どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
ミッドウィークのヨーロッパリーグはローマに3vs2で敗れましたが1戦目の大量得点が功を奏し無事決勝に進出したマンチェスター・ユナイテッド。
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次の試合はイングランドに帰国して中二日で行われるヴィラパークでのアストンヴィラ戦です。
The #PL action keeps on coming 😎 pic.twitter.com/g8QOjxE9g2
— Premier League (@premierleague) May 9, 2021
ユナイテッドのオーレ・グンナー・スールシャール監督は試合前のインタビューでこのヴィランズ戦から始める3連戦について「CL争いに参加しているクラブが3試合のユナイテッドのメンバーを見たら怒るかもしれない」と大幅なターンオーバーを示唆したのでどのようなメンバーで来るか注目が集まっています。
試合プレビュー
このマッチアップは2021年最初の試合となった元日のリーグ戦以来4カ月ぶり。
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オールド・トラッフォードで開催された前回対戦ではドウグラス・ルイスがポグバを倒してしまい、そのPKが決勝点となりユナイテッドが勝利しましたがスタッツではかなり拮抗していてどちらに転んでも不思議ではない試合でした。
アストンヴィラは前節エバートンに競り勝ち10位アーセナルより1試合消化が少ない状況で勝ち点1差とトップハーフ復帰は目前。
ジャック・グリーリッシュ負傷離脱からそれまでの勢いが減退しCL争いからは離されていますがこのブログでもしつこいぐらいに名前を出しているオリー・ワトキンスは好調なので彼やベルトラン・トラオレをいかに封じ込めるかどうかがユナイテッドの分岐点になりそうな予感。
マンチェスター・ユナイテッドは先述の通りオーレが思わず苦言を呈する程の過密日程なのでこの試合か次のレスター戦のどちらかでメンバーの大幅な変更がある事はまず間違いありません。
マグワイアのリーグフル出場記録も途切れる事になると話していて更にCL争いに言及した事を考えるとおそらくレスター戦になる可能性が高そうですが
スタメン
アストンヴィラ
グリーリッシュの不在を除けば今シーズンのベストメンバー。
その彼も次節には間に合う見込みがあるのでもう少しの辛抱
ベンチメンバーを見るとティーンの選手が何人も名を連ねており、特に60番のカーニー・チュクエメカは同世代No.1の才能とされる逸材。
夏にはマンチェスター・ユナイテッドのターゲットとしても噂になったこのワンダーキッドの出場機会はおそらくこの試合では訪れないと思いますが今の内に名前を憶えて損はない選手です。
マンチェスター・ユナイテッド
先週木曜日のローマ戦からは4人入れ替えてこちらもほぼベストメンバー。
気になるのはエル・マタドール エディンソン・カバーニの投入タイミングですが、出来るならば彼に休養を与える事が出来る完璧な試合運びをしたいですね。
試合内容
キックオフ直後から立て続けにチャンスを作ったのはアウェイのマンチェスター・ユナイテッド。
ポグバの左サイド起用も大分板についてきて開始15分までに記録されたユナイテッドのシュートはいずれも左からの攻撃で生み出されたものでした。
16分にはポグバのロングパスがラッシュフォードに通り最後はボックス内のブルーノへパスが供給されますがタイミングが合わずシュートは枠の外。
ユナイテッドの天敵がまた1人
Not the result we wanted, but Bertrand Traoré's sixth Premier League goal of the season was special. 🚀 pic.twitter.com/kJfLSAH9Kk
— Aston Villa (@AVFCOfficial) May 10, 2021
この月間最優秀ゴールにノミネートされそうな一撃が生まれたキッカケはユナイテッドのミス。
フレッジ-マクトミネイ間でのパスが乱れてマッギンにボール奪取されると、そこからドウグラス・ルイスを経由して前回対戦でもゴールを決められているベルトラン・トラオレの見事としか言いようがないドリブルとシュートから失点。
上記2名に加えリンデロフも弱々しい対応に終始しエラーが招いたゴールでしたがそれはそれとしてトラオレの技術には脱帽モノ。
彼は数多いるチェルシー青田買い選手の1人で、青いユニフォームでプレミアリーグを戦ったのは15‐16シーズンの10試合ほど。
エールディビジへのローンやフランス リーグアンの強豪リヨンへの完全移籍を経て今シーズン、5季ぶりにイングランドに戻ってきた左利きアタッカーです。
アストンヴィラでは12月からレギュラーポジションを掴むとこのゴールを含めてここまでプレミアリーグで6ゴール5アシストと11点に直接絡む活躍で右のアタッカーとして地位を確立しています。
