※24/25 UEFAヨーロッパリーグ
FCSBvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。
各ポジションに指揮官が求める要素が大分固まってきたと感じる今日この頃。メイヌーはやはり3-4-3だとCMよりもアタッカーにより高い適性があった。
⏹️ Job done in Bucharest — well played, lads! 🫡#MUFC || #UEL
— Manchester United (@ManUtd) January 30, 2025

【Match Review】

Starting lineup

前半

ホームのFCSBは5-3-2をベースにユナイテッドのビルドアップに対しては特にデ・リフトを狙ってFW+中盤3枚の底を務めるアドリアン・サット以外のMF2人が加わって4人でプレッシャーをかけていき、一度目のチェイスの意識は高いのでしばしば高い位置でボールを奪い取る事が出来ていたが、2度追いをしない選手もいるのでサイドからサイドに素早くボールを展開されると脆さを見せる事も。
遠征のユナイテッドはワイドCBがマズラウィとリチャ、現状では最もポゼッションで周りの味方の意図をくみ取れる組み合わせだったので彼らを中心にボールを前進させ、シャドーがエリクセンとメイヌーという事で自然な形でハーフスペースで中継地点になった。メイヌーのアタッカー起用はCMで要求される上下の運動量の激しさにまだついていききれていない点や彼の左サイドでのコンビネーションプレーの優秀さなど様々な面で今後も試していく価値がありそうだ。
一週間前の試合で証明されているように、ある程度自分たちに優位性があるゲームではエリクセンのシャドーは効果的で、最近セントラルMFで起用されているブルーノに関しても運動量の部分で要求水準を超えているのが彼以外だとウガルテ,コリア―の2人だけという当該ポジション事情を考えればベターな選択で、まだボールプレーでのリスクを負うかそうでないかの判断には課題が残るが、オフボールの判断にムラのあるメイヌーやホイルンドを後ろからコーチングしてスペースを生み出す良いサイクルが生まれていた。
相手右CBのポペスクはライン間で後ろ向きでパスを受けるユナイテッドの選手に対して積極的に前に出て潰しに行ける判断力と思い切りの良さがあり、メイヌーは少々苦戦しているような場面が散見され、一方で逆サイドの守備対応は簡単に背後を奪われていたのでどちらかと言えば右側の方がユナイテッドにとっては攻略しやすかったのだが、コリア―のボールレシーブのバタつきや、大外で斜め向きでボールを受けるダロトが利き足サイドでの起用という事でどうしてもワンテンポ次のプレーへの移行が遅れがちになってそう上手く事は運ばない。
良かった点としてはチームとして相手ディフェンスの身体の向きを反転させるような攻撃の形を共有していた事で、フィニッシュワークでも精度の問題自体は残っているがバックポストへのクロスとニア~中央で空くマイナスのスペースへのパスの2つで使い分けが為されていて、ようやく個の集まりからチームになり始めた感。ただ、繰り返しになるがシュート精度自体に課題が多い事もあって何度か決定機を作りながらも無得点で前半を終える。
後半

