いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #EURO2020 】ドルベアの2ゴールなど、デンマーク2戦連続4得点の快勝!!

*EURO2020 ラウンド16 ウェールズvsデンマーク戦の記事です。

 

 

2日間の小休止を経て再開するEURO本大会。

トーナメントに入って最初の試合はグループAを2位で勝ち抜いたウェールズとグループリーグ第3戦で劇的な大量得点から逆転でのノックアウトステージ進出を決めたデンマークの対戦です。

 

この2チームの対戦成績はウェールズ4勝-デンマーク6勝とやや後者が優勢で、直近2試合のどちらもデンマークの勝利で終わっているので前評判で言えばデンマークの方に分があると考えられます。

 

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りウェールズ:1ヘネシー、2ガンター、3ネコ・ウィリアムズ、5ロッキャー、8H.ウィルソン、9T.ロバーツ、18J.ウィリアムズ、19ブルックス、21A.デイビス、23レビット、24カバンゴ、26M.スミス

デンマーク:2J.アンデルセン、7スコフ、13M.ヨルゲンセン(ザンカ)、15ノアゴール、16レッスル、19ウィンド、21コーネリウス、22レノウ、24M.イェンセン、25クリスティアンセン、26ボイレセン

 

GKはレスターの1st、2nd対決となりましたが今大会のパフォーマンスだけで言えばウォードはカスパー・シュマイケルを凌駕する活躍。

 

ウェールズは前回のイタリア戦からアンパドゥをレッドカードの出場停止で欠き、デンマークはユスフ・ポウルセンとダニエル・ヴァスの主力2人がそれぞれ怪我と病気で欠場とお互いに重要なプレイヤーを欠いた中で行われるこの1戦。(クリスティアン・エリクセンも勿論含まれますが)

 

 

ウェールズは4-2-3-1、デンマークは3-4-2-1スタートの予想。

ウェールズは相手WBとCMの間のスペース、デンマークはドイツ-ポルトガル戦の前者のように大外の選手をどこまで活用できるかがこの組み合わせでは1つのポイントになりそうです。 

 

 

試合内容

 

会場はオランダはアムステルダム ヨハン・クライフ・アレーナ。

ウェールズからの入国は認められなかったので会場はデンマークサポーターの数が圧倒的多数です。

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前半:デンマークの修正の速さが光る 

 

序盤はベイル、ジェームズがサイドで起点を作り、特にベイルがアタッキングサードでフリーになる場面の多かったウェールズ

実際に最初の15分間でウェールズはシュート6本、デンマークは1本と完全にドラゴンズペースでした。

 

理由としてはジェームズ、ベイル、ラムジーがかなり流動的にピッチの左右広い範囲に顔を出す攻撃に5バック気味で後ろに比重を置いた3-4-2-1でスタートしたデンマークのCM2枚(ホイビェアとデラネイ)が対応しきれなかった事が一因だと考えられますが、デンマークのカスパー・ヒュルマンド監督はこの問題の修正が非常に迅速かつ的確でした。

 

大体15分を過ぎた頃からデンマークはクリステンセンをアンカーに一列上げ、WB2枚を少し下げた4-1-2-3のような陣形に変更。

ウェールズはオーソドックスな4-2-3-1で守備時には両ウイングとムーアが前3枚でプレスをかけるのでこの変更により常に1枚余らせた状態でのビルドアップが可能になり、守備でも中盤のミスマッチが解消されたので徐々にデンマークが優勢に。

 

 

先制点は27分。

アヤックス時代には同クラブOBのズラタン・イブラヒモビッチ2世とも称されたカスパー・ドルベアのミドルシュートデンマークがリードを奪います。

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勿論ドルベアのゴラッソだったのですがその前のヨアキム・メーレの斜めのパスが勝負を決めたワンプレーでした。

 

32分にもデンマークエリクセンの抜けた穴を感じさせない活躍を続けるミッケル・ダムスゴーアとトーマス・ディレイニーのワンツー、ATには右サイドからファーサイドを狙うクロスにメーレのシュートとゴールを脅かすチャンスを複数作り前半はデンマーク1点リードの折り返し。

 

ウェールズは38分にここまでRBとして全試合に出場しているコナー・ロバーツがライン際のボールに足を伸ばして追いつこうとした際に右足を過伸展してしまい負傷交代に追い込まれるなど不運も重なり先制を許した後は正に踏んだり蹴ったり。

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後半:ダニッシュ・ダイナマイトの再来 

 

後半に入り48分には右サイドからマルティン・ブレイスウェイトが縦に突破し折り返しのボールをロバーツに代わりRBに入ったネコ・ウィリアムズが信じられないようなクリアミス。そしてこれがドルベアへの完璧なラストパスになってしまいデンマークは追加点を思わぬ形で得ています。

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比較的早い時間に2点のリードを奪ったデンマークは負担の大きいディレイニーとデムスゴーアを下げ、70分には殊勲のドルベアもアンドレアス・コーネリウスと交代させる見事なトーナメント・マネジメント(ガレス・サウスゲート監督の受け売り)。

 

75分にはDFリーダーのシモン・ケアーがハムストリングと思われる箇所を痛め、そのまま77分にヨアキム・アンデルセン(デンマーク語ではアナ―センと呼ぶらしい。つまりアンデルセン童話もアナ―セン童話)に後を託しピッチを退くアクシデントもありましたが、ウェールズがハリー・ウィルソン、デイビッド・ブルックス、タイラー・ロバーツと攻撃的なカードを続々と切って圧力をかけた際には再びクリステンセンをCBに戻して5バック気味に戻すなど最後まで油断を見せません。

 

 

終盤はカウンターから何度も決定機を作り、86分のヨアキム・アンデルセンのシュートは僅か数センチ枠の外に逸れますが88分にはRBに移っていたメーレが途中出場マティアス・イェンセンの正確なファーサイドへのロングパスから3点目。

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更にAT4分にはメーレの浮き球⇒コーネリウスの落としからここまでゴールを奪えていなかったブレイスウェイトがダメ押しの4点目を決めてゲームセット。

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ウェールズは90分にハリー・ウィルソンがレイトタックルで一発レッドになるなど最悪の試合になってしまい、結局15分以降はデンマークの陣形変更に翻弄されてほとんど持ち味を発揮できずEUROを去る事に。

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ゴール⚽27分:カスパー・ドルベア(👟ミッケル・ダムスゴーア)
48分:カスパー・ドルベア
88分:ヨアキム・メーレ(👟マティアス・イェンセン)
90+4分:マルティン・ブレイスウェイト(👟アンドレアス・コーネリウス)

 

 

 

選手交代

ウェールズ

40分 in:ネコ・ウィリアムズ out:C.ロバーツ

59分 in:H.ウィルソン out:J.モレル

78分 in:T.ロバーツ、ブルックス out:ムーア、ダニエル・ジェームズ

 

デンマーク

60分 in:M.イェンセン、ノアゴーア out:ディレイニー、ダムスゴーア

70分 in:コーネリウス out:ドルベア

77分 in:ボイレセン、J.アンデルセン out:ストリガー・ラーセン、ケアー

 

 

データ

 

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ウェールズは枠内1本、デンマークは8本とシュート数の差以上にチャンスの質に大きな違いがあった今回の対戦。

 

カスパー・ドルベアはこれで代表通算得点数を9としましたが、彼は固め取りが多く、9得点の内訳は1試合2ゴール×4回、1ゴール1回となっています。

 

 

デンマークからはヨアキム・メーレの3点目をアシストしたマティアス・イェンセンをピックアップ。

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プレミアリーグへの昇格を果たしたブレントフォードの中核を担うパサーで、セットプレーでも高精度のキックを持っているので1点の勝負になる機会が多いトーナメントではキーマンになり得る存在。

ウェールズ戦では30分の出場でキーパス2回、ビッグチャンスクリエイト1回の活躍でチームの大勝に大きな貢献を果たしています。

 

 

一方、ウェールズとしてはリバプールに籍を置く2選手が大きな誤算でした。

ネコ・ウィリアムズのドルベアへの実質アシストのクリアミスは正直に言えばプロレベルでは犯してはいけないボーンヘッド。ハリー・ウィルソンは判定もやや厳しかったので同情の余地はありますが、3バック⇒4バック⇒5バックと臨機応変にシステムを替えてドラゴンズを機能不全に陥れたデンマークへ抱いたフラストレーションをそのまま爆発させてしまったかのような不用意なタックル。

 

頼みの綱のベイルとダニエル・ジェームズもこの日は中々デンマークボックス内に侵入出来ず、ベイルのシュート3本のうち2つはゴールから20m以上離れた所から撃たされているかのようなミドルで後者もこの日は前半左サイド、後半右サイドと位置を変え局面の打破を試みましたが一歩及ばず。

 

 

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ただ、ジェームズに関してはベイルが去った後のチームで間違いなく彼が顔役になると確信させるような今大会のプレーぶりだったので、ジェイドン・サンチョ加入が濃厚で今季よりも更に熾烈な争いになるマンチェスター・ユナイテッドにおけるウインガーのポジション争いでも献身性とスプリントの回数・スピードで居場所を掴んで欲しい。

【 #EURO2020 】ロナウド2得点、PK3つの慌ただしい試合は2vs2のドロー。

*EURO2020 グループF Matchday3 ポルトガルvsフランス戦の記事です。

 

 

最も苦手にしていると言ってもいいドイツ相手に4失点、右サイドの守備をまるで改善出来ず痛恨の大敗を喫したポルトガル

ハンガリー相手の3得点のお陰でフランス戦ではハンガリーが勝利しなければ3点差敗北までは許容される状況ですが、自力でのトーナメント進出を決める為にもフランスに対し引き分け以上の結果が欲しいところ。

 

ポルトガルのここまで2試合

 

 一方、優勝候補筆頭のフランスはドイツとのビッグマッチにマッツ・フンメルスオウンゴールで勝利すると2戦目はホーム6万人の大声援を背に戦うハンガリーにドロー。

決して順調とは言えない歩みですが既に決勝トーナメント進出は決めています。

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個の力は抜群なのですがここまでの試合を見ていると崩しのパターンが個人技頼みなので引かれた相手から得点を奪うのは難しいように見えます。

ただ、ポルトガルはどちらかと言えば打って出るチームなのでこの1戦に限ってはこの懸念は心配しなくて良さそう。

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りポルトガル:6フォンテ、9アンドレ・シウバ、11ブルーノ、12A.ロペス、14W.カルバーリョ、15ラファ、18ネベス、20ダロト、22ルイ・シルバ、23フェリックス、24S.オリベイラ、26パリーニャ

フランス:2パバール、5ラングレ、8レマル、9ジルー、14ラビオ、15ズマ、16マンダンダ、17シソコ、18ディーニュ、20コマン、22ベン・イェデル、23メニャン

 

ポルトガルはようやくダニーロ-ウィリアンのダブルDMに見切りをつけてここまでの2試合で4-3-3を採用したフランスに合わせてミラーマッチ想定か。

 

本大会に入ってからブルーノ・フェルナンデスを全く生かせなかったのは大きな損失ですがこの布陣はバランスのとれたものだと思うので好結果に期待。

 

 

一方のレ・ブルーは過去2試合とは異なりポグバ-カンテを3列目に置いた4-2-3-1。

ポルトガルの左サイドを警戒してなのか右サイドはトリッソ、クンデとかなりディフェンシブな選手を起用しています。

 

このチームは連動性という分野ではそれほど優れている訳ではないので、ポグバやヴァランからのロングパス一本でエンバぺ、グリーズマンベンゼマが裏に抜け出すパターンが主な得点源。

 

 

