*イングランドプレミアリーグ第37節、オールド・トラッフォードで行われるマンチェスター・ユナイテッドvsフラム戦の記事となります。
どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
今シーズンのマンチェスター・ユナイテッドは残すところリーグ戦2試合、ヨーロッパリーグ決勝の計3試合ですが、今回はホーム最終戦となるフラムとの試合です。
中50~60時間ほどで連続して試合を消化した先週は1勝2敗と思い通りの展開とはならなかったユナイテッド。
特にリバプールとのライバルマッチでの4失点敗北は屈辱的な試合で敵将ユルゲン・クロップにオールド・トラッフォードでの初勝利を許してしまいました。
試合プレビュー
ここにきてマグワイア離脱やそれに伴う失点増など不穏な空気が漂い始めているマンチェスター・ユナイテッド。
今節は久々にサポーターをスタジアムに入れて行われる今季オールド・トラッフォード最終戦で相手は既に降格が決まっている18位フラム。
エディンソン・カバーニ、メイソン・グリーンウッドはそれぞれリーグ戦10ゴール達成に向けてこの試合で結果を残したいところ。
フラムは惜しい試合を続けながらも3月7日のリバプール戦以降勝利に見放され8試合未勝利が続いています。
降格は決まっているものの最後に1つ勝ってから来季に向けて歩みを進めていきたい。
スタメン
マンチェスター・ユナイテッド
リンデロフとペアを組むのはトゥアンゼベ。
EL決勝にマグワイアが間に合う確率はかなり低いようなのでアイスマンの相棒にバイリーかアクセルのどちらを当てはめるのかオーレも悩んでいそうですね。
そしてGKにはデヘアがスタメン出場。
どういう意図があるかは分かりませんがヘンダーソンとの守護神争いはまた過熱するのでしょうか。
現在プレミアリーグ9ゴールのエル・マタドール、7ゴールのメイソン・グリーンウッドの2名に期待しています。
フラム
こちらは変則的な3バックを採用。
右CBのマリオ・レミナは本来中盤を本職にしている選手ですが前節に続きディフェンダー起用となっています。
要注意なのは前回対戦でもゴール、アシストを記録しているアデモラ・ルックマンとアンドレ=フランク・ザンボ・アンギサ。
特にアンギサは今オフの動向が気になる選手の1人で降格組の中ではトップクラスのスタッツを誇っているのでプレミアリーグのクラブで中盤に課題を抱えるチームには彼をオススメしたい。
試合内容
観客席に活気が戻ったスタジアムはやはり壮観でした。
GLAZERSOUTのカードを掲げたサポーターが多かったので赤というよりは黄色と緑が目立っていますがやはりフットボールはファンあってのものだと強く実感する瞬間。
エル・マタドールがプレミア二桁得点に到達
ここ最近攻撃面での貢献が目立つワン=ビサカはこの日も好調を継続していたようで6分にはポグバのこの試合両チーム通じて初シュートをお膳立てするクロス。
更に14分にも地を這う低いボールでチャンスを演出しこの試合では完全にルーク・ショーのお株を奪う攻撃でのプレーが続きます。
そんなマンチェスター・ユナイテッドは15分、バックパスで最後方のデヘアにボールを一旦戻すとそこから前線のブルーノへミドルレンジの速いパスが通りブルーノは相手陣内に背を向けた状態でアウトサイドで少しだけボールの軌道を変えてカバーニへの決定的なスルーパス。
エル・マタドールはフラム守護神アルフォンス・アレオラが飛び出ている事を確認すると頭上を抜くループシュートを見事成立させてユナイテッドが先制に成功。
We have a feeling this won't be the last time we show this...@ECavaniOfficial 👏
— Manchester United (@ManUtd) May 18, 2021
🔴 #MUFC | #️⃣ #MUNFUL
シーズン最優秀ゴールのファン投票は既に終わり、2月6日エバートン戦でブルーノが決めたミドルシュートが選出されましたがそれに負けず劣らずの美しい得点がファンの眼前で生まれたのは大変喜ばしい出来事でした。
そしてアクセル・トゥアンゼベも後方からの持ち上がりで積極的に攻撃参加する等マグワイアの代役として起用されている自覚が強かったのか前半は上々の出来でこれならばEL決勝も彼が選ばれるのではないかなどと思っていましたが……
フラムも18歳の新鋭ファビオ・カルバーリョが29分と38分にスピ―ドを活かしてユナイテッドDFラインの裏を取り決定機を作り出すものの、ボディコンタクトやシュート精度はまだ向上中という事で得点には至らず。
47分にはワン=ビサカに遅れを取っていたルーク・ショーもドリブルで持ち上がり自らシュートを放つなど前半はマンチェスター・ユナイテッドが完全に主導権を握り1点リードで折り返し。
後半に入り杜撰なプレー増加で結局ドロー決着
後半は一転してユナイテッドが不安定になり、その象徴だったのが47分~49分にかけてのトゥアンゼベの度重なるボーンヘッド。
まずは不用意なパスミスとファウルで相手にチャンスを与え、これを凌いだ数分後にもプレッシャーのかかっていない局面で芝に足を取られて転倒し危うく失点に繋がる危機を招き、正直に言えば決勝に向けて大きな不安要素が出来てしまいました。
51分にはマクトミネイの持ち上がりからペナルティエリア手前、ゴール正面でFKのチャンスを得ますがブルーノのキックは速さ・高さは完璧だったもののほんの僅かにゴール左に逸れて得点とはならず。
61分にはフラム左サイドからユナイテッドのゴール前まで迫るピンチを作られますが久々のメインチーム復帰となったデヘアがスーパーセーブ2連発で失点阻止。
この辺りから徐々に怪しい雰囲気が流れ始め60分過ぎにはマクトミネイが脚を気にする素振りでそのままラッシュフォードと交代。
74分にはカバーニの完璧なスルーパスでグリーンウッドがGKと1vs1になる決定機を迎えますが、ワンタッチ目が上手くいかずシュートコースを確保できなかった11番はGK正面にボールを飛ばしてしまいこれを逃します。
すると、今季通しての課題だったユナイテッド側からみて左サイドから放り込まれるクロスボールに対してのリンデロフ、ワン=ビサカの対応難という弱点を突かれる形で76分にフラムの同点ゴールが生まれます。
A nice moment for @joebryan! ☺️#MUNFUL pic.twitter.com/VEDig4ComT
— Fulham Football Club (@FulhamFC) May 19, 2021
ワン=ビサカが反対側からのクロスに対して過剰に内側に絞ってしまい大外のマークをがら空きにして生まれた失点はこれまでに何度もありますがこれは彼自身の欠陥なのか或いはGKからのコーチングが行き届いていないからかについては議論の余地がありますね。
Seville. Leipzig. Brighton.
