ヨーロッパ主要リーグのマーケットが閉まってからは日数が経過していますが、そんな中で驚きの移籍情報が入っています。
昨年9月からエバートンに所属していたコロンビア代表MF ハメス・ロドリゲスは2021年9月23日付でカタール有数のクラブ アル・ラーヤンSCへの完全移籍が成立。
フットボール界では新戦力の恒例パターンの1つになっているカメラ前でのリフティングを披露しています。
@jamesdrodriguez باستاد أحمد بن علي المونديالي 🏟 pic.twitter.com/pIZ2GYXyzS
— AlRayyanSC (@AlrayyanSC) September 23, 2021
アル・ラーヤンではハメスの後釜候補として彼が去ってから1シーズン後にFCポルトに入団し、同じくLWを主戦場としたヤシン・ブラヒミとチームメイトになるという不思議な縁も。
元々、ハメス・ロドリゲスがエバートンに加入してプレミア挑戦を決めた大きな理由がクラブの前指揮官であり、ハメスとはレアル・マドリー、バイエルンで選手とコーチの間柄だったカルロ・アンチェロッティの熱烈なラブコールでした。
その恩人はジネディーヌ・ジダン退任を受けて後釜として白い巨人への電撃復帰が決まり、トフィーズは後任としてラファ・ベニテスを招聘。
ベニテスといえばリバプール時代の印象が強くサポーター内でも賛否分かれる決断でしたが、それ以上にハメスにとってはスペイン時代に不仲説が取り沙汰された関係性で、戦術的にも守備構築を第一として縦に速い堅実なフットボールの新監督のチームでは居場所が無くなるのではないかと多くのメディアで指摘されていました。
実際に今季のエバートンを見ると、レバークーゼンからプレミアに戻ってきたデマレイ・グレイ、クリスタルパレスからフリー加入のアンドロス・タウンゼントといったスピードを持ち味にする選手が早速立場を掴んだ一方、クラシカルな10番タイプで分類するとすればポゼッションに最も輝きを見せるハメスはリーグ5試合を終えて出場時間0と完全に構想外となっていたのが現状。
アブドゥライェ・ドゥクレ
マイケル・キーン
↪450分
アラン:431分
デマレイ・グレイ:421分
シェイマス・コールマン
ジョーダン・ピックフォード
↪360分
アンドロス・タウンゼント:355分
リシャルリソン:348分
ジェリー・ミナ:278分
*データは5節まで。
(参照:2021-2022 Everton Stats, Premier League | FBref.com)
また、具体的なスタッツに目を通すと(今季はまだ序盤ですが)、20/21と21/22のエバートンを見比べてポゼッション率は46.5%→41.6%、ボールタッチ(90分)は597.8→492.0と大きくチームスタイルを変化させている事が分かります。(Source:Premier League Possession Stats | FBref.com)
個人的には昨シーズンの2度目の対戦でマン・ユナイテッドは彼にしてやられたという印象が非常に強く、10月初旬の対戦を前にこのプレイメーカーの対策をせずに済むというのは嬉しいニュースですが、その反面彼をプレミアリーグで見れなくなる事が確定してしまったのは悲しい……
ただ、翌年に控えたカタールW杯を考えるとこの移籍に関して少し見方が変わってくるかもしれない。
国際キャリアにおけるハメスはクラブ以上にセンセーショナルな活躍を見せており、先に現地のコンディションに順応しておく事で来年の大爆発への期待が高まります。
(コロンビアは現在南米予選で5位につけており、W杯出場権4.5枠は十分に射程圏内。)