いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #EURO2020 】準決勝1試合目、スペインが試合を支配しイタリアは苦しい展開が続くもPK戦に持ち込み決勝進出

*EURO2020 準決勝 イタリアvsスペイン戦の記事です。

 

 

優勝候補の1つに挙げられていたベルギーを1vs2で下し、2018年から続く無敗記録を32に更新したイタリアとラウンド16クロアチア戦に続く延長戦、スイスGKヤン・ゾマーの神がかった活躍にも阻まれPK戦の末何とかこの場所まで勝ち進んできたスペインの1戦はこれまで37回行われており、戦績はイタリア11勝-スペイン13勝-引き分け13回と非常に拮抗したものとなっております。

 

イタリアはカテナチオからの脱却を図り、マンチーニに率いられる今のアズーリは前線からのプレッシングやハーフスペースを活用するモダンなフットボールへ転換しているのでこの試合は中盤でのボールの奪い合いが鍵になりそうな予感。

 

▼両チームの準々決勝

ベルギーvsイタリア

irohasesun-fm-foot.hatenablog.com
スイスvsスペイン

irohasesun-fm-foot.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りイタリア:1シリグ、5ロカテッリ、9ベロッティ、11ベラルディ、12ペッシーナ、15アチェルビ、16クリスタンテ、20ベルナルデスキ、23バストーニ、24フロレンツィ、25R.トロイ、26メレト

スペイン:1デヘア、3D.ジョレンテ、4パウ・トーレス、6M.ジョレンテ、7モラタ、9G.モレノ、10チアゴ、13R.サンチェス、14ガヤ、16ロドリ、17F.ルイス、20アダマ

 

イタリアはアキレス腱断裂でチームを離れたレアンドロ・スピナッツォーラの代わりにエメルソンを起用した以外はベルギー戦と同じラインナップ。

スピナッツォーラはサイドで1on1からチャンスを作れる選手だったので彼が消えた事によって戦術的に変更される部分もあると思います。

 

 

スペインは大幅なメンバー交代。

前線には純粋なストライカーを起用せず、ミケル・オヤルサバル或いはダニ・オルモが中央に入るゼロトップ気味の陣形が予想されます。

 

彼らはFWだけでなくCBの組み合わせにも悩まされており、結局今大会はラポルトの相方にパウ・トーレスなのかエリック・ガルシアなのかここに至るまでベストマッチを決める事が出来ずに来ています。

 

 

試合内容

 

前半:スペインのポゼッションが猛威

 

スペインはこれまでウイングでの起用が主だったダニ・オルモを中央に置き、フォルスナインの役割を持たせて試合に入ります。

 

序盤はイタリアが優勢気味。4分にはオフサイドになったもののボヌッチの楔パス→インシーニェ胸で落とす→インモービレサイドに展開→受け取ったエメルソン縦パスから最後はバレッラが裏に抜け、ゴールネットを揺らしスペインを牽制。

 

スペイン最初のチャンスと言える場面は13分。

目線と身体の向きでバレッラを騙したブスケツの見事な縦パスからペドリにボールが入り、彼のスルーパスでオヤルサバルがボックス内でフリーになりますがボールを適切にトラップ出来ずビッグチャンス未遂で終わります。

 

イタリアの右サイドはスペインLBジョルディ・アルバの攻撃参加を強く警戒しているようで守備時にはウイングのフェデリコ・キエーザも低い位置まで戻ってサイドのスペースを埋めているのがこれまでの試合とは異なるところ。

一方でイタリアLBのエメルソンはボールを持った際のプレーは魅力的ですが如何せんトランジションが遅い場面も多いので、スペインとしては右サイドから攻撃を始めると上手くいくのではないかなどと個人的には感じていました。

 

 21分のイタリアはそのエメルソンがインシーニェとのパス交換で左サイドでDF裏へ侵入し飛び出してきたウナイ・シモンとそのまま1on1になり、シュートではなく中への折り返しを選択しますがスペイン守備陣の戻りも早くこのチャンスは得点に繋がらず。

 

25分のスペイン、ドンナルンマのフィードが短くなりブスケツがボールを拾うとカウンターから最後はダニ・オルモがボックス内で決定的なシュート。

しかしながらこれをドンナルンマがスーパーセーブで防ぎ、自作自演ではありますが失点の危機からチームを救います。

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スペインのハイプレスを前にイタリアはビルドアップが上手くいかず、ドンナルンマのパス精度の低さも相まって自陣でボールロストしてしまいそこからスペインにチャンスを作られるシーンが目立ちます。