鍵を握るのはセメドvsエンバペのマッチアップ、そしてレナトとポグバのフィジカルモンスターの中盤での主導権の取り合いも注目です。

 

 

試合内容

 

ダニーロ-ウィリアンの機動力という意味であまりにも不足しすぎた組み合わせから脱却しバランサーのモウチーニョ、推進力の高いレナトがスタメンに入った事でかなり攻守両面でスムーズになったポルトガルは序盤からW杯王者を自陣に押し込む割合が多い上々の立ち上がり。

 

ただ、一発の怖さという意味ではフランスに分があり、16分にはポグバのロングパス一本でエンバぺにビッグチャンス。

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ネルソン・セメドにとってはドイツ戦に続きタフな状況が継続される事になりましたがエンバペがボールを保持している場面ではよく対処していたと評価したい。

ポジショニングやオフザボールの動きへの対処は相変わらずでしたが……

 

余談ですが、会場はハンガリーブダペスト。一際大きな声援が上がったタイミング=同時刻にドイツのミュンヘンにて試合を行っているハンガリーの得点という事で、一風変わったネタバレを食らうというある意味フットボールの醍醐味のような出来事もありました😏

 

フランスはベンゼマが形の上では1トップに入っていますが実際にはフォルスナインのような動きで中盤の組み立てにも降りてくる事が多く、彼の元居たスペースをエンバぺが利用する形でポグバから一発のロングパスというプレーがこの試合では何度もありました。

 

10分の攻撃は少しパスが伸びてGKに取られますが続く16分には同じ形からエンバぺに両チーム通じてこの試合初のビッグチャンス。

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ポルトガルの守備に目を傾けると、ドイツ戦では両ウイングが守備にあまり戻らず高い位置に留まる事が多く大量失点の一因でしたがこの試合ではベルナルド、ジョタが最終ラインに吸収されるような形で場合によっては6バックでフランスに対応。

追い詰められてからようやく本気を出すポルトガルクオリティは今大会も健在で、"これが出来るなら最初からやってくれ"と少し嘆きたくなる気持ちもありましたがこの献身性もあって試合の主導権はポルトガルの手にありました。

 

 

マテウ・ラモス久々の大暴れ?

 

先制点はポルトガル

26分に3人目の動きを多用する小気味良いパス交換でミドルサードを攻略するとレナトが中央やや右寄りでFKを獲得。

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このFKでウーゴ・ロリスがやや苦手としているハイボール対応で後手に回り、ボールを狙ったつもりがダニーロペレイラの頭に向かってパンチングしてしまいポルトガルにPKが与えられます。 

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かなり危険なプレーだったのでロリスにはレッドカードが出されてもおかしくないシーンでしたが提示はイエロー。ダニーロはその後プレーに復帰しますが結局HTで交代しているので頭や首へのダメージが心配なところ。

 

 

肝心のPKに関してはクリスティアーノ・ロナウドが大胆にもど真ん中を狙うキックでロリスをあざ笑うかのように逆を取って得点ランキング単独1位となる今大会4点目!

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自身が持つEURO本大会の通算得点記録もまた1つ更新して13としています。

 

 

この時点で裏のドイツ-ハンガリーは後者リードで進んでいたので暫定順位は1位ポルトガル⇒2位フランス⇒3位ハンガリー⇒4位ドイツ。

ポルトガルにとっては天敵がグループステージで姿を消す最高の状況でした。

 

 

先制後のポルトガルはフランスの重心が前に傾いた事もありショートカウンターからアタッキングサードに侵入する頻度が増加します。

フランスはファウルで止めるしかない場面も多くなり36分にはベルナルド・シウバのドリブル突破を腕で塞いだリュカ・エルナンデスがチーム2人目のイエローカード

 

更には39分にはダニーロに激しいチェックを行い主審マテウ・ラモスに呼びかけられたグリーズマンが手を上げる仕草でこれを無視するような反応を取り、審判への反発にはかなり厳しいジャッジをする事で知られるラモスはすかさず7番にイエローを提示。

 

前半だけで3枚もの警告を貰ったフランス。

後半に入り結果的にはこれがおおきく響きあるトラブルを招くことに。

 

 

それは一旦置いておくとして再び試合が動いたのはまたしてもPK。

45分のフランスはエンバぺがポグバヘ一旦ボールを戻すと急加速して斜めのランでDFとGKの間へ走り、ポグバからワンツーの形でロブパスが出ます。

エンバぺをマークしていたセメドは思わず後ろからプッシュしてまい、正直かなりDFに厳しい判定でしたが判定はペナルティキック

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キッカーは久々の代表復帰もここまで無得点のカリム・ベンゼマ

彼はPKの際にほぼ左側にしか蹴らない事で知られていてレアル・マドリー時代に同僚だったペペやロナウドはそれを把握していたと思いますがGKルイ・パトリシオは右に飛んでフランス同点。

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この直後にペペがかなり激しい口調でパトリシオに話しかけているシーンがカメラに映し出されていました。

 

 

前半は1vs1で折り返し。

 

 

後半開始直後にベンゼマ勝ち越し弾

 

先述の通り、ダニーロがおそらくPKになった場面でのダメージを考慮し前半いっぱいで交代。

代役は私も今回のメンバーではイチオシだったスポルティングCPのパリーニャ

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189cmと非常に大柄のDMで機動力もダニーロとウィリアンを遥かに凌ぎ、タイプとしては所謂ピボーテに分類される選手。

懐の深さを生かしたボールキープやキャリーはネマニャ・マティッチを彷彿とさせるものがあり、マクトミネイとの年齢層の被りに目を瞑ればマンチェスター・ユナイテッドの補強候補としても合致するところが多いと思っていますが、それはまた別の機会に。

 

 

フランスの方も前半にイエローを貰ったLBのリュカ・エルナンデスに替えてエバートンで複数シーズンに渡り安定した成績を出しているリュカ・ディーニュを投入。

しかしディーニュは開始5分足らずでおそらくハムストリングを痛めてプレー続行不可の大誤算。

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この緊急事態でLBに入ったのは中盤のプレイヤーであるアドリアン・ラビオでした。

結論から言えば不慣れなポジションに関わらずラビオは綻びを見せない堅実なパフォーマンスだったので致命傷には至りませんでしたが、試合後の会見でディディエ・デシャン監督の口から今大会中の復帰は難しいと明言されたのでフランスのLBはトーナメントでアキレス腱になるかもしれません。

 

 

 

さて、試合の方に話を戻すとフランスは47分にポグバのハーフウェーライン付近からのロングパスでルベン・ディアスを出し抜いたベンゼマがこの日2点目となるシュートを決めてフランスが勝ち越し。

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マン・シティでは加入直後からDFリーダーとなりプレミアリーグシーズンMVPに輝いたディアスでしたがEURO2020ではやや不調気味。

呆気なく裏を取られる場面も少なくないのでやはり公式戦50試合、計4,330分に出場した疲労が溜まっているのかもしれませんね。

Data

fbref.com

 

 

ロナウドアリ・ダエイの世界記録に並ぶ代表通算109ゴール目をマーク

 

前半相手を押していながらフランスの個人技によってこの時点でグループ最下位に転落したポルトガル

それでもEUROデビューのパリーニャ→ロナウドへの正確なロングパスを起点にした攻撃で58分、この試合チーム2つ目のPKを獲得。

クンデは何故だか手を不自然に上げてしまい、これは流石にルール改定後でも問答無用のハンドボールなので勿体ないプレーでした。

 

 

クリスティアーノ・ロナウドは1つ目同様に左側、コースはサイドネットに突き刺さる完璧なキックで大きなプレッシャーのかかるPKを難なく成功しゴール後はお決まりのこのパフォーマンス。

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遂にイランの英雄アリ・ダエイの記録に並ぶポルトガル代表での通算109点目を挙げ、クラブのみならず代表戦でも世界の頂点に立ちます。

試合のレベルで言えばアジアよりもより厳しい環境であるヨーロッパでこの大記録を樹立したのは本当に快挙としか言いようがありません。

 

109ゴールという数字はクラブレベルでも現役生活通算の数字としてよくやったと言われる部類の数字なので、今後ロナウド程のゴールマシンがフットボール界に現れるとは思えないくらい傑出したスタッツです。(マンチェスター・ユナイテッドで例えるとマーカス・ラッシュフォードがクラブ通算88G、アントニー・マルシャルが通算78Gなのでロナウドの記録の異質さがよく分かると思います。)

 

 

再び同点になった試合は67分にポグバのインフロントにかけた横回転のミドルシュート、そのこぼれ球をグリーズマンポルトガルの大ピンチもありましたがここはルイ・パトリシオのビッグセーブ2連発で何とか凌ぐことに成功。

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パリーニャの印象的なプレーは71分。キングスレイ・コマンのドリブルをスライディングで阻止。その後カンテとのボールの奪い合いも制しボールを保持した後はワンツーを挟みポグバの股を通すと1人でフランス中盤のプレスを外してカウンターの起点に。

 

この攻撃は得点に繋がりませんでしたが、世界一のペア相手に1人で崩せる選手はそうそういないのでトーナメントでも彼をスタートから起用して欲しいという想いがより一層強まるの巻。

 

 

終盤に入ってもポルトガルのインテンシティの高さは変わらず、得点こそ生まれないものの非常に見ごたえのある試合でしたが後半ATには途中出場のブルーノ・フェルナンデスが自陣ボックス内でコマンを倒しあわやPKという場面にヒヤリとさせられます。

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個人的な順番で言えば

  1. ダニーロへのパンチング
  2. ブルーノのプレー
  3. クンデのハンド
  4. セメドのファウル

というくらいにはこのプレーは笛が吹かれると覚悟しました……

 

最後の数分は先にドイツ-ハンガリーが引き分けに終わった事もあり、フランスがパスを回してポルトガルもそれに乗るような形で終了。

 

 

死のグループF最終順位

順位表


1位:フランス⇒勝ち点5 得失点差+1
2位:ドイツ⇒勝ち点4 得失点差+1
3位:ポルトガル⇒勝ち点3 得失点差+1
(トーナメント進出ライン)
4位:ハンガリー⇒勝ち点2 得失点差-3

*ポルトガルとドイツの順位は直接対決の結果により決定

 

動画ハイライト 

 

 

ゴール⚽31分:クリスティアーノ・ロナウド(PK)
45+2分:カリム・ベンゼマ(PK)
47分:カリム・ベンゼマ(👟ポール・ポグバ)
60分:クリスティアーノ・ロナウド(PK)

 

 

選手交代

ポルトガル

46分 in:パリーニャ out:ダニーロペレイラ

72分 in:ブルーノ out:ベルナルド・シウバ
73分 in:ネベス out:モウチーニョ

79分 in:ダロト out:セメド

88分 in:S.オリベイラ out:レナト

 

フランス

46分 in:ディーニュ out:リュカ・エルナンデス

52分 in:ラビオ out:ディーニュ

66分 in:コマン out:トリッソ

87分 in:シソコ out:グリーズマン

 

 

データ

 

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スタッツは互角。

xGポルトガル2.21-フランス1.86(Sofascore)と僅差の試合でしたがどちらかと言えばポルトガルの方が内容は良かったと思っています。

 

理由としてはキリアン・エンバペをほぼ完封できたこととトーナメントに向けて新戦力の発掘に成功したというこの2点。

 

後半から出場したパリーニャはパス成功率88%、ドリブル4/4成功、ロングパス3/5成功と攻撃面ではウィリアンとダニーロを遥かに凌ぐ結果を出し、守備でもデュエル勝率7/8、タックル成功3回と上記2人の対人の強さに勝るとも劣らないスタッツ。

 

