スイス vs カメルーン
開幕戦に滅法強く、過去4大会はフランス,スペイン,エクアドル,ブラジル相手に2勝2分け。決勝進出チームにすら勝利しているスイス代表はカメルーン代表と4-1-2-3システムのミラーゲーム。シャキリ,ジャカ,リカルド・ロドリゲス,フロイラーら中心選手達は皆91,92年世代でピークに近い状態で出場できるのはこれが最後、現サイクルの集大成ともいえる。
アカンジやジャカが楔を狙いつつ、手数をかけていくスイスに対しカメルーンはエンベウモのスピードを活かしたショートカウンターという構図で、共にリスクを負って攻撃する事は多くなかったのでワールドカップ初戦らしい締まったゲームに。
ところが後半に入り48分、ジャカ→フロイラーの斜めのパスでスイッチが入ったスイスはシャキリの股を抜く右足グラウンダーのクロスにエンボロがフリーでシュートチャンスを得てあっさり先制。
一見すると後ろを通されたエンクル(3番)の責任にも見えるが、その前の流れから考えていくとジャカ見る為に前に釣り出された後にバックラインへの帰陣が遅れたカステレット(21番)のスペースがそのまま失点シーンで使われており、同様にスイスLWのランニングに立ち遅れているファイ(19番)も非常に迂闊な守備。正しく一瞬の気の緩みが致命傷になってしまったシーン。
ただ、これが決勝点となって勝利したスイスとしても66分のヴァルガスの近距離からの決定機をオナナのスーパーセーブに阻まれ2点目を奪えず得失点差の貯金を稼げなかった事は後々響いてくるかも。
ウルグアイ vs 韓国
クラブでは出場機会に恵まれないものの、代表チームではポジションを掴んでいるペリストリに注目して見始めたこのカード。ウルグアイも韓国も配置のバランスが悪くここまでで最も眠気を誘うような前半で、数少ないボックス内への侵入もフィニッシュ精度の問題で得点に結びつけられない。前半でハイライト映えしそうなのはCKからゴディンのヘディングシュートがポスト直撃くらいだろう。
そのゴディンとヒメネスのCBユニットはディフェンス面の信頼感は高いが、ボール保持時のクオリティは物足りないのでセントラルMFが降りてサポートするのは今後必須。顔ぶれだけなら豪華なのだが、実際には全く機能していないのでDF-MFライン間でボールを受けて次に繋げるような選手が欲しい。ペリストリはもう少し横や斜めの動きを使えるようにならないとユナイテッドで試合に出る事は難しいというのが率直な感想。
今のところ酷評しかしていませんが、バルベルデのミドルは中々見ごたえがあった。
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韓国はこのエンジンのかかっていないウルグアイから勝ち点1しか取れなかったのが現体制の限界を示しているような気がしてならない。ソンやキム・ミンジェといった超A級のタレントがいるだけに何とも言い難い勿体なさを感じるチーム。
ポルトガル vs ガーナ
ポルトガル試合前の予想システムは4-1-3-2、実際の動きはかなりフレキシブルだったので表現に悩む所ですが、ネベスが底に入ってフェリックスが左、ブルーノとベルナルドはビルドアップにも顔を出しながら前者がやや前目で右に張る事が多かったので、FIFA Trainning Centreに倣って4-1-2-3とします。
まず第一に気がかりなのはフルバックのバランスの悪さ。欧州予選では左ゲレイロ右カンセロでも守備面の脆さが試される場面が少なかったが、このレベルの国際大会になると同時起用はあまりにリスキーで、それを補う程の攻撃貢献もサントスのチームでは見られないので、このガーナ戦でも致命的な軽さが目立ったカンセロをクラブで評価を伸ばすダロトに入れ替える方が得策でしょう。
そして、No.10に回った途端立て続けに2ゴールをアシストしたように、今のチームを最も優勝に近づけさせるのは4-2-3-1FCブルーノなので、彼との親和性の高いラファ・レオンやパリーニャの序列を上げて欲しいというのがファンとしての心理。
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このフェリックスへのパスにも見られるようにクラブよりもスペースの空きやすいインターナショナルマッチならばより尚更。
終盤、ポルトガル代表チームを良く見ている方なら薄々感づいているかもしれませんが、Seleção das Quinasの長年の課題である詰めの甘さからガーナに1点差に迫られ、更にディオゴ・コスタのらしくないボーンヘッドで同点に追いつかれる寸前という所まで行きましたが、イニャキ・ウィリアムズがスリップするという天運に助けられて何とか勝ち点3を獲得。
試合終了間際、GK ディオゴ・コスタが後方のガーナの選手を確認しておらず、失点のピンチを招く。 @ABEMA で視聴中 https://t.co/aUiUoLwph1 #アベマ #FIFAワールドカップ全試合無料生中継 pic.twitter.com/OO15LVsWXi
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ライン間の距離が開きがちなポルトガルの守備網を切り裂いたモハメド・クドゥスはこの試合で最も評価を上げた選手かもしれません。
そして、クリスティアーノ・ロナウドに関しては純粋なプレー面のみで言えば完全に異物のような状態で、ポストプレーやチャンスメイクも出来て守備意識の高いアンドレ・シウバの方が良いのは間違いない。それを超越するリーダーシップを発揮してくれるというならば話は別だが、精神面で明らかにこれまでとは違う一面を見せている今のクリスティアーノにそれが出来るのだろうか……
ブラジル vs セルビア
第1節屈指の好カードはブラジルがペースを握り、ピッチ左半分で自由に動き回るネイマールはボールに触れずとも自然とマークを誘導する事になるので、LWのヴィニシウスがそのスペースを活用するという形でチャンスを生む。
3バックのセルビアは左のセントラルMFグデリがビルドアップのサポートに入りブラジルのファーストプレスには然程苦労しなかったものの、後ろ比重になっているので前半は相手のエラー絡み以外で中々深い位置に侵入する事が出来なかった。
大人しい最初の45分が一転、後半は開始直後から高い位置のプレッシングでGKのパスを奪ったラフィーニャの決定機に始まりセレソンのチャンスが続く。60分のアレックス・サンドロのロングシュートは地を這うような弾道で真っすぐ飛んでいき左ポスト直撃。
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先制点はネイマールの仕掛けから。
ボールに触れず反転ターンでマークを交わしボックス内に侵入すると、ボールタッチが長くなったところを横からヴィニシウスがダイレクトシュート。こぼれ球にリシャルリソンが詰めて無人のゴールマウスにボールに到達。
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更にヴィニシウスのアウトサイドクロスからリシャルリソンのアクロバティックなボレーが決まって2-0。勿論シュートは完璧なのですが、この得点に関してはドリブルのボールタッチのタイミングで自然に右足アウトで正確なパスを送ったヴィニシウスに称賛を送りたい。モドリッチ,ブルーノ,デ・ブライネとアウトサイドキックを自在に操れる事が一流のプレイメイカーの必須条件だと個人的には考えているので、野球における"逆シングル"のように日本の育成年代で嫌われがちなこの蹴り方にもっとフォーカスして欲しい気持ちは前々から抱いています。
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終盤、ピッチに座り込んで途中交代したネイマールの足首は赤く腫れており、グループステージ残り2戦は欠場する見込みとのこと。ボールプレーの巧みな選手は多数いるブラジルですが、流石に彼の代わりになる選手は世界中探しても何処にもいない。