いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

ブルーノ・フェルナンデスのPKの傾向

どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。

直近のフットボール界はエル・クラシコの話題で持ち切り。

肝心の試合はと言えば雷鳴の響く激しい雨の中レアル・マドリーが2vs1で勝利しましたがこのブログでは普段通りプレミアリーグ、そしてマンチェスター・ユナイテッドにまつわる事柄を触れていきます。

 

 

 

はじめに

 

今回はマンチェスター・ユナイテッドのエース、ブルーノ・フェルナンデスのペナルティキックに焦点を当てた記事となります。

最近の試合でブルーノのPKについてGKに読まれているケースが多い様に感じたのでユナイテッド入団後のキックを全て見返してみて何か特徴があるのかどうかを調べていきます。

 

対象期間はマンチェスター・ユナイテッドでの初出場となった2020年2月1日のウルブス戦から今日2021年4月11日までとなります。

 

 

試行回数20回(蹴り直しを入れると22回)、65%が左下へのキック

 

まずは全てのPKを表にしてみました。

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およそ1年と2ヶ月の間に20回ペナルティキックを蹴って失敗は僅か1度、成功率は95%とPKの名手と言える好成績をマークしているブルーノ。

 

PKの成功率は平均するとどのコンペティションでも70%台後半から80%強の間に収まるので、彼はPKを得意にしていると判断していいと思います。

 

また、ゴールマウスを縦に2分割するとゴール上部へ蹴ったのは昨シーズンのELセビージャ戦、そして今シーズンのPLブライトン戦、WBA戦の3度のみで基本的にはグラウンダーか低い位置を狙ったキックを試みている事も分かりました。

 

さらにハッキリとした傾向が現れているのは真ん中上、真ん中下へのキックがこれまでに1度も記録されていない事です。

これはGKの動きをギリギリまで見定めて反対方向へ蹴ろうとするブルーノのシュートモーションが絡んでいるのかもしれません。

 

という事でキックの方向について円グラフ化してみる事に

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圧倒的左下。

全20回中13度は左下へのシュートで特に直近5回はいずれもこのコース。

マンチェスター・ダービーグラナダ戦と2度続けてGKにコースを読まれてボールに触れられているのもおそらくこの傾向から飛ぶコースを最初から決めていたのでは。

 

また、PK研究の権威が語る、奥深き世界「ゴール上隅に飛んだPKのストップ率は0%。だが…」 | REAL SPORTS (リアルスポーツ) | スポーツの"リアル"を伝えるという記事によればGKはライン上の中心から少しだけ左右どちらかにズレる位置取りをする事によってキッカーをある程度の割合でコントロールできるという研究結果があるそうなので実際に確かめてみたところ、確かにグラナダ戦ではGKのルイ・シルバがややゴール右側に寄っているように見えたのでやはり左下に誘導していたのかもしれない。

 

 

ブルーノの強みはシュートモーション、シュートコースと2度GKに選択を迫る事が出来る点にある?

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ブルーノのペナルティキックで一番特徴的なのはキックの直前に挟むステップ。

主にGKのタイミングをずらす目的でやっていると思うのですがこの動きは保険にもなっています。

 

例を挙げるとCLパリ戦、続くPLのWBA戦ではどちらも一度GKにコースを完璧に読まれてしまいセーブされてしまうのですがVARの結果ブルーノがボールを蹴る前にGKがゴールライン上から外れてしまったという判定でどちらも蹴り直しとなり2度目はいずれのケースでも成功させています。

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(参照:Highlights | Rashford wins it late in Paris again! | PSG 1-2 Manchester United | Champions League - YouTube)

 

平均的なキッカーの場合GKが選択を迫られるのはシュートコースとその威力ですがブルーノの場合には更にキックに至るまでの助走パターンが数種類存在しているので仮にコースを読むことが出来たとしてもタイミングを外される、またはタイミングを合わせる事には成功しても届かない場所へ蹴られてしまい結局彼の術中にはまるという場面を何度も見ています。

 

これまで確認されているPKのパターンは通常通りの助走、上記のステップありパターン、助走なしのノーステップキックの3種類です。

 

因みに彼が唯一失敗という結果を公式記録に残したニューカッスル戦ではこのステップは無く通常通りのキックでした。

 

 

 

ここまでは彼のPKを褒めたたえるような内容でしたが個人的にはあまり真似しない方がいい蹴り方だと思っています。

余程の技術がないとあの蹴り方でコースと速さを維持したシュートを撃つ事は……

ステップをいれてコントロールと威力を保つ事は容易ではなく、基本的にペナルティキックはシュートスピードが速い方が例えコースを読まれたとしても得点になるケースが多いです。

