エバートンvsマンチェスター・ユナイテッドの一戦に関する記事です
今節はランチタイムキックオフなので試合開始が日本時間で21:30と我々にとってはかなり見やすい時間帯となっております。
(現地では結構評判が悪いそう)
irohasesun-fm-foot.hatenablog.com
トルコに赴いてのCL第3節は残念な結果に終わってしまいましたが時間は立ち止まってくれません。
中2日でのエバートン戦になりますが、もしかしたら大多数のファンはこの一戦よりもスールシャール監督の処遇に興味が傾いているかもしれませんね。
地元紙マンチェスター・イブニング・ニュースを筆頭に各種新聞メディアで、クラブが監督交代も視野に入れているなどという記事ちらほら。
個人的に思うところはあるのですが、この報道に対する是非は一旦置きまして、試合について見ていきましょう。
スタメン
エバートン
ベンチ入り(番号順)
4-3-3予想。
アンチェロッティ体制での2シーズン目、シーズンの滑り出しは見事大成功しましたね。
ハメスの加入とルーウィンの本格化が大きい。
ここ数年は毎年オフの順位予想では高く評価されるものの低調なシーズンというのがパターンになっていたのでそれを打ち破れるかどうか。
ディーニュは過小評価されがちですけれど今プレミアリーグで最も安定感のあるLBだと思います。
バルセロナではジョルディ・アルバという絶対的な選手がいたのでサブに甘んじていましたが、エバートン移籍後は特に攻撃面での指標が優秀で、SB全体でも右のアレクサンダー・アーノルドに次ぐ数値を残しています
LBという枯渇しがちなポジションをベインズ→ディーニュで10年以上ガッチリ固められているのは他クラブからすれば嫉妬でしかないでしょう。
この試合に向けた不安要素はリシャルリソン不在による攻撃力の低下ですね。
彼がいるのといないのではDFにかかるプレッシャーが大違い。
マンチェスター・ユナイテッド
ベンチ入り(番号順)
2センターで行く場合にはやはりこの組み合わせが一番ハマると思います。
前の試合ではいいところ無しだったマタですが、もう一度チャンスを与えられました。
スールシャール監督はエラーをした選手に奮起を促す形でチャンスを与える事が多いタイプですね。
アーセナル戦でもPKを与えてしまったポグバをそのまま試合に出し続けた采配が一部で批判を呼びましたが、あれも同じような意図であったと私は考えています。
ハイライト
動画はこちらから
エバートンはリシャルリソン不在という事もあり、普段は中盤で起用されるハメスがウイングとしてサイドで役割を持たされていたのですが、中々存在感を出せません。
対するユナイテッドも16分、フレッジのバイシクル気味のパスからマルシャルに決定機。
左足から放たれたシュートは僅かにゴール右へ外れます。
エバートンの狙いは明白で、マタ、リンデロフと空中戦にやや苦手意識を持つプレイヤーが並ぶユナイテッドの右サイドを集中狙い。
戦前予想で触れた通り、LBディーニュからルーウィンへ危険なボールが何度か配球されていました。
敵目線で見ると、彼にボールが向かうと何かが起きそうで怖いですね。
競り合い全敗
19分、GKピックフォードのロングフィードからベルナルジにボールが渡りその流れで失点。
この失点シーンもリンデロフがルーウィンとの競り合いに敗れた所から起点が生まれてしまっているので、この失点は完全にエバートンのプラン通りのものだったのでしょう。
リンデロフ、地上戦に関する批判は正直周りのサポートや動きが原因になっているものも数多いので可哀想ではあるのですが、この空中戦の脆弱さだけは正直フォローができない……
身長はこれでも公表187cmあるのでそれほどハンディキャップにならないと思うのですが、いったいどうしてここまで競り合いに弱くなってしまったのか疑問ですね。
同点弾
そんな失点の余韻がまだ残る25分、
ショーのクロスに後方からDFの前にタイミング良く飛び出したブルーノが華麗なヘディングシュート!
ユナイテッドがものの5分程度で試合をイーブンに戻す事に成功しました。
ショーのクロスは以前から全く持って得点に結びつかないと呆れられていたのですが、先日のイスタンブールBBSK戦に続き連続アシスト。
確変ボーナス突入か?
