※21/22イングリッシュプレミアリーグ
マンチェスター・ユナイテッドvsブレントフォード戦の記事です。
マタをリンクマンとして配置し、ブルーノをサイドへ置いた判断は見事にハマり、2月15日のブライトン戦以来となるクリーンシートでの勝利でホーム最終戦を終える事に成功したマンチェスター・ユナイテッド。
Three goals = three points ✔
— Manchester United (@ManUtd) May 2, 2022
A winning Old Trafford finale in 2021/22! #MUFC | #MUNBRE
久々に試合後にポジティブな気持ちになれるMatchdayでした。
ハイライト
プレビュー
マンチェスター・ユナイテッド
ハリー・マグワイア
アーロン・ワン=ビサカ
ルーク・ショー
ポール・ポグバ
ジェイドン・サンチョ
ブレントフォード
ザンカ
イーサン・ピノック
フランク・オニェカ
セルジ・カノス
サマン・ゴドス
スタメン
マタが先発起用。
ブルーノ1人にかかるチャンスメイクの大きな負担を軽減する狙いが考えられます。
両ベンチにアルバロ・フェルナンデスがいるのでカナだと少し紛らわしいですが、綴りはMan United:Álvaro Fernandez、Brentford:Álvaro Fernándezと完全一致している訳ではありません。
試合内容
前半
Mata’s effect? ボールが途切れずPA内までよく繋がる
キックオフから縦の距離をコンパクトにユナイテッドバックラインに厳しいプレッシャーをかけてくるブレントフォードの勢いに呑まれかけますが、それを凌ぐと9分の赤い悪魔はダロトのスペースへのパスに反応したエランガがそのまま右サイド深い位置からマイナスのクロス。ブルーノがダイレクトで押し込んで幸先よく先制!!
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) May 2, 2022
よく追いついた⚡⚡⚡⚡
エランガの折り返しから
B.フェルナンデス⚽🔥🔥🔥
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🏴プレミアリーグ第35節
🆚マンチェスター・U×ブレントフォード
📱#DAZN ハイライト&見逃し配信中#PremierLeagueDAZN pic.twitter.com/AtbU0YiDIp
関与した選手全員が自分のやるべき動きをしっかりと出来た見事な得点だと思います。
WBが上がれば数的優位を作りやすい3-5-2の特徴を活かしたいブレントフォードは大外からインスイングのクロスで逆サイドに落ちるクロスという攻撃パターンを徹底して狙いますが、逆にWB-CB間のスペースにロングボールを出されオープンなチャンスを幾つも与えるなど試合はユナイテッドペースに。
19分には左サイドのコーナーフラッグ近辺でブルーノが所謂ベルバトフターンで追走するローアスリウの突破を試み、相手にボールを当てCKかと思いましたが主審クリス・カヴァナーはゴールキックを指示。
22分にはエリクセンのインスイングのクロスにヴァランの背後を取ったトニーがゴール前でヘディングシュート。結果的にこの場面がこの試合のビーズ最大の得点機会でしたが、失点にならなかったのは幸運だった。
再開後のゴールキック、ダロト→ロナウドへのハイボールでブレントフォードのプレスを一気に突破すると、ロナウドが頭で落としてブルーノがキャリー。そこから再びロナウドを経由しCR7のスルーパスに抜け出したエランガがアタッキングサードでFKを獲得。以前からユナイテッドは高い位置からのプレッシングに苦戦していましたが、このプレーにはそれを打破する一筋の光を感じます。そういう意味でもダロトは最早欠かせない選手になりつつある。(この後、バックパスのミスから平静さを欠いたのか一気にミスを連発してしまいますが、それは経験を積んで克服してください)
守備貢献の低さを毎度のように指摘されるロナウド。
しかし、ここのところは精力的にボールを追いかける場面が目立ち、この試合でも29分に自らのパスがカットされカウンターを喰らいかけた所でエンベウモに追いつき正確なタックルを披露。
A Man of the Match performance from @Cristiano, as voted by you ⭐ #MUFC | #MUNBRE
— Manchester United (@ManUtd) May 2, 2022
実際、①加入後のリーグ4試合と②直近4試合を比較すると、①は2→2→4→1(計9回)、②は7→6→9→5(計27回)と1試合平均でプレス回数が3倍にまで増加しています。(data:fbref)
前半最もスペクタクルな攻撃はロナウドとマタのパス交換で右サイドのハーフスペースを突破し、前者のヒールフリックから後者がニアを狙うシュートを放った場面。マタは今季限りでクラブを退団することが濃厚ですが、それが少し口惜しいと感じさせるような美しい攻撃でした。
44分にはブルーノ→マタ→ロナウドのダイレクトプレーでカウンターを成立させゴールネットを揺らすものの、最後のパスで僅かにオフサイドラインを飛び出ていたという判定でゴールは取り消されホームチームの1点リードで前半を折り返す。
後半
セーフティーリードに達し『The Theatre of Dreams』の面目躍如
最初の5分でブレントフォードは左サイドからのFK、ユナイテッドはダロトのインターセプトからチャンスを作り(オフサイドだったがダロトのシュートはバー直撃)序盤から忙しない展開。
53分にはマティッチのDF裏へのスルーパスに反応したブルーノの決定機があったものの角度が厳しく自身2点目とはならず、これを境に暫くはブレントフォードの時間が続きますが、流れを断ち切ったのはやはりロナウド。
Home sweet home for @Cristiano 🏡#MUFC | #PL
— Manchester United (@ManUtd) May 3, 2022
PKに至った経緯も右に流れダロトの縦パスを引き出し、斜め後方からタックルにきたリコ・ヘンリーを一度弾き飛ばしてムキになったヘンリーがボックス内で後ろから倒すというものだったので正に彼の力で得たゴール。
リードを広げたホームチームは少しペースを落としピッチ幅を広く使ってボールを回して時間を消費していきます。71分にはこの日も中央で試合をコントロール下においたマティッチに替えてスカッドに戻ってきたフレッジを投入。これがマンチェスター・ユナイテッドの選手としての最後のホームゲームだったマティッチに対し、サポーターは盛大な拍手でこれまでの労をねぎらいます。素晴らしいひととき。
更に、72分にはコーナーキックからヴァランが倒れ込みながらボレーシュートを枠内へ飛ばし、これが相手に当たり軌道が変わってネットを揺らし3点目!!!
