いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

怒りのダムは決壊。#MUNLIV はグレイザーへの不満が爆発したサポーターの行動により試合延期

*本来ならば日本時間5月3日0:30より予定されていたマンチェスター・ユナイテッドvsリバプールのノースウエストダービーについて記事を書く予定でしたが、急遽予定を変更して試合開始数時間前よりオールド・トラッフォードで巻き起こったグレイザーファミリーへの抗議運動、そして過熱した一部の人たちによるスタジアム内への侵入についての背景のようなものを書いていこうと思います。

f:id:irohasesun-fm-foot:20210503173339p:plain

 

 

どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。

まず初めに抑えておきたい重要な要素として、マンチェスター・ユナイテッドのオーナーであるグレイザーはLBO(レバレッジドバイアウト)という買収の手法を取り、それまで借金なしの優良クラブであった赤い悪魔に大量の負債を科し、自身は身銭を殆ど切ることなく逆に毎年の役員報酬や株式の配当などでこれまでにユナイテッドから総勢20億ポンドとされる大金を懐に収めている事からファンやサポーターからは毛嫌いされています。

Embed from Getty Images  

アヴラム・グレイザー(左)、ジョエル・グレイザー(右)

 

 

 2005年のクラブ買収以降、年月を経るほどに増大していったグレイザーへの怒りが頂点に達した出来事はご存じの通り4月中旬に突如発表されたEuropean Super Legueの設立とその早期瓦解に伴う一連のゴタゴタでしたがあれは最後の一押しに過ぎません。

ギャリー・ネビルのいう通り、自分たちは莫大な金をクラブから引き出しているにも関わらずオールド・トラッフォードの改修などには一切取り掛かる気配を見せず、雨の日には屋根から大量の水が客席に雨漏りしており、ケータリングの不備と並んでこの排水問題はスタジアムに投資をしないグレイザーの姿勢がよく現れている部分。

マンチェスターという都市そのものが悪天候の多い場所である事も押さえておきたい。

 

また、他のビッグクラブはスタジアムだけではなく周辺の土地も含めて地域一帯の再開発にも着手していますがユナイテッドのホームスタジアムオールド・トラッフォードの周りを見ると未開発の土地が数多く存在し、夢の劇場という名前に相応しいとは言えないのが現状。

www.standard.co.uk

 

 

これらの理由があるにしろ今回行った行為は犯罪であり到底許されるものでは無いというのは実際に行動に移した彼らも理解していると思いますが、その上でやはり今のファン・サポーターを蚊帳の外に置いてあらゆる物事を自らの利益のみを指針として進めていくいわば"ガン細胞"のグレイザーを見て向ぬふりをして放置する事は出来なかったというのは痛いほど理解できます。

 

もう1つの面としては純粋に自分たちももう一度フットボールの一員になって何かを感じたかったという想いもあるでしょうか。

Embed from Getty Images  

ここまではグレイザーのしてきた悪事のようなものを散々書き連ねてきましたが、かといってサポーターも聖人ではなくただの人間なので抑圧されていたものを解放したいという感情は間違いなく存在しています。

一部の過激派を除き、大半の抗議参加者はこの運動を通じて再びサポーターが集結出来た事に対してグレイザーへの不満とは全く別の、一種の喜びを覚えているように私は感じました。

この複雑な状況を解決するのに残された道は最早グレイザーファミリーのクラブ売却しかないのは間違いない。

 

Embed from Getty Images  

サー・アレックス・ファーガソン(左)、デイビッド・ギル(右)

中央で書類にサインするネマニャ・ヴィディッチは2000年代最高の補強の1人。

2006年1月6日におよそ700万ポンドの移籍金でユナイテッドに加入すると、翌シーズンからはリオ・ファーディナンドの相方に定着し当時の世界最高と名高い名コンビを結成。

 

デイビッド・ギルやサー・アレックスがクラブにいた頃はまだ経営側(グレイザーやウッドワード)とクラブ側のつり合いは取れていたと思いますが、彼らが去り経営側の人物がクラブの根幹まで進出してきたことをキッカケにその均衡は脆く崩れています。

抗がん剤は命を脅かす重大な副作用をもたらすケースも存在しますが、正にグレイザー追放はそれ相応の代償を負わなければ達成出来そうにないので、その代償として試合延期や勝ち点減点などといった大きなマイナスを背負う覚悟があるのかそうではないのかがこの問題に対しての意見の違いに繋がっているのでしょう。

 

現地のサポーターと離れている地域のサポーターとで180度反応が変わっているのもこの当事者としての意識の差がよく現れていると思います。

どちらが良い悪いといった話に持ち込まれるとオーナー側の思うつぼなので、一部の人間が警備員に怪我を負わせる等の暴力的行為に走って試合成立を妨げた事については非を認めつつ、今後も#Glazersoutには全力で取り組むというのが一番目標実現に向けて相応しい行動になるのかな。。。

 

 

参考文献

www.skysports.com

 

www.theguardian.com