いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUFC 】プロフェッサーの監督就任はクラブの風通しが良くなった証?

11月29日、ラルフ・ラングニックの暫定監督就任が正式に発表されました。

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参照:

Man Utd official statement on Ralf Rangnick appointment as interim manager | Manchester United

 

 

監督就任の知らせと同時に、22/23以降の2シーズンに渡ってコンサルタント職に就く事も正式に発表され、ホッフェンハイムRBライプツィヒを一から作り上げたと言ってもいいドイツ屈指の戦術家、いやその域を超えたフットボールの教授ともいえる人物が遂にメガクラブでの挑戦をスタートさせます。

 

 

今現在のプレミアリーグの監督で言えば、リバプールユルゲン・クロップサウサンプトンのラルフ・ハーゼンヒュットル、チェルシーのトーマス・トゥヘルがラングニックの影響を強く受けている指揮官で、特にトゥヘルは現役時代に選手と監督の間柄で愛弟子に当たる関係性。更に、コーチとしてのトゥヘルをシュツットガルトリクルートしたのは"The Professor"本人なので、途中就任からクラブをCL優勝に導いた名将が名将たり得る根底に彼が存在していると言っても過言ではありません。

 

他にもPSVのロジャー・シュミット、バイエルンユリアン・ナーゲルスマン、RBライプツィヒジェシー・マーシュらが弟子にあたり、先の例にもある通りドイツのみならず世界各地にラングニックの哲学から発展したフットボールが浸透しつつあります。

 

彼自身、ゲーゲン・プレスと表現されるプレッシングフットボールのルーツは80~90年代のミランゾーンプレス革命を起こしたアリゴ・サッキにあると過去に語っていますが、更に上流へたどればヴァレリ・ロバノフスキーやリヌス・ミケルスといったフットボールの教科書に名前が出てくる過去の名将の名前が登場し、時を越えて脈々と受け継がれてきた哲学とユナイテッドの伝統がどのように融合していくのか今から非常に楽しみです。

 

 

 

これまでのユナイテッドならば、己のフットボールを浸透させる為に上層部に強い影響力を及ぼすラングニックを迎え入れる事はまず考えられませんでしたが、今回の人事を強く推し進めたのはダレン・フレッチャーとジョン・マータフ、今年に入ってフロント入りしたこの2人とされています。

そういう意味では、ラングニック招聘に関しても時間をかけながらグレイザーファミリーの譲歩を引き出し、徐々にフロントの内部にフットボールを知る人物を増やしていったオーレ体制の功績の1つと言えるでしょう。

 

FDのマータフ、SDのフレッチャーに関しては当初名前だけで実際にはその職に相応しい権力が与えられる事は無いと考えられていました。

ただ、ジェイドン・サンチョ、ラファエル・ヴァランとウィークポイントを的確に埋める夏の補強や今回の一連の流れを見る限り、この部門は適切に機能しているのかもしれないと認識を改める必要がありそう。

 

 

そして、ラングニックに求められるのはサー・アレックス・ファーガソン退任後、指揮官交代の度に方向性が大きく変わり、長いスパンで見た時に何がアイデンティティなのか全くもって分からなかったピッチ上での行動指針を整備すること。

それに伴ってU-8からトップチームに至るまでの全部門である程度統一されたフットボール哲学を浸透させることですが、コンサルタントというのが具体的にどのような役職・権力を持つのかは不明で、レッドブル系列のクラブを率いた頃のように統括責任者に収まる場合、選手獲得や関連スタッフの採用に至るまで彼の力はとても広範囲に及ぶでしょう。

 

 

ここまではディレクターとしてのラングニックに対する期待を書いてきましたが、暫定監督としての半シーズンでどのようにチームを指導するのかについても考えてみます。

 

代名詞はウイングを配置しない4-2-2-2ですが、ホッフェンハイムブンデスリーガ初挑戦時には強力な3TOP(チネドゥ・オバシデンバ・バ、ヴェダド・イビセビッチ)を抱えていたことから4-3-3を採用しており、ユナイテッドでも前線のタレント力を考慮した新たなフォーメーションを見出す可能性は十分に考えられます。

 

今後の試金石?


度々コーチ陣がイヤホンマイクやヘッドセットを装着しているシーンがカメラに抜かれ、ラングニックの助言があったかもしれないと予想される週末のチェルシー戦では、クリスティアーノ・ロナウドをベンチスタートにして攻撃時ブルーノ偽9番の4-3-3、守備時4-2-2-2の可変システムを採用。

2TOPにはいずれも純粋なストライカーではなくウインガーに近いマーカス・ラッシュフォード、ジェイドン・サンチョのユニットを選択。

まだ付け焼刃の段階でありますが、オーレ体制の最後の数か月ではすっかり消えてしまったハイラインハイプレスとストーミングを思わせるセカンドボール奪取に力を入れたスタイルが復活し、劣勢だったとはいえ最強格のチーム相手にアウェイでドローとまずまずの結果。

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↪試合記事

 

 

過去の傾向から見れば、中盤に関しては運動量とインテリジェンスを要求され、FBとCBにはアジリティとパワーを求める傾向があるので、前者ならばジェシー・リンガードやドニー・ファン・デ・ベーク、後者ならばエリック・バイリー、或いはダービー・カウンティへのローンが頓挫してU-23に残留したテデン・メンギは出場機会が増加するかもしれません。

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因みに、木曜日のアーセナル戦は就労ビザが間に合わずマイケル・キャリックが引き続きチームを指揮するとのこと。