また、ネルソン・セメドはキリアン・エンバペにほぼ仕事をさせず、PKは残念でしたがそれを除けばエンバペに遅れを取ったのは恐らくオフサイドであっただろう16分の裏抜けくらい。

後半に足を負傷しダロトと交代でピッチから退いたのは不安要素ですがドイツ戦の大失態の分を取り戻すとまではいかないものの、ある程度信頼を取り戻したのは確かでしょう。

 

 

フランスからはポール・ポグバをピックアップ

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キーパス3、ビッグチャンス創出2回は共にピッチ上最多の数字で67分のシュートは惜しくもパトリシオの好守に防がれましたがレ・ブルーのMVPは間違いなくこの男です。

両チーム最多の103回のタッチを記録している事からもチーム内での彼への信頼度が伺えますが、逆に言えばポグバをマンマークで潰されるとフランスの組み立て・チャンスメイクは大きく質が低下するので、彼の個人能力に頼らない攻撃の構築がフランスの課題でもあります。

 

 

あとがき

 

ロナウドロナウドたり得るわけというのがよく分かるPK2得点だったので守備の貢献などを理由に彼をラインナップから外そうとする考えはやはり理解できない。

 

フランスは不要なイエローを複数枚貰ってしまい、特にLBはリュカが次戦でもう一枚提示されると準々決勝ではスタートからラビオをこの位置で使うハメに。

 

ラウンド16はルーマニアの首都ブカレストでスイスとの対決なのでイングランドと戦うドイツ、ベルギーと戦うポルトガルと比べればやや楽なカードではありますが、スイスと最後に戦ったEURO2016ではスコアレスドロー、通算でもフランス16勝-スイス12勝-10引き分けとフランス目線ではやや苦手にしている方のチームなのでまさかまさかの結末も考えられます。

 

 

ポルトガルは圧倒的攻撃力のベルギーとの対決ですが赤い悪魔には30年以上敗戦しておらず、相性で言えば希望を持てる対戦カード。

 それでもグループステージの戦いぶりを見るとベルギー優勢であることには違いないので簡単なミッションではありませんがロナウドアリ・ダエイの記録を越して単独1位になる決勝点を挙げてくれると信じています。

 

【 #EURO2020 】ブスケツ復帰のスペインは運も絡み大量点でトーナメント進出を決める

*EURO2020 グループE Matchday3 スロバキアvsスペイン戦の記事です。

 

 

無敵艦隊(本物)だったのも今は昔。

現在はかつてのように皮肉を込めた無敵艦隊の意味にそぐう勝ちきれないチームに逆戻りしてしまったラ・ロハ。

 

1戦目はスウェーデンの中央を固めたディフェンスを崩せず、2戦目は先制しながらレバンドフスキのヘディングで追いつかれ2戦連続のドローでグループステージ敗退のピンチ。

 

スウェーデン戦について

 

 

対するスロバキアポーランドに1vs2で勝利、スウェーデンには1vs0で敗れ現在勝ち点3、得失点差0の2位に位置し、このスペイン戦では勝ち点1以上でノックアウトステージ進出が決まる状況。

内容的にはスペインにアップセットを果たす事も十分考えられるので、心情としては彼らに肩入れしたくなります。

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りスロバキア:4ヴァルイェント、6グレグシュ、7ヴァイス、10ススロフ、11ベーネス、12クツィアク、13フロショフスキー、16ハンコ、21ジュリシュ、22ロボツカ、23ロダーク、24コスツェルニー

スペイン:1デヘア、4パウ・トーレス、6M.ジョレンテ、10チアゴ、11フェラン・トーレス、13R.サンチェス、14ガヤ、16ロドリ、17F.ルイス、19D.オルモ、20アダマ、21オヤルサバル

 

スロバキアは4-2-3-1で3列目の構成はフロマダ-クツカと比較的攻撃的な布陣。

引き分け狙いではなくあくまで勝ちに行くという試合前のコメント通りのラインナップとなりました。

 

 

対するスペインは新型コロナ感染でチームを離れていたセルヒオ・ブスケツスカッドに復帰し早速逆三角形の頂点でスタメン起用。

RBに本職のアスピリクエタが入った事も大きな変更点。

 

 

試合内容

 

ブスケツがスタメンに帰ってきたスペインは信用出来る出し手が増えた事が理由なのか過去2戦よりもIH2枚がビルドアップで高い位置を取るように。

スロバキアディフェンダーを増やすことなく、どちらかと言えば前からプレスをかけて真っ向から勝利を狙いにきたので引いた相手に対する攻撃という課題点が顕在化することなく試合を進めていきます。

 

スロバキアはサイドレーンに関してはある程度スペインの侵入を受け入れて兎に角中央を固めるような体制だったので、スペインは大外を抉ってクロスを入れる機会が多かったもののそれほど効果的な崩しが出来ている訳ではありませんでした。

 

 

運に見放されたスロバキア、それすら上回るモラタのゴール欠乏症

 

9分、スロバキアは自陣ボックス内でフロマダがコケの左脚をその先にあったボールごと思いっきり蹴り上げてしまいPKを与えてしまいます。

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キッカーはここまでの2試合で決定機ミスを3回記録しているアルバロ・モラタ。

国内外で多くのファンやメディアから批判を集めている彼にとってもこのペナルティキックは嫌な空気を払拭する絶好の機会だったのですが……

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神通力が働いているのかと思うくらいドゥブラフカは完璧にコースを読んでPKストップに成功。

スペイン代表は昨年11月のリトアニア戦から流れの中のPK5度連続で失敗したことになり、これは史上ワーストの記録。

 

 

これで少々スロバキアも乗ってくるのかといえばそうではなく、クツカ-フロマダ間が毎度のように空間を空けてしまい、そこをブスケツやモラタが自由に使うので試合はほぼ一方的な展開。

実際、前半スロバキアはシュート0で攻撃面ではノーインパクト。

 

試合が動いたのはビルドアップのミスがキッカケでした。

30分、パブロ・サラビアのクロスが長くなりGKが掴んでスロバキアが自陣からボールを運ぶ場面。CBのシャトカは何を思ったのか突如低い弾道のパスを中央目掛けて出し、これがサラビアへのプレゼントパスになってしまいます。

サラビアのシュートはクロスバー直撃で高く真上に跳ね上がり、落ちてきたところをドゥブラフカはパンチングでコーナーに逃れようとしますが処理を誤りゴールマウスへ弾いてしまいました。

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この1シーンだけみればGKのエラーとされるプレーですが、そもそもシャトカのあまりにも不用意なパスミスが無ければ生まれていないプレーだったので個人的な心情としてはドゥブラフカに同情したくなります。

 

 

このミスで委縮してしまったのかここまで2試合好セーブを続けていたスロバキアの守護神はその後ポジショニングやハイボール対応などで冴えないプレーが頻出。

前半ATに生まれたラポルトの追加点でもその直前のプレーでジェラール・モレノに詰めるのか折り返しへの対応に専念するかの選択が曖昧になってしまいPKストップの功績を打ち消してしまう勿体ないプレーでした。

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 (とはいえ、この失点も元々はコーナーのこぼれ球を25番フロマダがクリアし損ねたところから始まっているのですが)

 

 

オウンゴール選手得点ランク独走、スペインはセットプレーから大量得点

 

前半終了時点で得失点差‐2、仮に負けるにしてもこれ以上の失点はトーナメント進出に向けて絶対に許されないスロバキア代表は守備面で軽いプレーの多かったフロマダ🔁ロボツカ、ほとんどボールが来なかった前線のドゥダを下げてベテランのジュリシュをそれぞれ投入します。

 

この変更が功を奏し序盤5分間はジュリシュの裏抜けでスロバキアがペースを握りましたが時間経過と共に自力で勝るスペインペースに逆戻り。

56分には中央でのポゼッションから左のジョルディ・アルバにスペースが空いた状態でペドリからのパスが通り、アルバの折り返しをサラビアが決めて3点目

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取り分け優れた内容という訳では無かったラ・ロハですが幸運も絡み60分を前に早くも3点差。

その後はスロバキアの心が折れたのか67分と71分にセットプレーから更に追加点を加え最終スコアは0vs5のワンサイドゲーム

 

4点目、途中出場からほぼ最初のプレーで生まれたフェラン・トーレスのゴールはショートコーナーにおけるお手本の1つとなりそうな美しい連携でした。

 

 

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また、5点目の得点もパウ・トーレスのヘディングがユライ・クツカに当たりこの試合2度目のオウンゴール

 

ゴール⚽30分:マルティン・ドゥブラフカ(オウンゴール)
45+3分:アイメリク・ラポルト(👟ジェラール・モレノ)
56分:パブロ・サラビア(👟ジョルディ・アルバ)
67分:フェラン・トーレス(👟パブロ・サラビア)
71分:ユライ・クツカ(オウンゴール)

 

 

 

▼グループステージを終えた段階の得点ランキングは以下のように

得点ランキング(グループステージ終了時まで)


🌎オウンゴール:8G



🥇クリスティアーノ・ロナウド(5G)

🥈パトリック・シック(3G)
     エミール・フォルスベリ
     ロメル・ルカク
   ジョルジニオ・ワイナルドゥム
     ロベルト・レバンドフスキ

*OptaJoeによれば、オウンゴール8得点というスコアはEURO過去5大会の合計を上回る点数で勿論大会史上最多記録。

 

 

選手交代

スロバキア

46分 in:ジュリシュ、ロボツカ out:ドゥダ、フロマダ

69分 in:ヴァイス、ススロフ out:マク、ハラスリン

90分 in:ベーネス out:ハムシク 

 

スペイン

66分 in:フェラン・トーレス out:モラタ

71分 in:パウ・トーレス、チアゴ out:E.ガルシア、ブスケツ

77分 in:アダマ・トラオレ、オヤルサバル out:G.モレノアスピリクエタ

 

 

データ

 

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SofascoreのxGスロバキア0.12-スペイン3.46

結論から言ってしまえばスロバキアはゲームプランを誤ってしまったように感じます。

 

ミドルプレス自体は悪くなかったと思いますがDM2枚が軽かったのでスペインが中央を比較的容易に利用する展開が続き、失点はセットプレーやエラーが殆どでしたが、それらが発生していなかったと仮定して勝てる見込みがあったかと問われるといいえと答えざるを得ない。

 

 

スペインとしては負けか引き分けで敗退の危機もあったところでこの快勝。

やはりブスケツの復帰が何よりデカかった

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シャビイニエスタがいた黄金期とは違い、今のスペイン代表でプレイメーカーと言えるのは彼とチアゴくらいでチアゴはスタメンではありません。

過去2戦はパスの出し手不足が深刻で、それ故にパス回しも外側でこねてるだけという時間が多く得点に繋がらないポゼッションでしたがこの選手が加わるとこれ程までに改善されるのかという率直な感想。

 

スタッツを見るとキーパス2回、タックル&インターセプト1回と飛びぬけたものはありませんが、CBからの縦パスを引き出すポジショニングやカウンターの芽を摘む素早い幅寄せと潤滑油のような働きでStar of the Match(MoM)に選出。

ロングボール5/5で100%の成功率だったのは流石。

 

 

あとがき 

 

アルバロ・モラタはこの試合でもモラタしていましたがそれでもチームが大勝したので批判は収まっていくのではないでしょうか。

オフザボールやポゼッションへの貢献があるとは言え流石にこれほどまでに決定機を外しているようではストライカーとして失格と言われても仕方のない成績なのでトーナメントではチャンスをモノにして汚名返上としたいところ。

