテッドサポーターの抗議活動が予告されオールド・トラッフォードは厳重な警備体制が敷かれていますが、どうやら此度はスタジアム外での平和的なデモで収まっているようなので試合自体は滞りなく開催されるでしょう。
試合プレビュー
マンチェスター・ユナイテッドは若手中心で言い方は悪いですが捨て試合にしたレスター戦から中1日、オーレは勝敗を諦めきれなかったのか後半途中にラッシュフォード、カバーニ、ブルーノと主力を相次いで投入しましたが大半のレギュラーは休息する事に成功。
週末のアストンヴィラ戦からは中3日と最低限のリカバリーは可能な期間をとってこの大一番に臨む事となります。
敵地に乗り込むリバプールは前日の試合でチェルシーがアーセナルに敗れた事により自力での来季CL出場権獲得の権利が復活。
残りのリーグ4試合全勝が条件ではありますが僅かながらに可能性が出てきたのでモチベーションは高いとみています。
スタメン
マンチェスター・ユナイテッド
マグワイアを欠くCBにはレスター戦に続きエリック・バイリーを先発起用。
その試合では全くもって良いところの無かったコートジボワール代表CBですがリバプールとの負けらない試合でそのような不甲斐ないプレーは許されません。
リバプール
こちらもお馴染みの4‐3‐3。
CBはアカデミー産のプレイヤー2人で固めてくる大胆采配でファビーニョのアンカーを何より最優先した形。
最も警戒しなければいけないのは左サイドのディオゴ・ジョタ。
負傷離脱により出場試合数は伸びていないものの、今季公式戦では29試合13ゴール。90分辺り0.67点を決めており、PKでのゴールが0なのでオープンプレーではリバプール内で最もゴールをコンスタントに稼ぐ活躍。
試合内容
既に4位以上の確保が決まっており、リーグ戦のモチベーションが薄いからか或いはDFリーダーのマグワイアを欠くからかは分かりませんが兎に角プレーが浮ついているマンチェスター・ユナイテッド。
今季プレミアリーグNo.1と言っても差し支えのない活躍を続けていたルーク・ショーも隣に絶大の信頼を置くキャプテンが居ない影響もあってからしくないパスミスが目につきました。
実際にこの試合両チーム通じて最初のチャンスとなった3分のリバプールカウンター攻撃はショーのパスミスがキッカケ。
なお、このシーンではシュートブロックに入ったエリック・バイリーの手に一瞬ボールが触れているようにも見えましたが一度足に当たった後なのでハンドではありません。
ユナイテッドは5分にリバプールGKアリソンのパスミスからエディンソン・カバーニにビッグチャンスが生まれますがエル・マタドールは功を焦ったか無人のゴールへボールを流し込めずにこの決定機を逃します。
後の展開を考えるとこの千載一遇の機会を逸してしまった痛かった。
先制するもセットプレー守備崩壊で2失点
10分、ポグバのサイドチェンジからラッシュフォード→ワン=ビサカとボールが繋がり最後はブルーノがアウトにかけたシュート。
このボールがナサニエル・フィリップスに当たり軌道が変化しゴールネットを揺らしまずはマンチェスター・ユナイテッド先制。
プレミアリーグでのオープンプレーからの得点は2月14日WBA戦以来となったブルーノ。久々の流れからの一撃はライバルとの負けらない試合の貴重なファーストゴールとなっています。
しかしながら来季の欧州カップ戦出場権は既に確保し何も背負っているものがないホームチームと逆転でのCL出場権確保というクラブの将来に密接に関わるミッションが残るアウェイチームとでは気持ちの入り方がまるで違い、先制した赤い悪魔はその後リバプールに主導権を受け渡す事に。
23分にはアレクサンダー=アーノルドのアーリークロスでジョタにボックス内でチャンスが訪れるもユナイテッドの新守護神ディーン・ヘンダーソンがタイミングよく寄せてこれをブロック。
26分にはリバプールコーナーキックからのプレーでエリック・バイリーがスライディングでアフタータックルをしたという判定でPKが宣告されましたがVARの結果バイリーは直前で避けているのが分かったためこのピンチはノーファウルで試合再開。
