*プレミアリーグ第31節、ロンドン・スタジアムで行われるトッテナム対マンチェスター・ユナイテッド戦についての記事となります。
どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
トッテナムと言えば今シーズンはホーム、オールド・トラッフォードで対戦した際にアントニー・マルシャルのレッドカードによって1vs6という大敗を喫した因縁の相手で監督もユナイテッドの前指揮官であるジョゼ・モウリーニョなので選手もやる気の入る試合になると思われます。
試合プレビュー
ミッドウィークのヨーロッパリーグではスペインはアンダルシア地方へ遠征し、激しいフットボールで知られるCFグラナダに苦しめられながらも2点のアウェイゴールを奪い先勝したユナイテッド。
irohasesun-fm-foot.hatenablog.com
中二日でイギリス国内に戻りアウェイマッチに挑むというハードな日程で尚且つ相手は難敵トッテナムと今シーズンの中でも指折りの逆境に立たされていますが怪我人は続々スカッドに復帰しているのでそういう意味では状態は上向き。
怪我人はフィル・ジョーンズ、アントニー・マルシャル、そして新型コロナウイルスに感染し未だコートジボワールで治療中のエリック・バイリーは勿論欠場。
一方のスパーズは既にヨーロッパリーグではクロアチアのディナモ・ザグレブ、FAカップではエバートンに乱打戦の末に敗れているので日程は4月25日のカラバオカップ決勝戦を除けば比較的余裕のある状況。
実際にこの試合に向けた間隔もユナイテッドの中2日に対し彼らは1週間取る事が出来たのでフィジカル的にはスパーズが大きく有利だと見られています。
スタメン
トッテナム
ベンチ入り
4アルデルヴァイレルト、8ウィンクス、9ベイル、11ラメラ 、12ハート、17ムサ・シソコ、20デレ・アリ、25タンガンガ、45C.ヴィニシウス
ニューカッスル戦2エラーのダビンソン・サンチェスはベンチからも外れるという結果になりました。
CBはロドン‐ダイアーという組み合わせになりましたが単純な能力的にも連携面でもやや不安を残す編成。
鍵となるのはソン、ルーカスの帰陣の速さになると思われ、共にサイドからの高速カウンターが持ち味のチーム同士の直接対決はここの出来が勝敗に直結する事でしょう。
マンチェスター・ユナイテッド
ベンチ入り
1デヘア、8マタ、11グリーンウッド、19アマド、27テレス、31マティッチ、B.ウィリアムズ、34ファン・デ・ベーク、38トゥアンゼベ
中二日のユナイテッドは現状のベストメンバー。
ポグバの左サイド起用は役割を明確にすることでこれまでの試合では上手く作用してきたので今回の1戦でも要注目。
そしてやや得点から遠ざかり気味のエディンソン・カバーニのゴールを見たい!
試合内容
やはりモウリーニョもユナイテッドに対して意識があるのかそれとも逆転でのCL圏確保に向けて絶対に落とす事が出来ない試合だからかは分かりませんがトッテナムは序盤からインテンシティの高さで優勢。
2分、最初にチャンスを作ったのはスパーズでカウンターから左サイドのソンが反対側のルーカス・モウラへ速いグラウンダーのパスを展開すると、ルーカスはこの試合初シュートを記録。
これはルーク・ショーがブロックして危機回避。
直後のコーナーキックでもこぼれ球からソンにフリーでシュートチャンスを与えるなどやはりコンディション面で上回るスパーズが主導権を握る展開。
6分にはやや高めのDFラインを設定していたこの日のユナイテッドに対する相手のロングパスをヘンダーソンが飛び出してパスカット
ユナイテッド最初のチャンスは17分。
右サイドでボールを受けたブルーノが最前線でDFに圧をかけるポグバへロングパス。
ポグバはこの競り合いに勝利しカバーニにボールが渡ると、彼もすかさず右から上がってきたラッシュフォードにダイレクトパス。
ラッシュフォードのシュートはDFにブロックされ枠外でしたがオーレがこの布陣を選択した理由が伺えるいいプレーでした。
お互いにサイドへのロングパス1本でチャンスを狙う展開となり、23分にはやはりユナイテッド左サイド裏のスペースにロングボールが供給されますがヘンダーソンが再びカット。
シュートストップではデヘアのMAXには敵いませんがこういったプレーは彼に分があると思います。
VARの適用基準には曖昧さしかない
10分程度膠着状態が続き問題のプレーが生まれたのは33分。