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そしてラウンド16の相手はクロアチア

ロシアW杯の時からモドリッチ依存が更に強まっていて彼の過労が心配されるレベルで攻撃の全権を担っている状態なので、トーナメントに残ったチームの中では比較的御しやすい相手ではあります。

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実際にスペイン国内のメディアでも既に準々決勝以降の皮算用をしている所が多いとも聞きましたが今の彼らには慢心出来るほどの圧倒的チーム力は無いので、そういった意味でもこの試合の結果がどうなるか今から楽しみ。

【 #EURO2020 】スタメン起用に応えるグリーリッシュ。怪我から復帰のマグワイアも好プレー

*EURO2020 グループD Matchday3 チェコvsイングランド戦の記事です。

 

 

優勝候補に挙げられているスリーライオンズはややスロースタート気味の2試合を送ってきましたが他グループの結果により1試合を残してグループステージ突破がきまっています。

 

チェコも同様に勝ち点4でトーナメントへの切符を掴んでいるのでそこまで球際の激しい試合にはならないと思いますが、ウエストハムの2人に続きプレミアリーグへの移籍が噂になっている何人かの選手がどのようなプレーをするか注目。

 

▼ここまでのイングランド代表

 

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りチェコ:2カデジャーベク、4ブラベツ、7バラーク、11クルメンチク、13シェフチーク、16マンドウス、19フロジェク、20ヴィドラ、21クラール、22マテユ、23コウベク、24ペクハルト

イングランド:8J.ヘンダーソン、11ラッシュフォード、12トリッピアー、13ラムズデール、15ミングス、16コーディ、17サンチョ、18キャルバート=ルーウィン、22ベン・ホワイト、23ジョンストン、24R.ジェームズ、26ベリンガム

 

イングランドはメイソン・マウントとベン・チルウェルの2人が新型コロナプロトコルに基づき濃厚接触者として自主隔離。

スコットランド戦後にビリー・ギルモアの陽性が判明し、試合後に彼と抱擁を交わしたこの2名は隔離の対象となってしまいました。

 

何と言っても注目はトップ下に入ったジャック・グリーリッシュ。

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言い方は悪くなりますがイングランド人プレイヤーではないではないかと感じるボールタッチやプレー選択の創造性を持っていてフットボールに疎い方でも彼がボールを持った際のプレーを見ればその虜になる事間違いなし。

こういう感情を抱くのは同国ではポール・スコールズ以来。

 

 

チェコは2戦3ゴールのパトリック・シックの鼻の怪我がそこまで重くなかったようでこの試合に先発出場。

彼らの躍進の理由は一時期のスペインやドイツと同じように国内の強豪をベースに出来るからという面も大きいでしょう。

この日のスタメンではボジル、ツォウファル、ソーチェク、ホレシュ、マソプストの5名が過去3年以内にスラヴィア・プラハ所属経験のある選手で、ベンチにもアレックス・クラールやアントニン・バラークを始めとして数多くの同クラブ出身・現所属選手を抱えています。

 

代表戦ではどうしても連携面を構築するのに時間がかかるのでこのようにある程度ベースがある状態のチームだとその点でリードを得る事が可能。

 

両チーム今後を見据えてあまりテンションの高い試合にはならない見込みが強いですがどのような結果になるのか楽しみです。

 

 

試合内容

 

前半

 

イングランドは左サイドからいきなりビッグチャンス。

裏を狙うスターリングにルーク・ショーから完璧なロブパスがデリバリーされ、10番はループシュートを選択し軌道はゴールマウスへ向かいますがファーポスト直撃で得点にはならず。

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この日のイングランドは前2戦と比較すると低い位置までボールを受けに下がる選手が多く、右側ではカルバン・フィリップス、左ではハリー・ケインがCBからパスを貰いにサポートに回るシーンがよく目につきました。

 

 

そして先制点はあのプレイメーカーから。

12分、イングランドはディフェンシブサードでボールを受けたブカヨ・サカが反転して長い距離をキャリーすると、カルバン・フィリップスとのリターンパスでゴールライン際まで進み中へクロス。

このボールはファーサイドに流れますが、グリーリッシュがリカバリーに入ると今度は左サイドからの折り返しにスターリングがヘディングを決めて今大会2点目のゴール。

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グリーリッシュのパスはふんわりと弧を描くようにDFの上を越えてスターリングにジャストで届く圧巻のお膳立てでした。

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そしてグリーリッシュは守備でも17分にコーナーキック後の被カウンターに全力疾走で自陣へ戻りピンチの芽を摘むなど献身性を見せ、得意のLWではなくとも十二分に優れたプレーが出来る事を証明。

 

 

この日のイングランドのビルドアップの基本形はデクラン・ライスがCBの間に降りて両フルバックが高い位置を取るモノと右のカイル・ウォーカーがCBに吸収される形の2パターンが多かったですが、いずれにしてもルーク・ショーは幅をとって攻撃の起点を任せられる事が多く、左CBがミングス⇒マグワイアに戻った事もあって楔やそこからレイオフで攻撃が発展する機会が飛躍的に増加。

 

マグワイアとライスは強いゴロのパスが出せるので狭いスペースでも思い切ってグリーリッシュやケイン目掛けて縦のボールを積極的に狙い、26分にはマグワイア→ケインのラインが通りここまでノーゴールかつ見せ場無しのケインに決定機。

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これはチェコGKトーマス・ヴァツリークのナイスセーブ👏

 

27分にはここまで有効的な攻撃が出来ていなかったチェコがホレシュのコースを狙ったミドルで応戦しますが、ヴァツリークに負けじとイングランドのジョーダン・ピックフォードもナイスセーブ。

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35分のチェコは右サイドで小気味よくパスを繋ぎ、イングランドディフェンスが同サイドに集まったのを見計らって逆サイドのボジルへロングパスを出し、ボジルの折り返しヤンクト、そのこぼれ球にソーチェクの左足と見事に計算された攻撃でイングランドに冷や汗をかかせます。

 

対するイングランドプレミアリーグで培った縦への推進力を生かし37分、38分と立て続けにカウンター君のチャンスを作ります。

特に後者のプレーの起点となったグリーリッシュのトラップは全てのプレイヤーが手本にしたい教科書のような完璧なプレーで思わず見惚れてしまいました。

 

 

前半はイングランド1点リード、ATはほぼ取らずに終了。

 

 

後半

 

後半に入りイングランドはデクラン・ライスに替えて精神的支柱のジョーダン・ヘンダーソンがピッチに登場。

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前半は攻撃の形が定まらなかったチェコですが後半は右サイドにボールを集め、ツォウファルのクロスを柱にしてシンプルな攻撃でイングランドゴールへ近づく時間が増加。

個人的にこの決断は素晴らしかったと思います。

 

前半のイングランドはボール保持の攻撃は左サイド中心だったので、その中心的存在だったショーの攻撃参加を控えめにさせるという意味でも大きな成果を上げていました。

実際に後半のイングランドはビッグチャンスを1つも作れておらず、そもそもシュート0本という惨状だったのでチェコからしてみればもっと早くこの修正が出来ていればと少し後悔もあったかもしれません。

 

ただ、トーナメントを考慮するとグループ首位通過の場合グループF(フランス、ポルトガル、ドイツ、ハンガリー)の2位通過といきなりラウンド16で戦うハメになるのでもしかすると戦略通りだったかもしれない……

 

ともあれ、後半は明らかに後を見据えた戦いをしていた事は両チーム共に明らかであり、試合としては殆ど起伏がなくそのままイングランド1点リードでタイムアップ。

 

 

一向に起用されない事に対して批判の声も挙がっていたジェイドン・サンチョは84分にこの試合のStar of the Match(MoM)に輝いたサカとの交代でEUROデビュー。

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動画ハイライト

 

 

ゴール⚽12分:ラヒーム・スターリング(👟ジャック・グリーリッシュ)

 

 

選手交代

チェコ

46分 in:シェフチーク out:ヤンクト

64分 in:クラール、フロジェク out:ダリダ、マソプスト

75分 in:ペクハルト out:シック

84分 in:ヴィドラ out:ホレシュ

 

イングランド

46分 in:J.ヘンダーソン out:ライス

67分 in:ラッシュフォード out:スターリン
68分 in:ベリンガム out:グリーリッシュ

79分 in:ミングス out:ストーンズ

84分 in:サンチョ out:サカ

 

 

データ

 

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お互いにリスクをかけてまで点を奪うという意思はなく、どちらかと言えば大人しい試合になりましたが、走行距離という意味では特にチェコにとってタフな結果となっています。

 

優秀なスタッツだったのはハリー・マグワイアルーク・ショーのユナイテッドペア

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この試合イングランドのビッグチャンスは3つ記録されていますが、ショーは開始直後のスターリングへのロブパス、マグワイアは26分のケインの決定機を演出した鋭いグラウンダーでDFながら得点に繋がる見事なチャンスクリエイト。

 

勿論守備でもショーはチーム最多のインターセプト3回、マグワイアもデュエル勝率100%でチェコの攻撃にうまく対処していたと思います。

後半はチェコが右サイドのツォウファルにボールを集め始めてこの2人は守備に追われる時間も増えたので前半ほど目立たなくなりましたが、ユナイテッド同様に代表でもこの2人でビルドアップからチャンスメイクまで完結出来てしまう能力があるのでスリーライオンズとしては非常に頼もしいユニット。

 

 

あとがき

 

メイソン・マウント不在という中で得点に直結するプレーをみせたジャック・グリーリッシュはトーナメントでも出場時間を増やしていきそうな気配。

 

ラウンド16の相手になるグループF2位にはドイツが滑りこみ、いきなり最大の障壁が待ち構えることに。

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ドイツは3-4-2-1で攻撃時には左のゴセンスがウインガーのような位置取りをする可変フォーメーションなのでイングランドもそれに対応するために3バック採用を検討しているかもしれません。

 

幸い、サウスゲート指揮下のイングランド代表では3バックの経験も豊富なので練度という意味では問題ありません。

悩みどころはCB3人目にショーかウォーカーどちらを選択するかという部分ですが、基本的には後者を右CBに配置してショーは起用するならWBというのが無難。

 

ただ、ショーはWBの経験がそれほど多くないのでチェコ戦で推進力の高さをアピールしたブカヨ・サカ、或いはベン・チルウェルの自主隔離からの復帰が間に合えば彼に任せるような気がします。

【 #EURO2020 】フラデツキーの再三に渡る好セーブに苦しむもベルギーは全勝でグループステージを終える

*EURO2020 グループB Matchday3 フィンランドvsベルギー戦の記事です。

 

 

EURO予選最多得点最少失点のベルギーは本大会でも攻撃力の高さを誇示し、初戦のロシア戦では3vs0の完勝。2戦目デンマーク戦ではユスフ・ポウルセンのゴールでビハインドに立たされるも後半から入ったケビン・デ・ブライネが1G1Aの活躍で逆転勝利。

 

▼ベルギーvsロシア戦について

 

一方のフィンランドクリスティアン・エリクセンが心臓の問題で倒れメンタル的にも難しい戦いとなったデンマークとの試合で枠内シュート1本ながらそれを得点に結びつけ勝ち点3を得る上々の出だし。

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ロシアにはアレクセイ・ミランチュクのコントロールショットを決められて敗れていますがこの第3戦で勝ち点1を奪えばトーナメント進出はほぼほぼ決まるという状況。

 EUROでは弱小国と評されるチームが強豪国にアップセットを果たす見ごたえある試合が度々ありますが、フィンランドにもそれを可能にする土台は整っていると思うので自力での勝ち上がりを決める為にも是非!