それでもリバプールの攻撃は勢いが衰える事は無く、33分には再びコーナーに起因する攻撃でジョタがヒールフリックを決めて試合は振りだしに戻ります。
前々からユナイテッドのセットプレー守備には秩序が存在していないように感じているので来季に向けた補強の優先課題としてセットプレー専門コーチを新たに加えて欲しいと強く希望します。
更に前半ATにはFKからフィルミーノにヘディングを決められて1vs2。
またセットプレー……
この失点の直接的要因はポグバのファウルと後のFKでフィルミーノのマークに付いていたにも関わらず転倒して彼をフリーにさせた事ですが、いずれにしても選手個人の特性や長短を考慮したマーカー選びと守り方がお世辞にも出来ているとは言えない状態なのでやはり専門コーチを(ry
フレッジのエラー癖は治らないのだろうか……
1点ビハインドで折り返し同点・勝ち越しに向けて決意を新たに後半のピッチに降り立ったはずのユナイテッドでしたが47分には恒例になってしまっているビルドアップでのフレッジの軽率なエラーからルーク・ショー、ヘンダーソンにもミスが伝播しプロとして見せてはいけない最悪の失点で致命傷になる3点目を許します。
フレッジのプレー選択は守備的MFとしては余りにリスク管理出来ていないものが多く定期的にこのようなミスを犯していますがショーとヘンダーソンまでもあのような防げるエラーをしてしまった正にこの試合を象徴するような場面でした。
グリーンウッドのコンタクトプレーに成長の兆しが見え、エル・マタドールも上々のパフォーマンスを見せるストライカーよりももしかするとプレス回避が不得意なフレッジ-マクトミネイをカバーする、或いは彼らからポジションを奪えるような選手が最優先の補強ポイントなのかもしれません。
彼ら2人はいずれもボックストゥボックスの選手なので、獲得するならばネマニャ・マティッチのように1人で中央をカバーできるアンカータイプを加えたいところ。
名前が出ている中ではウエストハムのデクラン・ライス、レスターのウィルフレッド・エンディディがこれに相当するでしょう。
批判を集めることになったフレッジですが、59分にもノンプレッシャーで致命的なパスミスを犯してこれがジョタのポスト直撃シュートに繋がるなど特に後半は散々なパフォーマンスに終始し結局63分にグリーンウッドと交代でピッチを後にしています。
10番の追撃で一点差に迫るもミスからトドメの4失点目
2点のビハインドを負うユナイテッドは68分にショー→ブルーノ→ラッシュフォード→カバーニ→ラッシュフォードとピッチ中央でのダイレクトプレーでカウンターのチャンス。
DFラインの裏に出たラッシュフォードはGKの動きを見てファーサイドに優しくパスするようなシュートでゴールを奪います。
グリーンウッド投入後はポグバがフレッジの代わりにセンターラインに入った事もあり普段の左サイドへ戻ったラッシュフォード。
明らかにプレーの質が改善しリバプールキラーの名に恥じない素晴らしい得点でこれがダービーマッチ通算5ゴール目。
ユナイテッドは70分にも相手ボックス内で決定機的なシュートチャンスを作りますがグリーンウッドはこれに応えられずスコアは2vs3のまま。
前半のカバーニに続きまたしてもGK不在のゴールマウスをこじ開けられなかった赤い悪魔は90分に前掛りになっている場面で途中出場のマティッチが無茶な中央突破を試みて失敗し、カウンターからサラーにトドメの4点目を決められてゲームセット。
マティッチはベテランに差し掛かっている年齢でこのようなプレーを度々してしまうのが残念なところの1つでヘンダーソンも集中力が途切れていたのかゴールラインに張り付いて相手のシュートを待つという悪い対応を見せるなどこの日のユナイテッドは総じてミスが余りにも多かったです。
ヘンダーソンの良さは思い切りのいい飛び出しで、この試合でも2度それによって相手の得点チャンスを防いでいただけにこの4失点目は勿体なかった。
どちらにしろサラーが決めていた可能性が高いとは思いますが少なくともあの対応はベターではなく今後同じようなプレーを繰り返さないようにしてほしい。
試合は2vs4でアウェイのリバプールが勝利。
動画ハイライト
交代選手
63分 in:グリーンウッド out:フレッジ