更にフォルスナイン のダニ・オルモをジョルジーニョがマークするのかそれともCBのボヌッチが見るのかというのも曖昧だったので前半は完全にスペイン ルイス・エンリケ監督の作戦通り。

 

アズーリも45分にようやくサイドチェンジからインシーニェがドリブルを仕掛け、最後は角度のないところからエメルソンがシュートという形まで持っていき後半に向けて光明が見えるようなプレーではありました。

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前半はアディショナルタイムを取らず45分を越えたすぐ後に笛が吹かれ0vs0で折り返し

スペインは得意の形でボール保持を続けましたが、中でもペドリはパス成功率100%という見事なスタッツを記録。

 

 

後半:イタリアはカウンターに勝機を見いだす 

 

50分、スペインは中盤で複数人でボールを囲み奪い返すとオヤルサバルの持ち運び→サイドに流れたダニ・オルモへパスが通りオルモのアーリー気味のクロスにフェラン・トーレスが飛び込もうとしますがこれはイタリアRBディ・ロレンツォが寸前で見事コーナーへ逃れます。

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52分にはアスピリクエタのスライディングクリアがそのままオヤルサバルへの見事なパスとなり、カットインでタメを作ると最後はブスケツが後ろから上がってきてミドルシュート

 

後半イタリアはそれまでのプレッシングスタイルを諦め、比較的低い位置でブロック敷いて守る以前のスタイルへ変更。

53分、キエッリーニのロングボールをインモービレがワンタッチでインシーニェへ落としイタリアカウンターチャンス。右サイドにボールが渡りキエーザがやや強引に股の裏を狙ったシュート。

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スコアが動いたのもやはりカウンターからでした。

60分のイタリアはスペインの攻撃をドンナルンマのキャッチで終了させると、この守護神の素早いアンダースローからヴェラッティ→インシーニェ→インモービレと縦方向のパスを続けて一気にスペイン陣内へ。インモービレラポルトのスライディングによって一度ボールを失いかけますが、フォローに入っていたキエーザリカバリーに成功しそのまま右足コントロールショットを決めてイタリアが先制。

 

 

直後にイタリアはインモービレ🔁ベラルディの交代でこちらもスペイン同様フォルスナインのような配置に変更し中盤のプレッシャーを高めようと試みます。

 

対してスペインは62分にフェラン・トーレスに変えてモラタを投入し、70分にはオヤルサバル🔁ジェラール・モレノ、コケ🔁ロドリと立て続けにカードを切って前線の枚数を増やし、実質4トップ気味の4-4-2ヘフォーメーションをチェンジ。

 

元々スペイン3トップにマンマーク気味でついていたイタリアが混乱に陥り、80分にはモラタが前半のダニ・オルモのように後ろに下がってラポルトからボールを引き出すと、ドリブルとワンツーでイタリア中央守備をこじ開けて殊勲の同点弾。これぞスペインという美しいパス交換でした。

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このゴールの数分前にエメルソン🔁ラファエル・トロイ、ヴェラッティ🔁ペッシーナで試合を締めにかかっていたイタリアとしては痛恨の失点でしたが試合がイーブンに戻った後はスペインをアタッキングサードに殆ど侵入させず、試合は延長戦へ。

 

 

延長

 

イタリアはラウンド16オーストリア戦、スペインはノックアウトステージ後全ての試合で延長戦を戦っているという事もあり、両チーム共に疲労の影響は強く全体で見ると得点チャンスは数少ないものでした。

 

98分のスペイン。ダニ・オルモの意表を突いたグランウンダーのFKをドンナルンマが弾き、こぼれ球がモラタに渡るもシュートは枠の外。

102分には右サイドに流れたジェラール・モレノの左足クロスをGKがパンチングでクリアし、その先にいたマルコス・ジョレンテがシュートを狙うも上手くミート出来ず。

 

延長戦のスペインは8割近いボール支配率を記録したものの、疲労orリスクコントロールなのかは分かりませんがフルバックが高い位置を取らなくなり、後方に5~6人が常にいる状況だったのでブロックを固めるイタリアに対し有効的な崩しは殆ど見る事が出来ずそのまま120分経過。

