*21/22イングランド・プレミアリーグ第4節 マンチェスター・ユナイテッドvsニューカッスル・ユナイテッド戦の記事です。
9月初週の代表戦ウィークを終え、再びクラブの時間がやってきます。
プレミアリーグではイギリスのCovid-19 レッドリスト入り国への選手派遣拒否を巡り一悶着あり、Covid関連ではブラジルvsアルゼンチン戦でプレミアリーガーが試合中止の一因になるなどトラブルも多かったです。
ただ、一時は5日間の出場停止が濃厚とされた4か国11人は無事全員起用可能となり、オールド・トラッフォードで開催される試合でも2名がその当事者となります。
プレビュー
マンチェスター・ユナイテッドのオーレ・グンナー・スールシャール監督はマクパイズ相手にクリスティアーノ・ロナウドのデビューがあると明言しており、先発途中出場どちらかは分かりませんが夢の劇場に集う大勢のユナイテッドファンの前に嘗てクライベイビーと称された青年が酸いも甘いも嚙み分ける大ベテランとなって再び夢の劇場に。
対するスティーブ・ブルースのマクパイズは今シーズン5-3-2という比較的守備に重きを置くフォーメーションで戦っていますが話題になる事の多いアーセナルやノリッジの裏に隠れて密かに今季未勝利。
守備も3試合8失点と機能しているとは言えず、彼らの試合を見た感想としては最終ラインに人数を割き、ライン設定を低くしている事でバイタルエリアにスペースを与えてしまう本末転倒な状態に見え、何か改善策の無い限りはユナイテッドの攻撃陣相手に無失点で乗り切る事は難しそう。
また、1stGKのドゥブラフカ、2ndのダーロウを怪我で欠いている事も痛手で、現在ゴールマウスを守るフレディ・ウッドマンは昨季スウォンジーでチャンピオンシップ3本の指に入るスタッツを残したとはいえまだプレミアリーグの水準に達しているかは微妙なところ。
マンチェスター・ユナイテッド
アレックス・テレス
エディンソン・カバーニ
スコット・マクトミネイ
マーカス・ラッシュフォード
ニューカッスル
ジョンジョ・シェルビー
ポール・ダメット
マルティン・ドゥブラフカ
ライアン・フレイザー
スタメン
事前予想はユナイテッド4-2-3-1、ニューカッスル5-3-2。
5バックのニューカッスルに対し、マン・ユナイテッドは攻撃時前線4枚が基本形なのでフルバックの攻撃貢献と中盤2枚からのロングパスが鍵になりそう。
試合内容
個人的なこの試合の重要ポイント
- マティッチが90分持つのか
- ロナウドと既存アタッカーの相性
- 過去3戦、攻守にエアポケットが起きていたワン=ビサカの修正
↪試合後の振り返り
前半
会場にはクリスティアーノ・ロナウドを見る為に大勢のファンは勿論のこと、殆ど顔を見せないエド・ウッドワード、更にはアヴラム・グレイザーまでもが訪れており、他にも何故か関係者席に座るビッグ・サムや俳優のゲイリー・オールドマン、ジャック・ロウデンも来場していたようです。
📸 Gary Oldman & Jack Lowden are at Old Trafford today! pic.twitter.com/QgowyUqo1H
— UtdDistrict (@UtdDistrict) September 11, 2021
試合に話を移しましょう。
序盤からマンチェスター・ユナイテッドがペースを握る展開となり、注目のロナウドはと言うとインターナショナルマッチ通算ゴール数を111としたアイルランド戦2点目後にユニフォームを脱ぎ、イエローカード2枚目のサスペンションで代表チームから早めに離脱した事もあって同じく軽い負傷でクラブに戻ったジェイドン・サンチョとは早速息の合ったのコンビ―ネーションも。
そしてプレー自体も組み立ての局面ではシンプルにダイレクトパスではたいてくれるので、停滞することなくアタッキングサードまでボールは進みユナイテッド時代しか知らないサポーターにとってはある意味驚きも大きかったと思います。
9分のチャンスでは尻もちをついて少し緊張も伺わせますが続く11分には左サイドでボールを受けてお馴染み高速シザースからの左足シュートでスタジアムに大きな歓声。
基本的にはユナイテッドが試合を支配していたのですが時折不用意なロストからピンチを招く場面もあり、15分にはロナウドがボールを失ったところから始まったサン=マクシマンのドリブル突破は前節のアダマ・トラオレのトラウマを想起させる威力で不安が無いと言えば嘘になります。
ただ、後から振り返ればユナイテッドの守備、特に右サイドが緩かった影響で相手が守り一辺倒にならず攻撃を仕掛けてくれたというのも事実で、実際に複数の得点がカウンター返しから生まれているのでポジティブな見方をすれば相手を誘い出す事に成功したと言えるかもしれない。
19分に左のコーナーからヴァランのヘディング、26分にはブルーノの意表を突いた超ロングシュートと散発はあったものの崩したチャンスが中々なかったユナイテッド。
逆に自陣左のスローインでボーンヘッドを犯しジョー・ウィロックに決定機を許すなど集中力の欠如を疑うプレーも出ますが、攻撃面では31分にブルーノ→サンチョの決定機が生まれるなど今季一番の充実さをうかがわせる内容。
とはいえ、得点が生まれないまま45分をターンするかに思えたAT2分、マティッチの無茶なドリブル→ロスト後自ら乳母返すで偶然にも陣形を崩したユナイテッドは右サイドからカットインしたメイソン・グリーンウッドのシュートのこぼれ球にこの男が真っ先に反応。
グリーンウッドが左足を振り下ろす前に次のプレーを予測して動きだしたロナウドの抜け目の無さが光る得点。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) September 11, 2021
ここで決めるのが役者!