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りフィンランド:5ヴァイサネン、7タユロル、9F.イェンセン、11シュレル、12ヨロネン、13ソイリ、17アルホ、19カウコ、23ヤーコラ、24ヴァラカリ、25イワノフ、26M.フォルス

ベルギー:5フェルトンゲン、8ティーレマンス、11カラスコ、12ミニョレ、13M.セルス、14メルテンス、15ムニエ、17H.ヴァナケン、19デンドンケル、20ベンテケ、23バチュアイ、26プラート

 

フィンランドは過去2戦と同じ5-3-2システム。

ウロネン、ライタラの両WBに高い運動量が要求されるのは勿論ですが、どうしてもサイドの枚数が不足しがちになるので中盤3枚の素早いスライドも大切。

 

本大会では未だに得点のないテーム・プッキにも得点が生まれてくれるとチームの勝利がぐっと近づくのですが……

 

 

ベルギーは引き分け以上で首位、既にトーナメント進出を決めていることもあって大胆なターンオーバー。

3CBの左には日本でもお馴染みとなったヴィッセル神戸トーマス・フェルマーレンが入っています。

 

注目なのはトロサール-ドクの右サイド。

前者はブライトンでもパスカルグロスに次ぐプレイメーカーとしてリーグ戦35試合に出場し5G5Aと上々のシーズンを送り、後者はプレースタイルが似ていることからエデン・アザール2世と称される快速ドリブラー

この2人はどの国相手にも決定的な仕事が出来る可能性を秘めている優秀なアタッカーなので、フィンランド戦で信頼をつかんでノックアウトステージ以降に繋げたいところ

 

 

試合内容

 

既にグループステージ突破を決めていて余裕のあるベルギーとは対照的に裏の試合でデンマークが勝利して自らがこの試合に敗れた場合、得失点差の絡む複雑な順位決定の渦中に引きずり込まれる可能性のあるフィンランドは序盤からエンジン全開。

 

対するベルギーはボール保持の際にはシャドリ-トロサールの両サイドが最前線までラインを上げ、アザールがやや内側に入り中盤に吸収される形で3-3-4のような陣形をとって攻撃にかける人数を増やして早い時間帯からの得点を狙います。

 

フィンランドはカウンターからチャンスを掴みたいところですが6分のボーヤンパロのプッキの前のスペースを狙ったパスは通らず、逆にGOAL NxGn2021にも選出されているベルギー期待の若手ウインガー ジェレミー・ドクのスピードを生かしたドリブルやロメル・ルカクの強さに苦しめられる展開が続きます。

 

フィンランドはいつ失点しても不思議ではないほどに一方的に攻められる事が多かったですが最後の壁として幾度も立ち塞がったのが今回の主要メンバーでは最も著名な選手であるGKのフラデツキー。

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初戦のデンマーク戦ではホイビェアのPKをストップ

 

PK阻止に加えシュートセーブ6回、ハイボール処理3回と八面六臂の活躍を見せたデンマーク戦に続いてこのベルギー戦でも如何せんタレント力の違いから劣勢に立たされがちなチームを救うビッグセーブを複数記録しています。

 

42分のドクのカットインからのシュートに対する反応は特にお見事でした。

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前半は得点が生まれず0vs0で折り返しますが、フィンランドの全員守備にベルギーはやや苦戦を強いられているように感じたのでシステムや選手の役割を弄ってくるかもしれません。

 

 

 

後半に入るとフィンランドボールのキックオフ直後に最初のチャンス。

 

キック&ラッシュからプッキに左サイド高い位置でボールが渡り最後はパスを受けたポーヤンパロのシュートがDFにブロックされますがDF裏を狙続けるプッキの動きが生んだ良いプレーだったと思います。

 

48分にはベルギーのビッグチャンス。

フィンランド左CBオショーネシーのロングスローをはじき返すとカウンター始動。

ドクが快速飛ばしてドリブルでアタッキングサードまで進出するとそこからルカク→デ・ブライネ→トロサールと少ないタッチ数でボックス内を抉りますがトロサールの折り返しは味方に合いません。

しかし、このプレーを機にベルギーは攻勢を強めます。

 

前半と比較すると左右のCB、特に右のデナイエルが高い位置まで顔を出し更に攻撃の枚数を増やしてきた赤い悪魔。

51分にはそのデナイエルのミドルシュート、55分にはシャドリがボックス内でシュートと大分フィンランドゴールへの距離が近づいて行きます。

 

58分にはコーナーキックでデ・ブライネの意表を突くグラウンダーのパスが通りアザールに決定機が生まれますがシュートはフラデツキー正面。

フィンランドも少ない機会を生かして62分カウンターからグレン・カマラがこの試合初の枠内シュートを記録しますがゴールネットを揺らすにはあと一息足りないというところ。続く63分にはベルギーポゼッションからアクセル・ヴィツェルのパスにアザール決定機もシュートはまたしてもフラデツキーのスーパーセーブに阻まれます。

 

 

ウロネンのロストからベルギーのカウンターが始まり65分にはようやくルカクがゴールネットを揺らしますがデ・ブライネからのラストパスを受けた際に僅かに足先がオフサイドラインをはみ出ていたのでノーゴール。

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決定機まではいくものの得点が生まれないベルギーはフラストレーションの溜まる時間が続きますが74分にその均衡が破れます。

ドクのドリブルから得た左サイドからのコーナーキックフェルマーレンが地面に叩きつけるお手本のようなヘディングシュートで合わせ、ポストに跳ね返ったボールが不運にもここまで好セーブを続けていたフラデツキーにディフレクションしてゴールイン。

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81分にはフィンランドの帰陣が遅れオープンな展開になったところにデ・ブライネ→ルカクのホットラインが決まり、ゴールマウスに背を向けてパスを受けたルカクは振り向きざまに右足の強烈な一撃を沈めてベルギー追加点。

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試合はこのまま0vs2ベルギー勝利でタイムアップ。

裏のカードではデンマークがロシア相手に4vs1と大勝し、これでベルギーを除く3チームの直接対決は1勝1敗で並んだので順位は得失点差に委ねられる事に。

 

 

▼グループBの最終順位

順位表


1位:ベルギー 勝ち点9 得失点差+6
2位:デンマーク 勝ち点3 得失点差+1
(トーナメント自動進出ライン)
3位:フィンランド 勝ち点3 得失点差-2
(敗退決定ライン)
4位:ロシア 勝ち点3 得失点差-5

 

選手交代

フィンランド

59分 in:シュレル out:スパルフ

70分 in:カウコ、アルホ out:ポーヤンパロ、ウロネン

90+1分 in:M.フォルス、F.イェンセン out:ロド、プッキ

 

ベルギー

75分 in:ムニエ、バチュアイ out:トロサール、ドク

84分 in:ベンテケ out:ルカク

90+1分 in:ヴァナケン out:デ・ブライネ

 

 

データ

 

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SofascoreのxGフィンランド0.39-ベルギー1.61。

シュート数の差からすれば思ったより僅差でしたがフィンランドは大会を通してシュートに至ったプレーが少なかったのでこの結果は致し方なしだったかもしれません。

 

それでも安易にラフプレーに走る事はなくあくまで真正面から対戦相手に勝利しようとする彼らのフットボールは多くのファンに感銘を与えたと思います。

 

個人ではフラデツキーがセーブ7回、うち5つがボックス内からのシュートという素晴らしいパフォーマンス。

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また、メンバー唯一の国内組であるダニエル・オショーネシーも守備だけでなくロングスローワーとしての能力をアピールし印象に残るプレイヤーの1人。

 

 

ベルギーではやはりデ・ブライネがNo.1

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キーパス7回、ロングパス成功率7/8、守備でもタックル成功5回はこの試合最多と攻守両面で特筆すべきスタッツを記録しました。

 

 

あとがき

 

決して不安要素が無いわけではありませんがグループステージにおいてはベルギーは圧巻のパフォーマンス。

テクニカルな選手が多い中でより直線的なジェレミー・ドクはトーナメントでも試合途中のジョーカーとして重宝しそうですね。

 

フィンランドは3位チームの中でも現状一番下になってしまったのでおそらく敗退となりそうですが、ノーインパクトで大会を去る訳ではないので胸を張ってほしい。

 

【 #EURO2020 】トーナメント突破のかかった注目の1戦はオーストリアが勝利

*EURO2020 グループC Matchday3 ウクライナvsオーストリア戦の記事です。

 

 

昨日の記事でも言及したように3位突破に望みを繋ぎたい他グループの国にとっては今後を大きく左右するビッグマッチであるこの一戦

 

▼グループステージ突破条件について

 

 試合前のメディア予想では両国ともにトーナメントを睨んで引き分け狙いの談合もあり得るのではないかという記事も出ていましたが、今大会のグループステージは混戦のグループが多いので勝ち点4得失点差0では安全圏とは言えないスコア。

 

つまり、確実にノックアウトステージに進むためには勝利が絶対条件なのでどちらのチームも全力で勝ち点3を奪いに行くと思われます。

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りウクライナ:2ソボル、3スダコフ、4クリフツォフ、6ステパネンコ、11マルロス、12ピアトフ、14マカレンコ、15ツィガンコフ、19ベセディン、23トルビン、24ティムチク、26ドフビク

オーストリア:1シュラガー、2ウルマー、5ボッシュ、6イルザンカー、11グレゴリッチ、12ペルヴァン、15ラインハート、16トリメル、17シャウブ、18シェプフ、20オニシウォ、25カライジッチ

 

ウクライナは4-3-3、オーストリアは4-2-3-1スタート。

 

サイドアタックのクオリティでは後者が上回っているのでおそらくオーストリアが有利なマッチアップになると考えられます。

 

ウクライナはフリーマンのようにピッチの至る所に顔を出すマルセル・サビツァーを消す事が出来るかどうかで試合の結果が大きく変わる事になりそう。

 

 

試合内容

 

序盤から飛ばしていたのはオーストリア

ダビド・アラバのクロスを中心にウクライナを攻め立てますが最初の15分は決定機なしで経過。

 

18分にはウクライナコーナーキックでザバルニーとバウムガルトナーが接触し後者は頭を痛めたようでしばらく試合が止まりました。

 

 

スコアが動いたのは21分。

アラバのコーナーキックから先程接触があったばかりのバウムガルトナーが足裏でボールを押し込みオーストリア先制

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レアル・マドリーへのフリー移籍が決まっているアラバですが、やはりキックの質が素晴らしい。

左側ではアラバ、右はシュラーガーからそれぞれチャンスクリエイト出来て3列目のDM2枚も非常に守備強度の高い選手なのでこの構成のオーストリアはかなり手強いチームだと思います。

 

また、RB系列でプレー経験のある選手が非常に多くチーム全体の意思を統一しやすい事も彼らにとっては大きなプラス要素。

先制点のバウムガルトナーは接触のダメージが残っていたようで33分にシャルケのアレッサンドロ・シェプフと交代でピッチから退きますがその後も試合はオーストリアペースで進行。

 

42分にはカウンターからサビツァーがアルナウトビッチへラストパスを送りますが、北マケドニア戦で得点を挙げた際にアルバニア系のアリオスキへ侮辱の言葉を吐くなど30歳を超えてもトラブルメーカーっぷりに衰えの見えないセルビアにルーツを持つこのFWは決定機を決められず。

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知っている方も多いと思いますが、アルバニアセルビアの関係についてはコソボ紛争で検索してみて下さい

 

アルナウトビッチは前半おかしくない展開でしたが0vs1で折り返し。

 

 

 

後半に入るとウクライナはRBのカラバエフのクロスから徐々にオーストリアゴールへの距離が近づくようになりますがあと一歩届かず。

 