しかしこの得点からの数分間は一転してエバートンペース。
28分にはまたもや右サイドを簡単に崩されあわや失点というシーンも……
珍しい形で勝ち越し
窮地を脱したユナイテッドに待望の勝ち越しゴールが産まれます。
33分、ペナルティエリア左角付近からブルーノのシュート性のクロス。
ラッシュフォードが僅かに軌道を変えてボールは右ポストに一度当たりゴールへ吸い込まれました。
いや?待ってください。
リプレイが流されるのですがよーく見返すとラッシュフォードはボールに触れていませんでした😄
恐らく自分が触れていない事に気付きながらもめっちゃドヤ顔でゴールパフォーマンスしてたのか😊
エバートンの綻び
これまでの試合とは打って変わって稚拙な守備を連発してしまったエバートンですが、その原因は恐らくシグルズソン、ドゥクレの2人が必要以上にユナイテッドの両サイドを警戒してしまった事にあると思います。
彼らが真ん中の一番大事なスペースを簡単に手放してしまったのでブルーノや前線から降りてきたマルシャルにボールが容易に渡ってしまっているように見えました。
あとはやはりハメスに守備貢献を求めるのは酷でしたかね。
攻撃面でもこの日は良いところ無しだったので、文字通りただピッチに漂っているだけという状態でした。
後半の45分はスコアが動いた前半と違い、両者チャンスまで到達できない時間が続きます。
そんな中で後に議論の話題になりそうなシーンがありました。
60分、味方に合わせに行ったFKをピックフォードがキャッチミス。
即座にマグワイアが反応しますが膝で押し込んだボールはゴールの上へ飛んで行きました。
リプレイを見るとピックフォードは思いっきりマグワイアに蹴りを入れてました。
彼は第5節リバプール戦、マージーサイドダービーでファンダイクを長期離脱に追いやってしまった経緯があるので、それと合わせてまた批判が集まりそうですね。(この一件では彼に脅迫文が届いたりもしましたが、そういう事はやめようね)
ジョーカー🃏ポグバにエル・マタドール
82分、マタとマルシャルに代わってポグバ&カバーニを同時投入。
ポグバをこの使い方にするのは勿体ない気もしますが極めて有効なんですよねこれ。
AT5分、最後のパワープレイに出たエバートンの攻撃を凌いでカウンター開始。
ブルーノがピッチ中央を独走して最後は気遣いのプレゼントパス🎁
カバーニはニアサイドに冷静にボールを蹴り込んでこれがユナイテッドでの初ゴール‼️
おめでとうございます🎉
データ
まずは標準データから
ポゼッションはエバートン55%、ユナイテッド45%とホームチームが優位に立ったものの最終的にシュート数は倍近く差がつきました。
エバートン先制時は2本目のシュートだったので、試合を通してエバートンが攻めあぐねた様子が見て取れます。
なんというかデジャブ……
いつものユナイテッドみたいな負け方してますねエバートン
やはりリシャルリソン不在の影響は大きかったか。
xデータ
(参照:Everton 1 - 3 Manchester United (November 07 2020) | EPL | 2020/2021 | xG | Understat.com)
やはりxGを見てもアウェイのユナイテッドが数値を稼いでいます。
エバートンの先制点はxG0.06と非常に難しいシュートを見事に決めたものでしたが、基本的には期待値の少ないチャンスばかりだったので、やはり後が続きませんでした。
一方ユナイテッドは15分のマルシャルの決定機をはじめ、エリア内から決定機な場面を複数演出しています。
ブルーノの2点目はxG0.03。もしラッシュフォードが触れていたらこの数字はもっと大きいものになっていたでしょうね。
そして最も期待値を稼いだプレイヤーはカバーニ。
難しいシュートを容易く決める一方、簡単なシュートをあっさり外してしまういわゆる師匠の系譜と評されている彼ですが、プレミアデビューとなったチェルシー戦に続き、xデータでは優秀なスタッツを残しています。
嬉しいトピックスがもう一つ。
普段はパス精度の低さで評価を下げがちなフレッジがこの試合では優秀な数値を残しています。
2本のキーパスを通しxAはチーム最高の0.61
表のMVPは満場一致で2ゴール1アシストのブルーノだと思いますが、影の立役者に彼の名前を挙げたいですね。
あとがき
スールシャール監督は対ピンチ◎ですね。
これでまたしばらく猶予期間が与えられたのではないでしょうか。
心配なのはLB。
残念な事にショーが定期イベントである試合途中での負傷交代でピッチを去ったので彼の負傷度合いによっては再び暗黒へ誘われるかもしれません。
コロナで離脱していたテレスがトレーニングに復帰したとニュースが入っているので去年までよりは何とかなると思いますがそれでも心配である事には変わりありません。
長くなってしまいましたが最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m