𝐑 𝐀 𝐏 𝐇 𝐀 😍🇫🇷#MUFC | @RaphaelVarane pic.twitter.com/oVto5fyaMB
— Manchester United (@ManUtd) May 3, 2022
ここ最近CKテイカー(テレスとブルーノ)の配球のボールスピードが一段上がったような気がしており、それに伴い得点やそれに近づくチャンスも増加しているように感じる。残念ながら現地でスピードガンを持っている訳でもドップラーレーダーのデータを閲覧できる訳でもないので推測に過ぎませんが。
ただ、この3点目が生まれた時間帯が丁度試合前に一部のサポーターが計画していたグレイザーファミリーへの抗議のタイミングと重なっていたので丁度それがカメラに抜かれたのは何の因果か。
Here's what happened with the planned Man Utd fan protests last night against the Glazers' ownership of club 👇 pic.twitter.com/jbJIzf764W
— Sky Sports News (@SkySportsNews) May 3, 2022
余談ですが、黄色と緑の発煙筒はウクライナへの連帯ではなく前身クラブのチームカラーで反グレイザーを意味するものです。
マティッチに続き契約満了での退団の可能性が高いマタもピッチを後にし、代わりに入ったのはジョーンズとカバーニ。(3人目の交代枠はエランガ)
3CBに変更し守備固めをしつつ、セレモニー的要素も兼ね備えた交代を経て無失点のまま試合は3-0の完勝で終了。
ゲーム後には選手がピッチをゆっくりと回って会場に詰め寄せるサポーターへの感謝を伝えた。
🏟 Signing off at Old Trafford for the season!#MUFC | #MUNBRE pic.twitter.com/9S3OsWcMDa
— Manchester United (@ManUtd) May 2, 2022
選手交代
71分 マティッチ🔁フレッジ
75分 エランガ🔁カバーニ
75分 マタ🔁ジョーンズ
71分 ノアゴール🔁M.イェンセン
71分 ヤネルト🔁J.ダシルバ
76分 エンベウモ🔁Y.ウィサ
データ
6割超のポゼッションをマークし、パスの本数は今季2番目の多さ。
マタが潤滑油となって広範囲に顔を出し、特に後ろに相手を背負った選手へのサポートを絶やさなかった事もこの結果に貢献しています。
ただ、全くもって危なげない試合運びであったかと言われればそうではなく、例えば21分のトニーのヘディングシュートはヴァランが完全に競り負けしていたので失点しても不思議ではないプレーでした。
また、Mads Bech Sørensen-通称ベックのロングスローにも前回対戦同様苦しめられ、オープンプレーで上手くいかなくともそういった飛び道具で得点を狙えるのがビーズがプレミアリーグ初年度ながら残留争いにをほぼ無縁だった理由の1つと言えるかもしれない。
個人的には2つの得点のキッカケとなる縦のパスを出したディオゴ・ダロトをこの試合のMVPに推したい。守備面でもクリア5回、タックル4回と大崩れすることなく試合を終え、インターセプトからゴール前に侵入しポスト直撃のシュートを打つ(オフサイドだったが)などチーム内での存在感は日々増している。
27分のデヘアへのバックパスが乱れて以降、しばらくは怪しいプレーが連続したが、この試合の大きなチャンスは多くが彼の右足が起点。終盤にはロナウドにまるでスコールズのような完璧に足元に入るサイドチェンジを通した場面も。
xG
understat.com算出のxGは1.84:0.68。
一点以上ゴール期待値で上回ったのは引き分けに終わった2月27日のワトフォード戦以来の事で、どれだけ長い間チームが不振に陥っていたのかがハッキリと表れているデータです。
xGはペナルティキックを担当したロナウドの0.80、xAは先制点をお膳立てしたエランガの0.56が出場選手中1番で、テレスのコーナーキックからストライカー顔負けのボレーを決めてプレミア初ゴールを記録したヴァランの一撃はxG0.11。
あとがき
エリクセンのキックはやはり大きな脅威でした。
ビーズとの契約は今季いっぱいですが、チームへの愛着とトーマス・フランク監督への恩義が厚く残留するという見方が強いとのこと。
EURO2020で試合中に倒れた場面を画面から目撃していた身としても、1年と経たずに彼がピッチに戻ってきて以前と変わらぬ活躍を見せている事が本当に嬉しい。
残す試合は共にアウェイのブライトン、クリスタルパレス戦。
このまま行けば、最終節は欧州大会の出場争いを既に完了している段階だと考えられるのでアカデミーの選手に多くの時間が与えられるかもしれない。
勿論、ロナウドのシーズン20得点の行方も気になるところ。