いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #AVLMUN 】課題も見えたがPL3連勝。途中出場のMcTominayの得点率は異常

※23/24 イングリッシュプレミアリーグ

アストン・ヴィラvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

内容としてはお世辞に褒められたようなものではありませんがリーグ戦の連勝を3に伸ばしてアストン・ヴィラからシーズンダブル達成。彼らすれば全くもって納得がいかないかもしれませんが、悪いなりにも勝ち星を積み重ねられるようになったのは成長と捉える事にします。

 

 

 

 

【Match Review】

 

Starting lineup

 

ベンチ入りアストン・ヴィラ
8 Tielemans, 12 Digne, 14 Pau Torres, 19 M.Diaby, 22 Zaniolo, 25 R.Olsen, 27 M.Rogers, 29 Kesler-Hayden, 47 T.Iroegbunam 

マンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 2 Lindelöf, 4 S.Amrabat, 14 Eriksen, 16 Amad, 21 Antony, 35 J.Evans, 39 McTominay, 62 O.Forson

 

 

前半

 

両チーム共に昨年12月下旬の試合から大元になるスタイルは変わらず、やりすぎなくらいのハイラインで全体的な縦の距離感を圧縮し、背後の問題についてはGKマルティネスのカバーリングとDFラインのオフサイドトラップで対処しようというアストン・ヴィラとスピードのあるアタッカー陣にミドル・ロングレンジのボールを多く供給してカウンター中心に少ない手数で相手ゴールを陥れようというマンチェスター・ユナイテッドの構図で進んでいく。

 

ただ、残念なのは前回からの教訓を活かさずにまたしてもオフサイドラインの前後で駆け引きを試みて当然の如く引っかかる場面が一度や二度では無かった点で、少し余裕を持たせてトップスピードに乗る事をより重視するような裏抜けをもっとチームとして徹底してもらいたかった。

 ある意味では予想の範疇とも言えるが、後述するアストン・ヴィラ左サイドの可変に対してガルナチョとダロトのコミュニケーションがやや上手くいっていないように見えた点については、これが単発になる事を願う。

 

 

アストン・ヴィラはLBのアレックス・モレノが左外でサイドアタッカーのように高い位置を取り、純粋なウインガーではないジェイコブ・ラムジーはハーフスペースから推進力を活かしたボールキャリー等で貢献。逆サイドは個で打開できるベイリーを素直に外に張らせておき、キャッシュは後ろでバランスを意識しているように映った。

 

また、1トップのワトキンスは主にダロト-ヴァラン間を自由に動き回りながら、ヴァランの強度不足を見抜くとそちらを重点的に狙い、ミドル・ロングレンジのフィードをことごとく収めて攻撃の起点として重要な役割を果たした。

Embed from Getty Images  

 

17分、ラッシュフォードが獲得したFKから始まる1つ前のシーンでCKを得ていたユナイテッドは、ブルーノからのボールに競り勝ったマグワイアが折り返した頭でのお膳立てにホイルンドが見事応えて先制に成功!!

 

あまりにも綺麗にフリーになっていた為、ヴィランズのラインコントロールにかける熱量も考えて当初はオフサイドを疑ったが、ニアストーンを任されているワトキンスが一瞬出遅れた事でオンサイドに。マグワイアのヘディングに備えて後ろを向く直前までホイルンドはワトキンスの動きを確認出来る体勢だったが、仮にこうなる事を想定してポジショニングしていたのだとすれば末恐ろしい。

 

また、攻撃時のセットプレーでマグワイアを最初のターゲットに設定するのは恐らくこの試合を踏まえたチーム戦略として決められていたようにも思え、以前イングランド代表における彼の得点関与率にスポットを当てた記事でも言及したように、目の前の相手に競り勝つという点においては細かい精度を要求しなければ分かっていても止められないという強さを持つこの男を素直に活かす方策に大いに賛成。

 

リードされたとはいえホームチームに気落ちしている気配は見られず、サイドに圧縮して相手を追い込もうとする際に反対側の選手(ウインガーフルバック)やブルーノのポジショニングがフワフワしているというユナイテッドの弱点に付け込んで横に相手を振るようなボールプレーで多くのチャンスを生み出す。

 特に左サイドのラムジー→中央マッギン→左ハーフスペースワトキンスという綺麗な3ユニットのパスワークが決まった25分の攻撃はオナナの勇敢な飛び出しが無ければどうなっていたか分からない。

Embed from Getty Images  

 

何かが劇的に変化するということもなく、個人的に好きな選手の1人だったマティ・キャッシュの守備対応がレイト気味に足を挟んでくる危険なタックルに頼るようになってしまった様を改めて見せられて残念に思い、逆に以前ならば相対比較で分が悪かったかもしれないダロトのあらゆる面での成長に感激を受けながら前半は何とかユナイテッドの1点リードで終了。

Embed from Getty Images  

 

 

後半

 

ハーフタイム明けのマンチェスター・ユナイテッドはショーに代わりリンデロフがLBとしてピッチに入る。情報が無かったリアルタイムではまたしても負傷したのか……と前者の稼働率の低さを嘆く声が圧倒的多数で、私自身も今後のLB事情について悲観的になりながら試合を見ていたものの、後に指揮官の口から交代理由は怪我の予防措置というアナウンスがなされてほっと一安心。

 

前半の問題点の1つであったヴァラン周辺のスペースを自由に使われる現象についてはダロトがより内側に絞るようになって対応し、ガルナチョはその穴埋めとして守備時のプレスバック負荷が上昇したが、逆に上がってくるモレノに対してのマーク管理も明確になったのでかえってやりやすくなっているにも見えた。

 