テクニカルなプレースタイルながら守備意識も高く、インターセプトは同じポジションの他プレイヤーと比較しても非常に優秀な数値を記録(Bertrand Traoré Stats | FBref.com)
今後もユナイテッドにとっては嫌な選手の1人になりそうですね……
試合に話を戻すと、スコアが動いた後は再びユナイテッドが主導権を握る時間帯が増えますが中々決定機まで持っていく事は出来ず、ボックスの外からミドルを放つのが精いっぱい。
39分の攻撃はダイレクトプレーの連続で美しい流れでしたがラッシュフォードのシュートはGKマルティネス正面。
続く40分にはグリーンウッドが右サイドボックス内で縦に突破し右足を振りぬくも再びマルティネスに阻まれています。
前半はアストンヴィラ1点リードで折り返し。
先制されてから得た勝ち点が記録的ペースの赤い悪魔
まずは48分、ユナイテッドはカウンターからポグバがペナルティアーク付近でミドル。
51分にはワン=ビサカがドリブルでDF2人を引き寄せて時間とスペースを作るとその空いた場所に走り込むポグバへ完璧な配球。
ポグバは得意のボールキープで粘るとこれに耐えかねたドウグラス・ルイスが彼を倒してしまいPKのジャッジ。
この両者は年始の試合でも同じ関係性でルイスがPKを与えているので何か因縁めいたものを感じますね。
PKは勿論ブルーノ・フェルナンデスが何の問題もなくGKの逆をついて試合は振りだしに戻りました。
5分後には再び右サイドからのチャンス。
The lad can 𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡.
— Manchester United (@ManUtd) May 9, 2021
⚽ @MasonGreenwood
🔴 #MUFC
#️⃣ #AVLMUN pic.twitter.com/uVlAMyJ7Hi
ワン=ビサカのパスに対し背中にDFを背負った状態でボールを受けたグリーンウッドが腕を上手に使った体重移動とターンでフリーになるとGKの重心がややファーに傾いているとみた瞬間にニアサイドを撃ち抜く芸術的な得点でユナイテッドが勝ち越し。
これぞストライカーという本能で奪ったゴールでグリーンウッドは10代でのプレミアリーグ得点数に関してウェイン・ルーニーを抜きクラブ歴代トップに躍り出ています。
Mason Greenwood above them all ↗ pic.twitter.com/145smrOGSo
— B/R Football (@brfootball) May 9, 2021
顔ぶれを見ても錚々たる面子で、前例に従うならばグリーンウッドも赤い悪魔のレジェンドになる事はまず間違いなしと言えるでしょう。
エル・マタドールは途中出場からのゴール数でクラブ歴代TOPに
勝ち越し弾のグリーンウッドに代わって65分からピッチに入ったエディンソン・カバーニ。
68分にはヴィラ右サイドからのフリーキックで始まったチャンスで失点を寸前のところで阻止するクリア。
82分にはアストンヴィラも同点に追いつくビッグチャンスを得ますがワン=ビサカ決死のシュートブロックでこれを阻止
Peak @AWBissaka 🕷️#MUFC #AVLMUN pic.twitter.com/FE1cnjQ5VI
— Manchester United (@ManUtd) May 10, 2021
そして1点差で迎えた87分、ポグバのピッチ中央持ち上がりからカバーニがシュートを放ち、これはDFにブロックされますがその後もユナイテッドがボールを保持し右のラッシュフォードから供給されたクロスにエル・マタドールがヘディングシュートでゴール左隅を揺らして待望の3点目が追加されています。
Just watch @ECavaniOfficial's run 👀
— Manchester United (@ManUtd) May 10, 2021
Treat yourself to our 20-minute highlights package from #AVLMUN ⬇#MUFC
その後オリー・ワトキンスのシミュレーションが取られ、既に1枚イエローを提示されていた彼が退場するひと悶着もありましたがスコアは動かず1vs3でマンチェスター・ユナイテッドが勝利。
マグワイアの負傷
鉄人ハリー・マグワイアがピッチ上に座り込んでしまったのは76分の接触プレー。
前半にもベルトラン・トラオレとの接触で足を気にするような素振りを見せていたマグワイアですが今回はダメージが大きかったようで78分にエリック・バイリーと交代でピッチを後にしました。
この交代によりユナイテッド加入後約2シーズンに渡って継続されていたプレミアリーグフルタイム出場の記録は72試合目にしてストップしています。
元々試合前の会見でレスター戦の休養が示唆されていたタイミングであっただけにこの記録自体は問題ではありませんが、リバプールとのライバルマッチ、EL決勝と負けられない試合が残るシーズン最終盤の彼の負傷離脱の打撃はチームに重くのしかかります。
