21/22イングランド・プレミアリーグ
マンチェスター・ユナイテッドvsブライトン戦の記事です。
On repeat in 𝒆𝒗𝒆𝒓𝒚 single angle 🔄🌟
— Manchester United (@ManUtd) February 17, 2022
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ノーゴールが6試合続き、苦しんだクリスティアーノ・ロナウドの2022年初ゴールは芸術的なミドルシュート。これが決勝点となり負けの数がリーグ4番目に少なった難敵ブライトンに勝利し、レッズはリーグ戦3試合ぶりの勝ち点3を獲得。
お見事!
プレビュー
ほぼ同時刻に開催されるUEFAチャンピオンズリーグ、特にパリ・サンジェルマンvsレアル・マドリーに注目が集まる中、ユナイテッドはオールド・トラッフォードで延期分のシーガルズとのリーグ戦を戦います。
オーレ・グンナー・スールシャールの下ではブライトンに対し全勝、中にはVARでギリギリ勝った試合もありましたが基本的に好相性だった相手。ラルフ・ラングニックのチームはここのところ自滅のようなドローが続いていますが、過去の例に倣って勝ち点3を得る事でCL圏争いに再び復帰したい。
マンチェスター・ユナイテッド
エリック・バイリー
ラファエル・ヴァラン
エディンソン・カバーニ
ネマニャ・マティッチ
ブライトン
エノック・ムウェプ
ジェレミ・サルミエント
スタメン
ベンチから外れたヴァランについては体調不良のために直前になって欠場が決まったという情報が出ており、どのような状態なのか心配です。
他はポグバに代わりフレッジがスタメン復帰。
本音をいえばいくつかのポジションで疲労を考慮した起用をしてほしかったですが、彼の戦線復帰はチームにとって久々のいいニュース。
ブライトンのフォーメーションは現地でも予想にズレがあり、とりあえず4-1-2-3で仮置きしていますが詳しいところはキックオフしてみないと分かりません。
試合内容
前半
最初の形はマクトミネイを底に置いて両脇にフレッジ、ブルーノを置いた4-1-2-3。
これは前々からなのですが相変わらず何でもないパスの中でボールが乱れるケースが他クラブと比較しても目立ちます。今節はボール保持の優れたブライトンが相手という事もあってより一層それが顕在化しているのかもしれません。実際に序盤からポゼッションは相手に受け渡す展開が続き、初めの5分間はおよそ3:7の割合でした。
カウンター狙いのユナイテッドは6分、マグワイアのクリアをアダム・ウェブスターが後方に逸らした一瞬の隙をロナウドが見逃さず相手陣内でボールを奪うと、カットインからのシュートを匂わせてDFの視線を集め左サイドから上がってきたサンチョの絶好のヒールパスでお膳立て。
サンチョの決定機はロベルト・サンチェスのコース制限が上手く得点になりませんでしたが、この2人の関係性はここのところ毎試合のようにビッグチャンスを創出しており可能性を感じます。
因みに、変幻自在でどんなやり方でくるか注目していたブライトンのビルドアップは4バックベースで3列目はビスマ+右のグロスor左のマック・アリスターの片方がその時の状況に応じて降りてくる4-2の形と2人とも隣に配置する4-3の使い分け。
フルバックの左右は左のククレジャの方が攻撃的な選手ですが、ユナイテッド両サイドの守備強度の問題か全体の位置関係としては右上がりになる事が多かった。
15分のホームチームは自陣ボックス付近でボールを奪いそのままロングカウンター。
ブルーノが左サイド前方のスペースに展開しサンチョがこれを追いかける形となり、そのまま彼は中央のCBライン間に位置取りするエランガにパスを送りますが、ギリギリのところで背後から追いついたククレジャにカットされてシュートまで行けず。
16分、ブライトンにミドルレンジのパスを繋がれて最後は右サイドのグロスのグラウンダーのボールをマック・アリスターがダイレクトシュート。
ダフったのか威力が無くそれほど脅威にはなりませんでしたが崩され方は失点してもおかしくない形で、DFラインが横にズレた際に空いてくる選手のマークを中盤がしっかり追う事を徹底する必要があります。
20分~40分にかけてはボックス内まで進んでも最後の所で意図が合わず得点機会にならないプレーが続き、逆に39分にはシーガルズに決定機。
ジョエル・フェルトマンのクロスに対しダロトとリンデロフの間からスルスルっと出てきたヤクブ・モデルが強烈なヘディングシュート。
しかし、デヘアの反応が更に上を行きこれをパンチングに成功。モデルは一点を損する形でプレミアリーグ初ゴールはお預け。
A first-class stop from @D_DeGea 👐⛔️#MUFC | #MUNBHA pic.twitter.com/yjNVaIlTJy
— Manchester United (@ManUtd) February 16, 2022
42分にはセンターサークルでボールを受けたダロトがモデル、ククレジャを交わしそのまま中央突破。エランガにパスを送り、その彼をマック・アリスター背後から押し倒しボックス寸前の位置でFK獲得。ロナウドが担当したこのプレースキックは壁に阻まれ、初めの45分はシュート数で3:8、ポゼッションも59:41と苦戦が伺える内容で折り返しました。
後半
ハーフタイムにラルフの檄が飛んだのか、後半の立ち上がりは激しいチェイスでブライトンのボール回しにプレッシャーを果敢にかけるユナイテッド。
これが実ったのが50分。
マック・アリスターに対しブルーノが背後を、フレッジが前方を塞いで横パスを誘導しエランガがこれをカット。一度イヴ・ビスマにボールを奪われ最終ラインでパスを回されますがエランガがウェブスターに対し再びコースを制限。
焦って出した縦パスをリンデロフがインターセプトすると再びボールを敵陣後方に押し込み、再度ビスマにパスが入ったところを狙いすましてブルーノ、マクトミネイが囲んでボールを弾き、これを拾ったロナウドがドリブルでウェブスターを交わしながらミドルシュート!!
