*21/22イングランド・プレミアリーグ
マンチェスター・ユナイテッドvsリーズ戦の記事です
遂に新シーズンのプレミアリーグが開幕を迎えます。
一足先にキックオフを迎えたブレントフォード-アーセナルのロンドンダービーでは戦前の予想を覆しホームのビーズが2vs0で完勝。
ユナイテッドは地域間のライバルであるリーズをオールド・トラッフォードに迎えて最初の試合に臨みますが、優勝に向けて確実に勝ち点3を得たいですね。
プレビュー
マンチェスター・ユナイテッドは▶新型コロナの影響でプレシーズンマッチの1つが中止になるトラブルがありましたが、概ね良好なプレシーズンを過ごし何人かのユース選手は今季トップチームで居場所を掴むかもしれないという期待感も。
一方、リーズはプレシーズンの勝利は無く、マルセロ・ビエルサ監督は3-3-1-3に見える新システムも試していたようですがおそらく開幕戦では4バックのはず。
試合前にはオールド・トラッフォードでラファエル・ヴァランのお披露目が行われ、噂通り背番号19のユニフォームを手にしたスーツ姿のヴァランがピッチに入ってファンの大歓声で温かく迎えられます。
ファッション雑誌の表紙でもいけそうなくらい風格がありました😎
スタメン
4-2-3-1と4-1-4-1のマッチアップとなりましたが、これはおそらくリーズ側がアンカーにブルーノをマンマーク気味でつかせる為の選択だと思います。
ただ、この形だとパトリック・バンフォードが1人でCB2枚を見る形になるので、ユナイテッドとしてはマグワイア-リンデロフのどちらか片方の持ち上がりから攻撃のキッカケを多く作る事が出来そうです。
試合内容
前半
お互いに開幕戦かつ因縁の関係という事もあってオープンな展開を選択したかのような立ち上がりで、久々にオールド・トラッフォードへ足を踏み入れたファンにとってもお待ちかねの好ゲーム間違いなしのローズダービー。
スタメンにはEURO、コパ組が9人いたので彼らがどれくらいコンディションを整えていたのか不安が無かったかと言えばうそになりますがいざ始まってみると致命的なレベルでは無かったので一安心。
とりわけスコット・マクトミネイは攻守両面において広い範囲をカバーしており、CBで起用されるなど持ち味を発揮できたとは言い難い先述の国際大会の鬱憤を晴らすかの如くパフォーマンスで彼の3人目の動きをキッカケにチャンスが生まれていました。
カウンターアタックの組織構築で言えばビエルサのチームに分があるような内容でしたが、個の力で上回っている分ゴールの脅威があるのはホームチームの方で12分にはグリーンウッドがハーフウェー辺りでボールを奪い、そのままカウンターからポグバに決定的なパスを出しますが、パスが素晴らし過ぎて選択を迷ったのかポグバはフェイントを入れた後の左足シュートを枠の外へ外してしまいます。
後になって振り返ればこのプレーからポグバのギアが一段階上がったようにも感じられ、その後の大活躍に繋がる一種のカンフル剤になったのかもしれません。
30分にはマンツーマンの弊害からか横の動きに釣られてリーズの守備ブロックが大きく崩れたところにマクトミネイ→ポグバへの斜め前のパスが入り、ノンプレッシャーのポグバはゆったりとしたフォームでブルーノへラストパスを通し見事にデザインされたようなゴールでユナイテッドが先制。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) August 14, 2021
ユナイテッドを
引っ張るのは
今季もこの男🔥🔥
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ポグバのダイレクトパスから
ブルーノ・フェルナンデスが
見事にネットを揺らした👏👏
🏴プレミアリーグ開幕節
🆚マンチェスター・U×リーズ
📱#DAZN ライブ配信中#PremierLeagueDAZN pic.twitter.com/eabwklMX6S
ブルーノの動き自体はシンプルにDF裏を狙う直線的なランでしたがグリーンウッドの旋回がリーズDF陣に迷いを与えており、彼がこの囮を本能的にやっていたのだとしたら鬼才の域。体感では練習から取り組んでいたプレーのように感じました。
前半はそのまま1vs0で折り返し。
良かった点としては得点シーンにも見られた横の動きで、ポグバは場合によっては真ん中を越えて右側に進出する事でマンマークに亀裂を作り、昨季までは持て余す事も多かった彼の自由奔放さがこのような形で戦術に生かされていたのはある種感動すら覚える素晴らしい成果。
課題は全体的な守備時の強度の低さで、これは毎シーズン苦手にしているシーズン序盤という事でコンディションを言い訳に出来るかもしれませんが、それを差し引いても左サイドは容易に崩されるシーンが目立ちました。
後はデヘアのパス精度と飛び出しへの意識の低さ。
左サイドに問題と言いましたが全てがフィールドプレイヤーの責任という訳ではなく、10分のビルドアップでのパスミスや19分のマグワイアと相手アタッカーが競争になった場面などこの守護神がもう少し気を利かせたプレーをしていれば未然に防げた機会も幾度かあったので、本当にヘンダーソンからもう一度レギュラーを奪い返すならばこれらの意識改革は必須。
後半
リーズは前半全くもってプレーに関与できていなかったロドリゴを下げてLB本職のジュニオール・フィルポを投入。
これに伴ってダラスが中盤へ上がり、陣形は4-1-4-1のまま。
