いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #オリンピック 】リオに続きブラジル金メダル!! 日産スタジアムとの相性◎は継続

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急遽時間が変更されるなどひと悶着もあった3位決定戦の翌日、日産スタジアムで行われたブラジル代表とスペイン代表のオリンピック男子サッカー決勝。

 

前評判のトップ1、2が順当にファイナルで激突するというのはフットボール界では非常に珍しい事ですが、豪華なタレントを揃えたこの両チームらしい熱戦が横浜の地で繰り広げられました。

それでは試合について振り返っていきましょう。

 

 

 

 

試合内容

 

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ブラジルは4-2-3-1(試合中の流れで4-4-2へシフトする事も)、スペインはお馴染みの4-3-3システム。

 

前半

 

ブラジルは右サイド、スペインは左サイドに攻撃の比重があるのでこのレーンのマッチアップでどちらが主導権を握るのかどうか注目していましたが、どちらかと言えばスペインLBマルク・ククレジャが高い位置を取る場面が多く、ブラジルRBダニ・アウベスは後ろに残ってピッチ全体のバランスを考慮するプレーが目立ち、これまでとは対照的にLBのギリェルメ・アラナが幅を取るタスクを負って結果的に両チーム左上がりの3-4-3になっていたのは面白い。

 

 

16分のスペインはアセンシオのインスイングのアーリークロスがCB間に位置取りしたオヤルサバルに渡り、ラ・レアルの新エースの折り返しはダニ・オルモに通りかけますがジエゴ・カルロスが僅かに先に触ってこの決定機を阻止。

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ブラジルはあまり人数をかけずクーニャとリシャルリソンの2枚だけでフィニッシュまで持って行ってしまう力があるので同じようにカウンター主体の展開でも準決勝の日本-スペイン戦とは違いチャンス自体は寧ろ彼らの方が多いくらい。

 

これはスペインのフル代表がEURO2020でも露呈させた課題ですが、自陣のビルドアップ~ミドルサードまでは問題なくボールを運べるものの、最後の3分の1はどうしてもドリブラー不足、スコアラー不在が響きある程度質の高いチームと戦うとどうしても手詰まりになりがちで、在りし日のホアキン・サンチェス(代表ではあまり輝けなった気もしますが……)のような絶対的信頼を置けるドリブラーの出現が待ち遠しい。

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個人的にはビセンテ派でしたが、まさか彼がプレースタイルを柔軟に変化させて40歳まで現役を続けるとは当時予想もしていなかった。

 

 

試合に戻ります。

34分のブラジルは左サイドのアタッキングサード入り口辺りからのFKでクロスボールをパンチングしようとしたGKウナイ・シモンとクーニャが接触し、VARの結果これがペナルティキックの判定。

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キッカーはこの時点でほぼ大会得点王を手中に収めていたリシャルリソン。

比較的短い助走から放たれたシュートは枠の上を大きく越える痛恨のミスキックになってスペインは命拾い。

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前半ATのブラジルはリシャルリソンの左サイドタッチライン際のボールキープからクラウジーニョが右足でクロスを入れ、高い位置に顔を出していたダニアウベスが何とかピッチ内に留めた折り返しのルーズボールに対しスペインCBパウ・トーレスが痛恨のヘディング空振りをしてしまい、足元に転がってきたチャンスボールをマテウス・クーニャがネットに沈めてブラジル先制点。

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後半

 

スペインはスタートからアセンシオ🔁ブライアン・ヒル、メリーノ🔁カルロス・ソレールの2枚替え。

ダニ・オルモをメリーノのいた右IHへスライドさせてヒルをLW、ソレールをRWへ配置し特にダニ・アウベスのいる左サイドの攻略を強く意識した交代のように見えました。

 

しかし、最初のビッグチャンスはブラジル。

52分、右サイドからのロングカウンターで先ほどPKを外したリシャルリソンに汚名返上の機会が巡ってきますが、キックフェイントを挟み左足で狙ったシュートはGKに当たってポスト直撃とまたしてもビッグチャンスを生かせず。