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— Manchester United (@ManUtd) February 16, 2022
一連の連動した守備、そしてクリスティアーノの類いまれなるフィニッシュワークとこれぞマンチェスター・ユナイテッドという見事なゴールで遂に試合が動きました。
更に先制直後の52分、ウェブスター→ダンクの最終ラインの横パスに物凄い速度でプレッシャーをかけたエランガがボールを奪取。
ダンクはたまらず後ろからエランガを倒し、一度はイエローカードが提示されますがVARオンフィールドレビューの結果レッドカードに上書き。
当初、黄色だった際にブルーノが抗議の結果イエローを貰ってしまっていたので不満はありますが、退場のキッカケを作ったエランガの献身性は指揮官もしっかり評価しているでしょう。今後も変わらずこのようなプレーを続けて欲しい。
数の有利があるユナイテッドはそれまでとは打って変わって相手陣内でのプレー時間が増え、プランが崩れたアウェイチームは60分にトロサールに変えてランプティ、グロスに変えてアルザテとより守備的な選手を増やして対応。
66分のレッズはショートコーナーを選択し、ボックス外でボールを受けたブルーノが右足でインスイングのボールを中央に放り込み、ロナウドがヘディングシュートで追加点を狙いますがサンチェスの反応が勝りパンチングクリア。
71分にはサンチェス→サイドに開いたアルザテへのパスをロナウドがカットしボックス内で2vs1の数的優位の状況が生まれます。ロナウドはブルーノにラストパスを送りGKとの1on1になりますがシュートはキーパーの正面に飛んでまさかのノーゴール。
74分、今度はルーク・ショーの縦パスを上手く足元に収めたサンチョが2タッチ目でフェトマンをナツメグ(股抜き)で交わしそのまま斜めにゴール方向一直線で侵入。ブルーノへのパスは相手に先に触られますが、彼らしさの詰まった良いテイクオンでした。
その後、78分にモデルが左斜め、ゴールから30mはあろうかという位置からクロスバー直撃のシュートを打ってヒヤッとさせられるシーンはありましたが基本的にはホームチームがコントロールしながら進み、6分という長い時間が表示されたATへ突入。
AT7分、ユナイテッド陣内でFKを獲得しポグバはブライトン守備陣が戻り切れていない事を察知しクイックリスタートで前方のブルーノにパス。前に誰もいない右サイドをドリブルで進んだブルーノはそのままボックス内まで入り、最後はキックフェイントでサンチェスに尻もちをつかせてタイミングを外してニアサイドを撃ち抜き2点目。
🧠 Speed of thought
— Manchester United (@ManUtd) February 16, 2022
⚡ Quickness of feet
🎯 Precision of finish @B_Fernandes8 x @PaulPogba#MUFC | @RemingtonUK pic.twitter.com/hSVJP0jjWC
退場者がでるまではロナウドの芸術的な得点を除き劣勢気味で苦しい展開でしたが、これで対ブライトンは公式戦7連勝。良くやってくれました!!
ハイライト
拡張版はクラブ公式からご覧いただけます↓
選手交代
73分 フレッジ🔁ポグバ
79分 エランガ🔁ラッシュフォード
80分 サンチョ🔁テレス
ブライトン
60分 トロサール🔁ランプティ
60分 グロス🔁アルザテ
70分 モペイ🔁ウェルベック
データ
ポゼッションでは前半4:6、ルイス・ダンクの退場までは劣勢を強いられていたユナイテッド。チームの完成度という点においてはブライトンの方が優れていたようにも見えましたが、そんな状況を突破したのがエースストライカーのゴラッソでした。
相手が10人になった後の展開は数字通り受け取る訳には行きませんが、とりあえず4試合ぶりに勝利を記録出来た事を良しとしたい。
この試合のMoM候補はズバリ、ポルトガル人選手3名。
毎度の如くチャンスメイク能力を発揮するブルーノは1得点+キーパス5本(内2本はビッグチャンスクリエイト)。ロナウドも決定機ミスが2度あったとはいえキーパス3本(内2本はビッグチャンスクリエイト)。ダロトもキーパス3本シュート2本と攻撃貢献に加え最多タイのタックル5回成功、ドリブル突破を一度も許さずと守備でも印象的なスタッツを残しレギュラーの座をより強固なものにしました。
xG
Manchester United 2 - 0 Brighton (February 15 2022) | EPL | 2021/2022 | xG | Understat.com
xGは前節続いて3.0が間近に迫る高い数値を記録。
ロナウドの決勝点はxG0.09、得点後にも2度ほどビッグチャンスがあり、そちらは決めることが出来ませんでしたが、トータルではxG0.83に対し1Gなので久々にプラス収支。
更に、チャンスメイクでもこの日のCR7はピッチ上の選手でNo.1のxA1.10、2度の決定機を演出する大活躍でした。
あとがき
一喜一憂していても仕方のない事なのですが、今回の勝利でユナイテッドは25試合消化勝ち点43で4位に再浮上。ここにきてトッテナムが3連敗と急ブレーキがかかり、ウエストハムも過去5試合で2勝1分け2敗と調子は良くありません。
アーセナルを除く順位争いのライバル達はレッズと同じように停滞しているので、ここで調子を立て直して3月初旬から始まる鬼日程に向けて万全の準備を整えたい。
今後の日程
(Leeds<A>→Atlético Madrid<A>→Watford<A>→Man
City<A>→Tottenham<H>→Atlético Madrid<H>→Liverpool<A>→Leicester<H>~)