いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #EURO2020 】#ThreeLoins 初のEURO決勝へ。勝ち越し弾は疑惑のPK

*EURO2020 準決勝第2試合 イングランドvsデンマーク戦の記事です。

 

 

史上初のEURO決勝進出を狙うイングランドユーゴスラビア(当時)が内戦によって出場権をはく奪されて代替出場となったEURO92以来のファイナルを目論むデンマークの1戦はウェンブリー開催という事もあってイングランドサポーターが圧倒的多数。

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両チームはこれまでに21回対戦があり、通算ではイングランド12勝-デンマーク4勝-引き分け5回とスリーライオンズが有利なカードですが、直近で見ると2020年9月、10月に立て続けに行われたUEFAネーションズリーグではデンマークが1勝1分けと勝ち越しているので現状の実力は非常に拮抗しているものと考えられます。

 

 

▼両チームの準々決勝

 

 

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りイングランド:7グリーリッシュ、8J.ヘンダーソン、11ラッシュフォード、12トリッピアー、13ラムズデール、15ミングス、16コーディ、17サンチョ、20フォーデン、23ジョンストン、24R.ジェームズ、26ベリンガム

デンマーク:2J.アンデルセン、7R.スコフ、11A.S.オルセン、13M.ヨルゲンセン(ザンカ)、15ノアゴール、16レッスル、18ヴァス、19ウィンド、20Y.ポウルセン、21コーネリウス、22レノウ、24M.イェンセン

 

イングランドはRWがサンチョ⇒サカへ戻った以外はウクライナ戦と同じスターティングラインナップ。

相手の出方を伺うのではなくあくまで自分たちの長所を押し付けるという試合展開がこちら側の理想。

 

デクラン・ライスとカルバン・フィリップスの2DMに関しては組み立てに不安要素を抱えており、デンマークが5-4-1でブロック敷いてきた場合にはブロックの外でU字のパス交換に甘んじてしまうようなシナリオも考えられるので重要なのはやはりフルバックの攻撃参加。

おそらくフィリップスがやや前目に位置取りしてライスのアンカーというような形も試合中には頻繁にみられると思います。

 

 

デンマークチェコ戦と全く同じメンバーでスタート。

今大会ブレイクを果たしたミッケル・ダムスゴーには早くも移籍の噂が立っていますが、サンプドリアは安価で放出するつもりは全くないと断言しており、この試合の活躍次第では逆に中々手が出せない存在になる可能性も。

 

カギとなるのはヨアキム・メーレvsカイル・ウォーカーのマッチアップが予想される左サイド。

今大会の戦いぶりを見ているとヴェスターゴーアは比較的縦のパスを出す意識が高いのでCBとSB間のポケットにダムスゴーやディレイニーが顔を出して彼からのボールを引き出す事が出来れば必然的にイングランドDFラインも中に絞るようになって必然的に大外のメーレがフリーになる機会も増えるでしょう。

 

 

試合内容

 

前半:遂に今大会初の直接FKが決まる

 

序盤からイングランドペースで試合は進み、イングランドは左サイドでルーク・ショー、メイソン・マウント、ラヒーム・スターリングが幾度もチャンスを創出しますがシュートまでは行けない事が多くモヤモヤする展開。

 

デンマークは両WBがこれまでのような高い位置取りをする事は少なく、5バックでブロックを敷いてからカウンターで好機を伺いますが当初左側でプレーすることの多かったダムスゴーはカイル・ウォーカーのスピードを前に苦戦。

ピックフォードのパスミスからブレイスウェイトにシュートチャンスがあったものの、純粋な流れの中からはほぼゴールになるようなプレーは生み出せず。

 

ただ、守備ではイングランドにスペースを与えず、中盤2枚とピックフォードはビルドアップの局面でロングボールを蹴らされてしまうシーンが散見されました。

 

今大会イングランドの組み立てはユナイテッド同様マグワイアとショーに依存している部分が多く、これまでの試合でもこのウィークポイントは見え隠れしていましたがデンマークのヒュルマンド監督によって誰が見ても分かるくらいむき出しにされた模様。

 

 

29分のデンマークは右サイドのミドルサードでFKを獲得し、更にこのセットプレーの競り合いでルーク・ショーがクリステンセンを手で囲ったという判定でよりゴールに近い位置のFKのチャンス。

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ピックフォードがかなりファーサイドに寄っていて、尚且つWOWOW実況の方が今大会直接FKが1つも決まっていないという事について触れていたので嫌な予感はしていましたがダムスゴーのキックはドライブ回転がかかり急速にゴールマウス上部に向けて落下しそのままゴールネットを揺らす見事なゴールとなってデンマーク先制。

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ここまで無失点を続けていたイングランドにとっては初めてリードを許す事になりますが、38分には右サイドサカのドリブルからケインへ渡りそのラストパスでスターリングの決定機。

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続く39分にも中盤に降りてきたケインのパスからサカがオフサイドラインギリギリで右サイド裏のスペースへ抜け、サカのクロスをクリアしようと試みたケアーのオウンゴールという形で試合はイーブンに戻ります。

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グループステージにおけるケインは中央でなるべく前線に留まるよう指示が出ていたのかこのようなチャンスメイクの場面は見られませんでしたが、本来の彼はフィニッシャーにもプレイメーカーにもなるコンプリートFWなのでようやく本領発揮といったところでしょう。

 

 

前半は1vs1で折り返し。

ゲームプランとしてはデンマークの方が想定通りに運べているような印象を受ける45分間で、イングランドは中盤の構成を変更するなどしてビルドアップを改善する必要がある内容。

 

 

後半:全てを制すのはフィジカル。70分過ぎからはイングランド圧倒も……

 