フレッジの縦パスがペナルティエリア手前のポグバに入り、彼が独特のボールタッチでしばらく間を作ると最後は抜け出したエル・マタドールに完璧なスルーパスを通しカバーニのシュートはGKロリスの股を抜いてユナイテッドは完璧な崩しでゴールネットを揺らしました。
ところがVARの介入があり、得点の大分前のシーンでマクトミネイがソン・フンミンの顔に手を当てたとして判定はノーゴール
PGMOL on Man Utd's disallowed goal:
— Goal (@goal) April 11, 2021
"It wasn't part of McTominay's natural running movement and was careless." pic.twitter.com/Em0QlLla92
百歩譲ってこれをファウルと見なすとしましょう。
上記画像は今年のバレンタインデーに行われたWBA戦での一幕ですがエムバイェ・ディアニェが思いっきりリンデロフの顔に手を出しているにも関わらずこちらではゴールが認められています。
また、 2月28日のチェルシー戦でもカラム・ハドソン=オドイがボックス内で明らかなハンドボール犯していますがこれも見逃されました。
ソンへのファウルが適用されるならばこの2つは明らかにVARが介入してそれぞれノーゴール、PK獲得になるべきで更に言えばこのトッテナム戦に限っても32分のロ・チェルソがラッシュフォードに対してとったプレーにも同様にVARの判断を委ねる機会を与えられるべきでしたがこちらはスルー。
主審のクリス・カヴァナーはマンチェスター出身の人物なのでユナイテッドのアンチなのか?という疑いすら抱くほどの不可解な判定でした。
また、その他のファウルに対するジャッジもユナイテッドに対して明らかに基準を厳しくしているようなケースが続き、試合が終わるまでにユナイテッドは5つ、トッテナムは1つイエローカードを提示されたのですが本来ならばトッテナム側にもう2つ3つカードが出るべきプレーがあったような気がします。
そんなユナイテッドに追い打ちをかけるように40分にはフレッジが前に出て交わされ中盤がぽっかり空いたところをトッテナム得意のダイレクトプレーで崩されて最後はルーカス・モウラの完璧なお膳立てからソンが得点。
まさに悪夢のような前半でした。
フレッジ、リベンジ
前半は転倒、パスミス、そして失点のキッカケになるなどまるで良い所がなく後半に入っても48分にいきなりイエローカードを貰うなど散々だったフレッジですがそんな彼から生まれた素晴らしいプレーでユナイテッドは同点に追いつきます。
58分、アタッキングサード中央でフレッジがブルーノ、ラッシュフォードとワンツーを繰り返してボックス付近まで進出。
カバーニへラストパスを送り、彼のシュートはGKに弾かれたもののその先に待ち構える17番の姿が
チーム内では所謂弄られ系でブルーノや監督のオーレにさえも彼のシュートは中々ゴールにならないとジョークを飛ばされていたフレッジの今シーズン初得点はこのフラストレーションの溜まる展開で生まれました。
おめでとう🎊
同点に追いついたユナイテッドですが60分にはソンに決定機を許しヘンダーソンがデヘアを彷彿とさる片足一本でのセーブで何とかこの危機を脱します。
ヘンダーソンは73分にもケインの不意を突くニアサイドへの強烈な一撃をセーブ。
63分のブルーノのミドル、67分コーナーキックからのプレーでショーのアウトサイドにかけたクロスからポグバの決定機などユナイテッドもビッグチャンスを作りますが流石はウーゴ・ロリスどちらも最後の壁として立ちはだかり無得点。
両GKの奮闘もあり同点のまま試合は終盤へ突入。
途中出場グリーンウッドが1G1A、エル・マタドールも攻守に躍動
この日精彩を欠いていたラッシュフォードに替えてグリーンウッドが投入されたのは72分のこと。
2分後にはカットインから初シュートを記録し迎えた79分。
ブルーノのフリックから右サイドペナルティボックス角手前でボールを受けたグリーンウッドはダイレクトで中にクロス。
左足で蹴られたボールにまるで会話していたかのような完璧なタイミングで反応していたエル・マタドールが得意のダイビングヘッドで勝ち越し弾!!
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) April 12, 2021
見せたカバーニ!!
