いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #WorldCup 】Day3、真っ向勝負に番狂わせに成功したサウジアラビア

大会3日目はアルゼンチン vs サウジアラビアに始まりフランス vs オーストラリアまでの4試合、日本時間でいえば午後7時から翌日午前6時過ぎまでフットボール漬けで、翌日が祝日という事もあって多くの方が夜更かしして見続けていた事と思います。

 

 

 

 

アルゼンチン vs サウジアラビア

 

強者対挑戦者のカードでは後ろの枚数を増やせるだけ増やしてゴール前にバスを止めるような防城戦が圧倒的に多い中で、前評判では圧倒的不利とされたサウジアラビアチームがとった手段はペップバルサやクロップリバプールの全盛期にも負けず劣らずなハイラインで、ビルドアップも2-3-2-3陣形でかなりアグレッシブな戦い方を選ぶ。勿論CB裏にアルゼンチンのアタッカーがタイミングよく飛び出した場合は即失点に繋がりかねないリスクを孕んでいるものの、今大会より採用された半自動オフサイドシステムによるより正確な判定を信用し、前半は6:4のポゼッションながら最終ラインの平均位置取りはほぼ同じであった。

 

厳しめに映ったボックス内のファウル判定によって10分にPKから失点を喫したものの、エンド変わって48分のサウジアラビアルーズボールを収めショートカウンターからAl-Shefri、53分にはGKのロングフィードが右サイドの大外に通ると、Al-Abedのシュートはブロックされるがこぼれ球を拾ったAl-Dawsariがトラップの乱れをその後の細かいタッチで挽回し、左45度からの右足インフロントキックであっという間に逆転!!

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アルゼンチンはバック4+DM1人(パレデス)と前5枚が常に分断されてしまう状況が続き、ミドルゾーンを使う選手が誰もいないので攻撃の組み立てがままならない。CB2人も自分でボールを運びながら時間を作れるタイプではなく、中央にスライドしてゲームメイクが出来るジョバンニ・ロ・チェルソと左サイドで個の打開力で縦に進めるニコ・ゴンザレスの存在の大きさを嫌な形で実感する事になってしまった。次戦以降はオタメンディ-ロメロではなくリチャ(マルティネス)-オタメンディにCBユニットを変えて左の起点を作りつつ、中盤に関しては4-1-2-3に変更するなど配置の工夫でカバーする必要があるだろう。

 

 

デンマーク vs チュニジア

 

マン・ユナイテッドのファンとしてはクラブに籍を置く選手同士の今大会最初の直接対決という事で密かに注目していたこのカード。エリクセンは3-5-2の3センターの左で先発しハンニバルはベンチスタート。

 

チュニジアは1TOP2シャドーでデンマークのバックスと数的同数になり易いのでシステム上の優位を得て試合を進める。様子見のような序盤でリスクをかけた攻撃は両チーム殆ど無かったが、前半最大のハイライトは43分、チュニジア右サイドからのスローインからMsakniがハーフスペースでボールを受けてゴール方向にボールを運ぶと、ケアー-アンデルセン間のチャンネルにスルーパスを通してJebaliにビッグチャンス。GK シュマイケルの頭上を抜こうとしたチップキックは高さが足りず阻まれたものの、完全にデンマークの守備を崩し得点まであと一歩に迫る。

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前半ATにデンマークセントラルMFのデラネイが左太ももの痛みで負傷交代を余儀なくされ、代わりに入ったのはEURO2020で一躍ブレイクを果たしたダムスゴー。HT明けのダニッシュ・ダイナマイトはエリクセンを一列落としユナイテッドで任されているDeep-Lying Playmakerに近い役割へ変え、CFドルベア OMダムスゴー,オルセンの3-4-2-1でチュニジアとのミラー配置に。

 

更に65分には一挙3枚替えで4-3-3へシステム変更を行い、最終ラインのパスワークが安定した事で得点の匂いが一気に強まる。代表戦でこの的確な判断が出来る辺り流石は戦術家のカスパー・ヒュルマンド監督と言ったところだが、ゴールライン越えまで数センチにまで迫りながらも得点が生まれずにゴールレスドローで決着。