86分 in:マティッチ out:バイリー
74分 in:C.ジョーンズ、マネ out:ワイナルドゥム、ジョタ
90+2分 in:N.ウィリアムズ out:サラー
データ
印象としてはリバプールがもっと優勢に立っているように感じていましたが以外にもシュート数は1つ差でポゼッションもユナイテッドがやや上回る結果。
勝敗を分けたのはやはりゴールに直結するミスの差で、リバプール4得点のうち3つはユナイテッドの自滅が招いたモノ。逆にアウェイチームは5分のアリソンの致命的エラーを見逃して貰えたことがこの勝利につながったのかもしれません。
GKは2人ともワーストクラスのパフォーマンスでした。
ユナイテッドはやはりリーグ戦フルタイムを続けたいたマグワイアの負傷が勝敗に大きく絡む結果となり、まさにファン・ダイクをエバートン戦で失った直後のリバプールと同じような状況下に置かれています。
彼らも数か月この問題に苦しめられてきましたがこの試合でも攻守に渡って貢献したナサニエル・フィリップスの台頭などによって3月中旬からリーグ戦7試合無敗を継続中。
ユナイテッドでもアクセル・トゥアンゼベにはこのフィリップスと同様にトップチームのCBレギュラーに収まる素質があると私は思っているので、オーレにはもっと彼を重用して欲しいと心から願っています。
また、ユルゲン・クロップ監督はこれがオールド・トラッフォードでの初勝利となり、長年の間鬼門だった同スタジアムでのゴールラッシュにより逆転での4位確保に前進。
optaの予測モデルによればこの勝利により彼らのCL権確保の可能性は試合前の45.6%から13.3ポイント上昇し58.9%。
58.9% - Our predictor model gives Liverpool a 58.9% chance of qualifying for the Champions League following their win at Man Utd last night, up from 45.6% before the midweek Premier League games. Push.
— OptaJoe (@OptaJoe) May 14, 2021
What chance do we give each team of European football in 2021-22? Find out ⬇️
ユナイテッドとしてはみすみすライバルの手助けをしてしまう最悪の結果となり、自分たちの2位は殆ど決まっていますが何とも歯がゆさが残る結果となりました。
xG
(参照:Manchester United 2 - 4 Liverpool (May 13 2021) | EPL | 2020/2021 | xG | Understat.com)
xGは1.71-2.94
両チーム合わせてボックス内から27本のシュートが飛び交う乱打戦となり、期待値もそれに応じて高いスコアが記録されています。
リバプールの得点はいずれも所謂ビッグチャンスに相当するもので、ゴール正面の近い位置からこれだけシュートを打たせてしまったユナイテッドの守備はかなり脆かったと言えるでしょう。
特にエリック・バイリーは各採点サイトでレスター戦に続きバック4で最低スコアなので、契約延長に合意したばかりですが早くもこの2023年まで続く新契約に疑問の声が上がり始めています。
同じようなケースで契約延長後に不調と負傷でほとんど戦力になっていないフィル・ジョーンズのようにはならないようにお願いします。
あとがき
マンチェスター・ユナイテッドの20‐21シーズンも残すところ残り公式戦3試合。
プレミアリーグでは37節フラム(H)、38節ウルブス(A)。そして最終戦はビジャレアルとのEL決勝戦となり、マグワイアはこの5月26日の大一番での試合復帰を目指しているらしい。
最終戦はアウェイシーズン無敗がかかっているのでメンバーを落とせないと思いますがフラム戦はレスター戦のように若い選手に出場機会を与えて欲しいですね。
丁度観客も入れるようになる予定なのでファンの声援をバックに伸び伸びとプレーしてくれたら幸い。