*UEFAヨーロッパリーグ準決勝、マンチェスター・ユナイテッドvsASローマ戦1stLegに関する記事です。
どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
先んじて行われたUEFAチャンピオンズリーグの準決勝1stLegでは、チェルシーがスタンフォード・ブリッジで1vs1のドロー、マン・シティがPSGにパルク・デ・プランスで逆転勝利を収めるなどプレミアリーグのクラブが強さを見せる試合が続きました。
そんな彼らに負けじとヨーロッパリーグを戦うユナイテッド、そして反対側の山のアーセナルもそれぞれローマとビジャレアルにまずは先勝したいところ。
試合プレビュー
マンチェスター・ユナイテッドとASローマの対戦は過去6度あり、戦績はユナイテッド4勝ローマ1勝引き分け1つと圧倒的に赤い悪魔が優勢。
何と言ってもこのマッチアップで印象深いのは06‐07シーズンのCLベスト8の2戦目。
ユナイテッドは10分にマイケル・キャリックのミドルシュートで先制するとそこから9分間で更に2得点を奪い開始20分で早くも3vs0。
その後もゴールラッシュは続き、終わってみれば7vs1の大差となったこの1戦は今でもサポーターの間で語り草になっている試合の1つです。
チーム情報
マンチェスター・ユナイテッドは先週末のリーズとのダービーマッチをスコアレスドローで終え、リーグ戦の連勝は5でストップしましたが依然としてチームは好調。
今週末にはリバプールとのビッグマッチもあるので新契約を結んだエリック・バイリーの久々のスタメン出場も見る事が出来るかもしれません。
欠場が決まっているのはアントニー・マルシャル、フィル・ジョーンズ。
今思えば、グラナダ戦2ndLegでマグワイア、ショー、マクトミネイの累積を消化する事が出来たのは幸運だったかもしれません。
オールド・トラッフォードに遠征するローマはリーグ3連敗中。
尚且つ順位も翌シーズンの欧州コンペティション出場圏内からは勝ち点6の差を付けられて7位(6位ラツィオは一試合消化が少ない状況)。
このままいけば来シーズンは13‐14シーズン以来8季ぶりにヨーロッパの舞台から姿を消す事になってしまう危機的状況なのでこのマンチェスター・ユナイテッド戦にかける想いは強いはず。
欠場者は累積が溜まっているイタリア代表DFジャンルカ・マンチーニ、2002年生まれのクラブのホープ リッカルド・カラフィオーリ、度々ユナイテッドへの移籍の噂が持ち上がるニコロ・ザニオーロ、そして今季チェルシーよりフリーエージェントで加入したペドロも怪我で不在。
スタメン
マンチェスター・ユナイテッド
ベンチ入り
3バイリー、8マタ、11グリーンウッド、13グラント、19アマド、21ダニエル・ジェームズ、26D.ヘンダーソン、27テレス、31マティッチ、33B.ウィリアムズ、34ファン・デ・ベーク、38トゥアンゼベ
リーズ戦でベンチスタートだったポグバ、カバーニは先発出場。
ラッシュフォードが右サイドに回ります。
そしてGKにはカップ戦という事でデヘアが先発。
ヘンダーソンにポジションを奪われた彼ですがまだまだ老け込むには早い年齢なので与えられた出場機会でアピールを重ねていきたいところ。
ASローマ
ベンチ入り
14G.ビジャール、18サントン、21マジョラル、24クンブラ、31C.ペレス、33B.ペレス、54R.チェルボ、55E.ダルボー、83ミランテ、87D.フザト
そしてフォーメーションはおそらく3‐4‐2‐1。
ユナイテッドは3バック相手との試合をやや苦手にしていると私は感じているのでローマがラインを低く設定してバスを止めてきた場合には苦戦する予感。
試合内容
試合前にはオーレが珍しく相手についてそれほど分析をしていないと発言し一部のロマニスタはこの試合に並々ならぬ闘志を燃やしていましたがそんな彼らの情熱を奪ったのがMFジョルダン・ヴェレトゥの開始2分での負傷。
一度はピッチに戻りますが結局プレー続行不可という事で5分にゴンサロ・ヴィラールと交代でピッチを後にしました。
太もも裏を抑えていたので恐らくハムストリングを痛めたのだと思います。
