優勝は2季ぶり5度目のマン・シティ(フットボールリーグ時代を含めると7回目)、降格3クラブはフラム、WBA、シェフィールド・ユナイテッドと最も盛り上がるこの2つの争いについては既に雌雄が決している20‐21プレミアリーグ。
残すところはチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグと欧州カップ戦の出場権を巡る争い。今回はその中からCL争いについてピックアップしていきます。
レスター、チェルシーをリバプールが追う展開。ウエストハムは厳しいか
(https://twitter.com/premierleague/status/1393676078410051587)
2021年5月16日時点でCL出場の可能性を残している(或いは既に確定)クラブはマンチェスターの2クラブ、レスター、チェルシー、リバプール、ウエストハム、トッテナム、エバートンの計8チーム。
このうちマンチェスター勢は既に来季のヨーロッパを確定させており、実際には2枠を6つのクラブが争うバトルとなります。
更にこの6チームを詳しく見ていくと6位ウエストハムは現在36試合消化で勝ち点59。
4位チェルシーと勝ち点5の差がついており、チェルシーが残り2試合で勝ち点2を加えるとその時点でCL出場権が消滅-つまりは現段階で既に自力での確保が不可能という状況なので現実的にはレスター、チェルシー、リバプールの三竦みとなっております。
(Premier League Predictions | FiveThirtyEight)
なので、3位~5位の3クラブに焦点を当てて今後の展望を見ていきます。
レスター
FAカップ決勝ではユーリ・ティーレマンスのミドルシュートで先制しGKカスパー・シュマイケルのビッグセーブ連発もありチェルシーの攻撃を凌ぎ切り15‐16シーズンのリーグタイトル以来のトロフィーを手にしたフォクシーズ。
残りリーグ戦はチェルシー、トッテナムとCL争いのライバルとの直接対決が続くハードな日程となり、カップ戦ファイナルを戦ったチェルシーとは中二日で再戦です。
自力で出場権を確保するためには勝ち点4が必要なので2勝or1勝1分けが目標。
昨シーズンは残り2試合の段階で勝ち点62の4位、その後2戦で2敗を喫し最終節では順位争いの相手マンチェスター・ユナイテッドとの直接対決に敗れ眼前でCLへの希望が断たれてしまいましたが今シーズンはその経験をバネに同時点で勝ち点4の上積みに成功し、3クラブで最も有利な立ち位置につけています。
チェルシー
少し特殊なのが現在4位のチェルシー。
このチームは20‐21チャンピオンズリーグで決勝に駒を進めているので仮にリーグ戦で5位以下になったとしてもCL決勝に勝利すれば翌シーズンの出場権が確保されます。
更にトーマス・トゥヘル就任後はファイナルの相手マン・シティに2戦2勝と好相性ですが一発勝負に来季の行く末を託すよりはリーグ戦で出場権を確保して後顧の憂いを断ってから純粋に欧州一番の座をかけてシーズン最後の試合に臨みたい。
The UEFA Champions League final between Man. City & Chelsea will be held at the Estádio do Dragão in Porto.#UCL | #UCLfinal pic.twitter.com/mYmewt1hqH
— UEFA Champions League (@ChampionsLeague) May 13, 2021
理由としてはトルコが新型コロナウイルス流行を理由にイギリスの渡航レッドリストに入ったためにチェルシー、マン・シティ両クラブのサポーターが会場に入れなくなる為。
そうなってくるとやはり大事になるのがFAカップで敗れたレスターとのリーグ37節。
FAカップは恒例通りウェンブリーで開催され、両チームのサポーターが入り乱れましたがリーグ戦はスタンフォードブリッジが会場なのでホームの声援をバックに戦えるという点で若干彼らが有利であると思います。
仮にレスター戦に敗れると最高でも勝ち点67なのでリバプールが3連勝で乗り切ると5位転落です。
リバプール
一時はアンフィールドでのプレミア6連敗というクラブ史上ワースト記録の影響もあり来季のCL出場が絶望的になっていた前年度王者ですが3月15日の28節ウルブス戦から7試合5勝2分けの猛スパートで再び順位争いに復帰。
リバプールは残り3試合でWBA→バーンリー→クリスタルパレスと既に降格あるいは残留を決めていて順位的にもカップ戦出場権には関わりのないクラブとの対戦が続くので上の2チームよりは楽な日程。
更に37節にチェルシー-レスターの直接対決がある事も好都合。
この両チームが共に勝ち点6を積み上げる事は出来ないのでリバプールは3連勝すればほぼほぼ4位に収まると言っても問題ありません。
3連勝しても5位になるパターンはチェルシー2勝、レスター1勝でレスター&リバプールが勝ち点69で並び得失点差でレスターの後塵を拝す場合ですが、現在の得失点差はレスター:+22、リバプール:+20で仮にリバプール3連勝と仮定した場合少なくとも+3点が入り反対にレスターは1試合負けている段階で最低でも‐1で最終節には大量得点での勝利が要求されるので基本的には考えなくてもいいケースでしょう。
彼らの最大の障壁はホーム連敗のキッカケとなったバーンリーとの試合。
シュート数27:6、ポゼッション:71%-29%と圧倒しながらシュート精度があまりにも悪くノーゴールに終わった1戦ですが、空中戦に強い選手を多く抱えるクラレッツとファン・ダイクを欠くリバプールとでは前者にセットプレーでは軍配が上がると思うのでバスを止められてコーナーから失点でそのまま引き分け或いは敗戦という可能性が考えられるでしょう。
これに関しては日本時間5月17日0時30分キックオフのWBA戦でも同様。
自身の監督キャリア初のプレミアリーグからの降格を経験したビッグサム率いるチームはバックラインから中盤にかけて競り合いに強く上背のある選手が多いので現状のスカッドではナサニエル・フィリップス、リース・ウィリアムズのアカデミー産CB以外には競れる選手がいないリバプールにとっては嫌なマッチアップになりそうです。