いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUFC 】プレシーズン最終戦、残酷な選別と嬉しい邂逅

※23/24 プレシーズンマッチ inダブリン

マンチェスター・ユナイテッドvsアトレティック・クラブ戦の記事です。

 

オスロでのローズ・ダービーに始まり、計8試合のプレシーズンマッチをこれですべて消化したユナイテッド。通算戦績は4勝3敗1分け,12得点9失点とそれほど良くなかったが、最後の2試合を無敗で終えられた点については来たる本シーズンに向けてプラスになると思いたい。

 

 

 

 

【Match Review】

 

Starting lineup

ベンチ入りマンチェスター・ユナイテッド
27 J.Evans, 38 Kovar, 46 Hannibal, 52 Hugill, 54 M.Jurado, 57 Emeran, 65 T.Collyer, 71 T.Wooster

アトレティック・クラブ
12 Guruzeta, 13 Agirrezabala, 20 Villalibre, 21 A.Herrera, 22 R.García, 23 Nolaskoain, 27 I.García de Albéniz, 29 M.Ares, 30 U.Gómez, 33 B.Prados, 39 J.Martón

 

ムニアインやデ・マルコスといった過去のトラウマが蘇る面々も今やベテランの域に差し掛かり、全体的なスカッドの年齢が高めではあるが、厳しい縛りの中でもサンセトやニコ・ウィリアムズのような選手が出てくるアトレティックの育成は個人的に高く評価している

 

前半

 ビルドアップではリンデロフ中心でエリクセンとゴアの一方が3枚目として降り、アルバロはInverted-WBとして振る舞った。ワン=ビサカに内側を取らせる事が無くなったのは正しい思うが、外から縦or斜めにスピード活かして突破したいペリストリとは使いたい場所が被るケースも多くなり、どのようにするか注視したが後者がハーフレーンに入る事で折り合いをつけた様子。

 

アルバロは持ち運ぶドリブルと空中戦の強さという分かりやすい強みを持っており、更にボールを出す側としての才覚を感じるパスも多いので5大リーグのどこか、出来ればプレミアでレギュラー待遇を約束するクラブへローンが叶えば理想。

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アトレティック・クラブの守備は少し変わっていて、ポゼッションではアタッカーとして振る舞うムニアインがDM2枚の横へ降りてMFラインへ収まり、代わりにサンセトが前線へスライドする3-3-4(前からカウント)。

 ユナイテッドとしてはマーカー管理が複雑になりやすいこの部分にサンチョやドニーが流れる事で相手LBレクエを釣り出し、空いた背後のスペースをカウンター気味に突くというのが最も効果的な攻撃手段となった。

 

特に真新しい発見は無かったが、例えばゴアのボールの受け方やその後落ち着きは試合を経るごとに良化傾向にあり、エリクセンも単純に相手の強度が高くなさそうなケースに出場を絞ればプレイメイカーとして重宝すると確認が出来、逆にマグワイアのような現チームにどうしてもフィットしようのない選手をよりハッキリ絞り出す機会としては丁度良かったのかも。

 

失点シーンはマグワイアのフリーズ現象に目が行くし、確かにそれ自体は致命的な問題なのだが、実はボールを渡された時点でパスコースが近くに存在しておらず、マグワイアの身のこなしの鈍重さを考えれば既に詰んでいた。それ以上にこの場面で彼へ無理やりパスを入れてその後の動き直しも特にないワン=ビサカの対処が悪かったと思う。

 

もう少し長いリプレイを見ていただくとより分かりやすいのだが、ワン=ビサカには左足の強いバックパスでヒートンに戻すチャンスがあった上に、そもそも相手CBのパスが自分の足元へ向かってきた絶好のカウンター機会という所で後ろ向きにドリブルした意味が理解できない。彼は事前準備せず感覚頼りでプレーする事が余りに多く、よくよく見ると味方の苦しくなる選択を選ぶ頻度がかなり高い。

参照:Full 90 highlights from Man Utd v Athletic Club | Manchester United
(研究/批評を目的とする引用であり、著作権侵害の意図はありません)

 批判を恐れず率直に言えば、クラブの象徴であったダビド・デヘアをポゼッション適性の低さをもって放出した今、ワン=ビサカについてもその道を取らない理由が無いとすら考えている。

 

 

後半

 HTの交代は両チーム1人ずつで、ユナイテッドはサンチョとの好連携の多かったドニーを下げてハンニバル、ロス・レオネス(アトレティック・クラブの愛称)は先制点以外にも最大の脅威であり続けたニコ・ウィリアムズを下げて20番ビジャリブレ投入。

47分には早速ミドルサードでボールを奪いカウンターの始点となり、更に65分過ぎにはMFラインから離れてバックパス処理にもたついた相手CB アイトール・パレデスへ猛プレスをかけて入れ替わった後、一発レッドカードでの退場に導く等ハンニバルは守備面での賢さが目立っている。獲得時に思い描いた姿とは異なるが、ある意味イングリッシュフットボールに揉まれ、適応しようとした成果だろう。

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但し、ワン=ビサカからの絶好のクロスを活かしきれなかった点だけはいささか勿体なさが残る。

 

 

その前の交代選手も含めた退場者が出た後の配置は以下の通り。

 

更に時間が進み終盤に入るとユナイテッドはパワープレイに出て、リンデロフは完全に中盤化し後ろは左からエヴァンス-マグワイア-ワン=ビサカの3枚。そしてプレシーズン序盤に印象的な活躍を見せたエメランにも出番が回っている。

 

この頃になるとマグワイアがボールを持つたびに強烈なブーイングに晒されていたが、一方でかつてのユナイテッドの戦士であるアンデル・エレーラが動きを見せると大歓声が沸き、彼が交代でピッチに入った際には会場のアビバ・スタジアムは拍手に包まれている。調べてみたところ、今回の招集メンバーでエレーラと在籍が被っていた選手はエヴァンスとリンデロフのみ。

 

追加タイムに突入し93分、ワン=ビサカのロングフィードを前線に上がっていたマグワイアが頭で落とし、エアポケットになっていたペリストリが身体を前方へ投げ出しながらボレーシュートを叩きこんで劇的同点弾!!

  酷評した2人が価値あるプレーで締めくくってくれたのは良かった。

 

 

データ

 

途中から相手が10人になった事も影響し、サブ組中心ながらポゼッションは6割超。イエローカード4枚のうち2つを誘ったペリストリは典型的な順足アタッカーで既存メンバーとはスタイルが被らない為、チーム残留の線も出てきたかもしれない。

 

守備では60分強の出場ながらインターセプト7回と破格のデータを叩き出したアルバロの躍進が目覚ましく、流石に相手がニコ・ウィリアムズなので瞬間的なスピードで劣勢になるシーンもあったが、それを差し引いてもいい内容だった。

 

 

あとがき

 

控え+アカデミーからの選抜組で構成されたチームでアトレティック・クラブのおおよそのベストメンバー相手にドローという結果は悪くない。特に1人で複数枚のカードを提示させて同点弾も記録したペリストリは印象的なパフォーマンス。

 

難しいのはエヴァンスとシーズン契約を結ぶかそうでないかといった点。若手へのアドバイスやトレーニング中の態度といった部分はこちら側からでは見ることが出来ないため、あくまで試合中のパフォーマンスありきで判断すると正直フィジカル面、特にアジリティの衰えがかなり目立つので見送りの方に気持ちが傾いている。