いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #EURO2020 】豪華なメンバーから塩試合の #ThreeLoins 。それでも10度目のユーロ初戦でようやく初勝利

*EURO2020 グループD第1戦 イングランドvsクロアチア戦の記事です。

 

 

純粋なメンバー比較だけで言えば今大会でも1、2を争う豪華陣容のイングランド代表。

グループリーグ初戦の相手は過去に何度も壁として立ち塞がってきたクロアチアです。

 

 

 

やはり2018年ロシアW杯準決勝の印象が最も強いと思われますがそれ以前にもユーロ2008の本戦出場を逃す決め手になった2007年11月21日の試合もスリーライオンズのトラウマの1つ。(England - Croatia, Nov 21, 2007 - European Qualifiers - Match sheet | Transfermarkt)

 

実を言うと通算成績で言えば6勝2分け3敗とイングランドが勝ち越していて直近2試合(UEFAネーションズリーグ)でも両方とも勝利を収めているので極端に相性の悪いチームでは無いのですが。。。

 

 

そんな因縁もあるスリーラインズとヴァトレニの2年7カ月ぶりのマッチアップはどのような顛末を迎えたのか、今回は振り返っていこうと思います。

 

 

 

スタメン

 

f:id:irohasesun-fm-foot:20210614050447p:plain

 

ベンチ入りイングランド:3ルーク・ショー、7グリーリッシュ、8J.ヘンダーソン、11ラッシュフォード、13D.ヘンダーソン、16コーディ、18キャルバート=ルーウィン、22ベン・ホワイト、23ジョンストン、24R.ジェームズ、25サカ、26ベリンガム

クロアチア:7ブレカロ、12L.カリニッチ、13ヴラシッチ、14ブディミル、15パシャリッチ、16シュコリッチ、19バデリ、20B.ペトコビッチ、22ユラノビッチ、23スルガ、24ブラダリッチ、26L.イヴァンシッツ

 

イングランドはハリー・マグワイア、ベン・チルウェル、ジェイドン・サンチョの3名がベンチ外。

マグワイアに関しては周知の通りコンディション面が理由ですが残り2人に関してはサウスゲート監督自ら"戦術的な理由"と言及したので何か負傷などのトラブルがあったわけでは無さそう。

 

しかしながら不可解な判断なのがLBの人選。

チルウェルはベンチに入らずルーク・ショーもサブでなんとスタートはトリッピアーという大きなサプライズ。

これにはショー-チルウェル論争でチルウェルの方がスタメンに相応しいと発言し、ユナイテッド時代には前者との確執も噂されたジョゼ・モウリーニョもおったまげてしまったのではないかと。

 

 

対するクロアチア代表は主力の高齢化やラキティッチマンジュキッチの代表引退もありロシアW杯と比べると大分チーム力を落としていますがホッフェンハイムでリーグ戦20ゴールのアンドレイ・クラマリッチマルセイユでCBのレギュラーを掴んだドウイェ・チャレタ=ツァルのようにここ1、2年で本格化を迎えた選手をうまく使って穴を最小限に収めたいところ。

 LBで先発出場のヨシュコ・バルディオルはRBライプツィヒがウパメカノやコナテの後釜として既に手をつけている有望なCBですが代表での経験はまだ浅いので連携面での不安が残ります。

 

 

試合内容

 

スタメンの紹介では4-2-3-1とされていたスリーライオンズですが、実際にはライスをアンカーに置きマウント-フィリップスがIHの4-3-3に近い陣形でした。

f:id:irohasesun-fm-foot:20210614153429j:plain

 

そして本職ではないLBで起用されたキーラン・トリッピアーに関してはやはりビルドアップに苦労するシーンが多く見られ、RBのウォーカーが特に前半低水準だった事を考えればトリッピアーRB、ルーク・ショーLBが最も相応しい選出だったはず。

 

 

最初のビッグチャンスは6分のイングランド

自陣からトリッピアーのロングスローにスターリングが左→中央に斜めのランでフリーでボールを受けるとそのまま右に走るフォーデンへパス。

フォーデンは急ストップで目の前に空間を作ると得意の左足コントロールショットでファーサイドを狙いますがシュートは惜しくもポスト直撃。

Embed from Getty Images  

 

9分には左からのコーナーキックのクリアボールにカルバン・フィリップスが低い弾道のミドルシュートゴールマウスに飛ばしますがGKリヴァコヴィッチのナイスセーブに阻まれます。

 

20分には代表でもキーマンになっているメイソン・マウントの左サイドライン際からDF裏を狙うスターリングへパスが通りボックス内に侵入。

スターリングは積極的にサイドから斜めのランを繰り返し、マウントは元々左側に寄ってくるタイプなのでこの2人の関係性は良かったと思います。

 

 

ここまで防戦一方のクロアチアは攻撃時4-3-3、守備時は4-4-2でモドリッチが最前線に吸収されるマンチェスター・ユナイテッドでブルーノが持たされているタスクと似たような形で守っていましたが、これはモドリッチの負担軽減が目的だったのではないかと考えています。

因みに、この試合のルカ・モドリッチの総走行距離は8.7kmとやや抑え目。

f:id:irohasesun-fm-foot:20210614170952p:plain

(Luka Modrić | Croatia | UEFA EURO 2020 | UEFA.com)

