どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
今回はプレミアリーグ第30節、マンチェスター・ユナイテッドvsブライトン・ホーヴ・アルビオン戦についての記事となります。
試合プレビュー
土曜日の記事ではリンデロフが欠場する見込みだと書きましたが、実際には彼ではなくユナイテッドが誇るスペランカーエリック・バイリーが今回のスカッドから外れる事になりました。
怪我の情報は入っていなかったので驚いたのですが、どうやら新型コロナウイルス陽性が判明してチームから離脱したようです。
オーレは、エリック・バイリーが代表合流中に新型コロナウイルス検査で陽性反応が出たことを明かした。@EricBailly24 の早期回復ならびに復帰を願っています ❤#MUFC pic.twitter.com/7oJ0Kgs2U9
— マンチェスター・ユナイテッド (@ManUtd_JP) April 4, 2021
そして膝を負傷したアンソニー・マルシャルの状態は当初の予想よりも悪く、どうやら今シーズン中の復帰は厳しくなるという見方が強い事をスールシャール監督が明かしています。
ブライトンは前回のユナイテッド戦でゴールを決めたタリク・ランプティ、ソリー・マーチの右サイド2人が怪我で今シーズン中の復帰は厳しい状況。
更にCBのレギュラーアダム・ウェブスターも離脱中。
ただ、代表戦に招集されたメンバーは全員健康な状態でチームに復帰し、W杯欧州予選グループE ベルギーvsベラルーシ戦で2ゴールを決めたレアンドロ・トロサールには注意を払う必要があります。
要警戒は彼に加えて中盤のパスカル・グロス、FWのニール・モペイ。
スタメン
マンチェスター・ユナイテッド
ベンチ入り
1デヘア、13グラント、19アマド、21ダニエル・ジェームズ、31マティッチ、33B.ウィリアムズ、34ファン・デ・ベーク、38トゥアンゼベ、39マクトミネイ
GKのスタメン争いに勝利したのはヘンダーソン。
この試合でどちらが起用されるのかというのはメディアやファンも注目していましたがデヘア離脱中の6試合で4度のクリーンシート達成も評価されての選出でしょうか。
アタッカー陣に目を向けると負傷が伝えられていたラッシュフォードとグリーンウッドはスタメン入り。
マルシャルの離脱によってFWは頭数が心許ない状況なので代表戦期間中にトレーニングでフィットネスを取り戻したであろうエディンソン・カバーニの活躍が望まれます。
クラブとの契約延長に漕ぎつける為にもこの試合ではゴールという目に見える結果をチームにもたらして欲しい。
ブライトン
ベンチ入り
6カルボニック、10マック・アリスター、16ジャハンバフシュ、17アルザテ、19イスキエルド、23J.スティール、24プレパー、25モイセス・カイセド、29ゼキリ
シーガルズは3‐4‐1‐2を採用し中央を固めてきました。
完全に守備に重きを置くならば右のウイングバックにグロスではなくフェルトマンを配置してくると思うのである程度バランスを保ったラインナップだと見ています。
古巣対決のダニー・ウェルベックはアーセナル在籍時にもユナイテッド戦で得点を挙げているので注意を払いたいですね。
試合内容
序盤からユナイテッドがブライトン陣内でプレーする時間が多く、左サイドの攻防は完全に赤い悪魔が制していました。
4分にはブルーノがこの試合の初シュートを記録。
8分にはブルーノの左サイドからのクロスが弾かれた先に待ち構えていたグリーンウッドが右足ボレーでポスト直撃の鋭いシュートを放ちブライトンには緊張感が走ります。
怪我を理由にU-21代表から離脱していた彼ですが、動きを見る限りではコンディションは良さそう。
空中戦対応、マークの受け渡し、課題は明白だった失点
問題の場面は13分。
ブライトン右サイドからの攻撃、パスカル・グロスがサイドに陣取るモペイにパスを送ると彼はダイレクトで中のウェルベック目掛けてクロス。
ボールには斜め回転が掛かり上から落ちてくる軌道でDFには対処しにくいボールだったとは思いますがボックス内中央で陣取るリンデロフはボールに触れる事が出来ずウェルベックをマークしているワン=ビサカもあっさりマークを外されて失点。
ヘンダーソンが素晴らしい反応を見せ、一度は右足にボールを当てたのですが跳ね返りが運悪くウェルベックの正面という事でGKには何の責任もないゴールでした。