ですので2ndLegには間に合わないでしょうね……
実は1シーズンプレミアリーグでのプレー経験もあるヴェレトゥ。
15-16シーズンにアストンヴィラでプレミアリーグ25試合に出場
セリエAでは得点力が開花し、今シーズンは既に自己最多のリーグ戦10ゴールを記録していた主力なのでこのアクシデントはローマにとって大きな痛手。
そしてこれが後に続く悲劇の始まりになるとはこの時は思ってもみなかったでしょう。
美しい連携で先制点!!そこから5分足らずでミス絡みの失点……
先制ゴールはマンチェスター・ユナイテッド。
ポグバが後ろ向きでパスを受けるとそこに食らいついてきたスモーリングをターンで交わし、前にいたディアワラもあっさり抜き去って中央で待つカバーニへパス。
カバーニはワンタッチで左にはたくとそこに走り込んでいたブルーノが見事なチップシュートを決めて前線3人の連係からゴールを奪いました。
最高でーす(全く関係ありませんがプロ野球選手ってこのワード好きですよね。ヒーローインタビューで返答に困った時は大体この言葉を発している気がします)
しかしながら13分にはローマ右サイドからボックス内に侵入したこの試合最初のチャンスでカルスドルプのクロスを防ごうとしたポグバが大きく手を上げてしまい、そこにボールが当たってPKの判定。
Roma equalise straight away! 🏃♂️💨
— Goal (@goal) April 29, 2021
Pellegrini smashes home a penalty after this Pogba handball 👇#UEL pic.twitter.com/l2fPXknitW
正直迂闊なミスでした。
ポグバは絶好調の時でもこのようなうっかりプレーを時々してしまいますね。
これさえ改善出来れば完全無欠なのですが
ローマに相次ぐ負傷者。しかしながらユナイテッドのミスから勝ち越しに成功
同点になった試合ですがローマはビルドアップでのミスが非常に多く、特にスモーリングとディアワラは毎回のように引っかけてしまうので中々相手陣地へ進出出来ず、逆にユナイテッドはフィジカル、テクニック両面で優勢に立ち幾度もゴールに迫ります。
25分にはポグバの強烈なミドルシュートがゴール右下を襲い、このボールを弾いたGKパウ・ロペスは肩を気にするような素振りを見せて途中交代。
おそらくシュートセーブ後の着地で肩を強打し痛めたのでしょう
仕草的には脱臼かな?と思いました
早くも交代枠を2つ消費し交代人数自体は5人までですが回数は3度までなので試合を戦う上でかなり不利な状況になったローマ。
しかし、34分にはマンチェスター・ユナイテッドの気の緩みに付け込みリードを奪う事に成功。
ユナイテッドの5番が二人居ますが手前の方は17番のフレッジです。
後になって気づきました🙇♂️🙏
ペッレグリーニのランは勿論よかったのですがそれにしても皆ボールだけに目線が向いてしまい誰も裏を狙う相手に意識が無かったのはいけませんね。
勝ち越しに成功したローマ。
後は適度にラインを下げつつ試合をコントロールしたいところでしたが37分に再び悲劇が起こります。
勝ち越し点にも関与した左WBのレアンドロ・スピナッツォーラが負傷交代でブルーノ・ペレスと交代する事態に陥り、なんと前半37分時点で3回の交代機会を全て使用する羽目になってしまいます。
敵ながらこの緊急事態には同情せざるを得ませんでしたが、結果的にこれが後半の展開に繋がったとも言えるので若干複雑な気分。
アディショナルタイムにはカバーニにビッグチャンスが生まれますが決めきる事が出来ず笛がなって前半終了。
前半は1vs2とローマリードで折り返し
まるで違うチームに生まれ変わった後半の赤い悪魔
思わぬエラーが続きリードされる事になったユナイテッド。
後半に入っても47分にデヘアのキックが相手に当たりおやおやという入りでしたがその直後に同点ゴールが生まれます。
48分、一点目と同様にポグバ、カバーニ、ブルーノのトライアングルでカウンター。
ブルーノのラストパスにエル・マタドールがダイレクトでゴール右上を抜く技ありシュート!!