 

そんなアウェイチーム最初のチャンスは右サイドのヴルサリコから。

24分にアーリークロスでCB2人の間にボールを供給し、スターリングのシュートミスを挟み27分にはクラブでチームメイト且つポジション争いのライバルでもあるトリッピアーからナツメグ⇒エリア内へクロスでペリシッチのシュートチャンスを演出するなど前半は彼がクロアチア唯一の攻撃手段となっていました。

Embed from Getty Images  

 

 

前半は「ああ、これが国際大会のイングランド代表だ…… 」というノスタルジーに浸るようないつもの塩試合という様相でその要因としてはフルバックの機能不全が挙げられます。

ウォーカー、トリッピアー共に幅を取る動きが殆どなく、フォーデン、スターリングの両ウイングは共に中央に行きたがるタイプなのでセンターラインが渋滞を起こし所謂ごちゃごちゃサッカーの状態。

そしてクロアチア代表もスリーライオンズをリスペクトし過ぎたのかかなり守備に重きを置いた45分だったので、もしかすると引き分けでもいいのかな?感じる内容。

 

 

後半最初のシュートはクロアチア

クラマリッチの横パスからモドリッチミドルシュート

Embed from Getty Images  

威力は伴いませんでしたがようやく”らしい”プレーが現れたところで攻勢にでたかったヴァトレニですが残念ながらこの数分後にプランが崩れる事に。

 

 

負のジンクスを打ち破るゴールは10番の右足から

 

57分、スルスルっと右サイドのハーフスペースに駆け上がったカルバン・フィリップスにウォーカーからドンピシャの縦パスが通るとフィリップスはカットインからのラストパスでスターリングへ完璧なお膳立て。

Embed from Getty Images  

 

クラブでは終盤戦に絶不調に陥り本大会直前の親善試合でも低パフォーマンスが続いた為、ジャック・グリーリッシュを差し置いての先発起用に疑問の声も挙がったラヒーム・スターリングでしたがこの決定機では見事ゴールネットを揺らしユーロ初戦に異常なまでの勝負弱さを露呈しているイングランドにそのジンクスを打ち破らせる貴重な先制点をもたらしています。

Embed from Getty Images  

 

 

勢いにのって追加点を奪いたいスリーライオンズは61分にもマウントの左足クロスからここまで沈黙のハリー・ケインにビッグチャンスが生まれますがボールにミートし切れずその後勢い余ってゴールポストに左胸が激突する不幸までついてくるなどこの日のエースは良いところなし。

Embed from Getty Images  

 

幸いにもこのプレーはそこまで大事にはならず、ケインはその後プレーを続行し82分にEURO本大会の歴代最年少出場となったジュード・ベリンガムと交代でピッチを後にしています。

Embed from Getty Images  

*ベリンガムはEURO2012のジェトロ・ウィレムス(18歳71日)を抜いて史上最年少記録を樹立

 

1点ビハインドのクロアチアは65分にやはりヴルサリコのクロスからコバチッチのミドル、こぼれ球に反応したレビッチと続けてチャンスを作りますがどちらもゴールマウスを割る事は叶わずその後は中々得点に直結する局面を作る事が出来ないままタイプアップ。

後半ATのラストプレーで放った途中出場パシャリッチのシュートも枠を捉える事はありませんでした。

 

 

動画ハイライト

 

 

ゴール⚽57分:ラヒーム・スターリング(👟カルバン・フィリップス)

 

選手交代

イングランド

71分 in:ラッシュフォード out:フォーデン

82分 in:ベリンガム out:ケイン

90+2分 in:キャルバート=ルーウィン out:スターリン

 

クロアチア

70分 in:ヴラシッチ、ブレカロ out:ブロゾビッチ、クラマリッチ

78分 in:B.ペトコビッチ out:レビッチ

85分 in:パシャリッチ out:コバチッチ

 

 

データ

 

f:id:irohasesun-fm-foot:20210614171303j:plain

 

率直に言えば、両チーム共にフルブーストではなく残り2戦に重きを置いているのが丸わかりな試合であった事が走行距離からも伺えます。

 

おおよそのスタッツで拮抗した結果になりましたが最終スコアを分けたのはチャンスの質。

イングランドはビッグチャンス2回、クロアチアは0回でxGは0.9:0.3とやや差のつく内容となっております。

(England vs. Croatia Match Report – Sunday June 13, 2021 | FBref.com)

 

 

先述のイングランド代表のEURO本大会初戦のジンクスに関してですが、過去9戦で5分け4敗と散々な結果が続いており、自国開催のEURO1996でもスイス相手に1vs1のドロー(サウスゲートは選手としてこの試合に出場しています)でした。

お世辞にもいい試合とは言い難い90分でしたが、このような歴史を鑑みれば勝利できただけでも今大会は100点に近いスタートと言えるかもしれません。

 

正直、サウスゲートのメンバー選考には疑問符がつき、カウンターしか攻め手の無い状況だったので今までのようにトーナメント16かベスト8でPK戦の末に敗れるシナリオが今から想像出来てしまうので次戦以降はサンチョやグリーリッシュといったタレントを有効活用して欲しい。

無論、トリッピアーのLBは無しで。