いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #CommunityShield 】プレミア開幕前のカップタイトル、継続か変化かで別れた試合前半

 

前年度のプレミアリーグのタイトルレースを制したクラブとFAカップ王者が激突するシーズン最初のタイトル戦、コミュニティ・シールドが現地8月6日ウェンブリーで開催された。90分間では決着つかず、PK戦にもつれ込んだゲームを制したのはミケル・アルテタアーセナル

 

 

 

 

Match Report

ベンチ入りマンチェスター・シティ
4 K.Phillips, 14 Laporte, 17 De Bruyne, 21 S.Gómez, 31 Ederson, 47 Foden, 80 C.Palmer, 82 R.Lewis, 87 J.McAtee

アーセナル
3 Tierney, 10 Smith Rowe, 14 Nketiah, 15 Kiwior, 16 R.Holding, 18 Tomiyasu, 19 Trossard, 21 F.Vieira, 30 M.Turner 

 

 

前半


アーセナルはハヴァーツのCMやパーテイ退団の可能性を考慮する次代アンカーとしてライスを試すなど、プレシーズンでは積極的にこれまでとは異なる特徴を持つ選手を組み込んだ戦い方を模索しているように見えたが、最初の公式戦であるコミュニティ・シールドでは最小限の変化に留めて継続路線。

 

マン・シティは昨季のブレイクスルーであったDFラインに堅めの選手4枚+CB起用ストーンズのポゼッション時中盤化の3-2-2-3をここでは見せる事無く、GKと2CBで後ろ3枚を構成して1つ前のラインに4人をならべる(1-)2-4-4ビルドアップ、そしてベースのシステムも割とオーソドックスな4-4-2で臨むサプライズ。短いスパンでスクラップ&ビルドを繰り返すペップ・グアルディオラらしいといえばそうであるが。

 

このような組み合わせだったので完成度に分があるのはアーセナル。それでも個々の技術と思考力の差でボールポゼッションを握ったのはシティだったものの、配置上ディフェンシブサードのタッチライン近くで受ける事になる両フルバックはパスコースが少ない上に相手ウインガーが2度追いプレスをしやすい位置にあり、更にサイドアタッカーの占有スペースも狭くなっていたので簡潔に言うと上手く行っていなかった。

 前半のポゼッション率が62%ながらシュート3本,オンターゲット0であった事実が明確にそれを示している。

 

 

両クラブの新戦力に目を向けると、まずはアーセナルからティンバーは元々賢い選手なので左のInverted-WBも破綻なくこなしたが、同じく新加入で4-1-2-3の左CMに入ったライスとの役割分担が少し曖昧な部分も散見されている。具体例としては頻繁に左へ降りて最後方の3枚ラインを形成するライスに対しティンバーは1つ前に移動する役割たっだが、そのポジションが近すぎたり、或いは離れようとして結果マルティネッリの空間を潰してしまったり、それとは逆にライスが下がってこない際にも前に移動したままになる事も。

 

ハヴァーツは順当にFWで起用されたので特段語る事もないが、ジェズスとの比較で自身の価値を証明するに最も必要なフィニッシュワークでの信頼感では決定機を逸す場面もあったようにアピール出来ず。

 

シティではDMに入ったコバチッチが昨季からの変化で、これまでのキャリアで証明済みのボールキープ及びキャリー能力の高さについては遺憾なく発揮したものの、中盤から飛び出してのクロスターゲットやリバウンドの追撃係という点でギュンドアンの穴を埋められる選手ではなく、彼をスタメンに据えるなら今後はロドリがその役目を負うようになるかもしれない。これはフリアン・アルバレスとハーランドの2トップでスタートした理由の一つでもありそうだ。

 

 

後半

 

自分でボールを運んだり、或いは配球して良さの出る選手ばかり、フリアン・アルバレスも慣れない役割でどのように動けばいいか混乱している様子で停滞しているように思えた左側のテコ入れとしてベルナルド・シウバをサイドから解放しフリーマンとした後半のマン・シティ。選手の位置を偏らせた事で空いた右大外にはウォーカーかCBから前にスライドしてストーンズが入るようにポゼッションの配置と役割を大きく変更。

 

更に強みを発揮しづらい状況にあったグリーリッシュを下げてフォーデン、機能しない2トップに見切りをつけてコール・パルマーとデ・ブライネを投入。アルバレスを残したのはプレッシング性能の差かと考えたが、単純にハーランドが消えていたのでこのゲームにおける指揮官の中での序列だったかもしれない。

 

 アーセナルが左サイドの縦ユニットを入れ替えた後の並びは上記の通り。

77分、前に飛び出したパーテイがボールカット出来ずマン・シティのカウンター。サイドへ散らしたパスは一度ティアニーに触られたが、複数の相手を見なければいけない状況で体制も悪く大きなクリアが出来ずにデ・ブライネが頭でカットして攻撃続行。右45度からパルマーがまるで昨季までのチームメンバー,リアド・マフレズをコピーしたかのようなコントロールショットを決めてゲームが動く。

 

更にアーセナルは82分にも致命的な失点の危機に陥ったものの、ダビド・ラヤ加入でポジション争いに巻き込まれるラムズデールが自身の価値を証明するが如くビッグセーブでこれを阻止。フォーデンとしては後の展開を考えると悔やまれるシーンだ。

 

ボール・イン・プレーの時間を90分に近づける為の新ルールの影響でアディショナルタイムは8分と長めに取られ、更にファビオ・ヴィエイラの上げたクロスに対する競り合いでウォーカーとパーテイが頭同士で衝突した事による中断(両者頭にバンテージを巻いてゲームに復帰)も入り気付くと試合時間は100分を越えていた。

Embed from Getty Images  

 

101分、右CK後の2次攻撃でペナルティボックス右角から横方向へ進行したトロサールは苦し紛れにも見えなくない左足のキックをゴール前目掛けて蹴り込む。なんとこれがアカンジにディフレクションしてまさかの同点ゴールに。

 

PK戦は先手アーセナル後手マンシティ。後攻1人目のデ・ブライネのキックがクロスバーに跳ね返された事で終始先攻チーム優勢で進み、最終結果4-1でアーセナルが11mの勝負を制してタイトルを獲得した。

 

 

Data

 

最終的なポゼッションは55:45まで戻ったが、アディショナルタイムを含めない場合は水色のチームが6割で優勢。全体的にシュートが少なかったのは様子見の時間が長かった事もあるが、特に前半のマン・シティの戦い方に要因があると考える。

 また、オフサイドが両チーム0回だった点にも表れているようにDFラインに負荷を与えるようなオフボールも足りていなかった。

 

ボールタッチ数100回越えのルベン・ディアス、ロドリはいずれもパス成功率90%越えで安定したパフォーマンス。チームが上手く行っている際にはスポットの当たりにくい選手だが、特にアンカーに悩まされるマンチェスター・ユナイテッドのファンとしては後者を羨ましく思う気持ちが無いと言えばウソになる。

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xG

 

 markstats算出のゴール期待値はアーセナル0.69 - マン・シティ0.96と1.0未満の拮抗した戦いであったようだ。

 

シティの2トップが上手く行かなかった点はPASSING NETWORKの⑨と⑲が丸被りしている点からも分かりやすく、更に左サイドで前進方向に線が繋がっている箇所が一番前でLB→LWと密接にリンクしているベルナルド・シウバの右サイドとの比較で分かりやすい。これはアーセナルの左右ユニットの差でも顕著に表れていて、これこそまさに様々なデータから多角的にゲームを捉える事の面白さ,重要さそのものだと思う。