相手が引いて守ってくる事もあってセントラルMFに要求される運動量が普段より少なめと判断したのか、ボールレシーブの部分でややスムーズに行かない場面の目立ったコリア―を下げてエリクセン-ブルーノのプレイメイカーデュオに変更し、攻守においてデュエルの弱さが足を引っ張っていたマラシアに代えてガルナチョを投入しユナイテッドはハーフタイムで2枚替え。
これによってダロトは左へスライドし、メイヌーは右シャドーへ移動。ダロトは内向きでいても自然な姿勢で効き足でプレー出来るようになった事でボールプレーの質が改善され、ガルナチョも相手のエラーから早速決定機を作る等この交代策は成功だったと個人的に思う。
また、FCSBも中盤を一枚変更してきたが、交代出場のアルハッサンは見た目でも身体が絞り切れていない様に見え、攻守において機敏さに欠ける様子でユナイテッドにとっては狙い目となっていた。
60分、右サイドペナルティアエリアの延長線上辺りでスローインを得たユナイテッドはスローワーのアマドからエリクセンを経由しデコイの動きから素早くラインブレイク狙いに移行したメイヌーの機転の利いたオフボールでFCSBのDFラインを突破し、メイヌーはゴール前を越えてファーポストへ向かう抜群のラストパスを送ると、4バックのFB時から大外の詰め役として優れた動きを見せる事があったダロトがお膳立てに応えて先制弾を記録。
ゴール後も冷静なディオゴ 😅#MUFC || #UEL pic.twitter.com/sI605VYsZ1
— マンチェスター・ユナイテッド (@ManUtd_JP) February 2, 2025
GKとディフェンダーの間を通過してバックポストで合わせる、単純かつ効果の高いフィニッシュパターンで得点に結びついた事をキッカケにして、チーム全体の意識共有をより強めてくれれば。
63分にはFCSBのカウンターアタックからFWのビリジャの強烈な左足ミドルショットがクロスバーに直撃して肝を冷やす場面もあったが、こぼれ球対応も含め僅かな相手のズレによって何とか同点弾を回避。なお、この直後のカウンターでガルナチョは無人のスペースにカットバックを選びチャンスをフイにしたが、メイヌーのアシストのように第一優先をDF-GK間と決定していればホイルンドへのプレゼントパスが出せたはず。このような意思決定とその助けになるスキャニング頻度の部分を彼は改善しなければならない。
68分、フィニッシュワークで課題を見せたガルナチョがライン間レシーブでいい動きを見せてブルーノにボールを落としチャンスの起点になると、左大外でブルーノからのロブパスを受けたダロトの中央へのパスは質が低く一度カットされるが、コントロールが乱れたところを自ら奪い返してリカバリー。そのまま近距離でパスを繋ぎながらボックス内へ侵入し、最後はガルナチョのカットバックにメイヌーが冷静なインサイドキックで合わせて追加点。
コビー! 🔥#MUFC || #UEL pic.twitter.com/l94k2Bgq9r
— マンチェスター・ユナイテッド (@ManUtd_JP) February 1, 2025
このパスが偶然だったのか、或いはしっかりと間接視野に入れた上での選択だったのかは映像だけでは図りかねるが、いずれにしてもボールプレーでヘッドダウンになる時間を減らす事がガルナチョの一選手としての重要な要素になる事は間違いない。
3点目4点目が生まれなかった事に対する不満は残るが、マンチェスター・ユナイテッドはヨーロッパリーグ5連勝でリーグフェーズを3位で終了。これによってノックアウトステージへのストレートインも決まり、序盤の体たらくからすればよくぞここまで復調してきたと若干ではあるが感慨深い想いを抱きつつ、ブカレスト遠征は1ゴール1アシストでメイヌー劇場となった。
データ

Standard

FCSBが5バックでディフェンスラインを深い位置に設定した事もあってボール保持率は3:7とユナイテッドが楽にポゼッション出来る環境だったが、一方で相手の前線プレスにデ・リフトが引っかかったり、ライン間で後ろ向きでパスを受けようとするメイヌーがCBの迎撃に潰されたりと所々に危ないシーンも散見された。
21本シュートを放って枠内7、ブロックされた回数3という事で精度面ではまだ物足りなさを覚えるが、エリクセンで試して上手く回る感覚を得ていたメイヌーのシャドー起用が見事にハマった事に関しては素直に称賛したい。
彼自身のスタッツもドリブル成功4/5、パス成功率39/43、キーパス3回にポゼッションロスト11と脅威と精度の両方で合格点を与えられる数字なので、今後もプレイメイカータイプのアタッカー起用は試行回数を増やして周りとの連携を深めていって欲しい。
FC FCSB 0 : 2 Man Utd
— markstats bot (@markstatsbot) January 30, 2025
▪ xG: 0.72 - 3.07
▪ xThreat: 0.89 - 2.35
▪ Possession: 30.8% - 69.2%
▪ Field Tilt: 20.9% - 79.1%
▪ Def Action Height: 37.7 - 51.0
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markstats算出のゴール期待値はホームチームとアウェイチームで約2.3点差とユナイテッドが大きくリード。ただ、FCSBもカウンターからセットプレーから幾度か赤い悪魔のゴールネットを脅かしており、特に63分のリバウンドを決められていれば試合の行方はどうなっていたか分からなかった。
PASSING NETWORKはCB-CM-シャドーで縦の3層を作れているのでここ最近では機能している側の試合と言える。後はウイングバックとCFをどう組み込んでいくか、そして短いパスを連続して繋いでいかに早くサイドからサイドにボールを振れるかという点を追求していくフェーズ。
あとがき

4-2-3-1あるいは4-3-3のウインガーとして立場を得ていた選手はNo.8としてのプレーメモリーを一定以上確保出来ていないとアモリム体制でのアタッカー起用には応えられないと改めて感じる。ガルナチョのようなタイプは守備面を向上してウイングバックに適応するか、ハーフレーンでのプレーを伸ばしてシャドーに挑戦するのか見極めが難しい。よって放出の噂が出ているのもある程度頷ける。