SUMPTUOUS finish from Edinson Cavani! 🤤
— Goal (@goal) April 29, 2021
He doesn't celebrate, just goes to get the ball and start again! 💪#UEL pic.twitter.com/tomgLVvYNa
ローマはスモーリングが完全にボールだけに囚われてカバーニへの意識が0になったところを突かれた形になったので勿体ない失点でした。
ローマは60分にカウンターから久々のシュートチャンスを得るも、失点の要因になってしまったスモーリングの一撃は気持ちが先行しすぎたのかゴール遥か上空。
このシーンもそうですがスモーリングはCBながらかなり高い位置まで進出してくるのでがら空きになった左サイドをポグバ、ショーが活用できる事が多かったのでユナイテッドとしてかなり助けられていました。
彼だけではなく全体的にローマは高い位置からプレッシャーをかけてきたのでフォンセカ監督の指示なのかもしれませんがマンチェスター・ユナイテッド相手にオープンな展開に持ち込むのは得策ではありませんでしたね。
そしてユナイテッドの3点目は64分。
左サイドタッチライン際からショー→ポグバ→ブルーノ→逆サイドのワン=ビサカとピッチを横断するようにパスを繋ぎワン=ビサカのシュートのこぼれ球に詰めていたカバーニが押し込んで今度はユナイテッドが勝ち越しに成功。
そして5分後にはショーのサイドチェンジで1人抜け出したラッシュフォードがボックス内のカバーニ目掛けてシュート性のグラウンダーパス。
これを防ごうとしたスモーリングがアフターでカバーニにタックルしてしまう形になってユナイテッドはPK獲得。
ポグバのハンド同様このプレーも不運なものでしたがブルーノがキッチリPKを決めてリードを2点差に。
更に75分にはコーナーキックのトリックプレーが見事に成功し、ブルーノのクロスにポグバが強烈なヘディングシュートで5点目。
86分にはカバーニのサイドチェンジから途中出場のグリーンウッドが今シーズンの公式戦10ゴール目となるダメ押しゴールを追加し6点目。
試合は後半立て続けにゴールを奪ったマンチェスター・ユナイテッドが6vs2で大勝。
(https://twitter.com/EuropaLeague/status/1387877147415547906より)
ASローマは怪我人続出で交代枠が埋まってしまう不運もありましたが大敗を喫した一番の要因はビルドアップでのボールロスト連発、そして勝ち越した段階で割り切ってバスを止める判断が出来なかった事だと思います。
ルカ・ペッレグリーニ、ヘンリク・ムヒタリアン、エディン・ジェコのアタッカー3枚は少ないチャンスを確実にモノにしていたので彼らを攻める事は出来ません。
動画ハイライト
交代選手
76分 in:グリーンウッド out:ラッシュフォード
83分 in:マティッチ out:フレッジ
89分 in:マタ out:ブルーノ
5分 in:G.ビジャール out:ヴェレトゥ
27分 in:ミランテ out:パウ・ロペス
37分 in:ブルーノ・ペレス out:スピナッツォーラ
データ
終わってみればマンチェスター・ユナイテッドの圧倒的シュート数、ゴール数という結果になりました。
ローマとしては負傷した3選手に代わってピッチに入ったゴンサロ・ビジャール、アントニオ・ミランテ、ブルーノ・ペレスが悉く低パフォーマンスに終始した事も痛かったですね。
一方のユナイテッドは何と言っても2ゴール2アシストペアのカバーニ、ブルーノが100点満点のパフォーマンス。
この2人にポグバ、ショー辺りが絡むコンビネーションは世界屈指の破壊力を誇っていると思うので彼らが揃った試合は1分1秒たりとも見逃す事が出来ません。
脱線しますがこの写真のフレッジ良い表情してますね😉
左サイドにやや攻撃の比重が傾いていた事もあり、右サイドで起用されたラッシュフォードが目立つ機会は少なかったですがトラップを見る限りコンディションは良。
彼の調子を見るには背後からのロングボールに対する処理が一番有効だと個人的には感じているのでこの日の感覚が続くならリバプールとのノースウエストダービーで決定的な仕事を果たしてくれそうです。
またxGはユナイテッド3.5、ローマ1.8。
(Manchester United vs. Roma Match Report – Thursday April 29, 2021 (Leg 1) | FBref.com)
そしてエル・マタドールはパス成功率93.1%と非常に安定したプレーでショートパスに絞れば成功率100%。
その上でキーパスも3つ記録しているのでユナイテッド移籍後ではベストパフォーマンスでした。
惜しまれるのは幾度かあったハットトリックのチャンスを逃してしまった事くらいで、これが達成できていれば200点でしたが、まあその分は今後のビッグマッチでよろしくお願いいたします。
あとがき
1つだけ気がかりな事は試合終盤にリンデロフが脚を気にするような素振りを見せていた事。
特に続報はないので単に足が攣っただけだといいのですが。
さて、週末にはリバプールとのダービーマッチが予定されています。
通算成績を見るとラッシュフォードが10試合4ゴール1アシストとこのマッチアップに強いのでやはり彼のゴールが見たいですね。
今シーズンもFAカップ4回戦でリバプールと対戦した際に1G1Aと勝負強さは継続。