どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
週末に予定されていたマンチェスター・ユナイテッドvsリバプールのノースウエストダービーはクラブオーナー グレイザーファミリーに対するユナイテッドサポーターの大規模な抗議活動の影響によって14日に延期。
今後も主にホーム開催の試合で抗議を行うのではないかと推測されており、ユナイテッドにとってはクラブ史に残る大きな転換点になるかもしれない緊迫した時間が続いていますがヨーロッパの大会は日程通り対戦相手ASローマのホームスタジアム オリンピコで行われます。
第1戦で大敗を喫したローマはパウロ・フォンセカ現監督の今シーズン限りでの退任、そして赤い悪魔にとっても馴染み深いジョゼ・モウリーニョの翌シーズンからの監督就任がアナウンスされるなど、こちらも大きなニュースがありました。
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試合プレビュー
ユナイテッドは先述の理由によって試合に臨むの1週間前の第1戦以来となり休養十分 。
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ローマは週末のセリエA第34節 vsサンプドリア戦でも0vs2で敗れ今季最長の公式戦3連敗という状況。
4点差を覆すのは極めて難しいミッションではありますが、オーレ自らが会見で語ったように彼らは3年前のチャンピオンズリーグベスト8、バルセロナ相手にホームで迎えた2ndLegで奇跡の大勝利を演じているので決して油断する事は出来ません。
スタメン
ASローマ
第1戦でイエローカード累積により出場停止処分を受けていたDFの要ジャンルカ・マンチーニを中盤の底に置いた4‐1‐4‐1という予想外の配置を選択したフォンセカ監督。
3バックではユナイテッドのサイドアタックに対して適切なディフェンスが出来ないという判断なのか或いは先日のリーグ戦で赤い悪魔と互角の戦いを演じたリーズに着想を得て、彼らと同じシステムで戦う事にしたのかも?などと思ったり思わなかったり。
先週の対戦ではムヒタリアン、ジェコ、ペッレグリーニの3人がチャンスを作っていたので彼らが鍵を握るだろうと考えています。
マンチェスター・ユナイテッド
4点差のリードがある事もあり、慎重なオーレもここはターンオーバーを選択。
ファン・デ・ベークとポグバは今後を考えると正直逆の位置で起用して欲しかったという贅沢な悩みはありますがそれはそれとして彼にはこのチャンスに応える得点に直結する仕事を見せて欲しい。
そして前回2ゴール2アシストとMVP級の活躍のエディンソン・カバーニはここで得点を重ねて公式戦G+Aを20に乗せる為の準備といきたいところ。
試合内容
デヘアがとにかく防ぐ
最初に試合に動きがあったのは4分。
久々の先発出場となったエリック・バイリーの与えた不要なファウルのFKからマンチーニに決定機。
この後何度も見る事になるデヘアのスーパーセーブによってこの危機を凌いだユナイテッドですが、直後のコーナーでも苦手にしているニアサイドで触られてファーに流れたボールに合わせるというパターンで危険なシーンを作られるなど典型的な悪いパターンの試合序盤でした。
8分には今季ここまで贔屓目なしに見ても世界トップクラスの活躍を続けるルーク・ショーが珍しく軽率な判断から低い位置でボールを奪われビッグチャンスを許し、これもデヘアが得意の足技で何とかクリアしますがユナイテッドのフィールドプレイヤーは完全に気の抜けたプレーを連発していたので往年の守備戦術=デヘアを見ているような懐かしい気分になってしまったのはここだけの秘密。
20分にはローマのミスからエディンソン・カバーニにユナイテッドとしてはチーム初の決定機が訪れましたがループシュートを狙ったボールは僅かにクロスバーを越えてネットに直撃。
エル・マタドールは25分にもブルーノのスルーパスでチャンスを得ますがGKと1on1で放ったシュートは正面に吸い込まれていきこちらも実らず。
ファーストレグではヴェレトゥ、パウ・ロペス、スピナッツォーラと前半で3人の負傷者を出したローマ。
この日も悲劇は続き、28分に特にプレスが掛かっていたわけでもない場面でスモーリングがキックミスをしたかと思えば突如ピッチに座り込んでしまいそのまま途中交代。
この直ぐ後にローマはカウンターからムヒタリアンにドンピシャのクロスが上がりましたが古巣対戦のMFが放ったヘディングは痛恨の枠外。
そして34分にも同じくカウンターからペッレグリーニの至近距離からのシュートでゴールに近づくもののこの日のデヘアは無双状態
今日もカバーニ
