いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUNMCI 】ダービーらしからぬ熱量の無さ、淡々と進んだ90分

※24/25 イングリッシュプレミアリーグ

マンチェスター・ユナイテッドvsマンチェスター・シティ戦の記事です。

 

無失点で終えたという守備面だけを切り取れば悪くなかったかもしれない。しかし、そこには地元のライバルとの負けられない戦いという因縁が存在しているようには思えず、ただ単にリーグ戦の1節に過ぎないような淡白な時間だった……

 

 

 

 

【Match Review】

Starting lineup

ベンチ入りマンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 2 Lindelöf, 7 Mount, 11 Zirkzee, 14 Eriksen, 23 Shaw, 41 Amass, 56 Chido Obi, 87 Kukonki

マンチェスター・シティ
10 Grelish, 11 Doku, 14 Nico González, 18 Ortega, 22 V.Reis, 26 Savinho, 45 Khusanov, 82 R.Lewis, 87 McAtee

 

 

前半

 

今季限りでのクラブ退団が発表されたケビン・デ・ブライネを見送るようなムードで若干フワ付いた入りとなったマン・シティに対して、マン・ユナイテッドは試合開始30秒で左サイドでのコンビネーションからガルナチョが3人目のオフボールでDFライン裏へ抜け出し決定機かと思われたが、ボールコントロールがやや乱れた事とその後の進路取りがスピードを殺すような方向だった事が相まってボックス手前でルベン・ディアスが捕捉しFK。

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近い位置からのブルーノのセットプレーは壁にぶつかり、ホームチームは絶好の機会を活かしきれずに終わってしまう。

 

 

デ・ブライネがフォルスナインで前線から中盤へ降りるシティは両ウイングのマーモウシュ、フォーデンが内側に積極的に進出してくるためポゼッション時には4-3-1-2のような形を取る事も多く、ウイングプレイというよりは狭い空間でのポゼッションから中央突破、またはサイドでタメを作って後ろに待つフルバックやCMのミドルレンジのクロスというのが基本的なパターンとなった。

 

これに対してユナイテッドはフォレスト戦の後半で手詰まりの原因の1つにもなったドルグ-ガルナチョのラインを継続し、なおかつヨロも逆足サイドというよく分からない配置でスタートし、最序盤はシティの浮ついた立ち上がりにつけ込んでスピードを活かしたカウンターからチャンスを生み出したものの、マテウス・ヌネスの身体能力が高いのとこの2人の縦の位置取りが被る回数の多さなどもあってその後は苦戦。むしろオライリーの瞬間的なアジリティや背後の警戒の甘さに付け入る隙がある右サイドの方がチャンスクリエイトでは可能性を感じた。

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また、ドルグの左足への拘泥が前節に続いて悪目立ちしており、加入当初はもう少し逆足でのプレーを自然に選択していた印象を持っている。カウンターから右サイドにいたガルナチョからの折り返しに面した24分の得点機会では素直に右足でシュートすれば決定機になり得たところで左足に持ち替えようとして半端なボールタッチとなりクリアされてしまう。

 

シティはボール保持でアンカーのコバチッチが一列降り、フルバックを前に押し上げる3-2-5を採用しており、トランジション局面でのサイドの守備強度には不安を抱えている。更にデ・ブライネ,ベルナルド・シウバ,ギュンドアンといった往年の主力選手たちが勤続疲労からか球際の一歩が届かなかったり、あるいはヌネスのポジショニングやボールプレーの雑さなどから定期的にユナイテッドに危険なカウンターを食らっていた為、もしもホームチームのフィニッシュワークがもう少し洗練されていれば複数失点を前半のうちに喫していても不思議ではなかった。

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ただ、総合的にこのライバルマッチの前半を評するとすれば、とてもじゃないがプレミア最高峰のダービーとは言えない熱量もプレー強度も普遍的な試合であり、前半のxGが両クラブ共に0.50未満であった事からも淡白な内容であった事は伝わってくる。

 

後半

 

後半開始早々にシティはコンビネーションからユナイテッドゴールを脅かし、ギリギリでマズラウィが足を伸ばして掻きだした事で何とかクリア。その後はしばらく赤い悪魔の時間となり、フォームを変えて2戦目でキック精度が改善傾向のダロトのクロスからエデルソンにプレッシャーをかける。