どうやら今日は彼の日ではなかったようです。

 

 

サイドアタッカーを2枚投入が成功したスペインは前半より深い位置に侵入する機会が増加し、61分の見事なパスワークから生まれたオヤルサバルの同点ゴールもサイドでヒルが幅を取って空間を作った事が主要因の1つなので正にベンチワークで奪った得点。

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前半は4-4-2のブロックでスペインをほぼ封じていたブラジルですが、4-4ラインの弱点であるサイドと中央の選手間でのスペース管理、マークの受け渡しを突かれて同点弾の後も苦しい時間帯が続きます。

 

特に終盤80分台にはオスカル・ヒルのクロスがファーに流れてポスト直撃、ブライアン・ヒルの強烈なミドルもポスト直撃といつ失点してもおかしくはないという展開でしたが何とかドローのまま90分を終え勝負は延長戦へ。

 

 

延長

 

ようやく1つ目の交代カードを切ったブラジルはクーニャ🔁マウコムでよりドリブラー気質の強いゼニト所属のアタッカーを投入。

 

延長戦2試合目と3試合目の差か、あるいは個人能力のクオリティなのか延長は一転してブラジルのボール保持が長くなり、前半15分でスペインはシュート0本。

 

後半開始しばらくして、108分にはスペインCKを防いだブラジルがそのままロングカウンターに突入。ここまでほぼ沈黙していたアントニーのサイドチェンジが途中出場のマウコムへの完璧なお膳立てとなり、対面するヘスス・バジェホ(延長からO.ヒルに代わりRBで出場)とのスピード競争に圧勝し、続くGKとの1on1でも冷静にゴール右隅へボールを送り届け、ブラジルはボールを奪い返してから僅か10数秒の勝ち越し弾。

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マウコムといえばローマへの移籍をジャックしその後いざ獲得が決まると冷遇の後ゼニトへ放出したバルセロナの悪代官ムーブが有名ですが、スペイン代表への意趣返しで少しは恨みを晴らせたのかもしれない。(とはいえ、カタルーニャのクラブであるバルサにとっては体制側の象徴であるラ・ロハを打ち破った事は寧ろ歓喜かもしれませんが……)

 

 

直後にアンドレ・ジャルディン監督はすかさずアントニーを下げてDFのガブリエル・メニーノを投入し5バックで試合を閉めにかかり、最早体力が残っていなかったスペインをそのままシャットアウト。

リオに続き東京(会場は新横浜ですが)でも金メダルを手にしたブラジルオリンピックチームは大会2連覇を達成!!

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振り返り:ダニ・アウベス38歳、超人的体力は何処から湧いてくるのだろうか

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リシャルリソンやブルーノ・ギマランイスはこの世代だとオーバースペックなのではないかという素晴らしいプレーで印象に残りましたが、大会を通じて最も衝撃的だったのは40手前にして中2日(決勝だけは3日)の6試合をフル出場で戦い抜いてしまったこの男。

 

GKやCBならまだ分からなくはないものの(例マンチェスター・ユナイテッドではマグワイアとリンデロフが欧州5大リーグの出場時間トップ争いの常連)、現代フットボールにおいて肉体・頭脳で最も負荷の高いフルバックで成し遂げてしまったのですからクラックとしか言いようがありません。

 

決勝の相手スペインが大会を通してRBのクオリティに悩んだことを考えると、勝負を分けたのは酸いも甘いも噛み分けるこの偉大なベテラン選手の存在だったでしょうか。

そして、アウベス自身はこれでキャリア通算42個目の主要チームタイトル獲得。

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彼くらいになるとトロフィールームが1部屋では足らないかもしれない。。。

 

 

余談ですが、ブラジルは代表、クラブを問わず横浜国際総合競技場(日産スタジアム)と非常に相性がよく、大五郎カットのロナウドが決勝ゴールを決めた02W杯、クラブW杯3勝、そして今回の五輪金メダルと素晴らしい歴史が続いています。

 

この調子だと、遠い未来ではマラカナンに続くブラジルサッカー第2の聖地、成功の象徴として崇め奉られているかも?