この両者は地上戦には抜群の対応を見せるのですが高さが追加され3Dになると途端に致命的なプレーをしてしまうのでこの弱点は一刻も早く改善しなければいけません。
先制点を獲得したブライトンは攻勢は強め19分にはFKからルイス・ダンクがヘディングシュート。
今シーズン4ゴールを決めているこのCBの一撃はヘンダーソンが右手一本で弾きだしましたがやはりマンチェスター・ユナイテッドのセットプレー対応の脆さは他のチームに知れ渡ってしまっていると強く感じた瞬間でした。
次のユナイテッドのチャンスは38分、ラッシュフォードとショーの連係プレーから左サイドを攻略すると最後はブルーノのラストパスでポグバにペナルティライン上からフリーのシュートチャンスが生まれますがインサイドで合わせたキックはゴールからはかけ離れた方向へ。
前半終了前の45分にはグリンウッドのパスミスから中央を突破され危うく失点という危機もありましたがマグワイアが決死のスライディングでこれを阻止。
続くATにもコーナーから15番ヤクブ・モデルのシュートがゴール左に僅かに逸れるピンチを招くなど、前半は完全にブライトンペースで折り返し。
チームの顔役2人で美しい同点ゴール
後半に入るとブライトンの守備にも綻びが生じ始め、特に左サイドからの度重なる攻撃でユナイテッドがゴールマウスに近づいて行きます。
蓋を切ったのは52分のラッシュフォードのミドルシュート。
60分にはポグバがDF裏を狙うブルーノにジャストタイミングでパスを送り、ブルーノのシュートは先日スペイン代表にも選出された私イチオシのGKロベルト・サンチェスの見事な飛び出しで防がれますが確実に同点弾の機運は高まっていました。
そして62分。
左CBフェルトマンの前方へのロブパスをマグワイアがヘディングで大きく前に跳ね返しカバーニがこれをワンタッチでブルーノへパス。
カウンターを始動するとブルーノは出来る限りDFを引き付けて外からボールを貰いに走り込むラッシュフォードにこれ以上はないという最高のラストパスで後を託します。
簡単なシュートを外して批判される事もあるラッシュフォードですがやや角度のない難しい決定機ではその実力を遺憾なく発揮し流れるような美しいカウンター攻撃に花を添える同点ゴールを決めています。
🎥 A belated Easter treat: the best bits from Sunday's comeback win over Brighton! ⬇
— Manchester United (@ManUtd) April 4, 2021
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正にラブリーフィニッシュ😍
ブルーノのパス後にフェルトマンの危険なレイトタックルがあったのですがこれに対して何も処分が無かった事だけが心残り。
同点に追いついてからはユナイテッドペースで65分にはワン=ビサカのグラウンダーからグリーンウッドの決定機、69分にはフレッジのミドルがディフレクションしてゴールを襲うなどあと一息というチャンスが続きます。
対するブライトンも70分にカウンターで最後はウェルベックがボールに触れれば得点というビッグチャンスを作り意地を見せます。
このプレーに際してマグワイアのファウルがあったのではという声も多くありますが確かに運に恵まれた一面はあったかもしれませんね。
終盤の勝ち越しゴールで得点以外はキレの良さを見せていたグリーンウッドが遂に
72分にユナイテッドはラッシュフォードに変えてダニエル・ジェームズを投入。
スペースが生まれやすい後半終盤からの彼はジョーカー役になり得るのでこれは良い交代策でした。
76分にはブルーノ特有のアウト気味にかかったGK手前でワンバウンドするミドルシュートをロベルト・サンチェスが前方へ弾くとこれに反応したジェームズがグリーンウッドへパス。
しかしグリーンウッドはシュートモーションに入る途中で転倒してしまい、ボールは無人のゴールマウスの上に消えて行きました……
そんな若き11番ですが試合終盤に報われる事に。
83分、左サイドでボールを持つショーが前方のスペースへスルーパス。
タイミングよく後ろから飛び出したブルーノがボックス内に侵入すると一呼吸タメを作ってポグバにふんわりとした優しいパスを送ります。
ポグバはシュートを撃ってミートし切れなかったのかそれとも意図して味方へ折り返したのか地面に叩きつけるボールがボックス内中央へ蹴りだされるとこれにダイビングヘッドで反応したグリーンウッドが勝ち越し弾!!
