いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUNPAO 】出場機会の減っていたAmadが改めて質の高さを証明

※24/25 UEFAヨーロッパリーグ

マンチェスター・ユナイテッドvsPAOKテッサロニキ

 

 

 

 

 

【Match Review】

Starting lineup

ベンチ入りマンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 4 De Ligt, 6 L.Martínez, 7 Mount, 10 Rashford, 11 Zirkzee, 14 Eriksen, 21 Antony, 22 Heaton, 36 Wheatley, 41 Amass, 71 Fitzgerald

PAOK
5 Michailidis, 8 T.Bakayoko, 9 Chalov, 23 Sastre, 25 Thymianis, 41 Monastirlis, 47 Shoretire, 54 Balomenos, 71 B.Thomas, 77 Despodov

 

 

前半

 

ようやく念願かなってアマドが右ウイングで先発出場したホームでの欧州カップ戦。相手クラブにはショレティレもいて再会を喜ぶ気持ちと10代前半から将来を嘱望されていた素材を戦力化出来なかった事の悲しさがせめぎ合う中で試合開始。

 

 

カウンター気味に攻められている際、ダブルピボットが下がり過ぎてCBと同化してしまいかえって2列目から飛び出してくる相手へのマークがフリーになってしまうという数年前によく見られたかつての課題が再び噴出して序盤からあわやというピンチを許すなどあまりいい立ち上がりとは言えず。

 

更には中盤のフォローでバックラインの1人が前に出た際の残った選手たちのスペース管理があやふやで、リポジショニングの遅れから空いたギャップにボールを蹴られるシーンが頻繁に見られて守備の課題はまだまだ山積している事を実感する序盤の内容。

 

攻撃面ではやはり現状のウインガー陣で頭1つ抜け出ているアマドのボールプレーの質・選択肢の多さ、そして狭い空間でも自身に優位な状況を作り出す為のレシーブまでの工夫など、この選手をファーストチョイスにしない理由が存在しなかった。何故しばらくの間ベンチ生活だったのか本当に疑問が残る。

Embed from Getty Images  

 

そのアマドvs相手LBババ・ラーマン対面の質的優位を元に攻めたてた右サイドに対し、左サイドはミドルサードアタッキングサードでの攻略を逆サイドからの対角線のフィードをダロトが競り勝ってガルナチョに流すというユニット単位での戦いを取る事が多く、このような内訳もあって攻撃の中心は右。

 

なお、右サイドで恒常的に相手の注目を集められるアタッカーがいる事で最も恩恵を受けたのがカゼミロ。アマドやマズラウィがテイクオンを匂わせながらボールキープし、空白地帯になった後方にカゼミロが入ってバックパスに対しダイレクト,2タッチでボックス内に蹴り込むというパターンは試合を通して有効打となり、余裕のないボールレシーブが減ればカゼミロのキック精度は非常に高いためチームとしても個人としても強みを発揮できる環境だった。

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基本的には上述した要素が全てで、他に言及する部分があるとすればヨーロッパリーグの試合はどの程度の相手までウガルテの1アンカーでポゼッション出来るかという試験台に使われている節があり、ファン・ニステルローイは試合の中でパズルを組み替えて最適解を見つけ出そうという意思が強い指揮官である事が伺える。また、テン・ハフと比較すると選手交代の決断が早く主力組の過負荷を避けようという思いが強く、ダロトが60分過ぎに早々にピッチを離れた事がこれを証明している。

 

前半はアタッキングサードまで侵入しクロスやテイクオンでコンスタントに敵陣ボックス内にボールを運べたものの最後の決め手に欠いてゴールレスドローで折り返した。

 

後半

 

50分、左サイドでフルバックとウイングが縦幅を広く取って相手の守備ブロックを間延びさせると、ダロトからのロブパスを受け取ったガルナチョは一瞬ボールタッチが乱れながらもロストすることなく後ろに戻し、サポートに入ったブルーノのタイミングを1拍ずらしたブルーノのストレート性のクロスにアマドがプルアウェイで相手DFとの距離を確保。身体がボールから遠ざかる方向に流れる難しい体勢ながらループ性のヘディングシュートはファー側のサイドネットに落として見事先制点を奪った!!