— Carl Anka (@Ankaman616) April 4, 2021
This keeps happening and it's either an instruction to get the spillage in case Lindelof can't, or it's a habit. Either way teams have spotted it and United need to close the loophole. pic.twitter.com/O3vqCyjKp3
ただ、彼自身はあまり戦術理解の高い選手ではない事はこの2シーズンでよく分かったので今からその劇的な改善を望むよりはGKやCB含め周りのサポートでカバーしていく形の方が無難ではありそう。
結局試合は1vs1のドローで終了。
試合後にはマクトミネイに続きフレッジも負傷していた事が発覚し、最悪の場合にはユナイテッドはカップ戦ファイナルでセンターラインのファーストチョイスを3名失うという緊急事態に追い込まれる事に。
因みに、この試合の後にキックオフを迎えた3位レスターと4位チェルシーの直接対決でホームのチェルシーが2vs0で勝利した事により両者の順位が逆転し3位チームとの勝ち点が残り1節で4差になった為、ユナイテッドはシーズン2位フィニッシュを確定させました。
動画ハイライト
交代選手
62分 in:ラッシュフォード out:マクトミネイ
83分 in:アマド out:グリーンウッド
87分 in:ファン・デ・ベーク out:カバーニ
フラム
32分 in:J.アンデルセン out:H.リード (負傷交代)
63分 in:ロフタス=チーク out:F.カルバーリョ
89分 in:テテ out:ルックマン
データ
全くの偶然ですがユニフォームカラー的には仮想ビジャレアル戦のような形になったこのマッチアップ。(フラムの中心選手ザンボ・アンギサは昨シーズンイエロー・サブマリン(ビジャレアルの愛称)にレンタル加入しチームの核として36試合に出場するなど縁が無いこともないのですが)
シュート数は13:8でユナイテッドが5つ上回っていますが枠内シュートは1差。
フラムの狙いは一貫しており、Whoscoredの平均ポジションを見ると右サイドをワイドに張らせてサイドで起用されるものの攻撃でも守備でも中に寄りがちなポグバの空けたスペースを活用しつつあわよくばクロスからワン=ビサカ-リンデロフ間の穴を突いてゴールを奪うという思惑があったと考えられます。
先制ゴールを奪ったエディンソン・カバーニはプレミアリーグ最初のシーズンで10ゴールに到達し、非ヨーロッパのユナイテッドの選手でリーグ戦二桁ゴールに乗せたのは12‐13シーズンのチチャリート以来8季ぶり。
また、ベテラン選手(33歳以上とする)の二桁ゴールも00‐01シーズンのテディ・シェリンガム、16‐17シーズンのズラタン・イブラヒモビッチに続く3人目。
🥇35歳75日 ズラタン・イブラヒモビッチ
🥈34歳225日 テディ・シェリンガム
🥉34歳93日 エディンソン・カバーニ NEW!
xG
(参照:Manchester United 1 - 1 Fulham (May 18 2021) | EPL | 2020/2021 | xG | Understat.com)
xGは0.92-0.87のロースコア。
ビッグチャンスの数で上回ったフラムは量より質でユナイテッドに肉薄し、逆にホームチームは73分のグリーンウッドの決定機を逸した事も響いた形となりました。
カバーニの先制点はxG:0.01とほぼほぼ決まらないような遠距離ゴールだったので改めてストライカーとしての技術の高さを証明する一撃となっています。
あとがき
3試合連続での未勝利となり、今季オールド・トラッフォードではリードしている状態から10Ptsロストしたようなので、この10点をモノに出来ていればマン・シティと熾烈な優勝争いをしていた模様。
10 - Manchester United have dropped 10 points from winning positions at Old Trafford this season - their highest ever such total at home in a Premier League campaign. Issue.
— OptaJoe (@OptaJoe) May 18, 2021
何故ホームでこれだけ不安定な一方でアウェイでは無敗を続けているのか。。。
今のチームはよくも悪くも計算できない🙄