いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUFC 】噂に上がる補強候補とチームの改善点

オフシーズンに入り今年の夏の移籍期間に突入しようかという今日この頃。

 

今回は獲得候補とされる選手の名前を取り上げ、チームの課題との兼ね合いでシーズン目へ向かうエリック・テン・ハフ率いるトップチームがより強いチームになる為の補強として相応しいのかどうかを考えてみたい。

 

 

 

 

個人的に思う要補強箇所

 

具体例に行く前に、まずは22/23シーズンの公式戦62試合の中で私が感じた改善して欲しい部分について書きだしてみようと思います。

 

  1. ボールを受ける前の予備動作(Scanningやその後のプレーが限定されにくい身体の向きを作ること)の徹底
  2. スペースを作り,スペースに走るオフ・ザ・ボールを当たり前に
  3. 確立されたフィニッシュまでの形とそもそもの質
  4. 前線プレスとネガティブトランジションの移行速度
  5. ボールロスト時のリスクを考慮したポゼッション(特に相手を押し込んでいる状況)の配置
  6. ポゼッション時にアンカーとして振る舞える人材の確保
  7. GKからのミドル~ロングレンジの配球
  8. ビルドアップでのボールホルダーに対するサポート改善
  9. フルバック-ウインガー間の意思疎通
  10. コート右半分で3~4人が絡み得点へ結びつく強固なユニットの形成

パッと思いついたのはこの辺り。熟慮していけばまだまだ出てきそうではありますが、ひとまず今回はこの10項目を前提にする。

 

 

ゴールキーパー

 

ポジションで考えてみると、まずはディストリビューションと配球能力に強みをもつゴールキーパーが絶対的に欲しい。今季限りで現行の契約が満了を迎え、去就が注目される現守護神ダビド・デヘアの何が問題なのかといえば、大きく分けてビルドアップ時のパス精度・プレッシング耐性の低さとクロスボールの処理を行わずゴール前のピンチを拡大させる事の2点だろう。

参照:fbref.com

スタッツ上、ショットストップに関しては取り立てて良くも悪くも無いが、ボックス内へ入ってくるクロスに対して自ら防いだ割合や外に飛び出して相手のカウンターを未然に防ぐようなプレーの回数は今季のプレミアリーグの主要GK6人で比較すると最も低く、低い位置からショートパスで攻撃を組み立てる際には、威力が足りない上に相手がコースを限定しやすい身体の向きでその後ボールを受けた味方が苦しくなるようなパスが目立つ。

 

プレミアのGKではミドルサードでのボールタッチやボールキャリーの距離が1位である事からもカバー範囲の広さと足元への自信が保証されているブレントフォードのダビド・ラヤに高い適性が認められ、ホーム・グロウンの有資格者である事やビーズとの契約が残り1年という点も彼の獲得を後押ししている。

参照:fbref.com

 

ラヤと同様にクラブが動向を追っているとされるFCポルトディオゴ・コスタもスタッツでは先述した要素における不安要素が無く、ロングボールの質という意味では一番優れているかもしれない。言語面でも、チームにはブルーノ,リチャ,カゼミロを始めポルトガル語スペイン語の話者が非常に多い点はコスタにとってプラス。

 

コスタに関して、リガ・ポルトガル(ポルトガル1部リーグ)の試合を幾つか見た上での印象としては、バックスがボールを持つ際のサポートの動きは良好でロングフォードの軌道とボールスピードも優秀。キャッチ後のカウンター移行で横振りのロングスロー,アンダーヘッドパス,スローインのように軽く出すオーバーヘッドパスと使える手札が多い事も個人的に好みだが、少し自信過剰な面が見え隠れするのと対ヘディングシュートとPKはステップの踏み方や反応の部分で苦手にしているように感じた。

 

よって、リーグへの適応も考慮して即戦力ならばラヤ、上手く行ったときの最大値ならばディオゴ・コスタというのが現時点の結論。

 

 

ディフェンダー

 

大枠でのポジション4区分では、相対的に最も補強の優先順位が低いのがセンターバック及びフルバックディフェンダーだと思う。確かにリサンドロ・マルティネス以外の選手には何かしらのウィークポイントを抱えているが、彼を含め7選手は来季のチームメンバーとして一定の信用を置ける水準にある為、チーム強化という視点において仮に新たな人材を加えるならば、現有戦力の放出も同時進行になる筈。

 

残念ながらユナイテッドの交渉能力は過去の結果から見て優れているとは言えず、寧ろ他クラブのカモになっているのでよっぽど順調に運びそうな案件が転がっていない限りは見送った方が無難だと考える。