62分、左サイドアタッキングサードで獲得したFKのチャンスにオーストリア24番ライマーのクリアが危うくオウンゴールになりかける場面こそありましたが全体的にはポゼッションで主導権を握りながらもシュートまで行けない攻撃が多く、枠内シュートは前半28分の一度のみ。

終盤87分には右サイド角度のないところからFWヤレンチュクが右足でファーポストを狙うシュートを放ちますがこれも枠の外。

 

 

試合はオーストリアが0vs1で勝利。

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グループ内のもう1試合ではオランダが北マケドニアに3得点を奪う快勝で3戦3戦でのトーナメント進出を決め、北マケドニアのレジェンド ゴラン・パンデフはこれが代表最後の試合だったので交代でピッチを後にする際には両チームサポーターから拍手が送られ、チームメイトが花道を作って栄誉を称える感動的な場面もありました。

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▼グループCの最終順位は以下のように

順位表


1位:オランダ⇒勝ち点9 得点8 失点2 得失点差+6
2位:オーストリア勝ち点6 得点4 失点3 得失点差+1
(トーナメント自動進出ライン)
3位:ウクライナ
勝ち点3 得点4 失点5 得失点差-1
(敗退決定ライン)
4位:北マケドニア
勝ち点0 得点2 失点8 得失点差-6

 

 ウクライナは勝ち点3得失点-1という事でノックアウトステージ進出は正にここが分水嶺になりそうですね。

因みに、後に行われたグループBの2試合で3位がフィンランド(勝ち点3得失点-2)に決まったので、グループAのスイス(勝ち点4得失点-1)は3位チーム上から4番目以上が確定し、トーナメント進出が決まりました。

 

  

選手交代

ウクライナ

46分 in:ツィガンコフ out: マリノフスキ

68分 in:マルロス out:シャパレンコ

85分 in:ベセディン out:マイコレンコ

 

オーストリア

33分 in:シェプフ out:バウムガルトナー

72分 in:イルザンカー out:K.ライマー

90分 in:アルナウトビッチ out:カライジッチ

 

 

データ

 

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オーストリアはポゼッションこそ相手に譲ったものの、試合を通じてカウンターやセットプレーからチャンスを生み出しシュート数では3倍以上の差をつける狙い通りの結果となりました。

 

バウムガルトナー、そして後半に入り熱中症のような素振りを見せたライマーの途中交代は気がかりな要素ではありますが前者と交代で出場したシェプフは57分でキーパス3回と選手層の充実さもアピールする事に。

 

 

一方のウクライナはブロックの外でパス回しを余儀なくされる時間が多くなり、ほとんど長所を出せずに敗戦という悔しい結果。

過去2戦でゴールを奪っていたアンドリー・ヤルモレンコもこの日はシュート0本と沈黙してしまい、全体的に見ると左サイドがかなり低いパフォーマンス。

 

選手間の距離を見てもオーストリアの前線がかなり流動的にスペースを狙っていたのに対しウクライナは陣形通りで変化に乏しく1トップのヤレンチュクが孤立していた事が伺えます。

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Whoscoredより



 

 

【 #EURO2020 】グループステージ突破条件の確認+グループAを振り返る

 

EURO2020もグループステージ最終節に突入し、既にグループAではイタリアの首位通過、ウェールズの2位通過が決定しました。

また、グループCも2試合を終えた段階でオランダの首位通過が決まっており、残り13席も日本時間6月24日6:00を少し回る頃には確定していることでしょう。

 

という事で今回は各グループのこれまでを振り返りつつノックアウトステージの展望についても見ていこうと思います。

 

最終節のスケジュール

(表記は全て日本時間)

6月22日1:00⇒ウクライナvsオーストリア
                       北マケドニアvsオランダ

6月22日4:00⇒フィンランドvsベルギー
                       ロシアvsデンマーク

6月23日4:00⇒チェコvsイングランド
                       クロアチアvsスコットランド

6月24日1:00⇒スウェーデンvsポーランド
                       スロバキアvsスペイン

6月24日4:00⇒ドイツvsハンガリー
                       ポルトガルvsフランス

 

 

 

 

3位突破の安全圏は勝ち点4、得失点差プラス

 

3位同士の比較条件

①:勝ち点
②:得失点差
③:総得点
④:勝利数
⑤:フェアプレーポイント
⑥:EURO予選でのランキング

 

 

グループAは全日程を終え、3位が勝ち点3得失点-1のスイスなのでここが1つの基準点。

 

 

逆に言えば2試合を終えた段階で勝ち点を獲得できていないデンマークはトーナメント進出がかなり難しい立場だということになります。(北マケドニアウクライナオーストリアに敗れているので既にグループステージ敗退が決まっています)

 

また、各グループ最終節のカードを見ていくとグループBは3位チームの最大勝ち点6、グループCは勝ち点3得失点0で並ぶオーストリア-ウクライナの直接対決なので勝ち点4得失点0、グループD、グループE、グループFもそれぞれ勝ち点4となります。

 

つまり、スイスとオーストリア&ウクライナ引き分けパターンの勝ち点4得失点±0が3位の下位2チームの最大値となるので勝ち点4かつ得失点でプラスになればグループステージ突破が確定

 

 

グループA

 

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uefa.comより

 

無傷の3連勝、第3戦は控えメンバー中心で臨みウェールズを下したアズーリが文句なしの首位通過。

大会を通しても最も完成度の高いチームで、更にトーナメントに向けて主力に休息を与える事も出来たので間違いなく優勝候補筆頭格です。

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2位には前回大会で準決勝まで駒を進めたウェールズが入り、5年を時を経て連続でのトーナメント進出を決めています。

ベイルは前大会ほど目立った活躍をしている訳ではありませんが空中戦最強のキーファー・ムーア、90分通してスプリントを繰り返す献身さが魅力のダニエル・ジェームズらがチームを牽引しています。

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キーファー・ムーア(左端)、ダニエル・ジェームズ(真ん中)

 

ムーアはプレミアリーグ基準でもエアバトルで1番強いのではないかというくらい傑出したスタッツをクラブで残しているのでターゲットマンとして高い需要がありそう。

 

 

スイスは今大会もジェルダン・シャキリFC

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リバプールではサブに留まっているスイス随一のプレイメーカーですが、代表では今もチームの核であり続け、突破に向けて勝利以外は許されない最終節トルコ戦でも前後半それぞれ1得点ずつ奪い、特にイルファン・カフヴェジのゴラッソで1点差に迫ったトルコが活気づく中でその6分後に記録したコントロールショットは正に神の左足といっても過言ではない一撃でした。

 

勿論Star of the Match(MoM)に選出されています。

 

 

今大会台風の目という予想もあったトルコはまさかの3戦3敗勝ち点0、失意のままEURO本大会から姿を消す事に。

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2戦目と3戦目は友好関係にあるアゼルバイジャンの首都バクーで開催されたので会場の雰囲気はトルコ寄りでしたが、ウェールズに0vs2、スイスに3vs1と予選10試合で僅か3失点の強固なディフェンスの面影は何処にもありませんでした。

 

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エースストライカー ブラク・ユルマズも3試合トータル9本のシュートを放ちながら枠内へ飛んだのは僅かに1つと期待に応える事は出来ず。

【 #EURO2020 】ポルトガルのドイツアレルギーは健在。WBにまるで対応できず4失点

*EURO2020 グループF Matchday 2 ポルトガルvsドイツ戦の記事です。

 

 

先に行われた試合ではW杯王者フランスが勝ち点を落としたように満員のサポーターと強度の高い守備で手堅い試合を進めるハンガリー相手にラッキーな先制点をキッカケにして3得点を奪ったポルトガル

 

2戦目の相手は最早トラウマと言っていいくらいの相性の悪さで知られているドイツ。

国際大会では毎度のようにポルトガルの前に立ちふさがっている彼らですが、1戦目はマッツ・フンメルスオウンゴールでフランスに敗戦。

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追い詰められたドイツというポルトガルにとってはラスボス級の相手なので正直に言えばかなり不利な試合になりそうですが、いい加減このアレルギーをどうにかしないと国際大会で安定した成績を残すことは出来ないでしょうから是非とも勝利でグループステージ突破を決めてもらいたいものです。

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りポルトガル:6フォンテ、8モウチーニョ、9アンドレ・シウバ、12A.ロペス、15ラファ、16レナト17ゲデス、18ネベス、19ゴンサウヴェス、20ダロト、22ルイ・シルバ、26パリーニャ

ドイツ:3ハルステンベルク、9フォラント、11ヴェルナー、12レノ、15ズーレ、17ノイハウス、18ゴレツカ、19サネ、22トラップ、23E.ジャン、24コッホ、26C.ギュンター

 

 

試合内容

 

ここで敗北すればグループステージ突破がほぼ絶望的になるドイツが序盤から主導権を握る展開となり、ポルトガルはキミッヒ、ゴセンスの両WBに対してシステム的にミスマッチを起こしていました。更にはセメドとゲレイロのフルバック2人、とりわけセメドのポジショニングの悪さも相まってゴセンスがフリーになるシーンが異常に多かったです。

 

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更にいえばウィリアン・カルバーリョダニーロペレイラのDM2枚はクラブレベルで不調なシーズンを送っていて身体も重く、特にウィリアンはカバー範囲が畳一畳レベルに狭まっていた事も相手WBが自由になってしまう欠陥に拍車をかけていました。

 

 

大外大外また大外。思い出したくもない地獄がそこにはあった

 

開始早々の5分に比較的高い位置に顔を出すドイツ右CBのマティアス・ギンターのクロスに左WBロビン・ゴセンスがフライングボレーを決めてドイツ先制。。。かと思われましたが直前に中央のニャブリがオフサイドポジションでプレーに関与したとしてノーゴールで試合再開。

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対するポルトガルも前線の破壊力は健在。

15分にはドイツがコーナーキックでかなり前掛かりになった隙をついてベルナルド・シウバがカウンターからディオゴ・ジョタに浮き球の決定的なパス。

ジョタはパスを選択し最後はロナウドが目の前の無人ゴールへ丁寧にボールを送り届けてポルトガル先制。

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とはいえ、このゴールは事故のようなものだったのでポルトガルがリードを守るには戦術的修正が不可欠。

具体的に言えばパリ・サンジェルマンでCBをこなすようになったダニーロを一列下げて5-4-1で大外に人員が回らない問題をケアすべきだったと思います。

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しかし、フェルナンド・サントス監督はこの深刻な問題に何も手を打つことが出来ず、35分にはキミッヒ⇒ゴセンスとWBからWBのサイドチェンジに成す術なくサイドを破られ最後はディアスのオウンゴールで同点。

 

 

ネルソン・セメドは一度たりとも首を振らずボールしか見ていないので勿論彼が最も責任を追及される立場である事は明確ですが、彼が対人全振りで戦術理解に難のあるプレイヤーである事は当然指揮官のサントスも把握しているでしょう。

30分以上表面化していた問題を放置した代償は大きかった。

 

 

更に39分には同じようにDM2枚が全くスライド出来ていない所をドイツに利用され、再びゴセンスにフリーでボールが渡り今度はラファエル・ゲレイロのオウンゴール

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ATにはカウンターからニャブリが決定機を迎えますがルイ・パトリシオのビッグセーブにより何とか1点ビハインドに留めて前半を終えます。

 

 

運のツキもあり致命傷にはならずにハーフタイムに入ったポルトガル

ここで陣形や各選手の役割を修正し、ウィリアンかダニーロ或いは両方を下げて中盤に動ける選手を加えればまだ得意の高速カウンターから十分に巻き返し可能な範疇だったと思いますが……

 

 

不可解な入れ替え、失点はまだ続く

 

後半に入りポルトガルレナト・サンチェスを投入。

 