 

また、最も重要になるメンタルの強さという面においてもこれを実際の試合でやってのけるタフさを兼ね備えるプレイヤーはそう多くないのでは。(ブライトンの事を言っている訳ではありません🙄)

 

 

≪追記≫初めて真ん中に蹴ったキックは失敗に終わる

 

ユナイテッドでの通算成功率は21/23(2021-09-27時点)

 

この記事を書いてから5ヶ月以上が経過し、20/21の続きで2回、そして2021年9月25日のランチタイムキックオフのアストン・ヴィラ戦、ユナイテッドでの2度目のPK失敗を喫してしまいましたが、依然として成功率は9割越え。

 

ELローマ戦では左上、昨季のヴィラ戦(A)でもお馴染みのステップを入れたキックを右下に決め、左右への蹴り分けを徹底していたように見えたブルーノ。

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ただ、直近の21/22 vsヴィラ(H)では、自身のチャンスメイク(キーパス10回)がいずれも得点に結びつかなかった苛立ちかそれとも直前にエミ・マルティネスに挑発を受けて平常心を失っていたのか、或いはまんまと相手の術中にハマり2コートを何度も行き来する疲労度の高い試合展開が招いた結果かは本人のみぞ知るところですが、彼はユナイテッドでは初めて中央上部へのキックを狙いコントロールし切れずボールはゴールマウスを飛び越えて観客席へ消えてきました。

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私にはこの失敗を以ってブルーノへ過剰な批判を飛ばすつもりは毛頭ありません。

上述のように、PKテイカーの成功率は8割後半でも十分名手とされるレベルで、逆にいえばこれまでの彼があまりにも卓越しすぎていたくらい。

 

"Nobody is more frustrated and disappointed than me for missing the penalty and the consequent defeat. I've always assumed my responsibilities and I've always embraced them under pressure in moments like this. Today, I failed. But I took a step forward and faced the challenge with the same ambition and responsibility as when, on the many other occasions, the ball ended up in the net. Criticism and contrasting opinions are a big part of football. I've learned to live with it, even using them to drive me on, and I consider it all a very important part of my commitment to never stop trying to improve and to become the best player I can possibly be, for me and the team."
(PKを外してしまったこと、そしてその結果としての敗北について、私ほど悔しくて残念に思っている人はいないでしょう。常に私は自分の責任を負い、このような時にはプレッシャーを感じながらもそれを受け入れてきました。今日、私は失敗しましたが、歩みを進めてボールがネットに収まったときのような野心と責任感を持ってこの挑戦に臨みました。 批判や対照的な意見は、サッカーの大きな部分を占めています。私はそれらと共存することを学び、自分を奮い立たせるためにも利用してきました。そしてそれは、自分とチームのために、常に向上心を持ち続け、可能な限り最高の選手になることを約束するための重要な要素だと考えています。)


"Today I once again took the responsibility given to me almost since joined United and I will take it again without any fear or dread whenever called upon. The most important thing for me is to win together and I'll always do everything I can to help my teammates and the club to be the best we can be. Thank you for all your support after the final whistle! Hearing you chanting my name in the stadium was very emotional... I will come back stronger for me, because these are the standards I hold myself to, but most of all for my teammates and our fans who have always supported."
(今日、私はユナイテッドに加入して以来ほぼ毎回与えられてきた責任を再び果たしました。そして、いつ呼ばれても恐れることなく、また責務を果たすつもりです。 私にとって最も重要なことは共に勝利することであり、チームメイトとクラブが最高の状態になるように常に全力を尽くします。 最後のホイッスルが鳴った後、たくさんのご声援をありがとうございました。スタジアムで皆さんが私の名前を唱えているのを聞いてとても感動しました。これは私が自分自身に課している基準なので、自分のためにも、そして何よりもチームメイトやいつも応援してくださっているファンのためにも、より強くなって戻ってきます。)

-Bruno Fernandes公式Twitter(@B_Fernandes8)より引用-

 

試合翌日に本人のSNSに投稿された文章にもある通り、本人は既に前を向いてこの経験から更にプレイヤーとして成長を続けるはずでしょうから引き続き1人のファンとして微細ながら彼をサポートし続けていきたい。

 

 

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CLヤングボーイズ戦のミスを次のPLウエストハム戦で取り返したジェシー・リンガードのように、ミッドウィークのCLビジャレアル戦でブルーノの得点・アシストが見れることを期待しています。

(リンガードのエラーに関しても真っ先に言及してチーム全体の問題と彼をフォローしてくれたブルーノ。今度は皆が彼を支える番です)