いぶし銀の決定力👏👏
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巧みに相手DFの背後をとり
点で合わせるダイビングヘッド💥
🏴プレミアリーグ第31節
🆚トッテナム×マンチェスター・U
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VARが敵につくならば介入の余地なしの完璧な得点を奪えばいいという反骨精神が伝わってくるカバーニの気持ちが前面に出た最高のゴールでしたね。
リードを奪ったユナイテッド、最大のピンチは84分。
直前のカウンター攻撃はリンデロフがカットして何とかコーナーに逃げる事に成功しましたがそのセットプレーから少し前に投入されていたベイルの後ろ向きヘッドがポグバに掠りゴールへ向かうという危機。
カバーニがその手前で僅かに頭で軌道を逸らしボールはポスト直撃で何とか失点する事なく乗り切ります。
取り消しになった幻のゴールを含めると3点に直接貢献したこの日のカバーニ。
グリーンウッド、フレッジと並びこの試合のMVP候補です。
そしてATにはポグバが持ち前のフィジカルを活かして左サイドから中央目指してドリブル突破
最後は受け手に優しい丁寧なパスでグリーンウッドのダメ押し点に繋がりました。
守りたい、この笑顔
試合はアウェイのマンチェスター・ユナイテッドが1vs3でトッテナムに勝利
(https://twitter.com/ManUtd/status/1381299788906434568より)
動画ハイライト
ゴール⚽
57分:フレッジ
79分:エディンソン・カバーニ(👟メイソン・グリーンウッド)
90+6分:メイソン・グリーンウッド(👟ポール・ポグバ)
交代選手
61分 in:ムサ・シソコ out:ロ・チェルソ
78分 in:ラメラ out:エンドンベレ
82分 in:ベイル out:ルーカス・モウラ
72分 in:グリーンウッド out:ラッシュフォード
90分 in:マティッチ out:ブルーノ
データ
シュートはお互いに12本ずつ。
枠内ではユナイテッドがリードを奪っているように質ではアウェイチームに軍配が上がっています。
モウリーニョのチームは試合をクローズさせるのが大の苦手でユナイテッド時代も終盤に同点、勝ち越しを許してしまう事が多かったのでその弱点が今日も出てしまいました
また、マンチェスター・ユナイテッドは今回の逆転劇によってアウェイ無敗記録を24に伸ばし、今シーズンのプレミアリーグで見ると前半をビハインドで折り返したチームが最終的に勝利しているのは僅かに11試合なのですがその内4つがユナイテッドだという驚くべきデータも存在するようです。
There have been 178 games in the Premier League this season in which a team has been losing at half time. In only 11 games (6%) has that team gone on to win.
— UtdArena (@utdarena) April 11, 2021
4 – Man Utd
1 – Burnley, Leicester, Liverpool, Newcastle, Sheffield United, West Brom and Wolves pic.twitter.com/Y2U9MDZPnA
xデータ
(参照:Tottenham 1 - 3 Manchester United (April 11 2021) | EPL | 2020/2021 | xG | Understat.com)
前半はxG0.53:0.09(understat.com)とスパーズが完全に主導権を握る事に成功していましたが(あのゴールが認められていればどうだったかなというのは置いておく)、残りの45分は完全にユナイテッドの時間。
ボックス内から8度のシュート、ビッグチャンスも3回創出してトッテナムのCL圏の望みを完全に打ち砕く爽快な勝利となっています。
また、3位レスターが4位ウエストハムとの直接対決に敗れた事もあり残り7試合で勝ち点7差と2位もほぼほぼ手中に収めた事に。
グリーンウッドは1G1Aと目覚ましい結果を残しましたがxG:0.10、xA:0.29とそれぞれ容易ではないプレーで得点に結びつけました。
ここからはケチャドバを期待出来そう。
リンガードに負けないようなハイペースで得点を量産してリーグ戦二桁ゴールを目指して欲しい。
あとがき
VARに関してはシステムそのものというより管理する人間側に大きな問題を抱えているというのが実際のところだと思うのでMLBのように専門スタッフを用意して判定を決める方式にした方が誤審が減ると思います。
Despite Man Utd's win against Spurs, Ole Gunnar Solskjaer was far from happy with Son Heung-Min.
— BBC Sport (@BBCSport) April 11, 2021
"If that was my son... he's not going to get food for a few days."#bbcfootball
珍しくスールシャールが暗黒面に堕ちたかのようなブラックジョークを飛ばしていたのであのプレーに関しては相当思うところがあったのでしょう。
底知れない恐怖を感じるコメントですが確かにソンのあの振る舞いはプロフェッショナルではありませんでした。
とはいえ人種差別やら攻撃的な発言を彼に向けるのは絶対的にNO。
それをしたら悪者になるのはあなた達になるのですから言及するのはあくまでフットボールに関する事柄だけという当たり前のルールを守って欲しいですね。