リンデロフについてはスピード勝負になると厳しいという事は織り込み済みなので仕方ないにしても、ビルドアップなどで自陣低い位置のタッチライン際に張ってボールを要求し、その後のパスの出しどころに困ってボールロストを招く場面があった事については残念に思う。ヴァランがワトキンスに背中を取られ完全にマークを外された後、オナナの驚異的な反応で何とか凌いだという48分の危機も元はと言えばリンデロフの受けどころの悪さが原因だろう。

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 

また、過去2試合でプレーぶりの変化について好意的に受け止めていたブルーノに関してもこの試合では対人守備で軽率につま先を差し出して交わされたり、時間的余裕があるにもかかわらず力任せに脚を振り抜いて得点機会をフイにする等また悪い頃の雑な姿が出始めているのは気がかりで、ラッシュフォードの守備についても同様の傾向が見られる。

 

セットプレーで押し込んだ状態を活かせないユナイテッドは逆にリスタートやインターセプトからのカウンターで何度も失点寸前のピンチに直面し、ベイリーのテイクオンからラムジーがゴール正面で合わせた61分のシーンはダロトのカバーリングが無ければ確実に同点弾にされていた。ダロトのファーポストカバーはCK守備などでもそれが失点阻止の直接的要因になったケースが片手に収まりきらないほど存在しており、隠れた長所の1つだと個人的には思っている。

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 

65分少し手前にブバカル・カマラが自爆のような形で右脚を痛めて負傷交代し、アストン・ヴィラはこの試合最初の交代カードを切る。ムサ・ディアビの投入によってMFの配置に変化を加え、短い時間だったがベイリーと彼が右サイドでリンクした際の攻撃はユナイテッドにとって脅威だった。

 

67分、上述の2人のコンビネーションで奪ったCK後のセカンドボールからベイリーの低いクロスにドウグラス・ルイスがダイレクトで合わせて試合は同点に。

 

ゴール自体は見事だったものの、その後のドウグラス・ルイスのアクションについては到底許容出来るものではなく、この行為を見て以前よりも遥かに素行や性格を重視するようになったメガクラブへ加入する事は無さそうだ。見方によっては差別的な意図が隠されていたと受け取られても何ら不思議ない行動であり、現状ネタ扱いに留まっているのは幸運だろう。

 

同点弾の後、ユナイテッドはラッシュフォードを下げてスーパーサブとしての立場を確立するマクトミネイを投入し、ガルナチョを左、ブルーノを右サイドに移動させた。コンビを組む相手がウインガータイプではなくなった事でダロトのポジショニングはその分前目になっている。

 

86分、ユナイテッドのポゼッションでヴァランが右サイドでボールを持つと、右ハーフスペースで裏抜け及び相手DFを押し下げるようなオフ・ザ・ボールを試みるメイヌーへロブパスを送り、メイヌーは2枚を引き寄せたところでダロトにバックパス。これをダイレクトでゴール前に放り込んだ背番号20の美しいカーブクロスに対し、消える時間帯も短くなかったマクトミネイが待っていましたとばかりに頭で合わせて勝ち越し弾に!!

 

再度振り出しに戻そうとするアストン・ヴィラのクロス乱打をマグワイア筆頭にディフェンスラインの奮闘もあって凌ぎ切り、更にアディショナルタイムにはアムラバトが復帰し1つカウンターを防ぐ良いプレーも見せてユナイテッドが1-2でヴィラ・パークでの勝ち星を得た。内容としては2戦とも負けていたがリーグ戦シーズンダブル達成。

 

データ

 

Standard

 

シュート数23:17、オンターゲットはヴィランズが2倍放っているというスタッツでよく1失点におさめたとマンチェスター・ユナイテッドの守備陣、特にオナナ、ダロト、マグワイアの3名については賞賛に値する。MOTMについてはそのオナナかダロトで迷うが、ビッグチャンスのセーブが複数回あった前者を今回は選出したいと思う。

 

なお、オフサイド6つのうち4つは前半に記録されたものだが、前回対戦から1ヶ月半程度しか経過していないにもかかわらず何故対策をしていなかったのかと正直チームの戦術面にはがっかりさせられた部分もある。

 

 

xG

 

参照:

Aston Villa 1 - 2 Manchester United (February 11 2024) | EPL | 2023/2024 | xG | Understat.com

 

両クラブ合わせて30本を越えるシュートがそれぞれのボックス内から記録されているというある意味でノーガードの撃ち合いのような内容だが、ゴール期待値は2.65-2.45と僅差ながらホームのアストン・ヴィラがリード。

 

ゴール正面でのビッグチャンスを2回とも得点に結びつけたユナイテッドに対し、ヴィランズはオナナの驚異的なセービングや自分たちの精度不足にも泣かされ決めきれなかったケースが目立ったのも勝敗を分けた差だろう。

 

 一方でPASSING NETWORKを見るとポゼッションでのそれぞれのポジショニングや役割が明確になっている事が伝わってくるアストン・ヴィラのキレイなマップと、カウンター中心だった事は考慮するにしても乱雑としていて左右で分断されてしまっているユナイテッドでは明確に完成度に差があるように見える。

 

 

あとがき

 

今回の勝利で遂に得失点差を±0まで戻す事になったユナイテッドですが、24試合33ゴールという数字はトップハーフ最少で得点力不足はまだ解消されたとは言えない状況。ルートン戦、フラム戦と次の2試合で3ゴールずつ奪ったとしてもまだ40に到達しないと言えばその深刻さが伝わるかもしれません。

 

守備面ではカゼミロの状態が上向きになるのと反比例するようにヴァランのか弱さがクローズアップされる日々が続いており、こちらに関しても絶対的なDFリーダーであったリチャの離脱をどこまでカバー出来るのか不安は募る。