後半のデンマークイングランドのバリエーションに乏しい攻撃を見抜いて一転してハイプレス気味の守備。51~52分にはホイビェアがケインからボールを奪ってカウンターからドルベアのシュートで終わる見事な攻撃。

 

その後も連続してデンマークがカウンターから好機を作るシーンが少しの間続きますがイングランドの屈強な選手達の球際の強さもあってゴールに結びつくところまでは行けず、反対に55分のイングランドFKではマグワイアのヘディングがシュマイケルを襲います。

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やはり困った時のイングランドはセットプレーに頼る傾向。

FK、CKのみならず、個人的に今大会最もスローインがデザインされているのはスリーライオンズだと感じていますが、60分のウォーカーのスローインから始まった一連の攻撃はその成果が表れているような見事なプレー。

 

前線からのチェイスでかなりスタミナを消費していたデンマークはこの辺りから徐々に動きが鈍くなっていき、ヒュルマンド監督も67分に一挙3枚入れ替えで対処を図りますがそれでも傾向は変わらず。

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更にはアンドレアス・クリステンセンも負傷交代で気づけば目の前のピンチをひたすら凌ぐしかないという厳しい状況へ様変わり。

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イングランドは73分にマウントのクロスがミスキックのような形になってループシュートになるチャンスこそありましたが疲弊したデンマーク相手にまともな形からは殆どチャンスを作れず今大会初の延長戦へ突入。

 

 

延長:試合巧者に変貌を遂げたサウスゲートのチーム

 

94分のイングランドはウォーカー→ケインの縦パス一本で決定機。

ケインのシュートをシュマイケルが弾きますがその先には誰も詰めておらず得点とはなりません。

 

 

そして、少し焦りも見え始めた102分に疑惑のプレーが生まれます。

右サイドライン際から斜めにドリブルで切り込んだスターリングがボックス内でマティアス・イェンセンに倒されたという判定でイングランドがPKを獲得。

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そもそも接触自体があったかどうかも疑わしいですが、このプレーの少し前から右サイドのゴールライン手前にもう1つボールが入っている状態のまま試合が続いていた事もあってデンマークとしては到底納得できるジャッジでは無かった事でしょう。

残念ながら判定が覆る事はなく、この絶体絶命の危機でケインのPKをシュマイケルはセーブ成功!!

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しかしながら、不シュマイケルはこのボールをキャッチし切れず弾いたのが不運にもケインの正面。このこぼれ球を今度はゴールマウスに収めたケインがイングランドに勝ち越しゴールをもたらしています。

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延長前半も終わる間際にリードを奪ったイングランドは後半に入るタイミングで途中出場のグリーリッシュを下げてトリッピアーを投入。勝負に徹するサウスゲートらしい采配でこの1点を守りきろうというメッセージを明確にピッチへ送ります。

 

 

その気があればもう1、2点奪えそうな雰囲気でしたがイングランドの選手はセーフティーなプレーを徹底し、満身創痍のデンマークにプレッシングを行う体力は残っておらずタイムアップ。

 イングランドはメジャートーナメントで母国開催1966年W杯以来、EUROでは初となる決勝進出を決め、ウェンブリーはお祭り騒ぎ。

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動画ハイライト

 

 

ゴール⚽30分:ミッケル・ダムスゴー
39分:オウンゴール(シモン・ケアー)
104分:ハリー・ケイン

 

 

選手交代

イングランド 

69分 in:グリーリッシュ out:サカ

95分 in:J.ヘンダーソン、フォーデン out:ライス、マウント

105分 in:トリッピアー out:グリーリッシュ

 

デンマーク

67分 in:ヴァス、Y.ポウルセン、ノアゴール out:ストリガー・ラーセン、ダムスゴー、ドルベア

79分 in:J.アンデルセン out:クリステンセン

88分 in:M.イェンセン out:ディレイニー

105分 in:ウィンド out:ヴェスターゴーア

 

 

データ

 

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イングランドとしては90分の内に決めておきたかった試合である事は確か。

21本のシュートのうち90分間に記録したのは13本ですが、xGで判断すると延長戦の方が遥かに高いスコアだったので見ている側からすれば攻めあぐねた試合という印象を強く抱いたのでは。

 

両チームのポジショニングを見るとデンマークは3-4-3、イングランドカイル・ウォーカーがそれほど攻撃に参加せず代わりに左のルーク・ショーが幅を取って2-3-3-2に見える可変フォーメーションを採用していた事が分かります。

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Whoscoredより

 

イングランドのDM~バックラインに目を傾けてみると、選手間の距離が広くCBがボールを保持した際に安心してボールを預けられる場所が真横にしか存在しておらず、ビルドアップに四苦八苦している要因の1つはこれでしょう。

ジェラード・ランパードインパクトに隠れてしまう事も多かったマイケル・キャリックがあと5歳若ければ……

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あとがき

 

イングランドにとっては大変喜ばしい1日となりましたが,、一方でデンマークの選手にレーザーポインターを当てたり、キックオフ前の国家をブーイングで妨害した一部の信じられないファンの存在は1つ暗い影を落としています。

試合途中にシュマイケルが抗議していた場面がありましたがおそらくはレーザーに対するものだっと考えられ、UEFAはこの件に関してイングランドに対する懲戒手続きを開始したと発表しています。

www.cnn.co.jp

 

 

PK判定を巡る疑惑も含めてクリーンな勝利とはいかなかったイングランド

ヒールの立場で迎える決勝戦は自国開催でなければブーイングの嵐になっていたかもしれません。

 

とはいえ、選手達に罪はないので今大会最強と名高いイタリア相手にも勝利してIt's Coming Homeと高らかに宣言出来る未来を期待。