 

欲しい選手はセンターバック化しても問題なくプレー出来る上にポゼッションフットボールに高い適性を持つRBと、怪我がちなヴァランからポジションを奪える可能性を持つコンプリートCB。

 

 

ミッドフィールダー

 

全体的な傾向として、ユナイテッドの要補強箇所は中央のポジションに偏っている事は既に多くの人が気付いていると思う。ミッドフィールダーではポゼッション、特にビルドアップ~ミドルサード進出までの所で前後左右のパスを適切に使い分けることが出来、攻撃のテンポをコントロールするようなアンカーの選手が一番に欲しい。

 

カゼミロの守備面でのカウンターを未然に防ぐタイトなプレッシャーとペナルティボックス右角付近からバックパスをダイレクトで返すクロスの質は高く評価し、更に左起点の攻撃のフィニッシャーとして期待出来ると感じたシーズンだが、一方で自陣でボールを持った際は一発で全てを解決しようとリスキーなキックを多発させる傾向にあり、端的に表現すれば「前前前,急急急」。

 

シーズン終盤のブルーノのようにプレー選択の順位付けをポゼッション-コントロールに最適化できるというのであれば別だが、今の所その兆候は見られないので、カゼミロの強みをフル発揮させるのであれば4-1-2-3の2の右でBox-to-Boxのように攻守に動き回って貧弱なコート右半分のユニットを強化させる方が良さそう。

 

もう1パターンはテン・ハフがカゼミロのアンカーを問題視せず、今季のレギュラー3枚の中では強度の高い試合でややついていけないようなシーンが見られたエリクセンをフル稼働状態から最優先で解放したいと考えた場合。

 

後述する補強候補1番手?の名前を考慮すると、どうやらこちら側である可能性が高そうに見える。このケースではエリクセンレベルとはいかないまでもプレイメイカーとしての能力と、守備時に相手の中盤へマンマークになる事が多い事情を加味しフレッジ程ではないがコートの広範囲をカバーできる心肺機能を持った選手が理想的。

 

 

フォワード

 

ウインガーは最近になって報道されたアントニーのプライベートでのトラブル次第ではあるが、基本的には他に先んじてまで補強を急ぐポジションだとは考えていないので省略する。

 

問題はCF。

マルシャルは余りにも怪我が多く、離脱を繰り返すうちにアジリティが低下しているようにも見受けられる為に戦力として計算できない。プレシーズンこそテン・ハフの理想とするフォワードを体現する見せたものの、流石に我慢の限界だろう。更に、週給25万ポンドという高い給与を受け取っているので放出すらままならない恐れが強い……

 

ラッシュフォードもポジションを問わず起用された際の守備貢献度の低さと、競り合いを避けたがる傾向から、ビルドアップが詰まった際の回避先やレイオフ等のコンビネーションプレーの中継点として信用を置けず、かといってそれらを帳消しにする圧倒的な得点貢献があるかと言えばそうでもない。

 

ウインガーよりはセンターフォワードの方が良さそうではあるが、マルシャルを頭数に入れない場合はそもそも人数不足。10番を背負う生え抜きFWと競争できる水準のストライカーを今回のマーケットで手に入れたいのは確か。

 

 

メイソン・マウント(Mason Mount)

 

慢性的な骨盤の怪我に苦しんでいるという事情を鑑みたとしても、この選手が放出可能リストに名を連ねている事がチェルシーの混乱を象徴している。

Embed from Getty Images  

 

20/21,21/22シーズンの2季に渡り、マウントはブルーノ・フェルナンデス,ケビン・デ・ブライネ,ジャック・グリーリッシュの次点として名前が出るリーグ有数のプレイメイカーであったことに疑いの余地はなく、これまでの最大値を考えれば素晴らしい補強になる可能性を十分に持つ。

 

ただ、22/23シーズンのパフォーマンスを重視する場合は不安になるデータも出ており、Smarterscoutのデータベースでは特にトップ下/セカンド・ストライカーで出場した際の攻守両面の質が著しく悪い。怪我の影響やチーム事情によってたまたま下振れたのか、はたまたこれが今のマウントの実力なのかという点を注意深く見定める必要がありそう。

参照:smarterscout.com

 

私の中での優先順位はアンカーが最上位である事に変わりないが、膨れ上がったサラリーとスカッドを整理する為に今すぐにでも複数の選手を放出したいチェルシ―側の差し迫った事情もあって相場よりも安価で獲得出来るならば、悪い取引ではないかもしれない。強気の交渉を続け、具体的には移籍金を£40M以下に抑えたい。チェルシーの言い値で買わされるのならば見送って欲しいところだ。

