いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUFC 】1人の選手に依存? Man Unitedのゴールスコアラーについて

カラバオカップを制し6年ぶりのタイトルを獲得し、ここ数年では最も良いペースで勝ち星を積み上げているマンチェスター・ユナイテッド。その中でも、とりわけ異次元のパフォーマンスを見せているのが生え抜き10番のマーカス・ラッシュフォード

 

今回は過去と比較してチームの得点バランスがどのように変化しているのか、またはそれが良いものかそうでないものかを直近3シーズンまで遡って考えたいと思います。

 

 

 

 

2022/2023シーズン(~2023年3月3日まで)

 

最多スコアラーは現時点で公式戦38試合出場25ゴールを挙げているマーカス・ラッシュフォード。(最多アシストは9でクリスティアン・エリクセンとブルーノ・フェルナンデスが並ぶ)

 

シーズン序盤でのクリスティアーノ・ロナウドの造反による純粋なCFの頭数不足は冬のマーケット開幕までは悩みの種であったが、ローンで加入したヴァウト・ヴェフホルストの献身性溢れるプレーと予想以上に優れていた"味方を使う側の才覚"にも助けられたというのが現在の状況。

 

また、エースとしての期待が高く、90分辺り0.75得点とピッチに立てば高いゴール率を誇るマルシャルはここまで僅か14試合720分弱の出場時間と稼働率が低すぎる上に、サンチョやアントニーも離脱期間がそれなりにあるという状況もスコアラー不足を後押ししてしまっている。

 

とはいえ、セントラルMFフレッジ(6ゴール),カゼミロ(5ゴール)が得点源として機能し始め、アカデミーの新鋭アレハンドロ・ガルナチョもゲーム途中の投入であれば十分な攻撃オプションとして計算できるので印象としてはそれほどラッシュフォード1人頼みという感覚は無い。

 

 

2021/2022シーズン

 

最多スコアラーは公式戦38試合出場で24ゴールを挙げたクリスティアーノ・ロナウド。(最多アシストは14でブルーノ・フェルナンデス)

 

ロナウドのゴールが全体の3分の1を占めるという状況は人が違えど翌22/23と似ているが、5得点以上の選手の数ではこちらの方が2人少ないのでより1選手への依存度が高くなっていたシーズンだと言える。

 

実際、CR7が先発していた試合では、無理がある状況でも彼を目掛けたクロスやロングボールが増えて単調な戦い方になりがちで、3人4人が同時多発的に絡むコンビネーションは中々見られなかった。ビルドアップに関しても監督の力量もあるのだろうが全く整っておらず、この頃の私に今現在のチーム状況を伝えてもおそらく信じてもらえないだろう。

 

因みに、カップ戦の勝ち残り状況が異なるので純粋な比較は出来ないが、2021/2022シーズンのチーム総得点は70なので、既に今シーズンは昨季を上回るゴール数を記録している。

 

 

2020/2021シーズン

 

最多スコアラーは58試合出場28ゴールのブルーノ・フェルナンデス。(最多アシストも18回でブルーノ)

 

現在も主要得点源である上位2名に加え、ジョーカーとして途中出場からの得点が非常に多かったエディンソン・カバーニや左右の足から強烈なパンチショットが飛んでくるメイソン・グリーンウッドなど4名が2ケタに到達した20/21シーズン。

 

ブルーノでも比率としては24.1%止まりなのでバランスとしては近3シーズンで最も良いが、相手選手が僅か1分足らずで退場した事でほぼ全ての時間ワンサイドゲームとなったセインツ戦を始め、CLのライプツィヒ戦やELのローマ戦など固め打ちが多かった事は頭に入れておきたい。

 

 

ハマった時の爆発力という意味では現在を凌ぐポテンシャルを有していたチームで、武器を増やして対応できるシチュエーションを広げていくテン・ハフ体制に対し、この頃はショートカウンターという1つの矛の威力を最大限高めるような戦い方だった。

 

 

より良くするためには何が必要?

 

結論から言えば

  • 偶然の成功を必然に出来る再現性
  • 縦縦縦と性急にならず遅攻に慣れること
  • パスコースが繋がらない配置の改善
  • トランジションにおける一部選手への強すぎる依存

 などが挙げられるでしょう。

 

まずは怪我人状況などを考慮した3月3日時点のシステムを見ていく。

ベースは4バックの前に2人のDM、2列目に3枚、最前線に1トップの4‐2‐3‐1で、右ウイングとストライカーが層の薄さでギリギリの状態。エリクセンが負傷離脱した事でプレイメイカーはブルーノ1人ですが、遅攻の際のヴェフホルストがある程度信用できそうな事と2,3人のユニット攻撃でサンチョに可能性を感じるので実戦の中でより完成度を高めていきたい。

 

ポゼッション時は右のDM(主にカゼミロ)がアンカーに入り、前に2人配置する4-1-2-3になるが、左のDM(主にフレッジ)を前に置く理由はビルドアップに関与させたくないというのが根底にあるのかもしれない。

 

そのビルドアップ。

 

難しい役割を受け持つフルバックについてボールプレーはショー>ダロト>マラシア>ワン=ビサカ、ポジショニングはマラシア>ダロト>ショー,ワン=ビサカの順だと個人的に判断しています。テン・ハフの要求を最も忠実に理解していそうなマラシアはキックの種類・質・安定感の部分でまだまだ伸びて欲しい所が多いものの、将来的にはファーストチョイスになっていても不思議ではない。

 

逆に彼以外の3人はCBやGKからのパスコースになっていない、或いはボールを受けてもその後囲まれてプレーが詰まるような位置にいる事も多く、ダロトに関しては負傷前の方がケア出来ていたのでどうしたものか。

 

また、デヘアのキックの質も大きな問題の1つ。CBにプレッシャーが掛かっている際にフルバックや中盤の選手へのミドルレンジのロブパスを出すとき、ボールスピードが遅く無駄に高いキックを蹴るので相手の寄せが間に合ってしまい、かつ精度も低いのでそもそも相手へのプレゼントになっている事が大変多い。

 

ビルドアップの整備までまだ手が回っていないと言われれば黙るしかないのだが、トップ層と比較するとその場の即興に頼っている感は否めないのが現実。来季以降を考えると中盤に優秀なリンクプレイヤーを1人加えたい。

 

アタッキングサード(ファイナルサード)

 

2-3-5(2-3-2-3)ベースで基本はウインガーに幅を取らせる(ブルーノの場合はこれに当てはまらない)。LWでもCFでもラッシュフォードはボックス内のハーフスペースで最大の効力を発揮するので、個人での突破以外にもワンツーや3人目の動きで彼がフリーになるコンビネーションのパターンと完成度をより高める必要があるだろう。

 

個の部分ではアントニーの仕掛けに関して、現在のところゴール対し水平に進んでペナルティアーク辺りからミドルシュートを狙うというのが定番になっているが、より直線的に切り込んでいくようなドリブルも武器に出来ると十八番の成功率も上がるはず。

 

やはりこの局面においても再現性というワードは気になって仕方がない。

例えばクリスタル・パレス戦の先制点はCBのキャリーに始まり、高すぎず低すぎず丁度いい位置でパスを受けた所LB→水平方向にドリブルしてマークを剥がしながら後ろの選手と縦のワンツーで中央に進出するLW→ハーフスペースでボールに中継点になりワイドへボールを送り込むRB etc... 始動からフィニッシュに至るまで完璧な流れが続いているが、後の試合を見てもこれが1つの形として繰り返された形跡はなく、砂上の楼閣になってしまっている。