既にEURO2024予選の首位通過を決めているポルトガル代表。
そんな余裕もあってなのか今回の代表戦では試験的な起用法や新戦力の発掘に重きが置かれており、日本時間11月17日早朝に行われたリヒテンシュタイン戦では、ルベン・ネベスをCB、ブルーノ・フェルナンデスをバックスの前に置いた後方からのボール供給を重視したと思われる新鮮な運用が行われている。
少々気が利かないと思うような場面、具体的にはあと2歩くらい低めならというケースやビルドアップで相手の11番 Salanovićの背後に隠れてしまうような事もあったが、基本的にはボール欲しさに降り過ぎる事無く1stプレス隊の後ろに居続ける事で相手を牽制し、ボールを受けても前に急ぎ過ぎるようなプレー選択はクラブでの出場時よりも明らかに少ない。
プレイメイカー気質のアタッカーを多く抱えているポルトガルの選手層もあってCB前にブルーノがいる以外はかなり流動性が高く、それぞれの判断に応じて4-1-3-2,4-1-1-4、またはRBのカンセロを上げて3-1-5-1,3-1-4-2のように瞬時に形が変化していくのだが、サポートに降りてくるベルナルド・シウバと2人でリズムをコントロールしながら、味方の動きに合わせた裏へのロブパスも健在でやはり聡明な選手であると改めて思わされた。
彼自身にとっても後方からピッチを俯瞰で眺め続けるという経験は今後に大きなプラスとなるだろうし、一部で囁かれているようなポゼッションフットボールへの適性の低さというのはあくまで現状そう見えるだけであって、本質的には寧ろ相性がいい方なのではないかと考えている。
また、このブログではしつこいくらいに繰り返し言及しているが、昨季のブルーノはELのベティス戦をキッカケにゲームのコントロールを重視したスタイルへの転換を一度見せている為、今季また元のチャレンジ精神の強すぎるプレー選択に戻ってしまった理由は定かではないものの、指揮官やコーチからの指示があれば順応出来るはず。
振り返れば、あのポール・スコールズですら異常とも言える落ち着き具合(タックルを除く……)と長短を問わないパス精度が安定するようになったのは30歳を越えてから。特に目の病気からカムバックを果たした06/07シーズン以後だと記憶しているので、今年9月に30歳を迎えるブルーノも、そんな先輩やルカ・モドリッチのように円熟期を迎えて運動量・チャレンジパスの試行回数で誤魔化していた細部を意識するようになれば、40歳まで一線級でプレーしているプレイメイカーになっていても何ら不思議ではないし、彼ほど賢い選手なら自ずとその方向性に進みだすだろうと全くもって心配していない。
本筋とは全く関係のない話ですが、この動画の1位のボレーを1人で真似し続けていた事を思い出してノスタルジーに浸っています。試合で似た状況から宇宙開発し、そんな所からボレーするな💢 とこっ酷く怒られた事も。