これ自体は妥当な判断。

しかし交代でベンチに下がったのはベルナルド・シウバでDM2枚にはテコ入れせず、更にはレナトもベルナルドの役割をそのまま受け渡されていたのでセンターラインのダイナリズムは皆無で何の意味も持たない交代になってしまいました。

 

ベルナルド自体の調子はあまりよくなく先述のATのピンチも彼のらしくないパスミスからだったので替えること自体はまだ理解できますが、それならばブルーノを一列上げるかペドロ・ゴンサウヴェスの投入がベターだったのではないでしょうか。

 

そして、DM問題を放置したことにより更に大外フリー失点地獄は続きます。

 

51分、三度ゴセンスがドフリーになって折り返しからハヴァーツがドイツの選手として今大会初得点を記録。

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最早言及する必要のないくらいに同じ形からの失点だったので詳細は省きますが、RWに配置されたレナト・サンチェスも大外を警戒して最終ラインに戻る素振りが無かったので、彼を投入する際にフェルナンド・サントス監督が適切な指示を出したかどうかにも疑問を抱きたくなります。

 

 

その後、58分になってようやくウィリアン・カルバーリョを下げてラファ・シウバを投入。レナトが中央へスライドしラファがRWへ入ります。

 

それでもなおポルトガルの守備の欠陥は変わらず60分にはここまで再三にわたりチャンスメイクを行ってきたゴセンスが自らヘディングシュートを決めてとどめの4点目。

ラファは前任者2人とは違いある程度ゴセンスを見ていましたが最後はマークを離してしまいアタランタで二桁ゴールのダイナモはフリーでシュートを放っています。

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ダニーロを一列落として5バックにすべきだったのではとサントスに聞いてみたくなるくらい全てWBを空けたことに起因する失点なので明らかに戦術的敗戦。

 

ドイツが第3戦を見据えて主力を続々とベンチに下げ、やや気の緩んだところにFKからのチャンスでロナウドのプレゼントパスからジョタが決めてポルトガルは一点を返しますが反撃はここまで。

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レナト・サンチェスのタイガーショットもポストに嫌われゴールにはならず。

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試合は2vs4でドイツの勝利。

 

Matchday 2を終えてグループFの順位表は以下のようになりました。

グループF順位表

    フランス:勝ち点4 得失点+1
       ドイツ:勝ち点3 得失点+1
ポルトガル:勝ち点3 得失点+1
ハンガリー:勝ち点1 得失点-3

 死のグループハンガリーの奮戦もありEURO史上に残る大激戦。

最下位のハンガリーも最終戦でドイツに勝利すればトーナメント進出が狙える立場で逆に一番厳しい立場に追い込まれたのがポルトガル

 

フランスとの相性は27戦6勝2分け19敗とドイツほどではありませんが苦手にしており、昨年2020年はUEFAネーションズリーグで2戦1分け1敗。

長年銀河系軍団で共に戦ったジダンフィーゴの最終対決である2006年ドイツW杯の準決勝からは全ての試合が1点差ゲームなのでロースコアの展開になると思われます。

2006 ポルトガルvsフランス

 

 

 

   

選手交代

ポルトガル

46分 in:レナト・サンチェス out:ベルナルド・シウバ

58分 in:ラファ out:W.カルバーリョ

64分 in:モウチーニョ out:ブルーノ

83分 in:アンドレ・シウバ out:ジョタ

 

ドイツ

62分 in:ハルステンベルク out:ゴセンス
63分 in:E.ジャン outフンメルス

73分 in:ゴレツカ、ズーレ out:ハヴァーツ、ギュンドアン

88分 in:サネ out:ニャブリ

 

 

データ

 

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 シュート数はポルトガル8-ドイツ13。

以外にもファウル数はドイツが3倍以上多く、彼らの守備は決して盤石なものでは無かった事が示唆されているスタッツの1つ。

 

勝敗を分けたのはタレントの質でも決定力の差でもなくシステムのミスマッチとフェルナンド・サントス監督の修正力の低さでした。

 

ベンチにはセルジオオリベイラやパリーニャなど、動けるセントラルの選手が居ましたが彼らに出番が回ってくる事はなく、結局最後までドイツのWBを自由にさせてしまったのは末代までの恥といっても過言ではない大失態。

 

 

フランス戦にはダニーロ、ウィリアンの2人ではなく機動力のある選手を使っての陣で欲しいところです。

 

 

個人的に見てみたいと思う組み合わせをいくつか考えてみました。

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①:4-3-3
   ②:4-2-2-2
   ③:3-4-2-1

 

①は4-3-3ベースでアンカーにスポルティング・リスボンでフィルター役として開花したパリーニャを置いた形。

フランスのサイドアタックの脅威には左はゲレイロを前に出してヌーノ・メンデスとLB2枚体制、右はIHにレナトを置いて走り回って貰う+ダロト抜擢で大幅な人員入れ替え

 

②はネーションズリーグで機能していた4-2-2-2。

フェリックスは脚に不安があるようなので代わりにアンドレ・シウバを起用してセンター中心の攻撃。ルベン・ネベスのロングパスから一発もあるので劣勢でも得点に結びつくチャンスが生まれそう。

 

③は練度もほぼ0なので実現することは無いと思いますが3CBで守備強度を上げたフォーメーション。

ハンガリーvsフランスの試合から着想を得たのとブルーノ、ベルナルドがよりバイタルに近い場所で仕事をしやすいので役割的にはアリ。ゲレイロ、セメド、ダロトと今大会のフルバックは守備に不安を抱えていて攻撃型の選手ばかりですが、WBなら彼らの短所もカバーしやすい。

【 #EURO2020 】チグハグな #ThreeLions 選手起用の謎は更に深まる

*EURO2020 グループステージ Matchday2 イングランドvsスコットランド戦の記事となります。

 

 

クロアチアラヒーム・スターリングのゴールが決勝点となり1vs0で勝利し、10度目のEURO本大会で史上初となる初戦勝利を飾ったスリーライオンズ。

 

第2戦はスコットランドとの因縁の対決が予定されています。

いかなる結果に終わるにしろ激しい球際や時には1つのプレーを巡って乱闘騒ぎになるようなことも想定されますが、選手達は熱くなるあまり不必要なカードを貰って退場するという事だけは避けなければいけません。

 

イングランドは勝てばグループステージ突破決定、スコットランドは勝ち点1以上で第3戦に臨みを繋ぎたいところ。

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りイングランド:6マグワイア、7グリーリッシュ、8J.ヘンダーソン、11ラッシュフォード、12トリッピアー、13ラムズデール、16コーディ、17サンチョ、18キャルバート=ルーウィン、21チルウェル、23ジョンストン、26ベリンガム

スコットランド:11クリスティー、12C.ゴードン、14フレック、16クーパー、17アームストロング、19ニスベット、20フレイザー、21マクラフリン、22パターソン、24ヘンドリー、25フォレスト、26マッケンナ

 

イングランドフルバックを入れ替えた以外は前節と同様のラインナップでスタート。

クロアチア戦では予選で全体の最多得点者だったハリー・ケインが中々思うようなプレーを出来ませんでしたが、システムもプレイヤーもあまり変更が無いのでこの試合でもケインが消える時間が増える可能性は高いです。

 

 

スコットランドはマクトミネイを3CBの右で起用し、第1節は怪我の影響でスタメンから外れていたキーラン・ティアニーも先発出場。

この3-5-2はロバートソンとティアニーの共存を図る為にたどり着いた策ですが、各レーンにディフェンダーを配置できるので非常に安定感の高い形が出来ました。

 

 

 

 

試合内容

 

前半

 

序盤はスコットランド優勢でイングランドはフィリップス-ライスの3列目がやや鈍重という印象。

4分にはスコットランドが右サイドを崩してオドネルのクロスにチェ・アダムスが合わせてイングランドゴールへシュートは飛んでいきますがこれはジョン・ストーンズが足でブロック。

 

イングランド最初の決定機は11分。

スターリングのドリブルを起点に得たこの試合最初のコーナーキックストーンズがポスト直撃のヘディングシュート。

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アサイドで彼のマークを外してしまったダイクスにとっては命拾いというシーン。

 

13分にはスコットランドのビルドアップでマクトミネイからボールを奪取したスターリングの股抜きラストパスにメイソン・マウントが合わせますが少しタイミングがズレて2度目の決定機も得点には至りません。

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ここまでのイングランドは両フルバックをあまり効果的に使えておらず、左サイドはスターリングとマウントがスペースを潰してしまいルーク・ショー得意のオーバーラップ・アンダーラップの機会に恵まれず、右サイドのリース・ジェームズも中々相手ゴールへ近づくパスを入れられない時間が続きます。

RWのフォーデンが守備面であまり効いていないこともあって攻撃参加の好きなジェームズとしては窮屈な展開だったことでしょう。

 

それでも19分にはようやく得意のワンツーからショーがチャンスを演出し、直後に食らったカウンターでもマクレガーとの1vs1に勝利して未然に危機を摘み取るなど徐々に本領を発揮。

 

イングランドの攻撃は大部分が左サイドからでマウントとショーは執拗に裏のスペースへ浮き球を配球し続けますがスコットランドはサイドアタックに対して中盤2枚が素早くスライドする事で見事に対応。

元々最終ラインは5バック気味で守りスペースが少ないのでイングランドの手詰まり感が目立つように。

 

30分にはロバートソン-ティアニーの縦の連係で左サイドを崩してティアニーのクロスにオドネルがボレーで合わせますが、味方DFがブラインドになっている難しい局面にピックフォードのスーパーセーブが飛び出し何とかコーナーへ逃げる事に成功。

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スコットランドはポゼッションこそ宿敵に主導権を握られていたもののゲームプランとしては明らかに相手より想定通りに遂行出来ているように見受けられ、43分~44分にかけての長いボール保持からの攻撃は思わず拍手を送りたくなる完成度でした。

 

 

後半

 

最初の5分は正にLuke Shaw's show。

ワンツーからアタッキングサードに侵入してチャンスクリエイトしたかと思えば前半に続きコーナー後の被カウンターで1vs1に勝利する攻守両面の大活躍に思わず【なぜサウスゲートは初戦で彼を先発起用しなかったのか】と嘆きたくなったのは内緒。(国際舞台の経験の乏しいミングスの隣にベテランを配置したかったという理由があったそうですが)

 

スコットランドも50分にはここまで攻撃参加を控えていたマクトミネイが得意のスペースへ持ち上がるドリブルからようやくらしいプレーが見られました。

3CBだと彼のダイナリズムが失われてしまうので持ち味を発揮できているかと言えばNoですが、第1戦のヘンドリーのパフォーマンスを考えればこれ以外に選択肢を取れないのも事実。

 

 

ここまで一度も名前が出てない事から察する事が出来るかもしれませんがクロアチア戦に続き試合から消えていたハリー・ケイン。

55分にはリース・ジェームズのシュートをお膳立てするパスでようやくチャンスに顔を覗かせますがこの試合ではオフサイドになった前半のダイビングヘッドとこのプレーくらいしか彼の見せ場は無かったです。

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60分辺りからはようやくオープンな展開になり始めたこのライバルマッチ。

 

恐らくこの試合最大の得点チャンスだったプレーは62分スコットランドのコーナー。

 右サイドからロバートソンのインスイングのボールが入り、中央で競ったハンリーが横に頭で落とすと最後はダイクスのボレーシュート

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コース的にはポスト直撃かやや枠外かという際どいシュートでピックフォードも反応出来ていませんでしたがライン上でリース・ジェームズがスーパーブロック。