ここで決めるのがロナウド!!
復帰戦でいきなりの初ゴール⚽
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グリーンウッドが打ったシュートの
こぼれ球を絶妙なポジショニングで押し込んだ👏👏👏
🏴プレミアリーグ第4節
🆚マンチェスター・U×ニューカッスル
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後半
47分のマン・ユナイテッドは右サイドのボール保持で最後はポグバのパスを受けたワン=ビサカがグラウンダーで中に折り返しますが味方と意図が噛み合わず。攻撃時の彼は基本的にいつも慌てているように見えてならないので、何か心を落ち着かせるようなメンタルトレーニングが必要なのではないかとも思います。
そして後半に入ってもニューカッスルの前3枚のカウンターに苦しめられる構図はそのまま、まずはショーとマティッチが2枚揃ってアッサリとミゲル・アルミロンに交わされお次はマグワイアのリスキーなタックル。その後ははマクシマン→最後は上がってきたRWBマンキージョが冷静にファーに蹴り込んで56分に同点ゴールを許します。
誰が悪いというよりは関与した選手が揃って致命的なプレーでした。
見ている限り、今季のショーは球際への積極性が裏目に出てアッサリ裏を取られる場面が例年より多い気もしますが、それに関してはもう少しデータが集まってから考えてみます。マティッチもやはり機動力が求められるシーンでは苦しい。
ただ、全体を見ればユナイテッドがチャンスの数も質も上回っていたので近い内に勝ち越し点が生まれるだろうという安心感があり、62分には自陣での華麗なダイレクトプレーからやや前掛りになったニューカッスルを尻目にルーク・ショー→ロナウドの2ゴール目で勝ち越しに成功。
ロナウドのトップスピードを落とさないトラップ、そして最後の股抜きシュートも勿論素晴らしい技術ですがこの場面はショーの持ち運ぶスペース作ったサンチョのランが見事でした。
66分にはサンチョに替わってリンガードがピッチに登場。
プレイメイカーの前者からよりゴールに近い場所が得意エリアの後者に替えるという事でこれは追加点が欲しいというオーレの明確なメッセージでしょう。
そして80分のユナイテッド、デヘアのパントキックから始動したカウンター攻撃でポグバの横パスを受けたブルーノの右足一閃!!
更にAT2分にはゴール正面狭いスペースをポグバの個人技と途中出場ファン・デ・ベークのリターンでこじ開け、同じく途中出場マルシャルのスルー→最後はJLingzのコントロールショットで勝負あり。
関与した選手全員がボールを受けた後のリターンを考えて動き直した結果生まれた美しいゴールだったので見た目以上にチームの機能面でも転機になり得る1点でした。
リンガードの得点関与力復活は2つ目のプランとしてチームの大きな力💪。
Dream big kids ❤️🙏🏾 pic.twitter.com/0E1Ot7WNom
— Jesse Lingard (@JesseLingard) September 11, 2021
(まさかこの時の少年と後年ピッチに共に立ち、同じ試合でゴールを決める事になるとはロナウドも予想していなかった嬉しいサプライズなのではないでしょうか🤩)
ハイライト
選手交代
62分 サンチョ🔁リンガード
85分 ブルーノ🔁マルシャル
85分 グリーンウッド🔁ファン・デ・ベーク
77分 マンキージョ🔁J.マーフィー
84分 C.クラーク🔁J.ルイス
85分 ウィロック🔁ヘンドリック
データ
12本シュートを許している事は若干気がかりですが、やはりマクパイズへの相性の良さはこの日も継続。
そしてシュート21本は今季最多記録で内容は5点を奪った開幕戦よりも更に良い。
また、この試合でも2アシストを稼いだポール・ポグバは早くも昨シーズンのリーグ戦ゴール関与数(G+A)を越して4試合7アシストと勢い止まらず。
序盤ロナウドやショーと見事な連携を見せながら30分のビッグチャンスを逃して以降サンチョは少し尻すぼみでしたが、それでもフリーランやサイドでの1on1など今後に期待を持てる内容ではあったので彼に必要なのは時間と自信。
xG
xGはマンチェスター・ユナイテッド:2.77、ニューカッスル0.62とホームチームが圧倒する結果となりました。
それもそのはずユナイテッドのシュート総数21のうち12本がペナルティボックスから放たれており、逆にニューカッスルの守備には大きな疑問が浮かび上がる内容。
最終ライン5枚でこれだけ一方的なスタッツになった試合をプレミアリーグではあまり見たことがありません。
因みに、ブルーノのミドルシュートはxG0.03。滅多に決まらないスーパーゴールです
あとがき
ほぼほぼ文句なしの試合でした。
ロナウドはやはり持っているな~というのが率直な感想で、36歳とは思えないスプリントは流石の一言。
勿論守備貢献は望めませんが彼がいるだけでプレッシャーになると言うのが正にブルーノのゴールシーン。ニューカッスルDF2枚がロナウドに気を取られたが故のシュートコースがら空きだったと思っています。