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チュニジアで気になっていたハンニバルに関しては80分から途中出場したものの、上述のようにチームが守備に回る時間が長く殆どボールに触る機会が無いまま終わった。

 

 

メキシコ vs ポーランド

 

ロサーノとベガ、小回りが効いてテクニカルな両ウイングのテイクオンと機を見て3列目から飛び出すエクトル・エレーラの裏抜けと相変わらず見ていて気分のいいフットボールを見せるメキシコ。心情的にはプレーの好きなマティ・キャッシュのいるポーランドをやや応援気味で見ていたのですが、3-5-2でミドルゾーンの枚数で上回るにも関わらずほぼ攻撃の形を作る事が出来ず、レヴァンドフスキへの重要な供給源であるジエリンスキに中々いい形のパスが入らない。

 

無得点に終わった前半は大外からの個人技でチャンスを作ったメキシコが優位な形だったが、ポーランドエドソン・アルバレスのロストから未だワールドカップ無得点のエースに大きな得点機会が訪れる。ゴールマウスに向かって真っすぐボックス内に侵入すると、エクトル・モレノと激しい身体のぶつけ合いになりながらゴールエリア内でバランスを崩し、直後はプレーが流れたもののVARによりPKが認められる。

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しかし、W杯で結果を残せていない選手vsW杯男オチョアという11mの間の真剣対決はあえて一度逆の方向にステップを踏んでコースを誘導した後者の完全勝利に終わり、レヴァンドフスキの初ゴールは訪れなかった。

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フランス vs オーストラリア

 

特別な戦術がある訳ではないが、特別な選手は複数人いる。カンテ,ポグバ,ベンゼマを欠いてもなお圧倒的なクオリティを持つプレイヤーを抱えるフランスは左サイドでエンバペ、右サイドでデンベレがゴール方向を向いてボールを持てばマークを2枚引き寄せる事が可能で更に突破までしてしまうので反則級。

 

ただ、最初に得点を決めたのはオーストラリア。ハリー・サウター→右大外に流れたレッキーにロングパスが通ると、鋭い折り返しのボールをファーサイドに走り込んだグッドウィンが対角線に突き刺して前回王者をまんまと出し抜く。更に、レ・ブルーはこの一連の流れでLBリュカ・エルナンデスが右ひざを痛め負傷交代。試合後にACL損傷の重症である事が判明し彼の22/23シーズンは終了。

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20分過ぎまではオーストラリアが攻勢でサウジアラビアに次ぐアップセットの期待も高まったものの、27分にはCK後のセカンドボールからリュカに変わって入った弟テオのクロスにラビオが頭で合わせ同点。更に32分、オーストラリアのビルドアップのエラーに乗じボールを奪ったラビオからのプレゼントパスにジルー、あっという間に試合をひっくり返す。

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後半、オーストラリアは1本もシュートを打たせてもらえず、2,3人のユニットで何度もディフェンスライン裏にボールを入れられ続ける厳しい展開。67分のフランスは左サイドをワンツーで突破しテオのクロスにグリーズマンの決定機、これはアジズ・ベヒッチがライン上でクリアしたものの、4年前のチャンピオンはセカンドボールを回収してアタッキングサードでの攻撃が続き、今度は右サイドデンベレの左足クロスにエンバペのヘディング炸裂。ポストに当たりGKノーチャンスの完璧なシュート。

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この3分後にもジルーの2点目で追加点を加えたフランスは4-1で勝利。18本のシュートをボックス内から記録しているようにゴールライン際まで抉ってからのマイナスのクロスが試合を通して脅威となった。また、すっかりNo.10,プレイメイカーが馴染んでいるグリーズマンは4つのビッグチャンスを創出し影のMOTM。

 

 

振り返り

 

参照:FIFA Training Centre

今大会、FIFA Training Centreの発表するMatch Reportは非常に綿密で、シュート数やパスマップは勿論のこと、プレッシングの詳細やクローズドデータであったスプリントやトップスピードに関しても包み隠さず全て公開されています。

 (フランスのトップスピード最速はやはりエンバペでした)

 

全体カメラから見えるユニット全体の動き方を含め、勝因/敗因分析や各々のチームの戦い方を解き明かしていく上でこれ以上ない資料が揃っているので活用していきたい。