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55分を少し過ぎたところで両チーム1人ずつの選手交代を行い、シティの攻撃が縦の深さをより活用しようと変化している所でアモリムマグワイアに代えてリンデロフ、過去何度もユナイテッドを苦しめたワイドから斜めにゴール前を陥れるようなボールプレーが見られずに窮屈なプレーが多かったフォーデンに代えてドリブラーのドクを投入したペップとそれぞれの意図が良く分かる交代策。

 

ハナからカウンター狙いのユナイテッドはともかくとして、あのシティがマイボールになった後の全体の押し上げに乏しくスカスカのポゼッションになっている点に関してはチーム状態の悪さを感じる。その要因には先述した中盤~前線の主力の高齢化による運動量の低下も含まれているのは間違いなく、今オフにも大ナタが振るわれるかもしれないのでファンにとっては覚悟の夏となるのでは。

 

右サイドで陣地を獲得しゴール前を通過する長いクロスでドルグ、ウガルテ、ガルナチョらをフィニッシュ役とするシンプルな攻撃で得点を狙うユナイテッドだが、反応が遅れてもすぐにリカバリーして強靭なフィジカルで自由を奪うヌネスに苦戦し最後の一手が届かない。LBのオライリーは190㎝を優に超える長身DFなのでアモリムのやり方自体は間違っていなかったと思うが、結局のところゴール前は選手のクオリティ頼りなので致し方が無い。

 

ゴールレスドローが現実味を帯びてきた70分過ぎ辺りからようやく熱が入り始め、ダービーらしいゴール前での攻防が増えてきたが、それでもGKの準備が整っている状態からのシュートが殆どである為エデルソン、オナナ両者の壁を突破するには至らない。

 

グヴァルディオルやルベン・ディアス相手にゼロ距離で強引にボールを収めようとして上手くいかなかったホイルンドからライン間に降りてマークから距離を確保して受け手になろうとするジルクゼーにCFが変わり、彼を基準にユナイテッドに得点の匂いが強まってここでようやくドルグも得意の大外縦突破からのクロスで何度かチャンスを生み出す。

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が、最後までゴールネットにボールが突き刺さる瞬間は訪れる事無くタイムアップ。今から見返す方は最後の20分だけでも良さそうな試合。

 

データ

 

Standard


ポゼッションを相手に譲ったユナイテッドだがシュート数で上回ったように全体的な戦略としては特にミドルサードの攻防でうまくシティの弱みを突いた部分もある。一方で13本のシュートのうちオンターゲット僅か2という相変わらずの決定力の低さを露呈していて、確実なスコアラーが誰一人として存在しない今のチーム状況を物語る内容。

 

ウガルテ-カゼミロ併用については、カゼミロが運動量をセーブさせるチームとしてのフォローもあって輝きを取り戻しているものの、代わりにカバー範囲が広くなる上にクロスに飛び込む後詰めのフィニッシャー役も任されるウガルテにとってはしんどい立ち回り。やはり片方にはボックス内での貢献も見込める選手を置きたい。

 

 

xG

 

参照:

Manchester United 0 - 0 Manchester City (April 06 2025) | EPL | 2024/2025 | xG | Understat.com

 

ゴール期待値はユナイテッドが1.23でリードし、シティは0.69と今季リーグ戦では3試合前のフォレストとのアウェイ戦以来6度目の1.00未満の試合となった。少し前まではリーグ断トツの破壊力を持っていた彼らも今は過渡期という事で、プレミアリーグでのマンチェスター・ダービーで赤い悪魔が無敗となるのは20/21シーズン以来4季ぶり。

 

先述したようにゴール前を通過するクロスに対しファーサイドに飛び込む事が多かったウガルテが個人のxGでは0.58でトップとなり、これに続いたのは途中出場のジルクゼー。視線を動かすという点はこの試合である程度クリアしたので、あとはとにかく決めきる決定力が欲しい。

 

あとがき


やはりマズラウィとヨロは左右を入れ替えたい。

 

また、ドルグとガルナチョの同サイド起用も避けたいところであり、FWに関しても現状はジルクゼー出場時の方が明確にポゼッションの円滑さが上なのでホイルンドは立場を得る為にライン間でのプレーメモリーを増やさなければならない。