ユナイテッドとの契約延長に向けてポジティブな報道が増えているカバーニはこの試合でも先制ゴールをゲット。
39分、ブルーノとのワンツーからハーフウェイ付近でフリーになったフレッジからカバーニへパスが渡り、これまで2度チャンスを逃しているエル・マタドールは3度目の正直とばかりにGKミランテの右手の先を掠める強烈なシュートでゴールネットを揺らしました。
先制したユナイテッド、これで目を覚ましてくれればよかったのですが守備の軽さは相変わらずで41分にはジェコ‐ムヒタリアンに翻弄されると後者に再び決定機を許し、これまたデヘアが片手一本で防ぐというデジャヴが繰り広げられるなど無失点で切り抜けた事が不思議で仕方がない前半でした。
大量リードの安心が慢心を招いたのかそれともダービー延期の精神的影響なのか
後半開始のタイミングでマンチェスター・ユナイテッドは両SBを交代し左にテレス、右にウィリアムズが入って試合再開。
しかし選手を入れ替えてもユナイテッドの浮ついた守備対応は変わらず、57分には今季度々指摘されていたSBの過剰な中央への絞りによってがら空きになった大外の選手を利用される形で失点を許し1vs1の同点……
そして同点打のダメージが残る60分にはフレッジが時折見せる低い位置での致命的なロストが失点に繋がりあっという間にローマ勝ち越し。
ユナイテッドも好調のブルーノ‐カバーニのラインで68分に再び同点に追いつきますが、その後はローマのビッグチャンスが続き83分にはローマ側の途中出場の若手プレイヤー ザレフスキのシュートがテレスに当たり軌道が変わってゴールネットを揺らし試合は3vs2ローマ勝利で決着。
因みに2戦連続2ゴールのエディンソン・カバーニはUEFAヨーロッパリーグ公式の選定するPOTWに選出されています。
🔥 Two-goal hero
— UEFA Europa League (@EuropaLeague) May 7, 2021
👏 Through to #UELfinal
🏅 Awarded Player of the Week
Well played, @ECavaniOfficial! 💪@hankookreifen | #UELPOTW | #UEL pic.twitter.com/h3ANqvr1lP
動画ハイライト
交代選手
30分 in:E.ダルボー out:スモーリング
69分 in:サントン out:ブルーノ・ペレス
76分 in:マジョラル、N.ザレフスキ out:ジェコ、ペドロ
46分 in:テレス、ウィリアムズ out:ルーク・ショー、ワン=ビサカ
64分 in:マティッチ out:ポグバ
73分 in:ラッシュフォード out:カバーニ
データ
シュート数は22:13、xGでも3.7:2.1とセカンドレグはローマが意地を見せた結果になりました。
ホームチームのビッグチャンスは何と8回。
これはユナイテッドの第1戦目より多い数で逆に言えばチャンスをこれだけ作りながら3ゴールに留まってしまったのは少し寂しい気持ちもあるでしょう。
この試合のMVPは被シュート22本でセーブ10回、内9度がボックス内から放たれたものへの処理という滅多打ち状態で僅か3失点に抑えたダビド・デヘア。
(参照:Roma Manchester United live score, video stream and H2H results - SofaScore)
正直試合前の段階では流石にこの点差があれば大丈夫だろうと高を括っていたのですが彼の信じられない高パフォーマンスが無ければ試合の結果、そしてトーナメントの勝ち上がりクラブも変わっていたかもしれません。
ここまで守備崩壊した試合はマルシャルの退場に10人で戦ったPL4節のトッテナム戦以来だと思いますが、今回の原因は単純に油断と慢心なのかそれともリバプール戦ボイコットの影響なのかはたまたその両方か、答えは分かりませんが次の試合までに修正しなければいけませんね。
あとがき
カバーニはこれで公式戦34試合14ゴール4アシストに成績を伸ばし、あと一息で20ゴールに関与する勢いなのでそちらに関しての期待が高まっています。
また、彼の得点内訳はPK0で全てが流れの中から生まれているので、その価値は見た目以上に高いと考えています。
90分辺りの得点関与は0.88点でチーム3位。
上にいるのはブルーノ・フェルナンデスとアマド・ディアロのみで、ブルーノはPKで12ゴール、アマドは出場時間101分と少ない機会なのでオープンプレイで最もゴールに結びつけているのは間違いなくエル・マタドールです。
当初は33歳(獲得当時)のFWに7番を背負わせ高い週給を与えることに対して批判の声も多かったですがこの活躍ならばその報酬を受け取る資格が十分にありますね。
来季もクラブに残って下さい🙇♂️