本人のTwitter投稿を信じるならばそれほど重症ではないそうですが、足首の怪我は長引く事が多いので無理はせず5月26日カップ戦決勝を復帰の目安にして欲しいと思います。
Important win ✅
— Harry Maguire (@HarryMaguire93) May 9, 2021
Hoping the injury isn’t nothing serious and I’ll be back playing soon 💪 Thanks everyone for your messages ❤️ #MUFC pic.twitter.com/Y4KQ0HJ9Xr
幸いなことに他チームの試合結果によってユナイテッドのCL出場権獲得は確定したので今後はバイリー、トゥアンゼベの試合勘を取り戻す期間にしたいところ。
動画ハイライト
交代選手
77分 in:K.デイビス out:バークリー
78分 in:ウェズレイ out:エル・ガジ
65分 in:カバーニ out:グリーンウッド
78分 in:バイリー out:マグワイア
86分 in:マティッチ out:ブルーノ
データ
シュートはおよそ2:3の推移。
枠内シュート率はアストンヴィラの方が高かったもののボックス外からのシュートも多く得点にはそれほど結びつかず。
この試合におけるユナイテッドの得点は全て右サイドから生まれたものでしたが、これはワン=ビサカのパスを出すタイミングが改善されてきた証なのかもしれません。
ヴィラの右サイド キャッシュ-トラオレの守備が固く、無意識のうちに普段よりも攻撃の重心を右に寄せていた事(特に顕著だったのはブルーノ)も一因だとは思いますがそれを差し引いても今日のワン=ビサカ-グリーンウッドはこれまでの試合でベスト候補に挙がる出来でした。
10 - Manchester United have won 10 @premierleague matches after conceding first this season, a record by a team in a single season in the competition's history. Character. pic.twitter.com/e5SHicjX0O
— OptaJoe (@OptaJoe) May 9, 2021
また、今回の勝利でユナイテッドは20‐21プレミアリーグで10度目の被先制点後の勝利となり、これはリーグ記録の成績。
先制される事が多いのは決して好ましい事ではありませんが、この逆境に対する強さは優勝を狙う上で欠かせない要素なので今の爆発力を維持しつつ苦手にしているセットプレー守備や試合序盤の入り方を改善していって欲しい。
xG
(Aston Villa 1 - 3 Manchester United (May 09 2021) | EPL | 2020/2021 | xG | Understat.com)
xGは0.57-1.89。
アストンヴィラは12本のシュートを放つも決定機は1つも作れずに結果としてこのような数字となりました。
ユナイテッドはやはりこの日も後半に強く、xG1.89のうち1.48が後半に入って記録されたもの。
また、3点目を挙げたエディンソン・カバーニはオープンプレイでチーム最多の期待値を記録。今季プレミアリーグ途中出場で5ゴールという数字は全体1位であり、ユナイテッド歴代でもチチャリート(10‐11シーズン)とオーレ(98-99)に並び歴代トップタイ。
前2人と同様にカバーニもスーパーサブとしてだけではなく先発出場でも結果を残していて、気が付けば公式戦15ゴール4アシストまで数字を伸ばしています。
そのカバーニのヘディングをアシストしたラッシュフォードもこれでリーグ戦9アシスト目。残り4試合で1つアシストを積み重ねれば自身初となるリーグ戦二桁ゴール二桁アシストを達成する事に。
あとがき
試合翌日には大変喜ばしいニュースも入っています。
🇺🇾 𝐄𝐋 𝐌𝐀𝐓𝐀𝐃𝐎𝐑 🐂
— Manchester United (@ManUtd) May 10, 2021
One more year of @ECavaniOfficial! 🏹#MUFC #Cavani2022
南米でのプレーを希望しアルゼンチンのボカ・ジュニアーズとの契約が噂されていたエディンソン・カバーニがマンチェスター・ユナイテッドとの契約を2022年6月30日まで延長しました✍
先述の通り20ゴールに直接貢献する活躍を見せているのでクラブ側から延長の申し出があるのはある意味当然でしたが本人が残留を決意してくれたのが何よりうれしい。
メイソン・グリーンウッドや現在U-18で得点量産中のチャーリー・マクニールなどの若い選手はエル・マタドールの影響を強く受けてオフザボールや守備が大きく改善しているので引き続き模範役としての役割も期待されます。
中二日のレスター戦はアマド、ショレティレらティーンの選手を多く起用すると見られているので彼らがトップリーグでどれだけ通用するのか楽しみ。