 

 

PK戦

 

イタリア1人目ロカテッリは左下へ強いキックを蹴りますがコースを完璧な読んだウナイ・シモンのファインセーブに阻まれ失敗。

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スペイン1人目はスイス戦で左上に見事なキックを決めたダニ・オルモ。

今回もゴールマウス上部を狙い右足を振り抜きますが高さをコントロールし切れずボールはクロスバーの上を通過。

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イタリア2人目ベロッティはGKとの駆け引きをせず、コースを読まれても止められそうにない強烈な一撃を左下に突き刺します。

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スペイン2人目ジェラール・モレノは助走でGKのタイミングを外すステップを入れ、コースはドンナルンマに読まれたものの右上の素晴らしいコースに決めてスコアは1vs1。

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イタリア3人目ボヌッチはウナイ・シモンが動くのを見てから冷静に逆方向に蹴り込んでゴール。

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スペイン3人目チアゴもゆったりとした助走からGKとの駆け引きを制しグラウンダーのキックがゆっくりと左下に吸い込まれて行きました。

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イタリア4人目ベルナルデスキはゴール右最上部に完璧なシュート。

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スペイン4人目モラタのキックは最も止められる確率の高い右下甘めのコースとなってしまいドンナルンマが余裕をもってセーブ成功。

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最後はジョルジーニョがお馴染みのスキップをするかのようなキックでウナイ・シモンの逆を突いてイタリアが決勝進出を決めています。

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動画ハイライト

 

 

ゴール⚽60分:フェデリコ・キエーザ(👟チーロ・インモービレ)
80分:アルバロ・モラタ(👟ダニ・オルモ)

 

 

選手交代

イタリア

61分 in:ベラルディ out:インモービレ

74分 in:ペッシーナ、R.トロイ out:ヴェラッティ、エメルソン

85分 in:ロカテッリ、ベロッティ out:バレッラ、インシーニェ

107分 in:ベルナルデスキ out:F.キエーザ

 

スペイン

62分 in:モラタ out:フェラン・トーレス

70分 in:G.モレノ、ロドリ out:オヤルサバル、コケ

85分 in:M.ジョレンテ out:アスピリクエタ

105分 in:チアゴ out:ブスケツ

109分 in:パウ・トーレス out:E.ガルシア

 

 

データ

 

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スタッツはボール支配率でも分かるように試合を優勢に進め続けたスペインが圧倒する内容となりました。

xGはイタリア0.76-スペイン1.52(sofascore)。 

 

スペインがポゼッションやシュート本数の割にゴールを奪えなかった要因としてはプログレッシブパス(ゴール方向に近づくパス)が思うに出せなかったこととバスストップに出たイタリアの最終ブロックを崩しきれなかったのが大きな割合を占めているように感じました。

 

同点弾のようなライン間でボールを受けてパス&ゴーで局面を打破するプレーがもう少しあれば特に延長戦で勝ち越しゴールが生まれていたかもしれない。

ただ、先述したようにスペインは延長戦続きでしたからそれが出来る体力は既に残っていなかったのかもしれませんね。

 

因みに、今大会のスペインは平均ポゼッション66.8%で2位以下に大きな差をつけて断トツ1位。他にも準決勝終了時点でゴール数、パス成功率、シュート数などオフェンスの複数のスタッツで大会トップをマークしており、決して前評判は高くありませんでしたが蓋を開けてみれば優れたチームの1つだったのは間違いない。

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EURO2020 公式サイトより

 

 

あとがき

 

イタリアは初めて相手に主導権を握られるような試合展開でかなり苦しんだ末の決勝進出でしたが気になるのはやはりスピナッツォーラの抜けたLB。

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この試合ではスペインのハイプレスの仕様上エメルソンが空くケースも多く、実際に攻撃面では前半45分にバー直撃のシュートを放ちましたがネガティブトランジションが前任と比較するとかなり遅い。

 

決勝を戦うイングランドのRWはサカ、サンチョ、右に回ったスターリングとスピードがあってカウンターの得意なプレイヤーばかりなので、マンチーニ監督としてはこのままエメルソンで行くのか或いはラファエル・トロイやアレッサンドロ・バストーニを起用するのかどうかで悩んでいるかもしれない。