レスター戦でもゴールを挙げていたグリーンウッドはこれで今シーズン初めての2試合連続得点となり今季通算ではこれが6点目。
昨シーズンの新型コロナウイルスによる中断明け以後のゴールラッシュからすれば寂しい数字ではありますがこれを機に復調して公式戦ゴール数を二桁に乗せて欲しい。
これ以後はブライトンが圧を強めて同点ゴールを狙いに来ましたがギリギリのところでユナイテッドが押し返して試合終了。
試合はホームのマンチェスター・ユナイテッドがブライトンに2vs1で勝利しています。
動画ハイライト
ゴール⚽
13分:ダニー・ウェルベック(👟ニール・モペイ)
62分:マーカス・ラッシュフォード(👟ブルーノ・フェルナンデス)
83分:メイソン・グリーンウッド(👟ポール・ポグバ)
交代選手
72分 in:ダニエル・ジェームズ out:ラッシュフォード
82分 in:ファン・デ・ベーク out:カバーニ
84分 in:マクトミネイ out:ポグバ
ブライトン
63分 in:マック・アリスター out:トロサール
87分 in:ジャハンバフシュ、ゼキリ out:J.モデル、ララーナ
データ
終わってみればシュート数は3倍スコア、他のスタッツもユナイテッドが軒並み優勢という結果になりましたがこの試合は分かりやすく前半がブライトンペース、後半がユナイテッドペースの展開だったので見ていてこのデータほど圧倒している感覚はありませんでした。
因みにブライトンのシュートは全て前半に放たれたもので、逆に赤い悪魔が最初の45分で撃ったシュートは3本のみ。
よく言えば後半になって上手く試合を持ち直した、キツイ言い方をするとエンジンがかかるまでに時間がかかり過ぎているといった試合。
ビッグチャンスの数はユナイテッド4つ、ブライトン3つ。
xデータ
(参照:Manchester United 2 - 1 Brighton (April 04 2021) | EPL | 2020/2021 | xG | Understat.com)
xGではユナイテッドが0.3程リードという結果。
概ねスコア通りの内容なので特にこれといった感想は無いのですがラッシュフォード、ブルーノという今季の要を抑えてxG1.01を記録したメイソン・グリーンウッドには今後の約10試合期待して見ていきたいですね。
彼は前節のウエストハム戦でもチーム最多となる5本のシュートを記録しており、肝心のシュート精度については昨季後半と比べてやや落ちていますがそこに至るまでの動きは向上の跡が見られ、マルシャルの抜けたセンターFWにそのまま定着しても不思議ではありません。
エディンソン・カバーニの得点ペースが低下し、パスに関しても周りのプレイヤーとあまり息があっていない現状を鑑みると彼を真ん中に配置するのがベター。
サイドアタッカーに関してはダニエル・ジェームズやアマドなど他の選手でも代用が効くように思えるので。
そのジェームズですが代表戦での好調をこの試合でもキープしており、76分のグリーンウッドへのパスは彼の献身さと素早さが生み出したチャンスだったので今のチームには欠かせない存在になりつつあります。
更に後半ATにはブライトンGKロベルト・サンチェスに猛プレスをかけてカウンターを未然に防ぐといった場面もあり、攻守のバランスを見ても彼のようなチームプレイヤーを1人は配置しておきたいですね。
あとがき
この週末は各地で波乱が続く展開でしたがマンチェスター・ユナイテッドは何とか勝利を手にし、プレミアリーグ残り8試合で3位レスターとは勝ち点4、4位チェルシーとは勝ち点9差をつける事に成功したので4位以上はおおよそ確定的と言える状況になりました。(残り試合数<勝ち点差)
実質替えがいない状況のマグワイア、ワン=ビサカの疲労に関しては気になるところもありますが、後者に関しては幸か不幸か代表に選出されていなかった事で2週間試合間隔が空いているのである程度ケアは出来ていると思います。
次の試合はミッドウィークのヨーロッパリーグベスト8 vsグラナダ戦。
ベスト32のレアル・ソシエダに続きスペイン勢とは2度目の対決になりましたがチームスタイル的にはグラナダは比較的与しやすい相手だと思うので完勝を求めたい。