 

 

キム・ミンジェ(Kim Min-jae)

 

CBの候補として名前が出ているのは韓国代表DFキム・ミンジェ。そのポテンシャルからすると本来よりも遠回りのキャリアになっている感は否めないが、加入初年度のナポリではそれまでのDFリーダーカリドゥ・クリバリを凌ぐパフォーマンスでチームのスクデット獲得に貢献した。

 

楔のボールを迎撃する積極性や無理が効く球際の守備も魅力だが、パスのレンジを問わず質の高いボールを味方に届ける事が出来、尚且つボールキャリーのスタッツも優秀な事に表れているように最大の武器はポゼッションでの貢献度の高さ。特にロブパスは綺麗なバックスピンで受け手にとって処理しやすいボールが多く、リーグ戦でのロングパス成功率72.5%という破格の数字も頷ける内容である。

 

≪プレー集≫

 

 

ボールキャリーやパスの部分でユナイテッドの既存のレギュラー、利き足を考慮して今回はヴァランと比較してみたが、fbrefが算出した各スタッツのパーセンタイル値をレーダーチャートに書き出してみると、明らかにキム・ミンジェの方が大きなグラフになっている事が分かる。

 

特に、配球能力に関わる部分ではミンジェのパーセンタイル値が軒並み80後半~90台を記録しているのに対しヴァランは40~60台と完全にスケールが違うので、リーグの全体的なレベルや戦術的な傾向の違いなどを考慮したとしてもミンジェ>ヴァランの関係性が成立していると見て問題ないだろう。

 

先程、ディフェンダーの項目でセンターバックの補強優先度は低いと結論付けたが、このレベルの選手を苦労せず獲得出来そうなチャンスが目の前に転がっているとなれば話は180度変わってくる。

 

各種報道によれば、2023年7月より有効となるキム・ミンジェの契約条項は£42Mと推定されており、これが真実かつ選手本人が赤い悪魔の一員になる事に前向きなのであれば、ライバルが増える前に取引を完了してしまいたくなるのは私だけでしょうか?

 (それこそニューカッスルに移籍されてボットマン-ミンジェのCBユニットを組まれた日には後悔してもしきれないと思う……)

 

最も、くせ者で知られるナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長の事ですから、彼の事もクリバリのようにあらゆる手段を用いて流出防止の策を用いていても何ら不思議ではなく、いずれにしても6月中には決まらない話なので暫くは静観したい。

 

 

ハリー・ケイン(Harry Kane)

 

ダニエル・レヴィとの交渉でユナイテッドが成果を得る事は絶望的だと思っており、実際に報道の内容も諦観ムードが漂ってきているように見えますが、一応このコンプリートFWについても触れておきましょう。

 

≪22/23シーズンのゴール集≫

 

 

ケインの資質に関しては今更触れるまでもありませんが、今回は今年のチーム内トップスコアラーであるラッシュフォードとスタッツを比較。

RashfordはFoward区分での比較

 

シュート総数や枠内シュートの数といった量の部分ではチーム状態の違いも影響したのか然程差が無いorややラッシュフォードの方が上回っているものの、ゴール/オンターゲットのパーセンタイル値で大差がついているように最終生産者としての質はケインがスリーラインオンズのチームメイトを圧倒している。

 

トッテナムがカウンターからしか攻撃手段を作れなかった事や、その中でケインにはリスクを負ってでも得点の可能性を引き上げるクリエイティブなパスを必然的に求められるようになった点から、パス成功率はラッシュフォードが上回っているが、どちらかにプレイメイカー的な能力が付随しているかと問われればケインに違いない。

 

正直、思っているより遥かにラッシュフォードのスタッツも良かったが、例えば、縦パスを後ろ向きでキープする懐の深さやロングフィードの収まり所といった指標化しにくいディフェンダーを背負ってのプレーはまだCFになりきれていないと感じる回数も多く、実際にはスタッツの差以上に2者には壁があると考える。

 もしも奇跡的にこのイングリッシュフットボール史に残るストライカーを獲得出来ればチーム得点の10~20点上昇を容易く見込めるのでは。

 

守備面に関しては、ラッシュフォードのまるで観測者であるかのように優雅にまったりと近づく1stプレスに比べればマシではあるが、私の見てきた限りケインもその時の指揮官やチーム状態に左右されるムラっ気の激しいタイプなので、これはどのクラブでプレーするとしても共通だが監督の人心掌握が鍵を握るだろう。