48分、リーズは左サイドのスローインを中央へ投げてそのまま逆サイドへ展開し、ユナイテッドの守備が追いついていない所にルーク・エイリングの強烈ミドル炸裂。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) August 14, 2021
キャノン砲炸裂💥💥
見事なスーパーゴール
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解説の #中村憲剛 さんも
ただただ驚かされた
エイリングのゴラッソ👏👏
🏴プレミアリーグ開幕節
🆚マンチェスター・U×リーズ
📱#DAZN ライブ配信中#PremierLeagueDAZN @kengo19801031 pic.twitter.com/DHxK1TZ3qY
プレミアレベルでは前方にシュートコースを空けてしまえばこの距離でも失点に繋がるという事で自分たちを律するいい機会にして欲しい。
それにしてもこのシュートは素晴らしかったです。
しかしながら3分後にはポグバの地を這う長距離スルーパスがグリーンウッドに通り、11番の左足の一撃はここしかないという完璧な軌道でゴールネット右隅に吸い込まれ再び赤い悪魔がリード。
勢いは止まらず54分にはポグバの反転→スルーパスという個人技でチャンスクリエイトに成功すると、ボックス内でボールを受けたブルーノが大きなシュートフェイントで間を作り、左足シュートはエイリングに阻まれたようにも見えましたがゴールラインテクノロジーが作動し、これでポグバは3アシスト目。
58分にはパスミスから右サイドのカウンターを受けますがマグワイアがスライディングタックルでクリアし反撃の芽を摘み、60分のユナイテッドはリンデロフの1つ飛ばしのロングフィードがオフサイドラインギリギリで飛び出したブルーノへの決定的パスとなり、ブルーノはダイレクトボレーを沈めて開幕戦にしてハットトリック達成!!
ブルーノに関しては最早言葉にする必要がないくらい卓越したパフォーマンスですが、この得点に関しては先述したようにCBの貢献がその支えとなっていた事は間違いなし。
マグワイア加入後は自重気味のプレーが多かったリンデロフもヴァラン加入に触発されたのかかつてのような積極的な攻撃参加を見せてくれたので今後もこれを継続出来れば出場機会も自ずと巡ってくるはず。
そして68分、マクトミネイの楔パス→グリーンウッドポストプレー→ポグバとアカデミー組の見事なチームワークで左サイドを攻略すると、ポグバのラストパスにフレッジが合わせてダメ押しのゴール。
驚愕の4アシスト目となったポグバ。
これはプレミアリーグ歴代最多タイの記録で、ユナイテッドの選手としては初の偉業。
ブルーノのハットトリック含め、開幕戦からチームの根幹を為す2人が最高のスタートを切れたということで辛口ファンですら今季は期待せざるを得ないでしょう。
大勢が決まった事もあって75分にはジェイドン・サンチョが赤いシャツを纏って初めてサポーターの前に登場。
その後は86分にリーズのカウンターからハフィーニャに決定機が訪れたものの、デヘアとの1on1でシュートを枠外へ飛ばしてしまい、最終スコア5vs1でマンチェスター・ユナイテッドがライバルに完勝。
ハイライト
データ
カウンターの鋭いリーズに対しそれほどボール保持の得意ではないマンチェスター・ユナイテッドがポゼッションフットボールで挑むのは分が悪いという判断からか支配率を見ると相手にボールを持たせていた事が推測できます。
実際のスコアは大差となりましたが、スタッツの内訳を見ると中身は拮抗しているのでこの試合はシンプルにユナイテッドの選手のクオリティが飛びぬけて素晴らしかったのだと思います。
リーズからしてみれば夕立に遭遇したようなものなので変にこの敗戦に拘泥しすぎない方がいいかもしれない。
そして、昨季からの変化といえばブルーノのポジショニング。
以前のように低い位置まで頻繁に降りてくる事はなく、ミドルサード以降の攻撃に専念出来た事がハットトリック達成の一員かもしれません。
マクトミネイとリンロフのビルドアップにおける影響力の増加でブルーノ抜きでも組み立てに苦労するシーンはそれほど目立たなかったので、そういう意味では彼ら含めチーム全体の成長を感じるデータかもしれません。
xG
xGを見てもスコア程期待値の上では差が無かったようで、グリーンウッドのゴールはxG:0.08、ブルーノの2点目はxG0.07とそれぞれの能力の高さを感じるものでした。
xG0.02のエイリングのミドルシュート含めスーパーゴールラッシュだったので見ている方も飽きがこない最高の試合。
また、xGチャートを見ていくと35分~85分前後までの間はリーズに殆ど得点チャンスを許さずに全体としては見事な試合運びだった事が伺えますが、それだけにあの失点シーンの守備は勿体ないです。
ただ、この試合のポグバはそれを補って余りある得点貢献をしたのでこれ以上は言及しません😏
あとがき
終わってみれば圧勝でしたが、時折カウンターへの対処やセットプレーなど怪しい場面も見られたので今後はそういった隙すら見せない試合を期待。
サンチョも連携面はこれからですが、幾つか面白いプレーもあったので良いデビューになったと思います。
次節は主力が相次いで離脱したサウサンプトンとのアウェイマッチ。
セインツと言えば去年9ゴールを奪った大勝劇の印象が強いですが、ハーゼンヒュットルのチームはハイプレスを敢行してくるので特に試合序盤に注意が必要。