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イングランドは63分にフォーデン🔁グリーリッシュ、74分にケイン🔁ラッシュフォードと残り時間が少なくなってきたところでようやく攻撃のカードを切り始めますが残念ながら機能したとは言えず、後半はシュート数でスコットランドに上回られる始末。

 

肝心の試合展開も枠内シュートは1つしかなくAT1分にはリース・ジェームズのクロスからゴール前でまるでラグビーのような肉弾戦が繰り広げられますが、これはある意味この試合のイングランドの連携面の薄さと個人能力頼りのプレーの象徴とも言えるシーンだったと思います。

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逆にスコットランドは全員守備で粘り強く身体を張り、この場面ではマクトミネイが頭から飛び込んでおりまるでジョン・テリーフィル・ジョーンズを思わせるような熱の入り様でこの試合にかける情熱の差は歴然でした。

 

 

試合はスコアレスで終了

 

 

動画ハイライト

 

 

選手交代

イングランド

63分 in:グリーリッシュ out:フォーデン

74分 in:ラッシュフォード out:ケイン

 

スコットランド

76分 in:アームストロング out:ギルモア

86分 in:ニスベット out:チェ・アダムス 

 

 

データ

 

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イングランドはボールを保持しているというよりは持たされている感の強い試合で実際にシュート数がスコットランドより少ない事もそれを裏付けるような結果。

 

SofascoreのxGイングランド:1.45-スコットランド:0.66とビッグチャンスの差でスリーライオンズが優勢だったようですが、大会屈指のタレントを集めながらこのフットボールというのではガレス・サウスゲート監督に対する不信が強まっていても仕方のない結果だと思います。

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そして、CL決勝まで戦った疲労が抜けきっていないのかフィル・フォーデンは1試合スタミナが持たないので彼の交代要員は大切なカードですが何故かジェイドン・サンチョは一向に使われず。

状態が悪いのであればこの試合もクロアチア戦同様にベンチ外にすればいい話で、ベンチにいるアタッカーでは彼が最も右サイドで脅威を与えられる選手なのでこの部分はかなり不可解。

 

また、デクラン・ライスとカルバン・フィリップスの同時起用だと攻撃面では物足りなさが目立ち今回のように主導権を握れる見込みの高い試合ではどちらか一方を控えにしてよりプレイメーカー寄りの選手を使って欲しいですね。

 

という事で第3戦はこんな感じのラインナップを見てみたい

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本音を言うならばウォード=プラウがいれば右IHで抜群にフィットしそうだったので彼を招集しておくべきだったと今でも思ってしまいますが、現状のスカッドで判断するならばこの陣容が一番魅力的だと考えています。

 

スターリングは2試合出ずっぱりで疲労が溜まっているでしょうからベンチスタート。

ケインも今のフットボールだとキャルバート=ルーウィンの方が適合しそうですがエースなので1点はグループステージの内に決めておいて欲しい。

 

 

あとがき 

 

スタメン起用に関しては一旦置いておくとしても明らかに攻めあぐねている試合で交代カードを2枚しか切らない判断の根拠は何だったのか謎。

 

特に後半のフィリップスは存在感が0に等しかったのでいの一番に手を加えるところだと思っていましたが……

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【 #EURO2020 】🏆獲得へ視界良好 24か国の中でもずば抜けて完成度の高いアズーリ

*EURO2020 グループステージ Matchday2 イタリアvsスイス戦の記事です。

 

 

今大会オープニングマッチとなった対トルコ戦は相手の枠内シュートを0に抑え、攻撃面ではインシーニェ-インモービレ-ベラルディの3TOPがそれぞれ得点に直結する活躍を見せるなど完勝だったアズーリ

 

第2戦の相手はアルプス山脈を挟み隣国同士の関係であるスイス。

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マッターホルン山頂にはイタリアとスイスの国境線が通っています 

 

リ・ナティ(スイス代表の愛称)の初戦はウェールズ相手に1vs1の引き分けで、勝ち点ではこの試合を落としても致命傷にはなりませんが得失点差を考慮するとなるべく最小失点で乗り切りたい試合。

 

距離が近いという事もあってか両チームの対戦はこれまでに58試合行われており、戦績はイタリア28勝-スイス8勝-引き分け22となっています。

 

 

 

スタメン

 

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ベンチ入りイタリア:1シリグ、9ベロッティ、12ペッシーナ、13エメルソン、14キエーザ、15アチェルビ、16クリスタンテ、20ベルナルデスキ、22ラスパドーリ、23バストーニ、25トロイ、26メレト

スイス:3ヴィドマー、6ザカリア、11R.バルガス、12ムボゴ、14ツバー、15D.ソウ、16ファスナハト、17ベニト、18A.メーメディ、19カヴラノビッチ、21コベル、25キュマルト

 

ホームのイタリアはRBがフロレンツィ⇒ディ・ロレンツォに替わった以外は初戦と同じメンバー同じシステムで挑みます。

トルコ戦でもディ・ロレンツォ投入後の方が安定していたのでここの序列は逆転したのかもしれない。

 

 

スイスも第1戦と変わらず3-4-1-2の布陣。

このチームの攻撃はシャキリへの依存度が極めて高いので彼をマンマークで潰されてしまうと手詰まりになる可能性があります。

 

また、鍵になるのは右ウイングバックのエンバブ。

イタリア左サイドはウイングとフルバックが両方ともかなり攻撃的な選手なので、ヴォルフスブルク所属のこのディフェンダーには攻守両面で高い運動量と集中力が求められます。

 

 

試合内容

 

前半

 

クラブチームに比べると代表戦は連携が取れず選手間の距離も開いてしまうケースが多いですがアズーリには全くその兆候がみられません。

6分には右サイドをショートパスで小気味よく崩すとロカテッリのランに気付いたインシーニェのループパスでボックス内に侵入。

シュートには至らなかったもののこのワンプレーだけで彼らの完成度の高さを知るには十分な情報量。

 

10分にはスピナッツォーラの縦の突破からインモービレがヘディング。

今大会ここまで最速となるスプリントを記録しているスピナッツォーラはドリブル時のボールを置く位置が上手く、右利きLBという不利になりがちな要素を逆に生かしてカットインやそれに見せかけた縦の突破など敵目線ではかなり厄介な選手ですね。

 

イタリアは19分に左からのコーナーキックにてゴール前でボールが二転三転しキエッリーニがこぼれ球を押し込んでゴールネットを揺らしましたが、これはその前のキエッリーニのハンドを取られてノーゴールで試合再開。

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続く24分、そのキエッリーニが負傷を訴えてフランシスコ・アチェルビと交代でピッチを退くなど、少し嫌な展開が続きますが直後の26分にはロカテッリのセンターサークル手前からのベラルディへのドライブパスで一気に局面を打開すると、彼はそのままゴール前へ駆け込みベラルディの折り返しに自ら合わせてアズーリ先制!!

 

ロカテッリを見ていたのはスイス8番フロイラーでしたがボックス手前からギアを上げたイタリアの新司令塔に反応できずマークを外しています。

 

 

スイス最初のチャンスは36分。

右サイドからシャキリにボールが入り前方にスペースのある状態でフリーになったエースはピッチを右から左へ斜めに横断するようにドリブルすると左サイドのリカルド・ロドリゲスへパス。

ロドリゲスのクロスはイタリアDFにブロックされますがようやくゴール前まで侵入する事に成功。

 

 

ただ、この後はイタリアの強力なカウンター攻撃に苦しめられて結局前半はITA:7本-SUI:1本とシュート数で大きな差を付けられて折り返し。

 

 

後半

 

47分のイタリアはゴールキックでロングパスではなくCBからのビルドアップを選択。

マンチェスター・ユナイテッドにも見習ってほしいくらいに狭いスペースで見事パスを繋ぎ、プレス耐性の高さも垣間見えるプレーでした。

 

52分にはバレッラの横パスを受けたロカテッリがゴール右隅に強烈なミドルシュートを沈めてイタリア2点目。

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シュートは勿論ファンタスティックでしたがその前のシーンでチーロ・インモービレが目の前のディフェンス2人を釣った事もこの得点を生んだ要因。

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2点差を付けられたスイスは64分に途中出場シュテフェン・ツバーのシュートでこの試合初の決定機を迎えますが ボールはドンナルンマの左脚に阻まれゴールとはならず。

 

その後はアディショナルタイムに1つシュートを記録したのみ。

ポゼッションではイタリアがペースを落としたので優勢になったもののボックス内に侵入することに苦しんだスイス。逆に90分にはこの試合決定機を3度外していたインモービレに名誉挽回のミドルシュートを沈められてチェックメイト

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試合は3vs0でホームのイタリア代表が勝利。

グループAのもう1試合ではウェールズがトルコを0vs2で下したので順位表は以下のようになっています。

EURO2020 グループA 順位表(Matchday 2)

1位:イタリア     勝ち点6 得失点+6
2位:ウェールズ 勝ち点4 得失点+2
3位:スイス        勝ち点1 得失点-3
4位:トルコ        勝ち点0 得失点-5

 

動画ハイライト

 

 

ゴール⚽26分:マヌエル・ロカテッリ(👟ドメニコ・ベラルディ)
52分:マヌエル・ロカテッリ(👟ニコロ・バレッラ)
90分:チーロ・インモービレ(👟ラファエル・トロイ)

 

 

選手交代

イタリア

24分 in:アチェルビ out:キエッリーニ

69分 in:キエーザ out:インシーニェ
70分 in:トロイ out:ベラルディ

86分 in:ペッシーナ out:ロカテッリ
87分 in:クリスタンテ out:バレッラ

 

スイス

46分 in:ガヴラノビッチ out:セフェロビッチ

57分 in:ツバー out:シェア
58分 in:ヴィドマー out:エンバブ

76分 in:R.バルガス out:シャキリ

84分 in:D.ソウ out:フロイラー

 

 

データ

 

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イタリアはクリーンかつ相手より5km以上多く走ったという結果が出ており、技術的にも肉体的にもスイスを凌駕していた事がよく分かるスタッツ。

 

13本シュートを打って枠内が3つというのは少し物足りなさが残りますが、その3本は全て得点に結びついています。

 

そしてStar of the Match(MoM)は勿論マヌエル・ロカテッリ

 

誰がみても彼の選出に文句はないと思いますが、ロカテッリは攻撃面だけでなく守備でも優秀な結果を残しておりタックル数暫定1位、タックル成功数暫定2位に位置しています。(2021-06-18時点)

 

 

スイスはポゼッションでは若干上回りパス成功率でも相手より優れた結果を残しましたが攻撃の迫力に乏しく、折角のカウンターチャンスでもトランジションが遅く相手に帰陣されるシーンも目についたので残念な結果となってしまいました。

 

GKのヤン・ゾマーはシュートを1つもセーブ出来ませんでしたが3点目を除けばほぼノーチャンスだったので、彼にとっては受難の一日でした。

因みに、彼はパートナーの出産に立ち会う為に一旦代表キャンプから離脱するとのことで突破がかかる第3戦はシュツットガルトからドルトムントへの移籍が決まったグレゴール・コベルにゴールマウスを託すことになりそうです。

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あとがき

 

前評判ではポルトガルイングランドと共にフランスに続くTier2の扱いが多かったアズーリ

2試合をみた段階では彼らが内容的にも結束力でも最も優れたチームである私は感じています。

 

ただ、一番優れたチームが王者になるかと言えばそういう訳ではなく、近年で言えば2006年ドイツW杯でアズーリが優勝した時は決して順当な勝ち上がりとは言えませんでしたしEUROでも前回覇者ポルトガルはベスト8まで90分間で勝利を挙げることなく勝ち進んでいるのでこういう時に限って予想だにしない敗北の落とし穴があるのがフットボールの常。

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