 オフボールの質も高いのがこれまでのアマドとは一味違う部分。 

 

この試合に見られた問題で今すぐ修正してもらいたいのはダロト-エヴァンス間の距離が恒常的に広く、特にマズラウィサイドから展開されるケースでダロトの絞りが甘くゴール前にスペースが生まれてしまうケースが複数回見られた点。これはダロト自身のポジショニングエラーなのかダロトのフォローに回る意思がそれほど見られないガルナチョ含めチームとしての指示が悪かったのか定かでは無いが、いずれにしても相手のフィニッシュ精度に助けられただけで場合によっては複数失点していても不思議ではない為放置すれば大きな痛みを伴うだろう。

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一気に両チームが動いたのは65分のこと。ユナイテッドは3人、PAOKも2人の入れ替えを行いホームチームは主力の休養と復帰組の試運転の機会を同時に行った。特にエリクセンが戦列に戻ってきた事はレスター戦に向けて非常に心強い。

 

77分、エリクセンからアマドを狙ったロングフィードはババ・ラーマンにカットされたが、その後の処理にもたついている間に背後から近づいたアマドがボールを突っつき、奪った後は自らボールを運んでいって右斜めの得意ゾーンから左足をひと振り、力強いカーブショットが相手GKコタルスキの手の届かぬ場所へ吸い込まれて行って待望の追加点が生まれている。

 

クラブ公式Xには1点目とひとまとめにしたクリップが投稿されており、いずれもアマドの質で生まれたと言ってもいいゴールだった事がよく分かる。よって今回の試合が根本的な決定力不足解消には至らないという事は留意しておきたい。

 

2点のリードを得た後、コンタクトプレーで治療を挟んだアマドは大事を取って途中交代。代わりに入ったのは負傷離脱を繰り返しているマウントで、今度こそ健康なままシーズン最後まで走り切って欲しいものである。

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データ

 

Standard

 

シュート数16本に対しオンターゲット僅か4つという内容を見ても決してマンチェスター・ユナイテッドのフィニッシュワークの問題は改善されていない。今回はひとえにアマド・ディアロという一人のタレントによりもたらされた勝利であり、そんな彼を起用してこなかった数週間前までの選手選考には改めて疑問符がつく。

 

正直に言えば、今回の相手ならばポゼッションで6割越えするくらいに圧倒していて欲しいのだが、一歩間違えば負けていても不思議ではないくらい効率的にゴール前でのシュート機会を許している(8本中4本が枠内シュート)のでまだまだこのチームには改善しなければならない部分が無数にある。

 

 

xG

 

 

markstats算出のゴール期待値はマンチェスター・ユナイテッド1.48、PAOK0.8とロースコア決着。ファン・ニステルローイ体制ではDef Action Heightが格下の相手でも低めに出る事が多いが、これは引き込んで得意のショートカウンターに移行する機会を増やしたいという狙い合ってなのか、それともプレスラインを設定できず後手後手で何となくブロックを敷く事になっているからなのかはまだ分かりかねる。そもそも次の試合で暫定体制は終わりルベン・アモリムのもとで新たな章が始まるので深く考えてもそれ程意味がないかもしれない。

PASSING NETWORKの全体的バランスが良いのはむしろPAOK側で、ユナイテッドは中盤と前線の間のスペースが大きく開いている事を考えるとロングボールからの展開を重視しているのではないかと推測できる。ガルナチョはこういったスタイルの方が明確に得意なので恩恵を得ている選手の1人だろう。

 

 

あとがき

 

インターナショナルウィーク前の最後の試合はレスター戦なので、カラバオカップでの大勝をもう一度再現してみせて欲しい。報道によればヨロがトレーニングに復帰しメイヌーもそう遠くないうちに戦線復帰出来そうなので、2週間後にユナイテッドの逆襲が始まると信じている。