いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUFC 】新星の負傷に初歩的な守備エラー、踏んだり蹴ったりなマドリー戦

※23/24 プレシーズンマッチ inアメリ

レアル・マドリーvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

 

躍動していたメイヌーが試合開始直後に負傷、初歩的な守備のエラーから2つの失点とこれまでの3試合とは打って変わって悪い面が目立ったマドリー戦。後述するが、布陣を見たときに思い浮かんだ懸念材料もそのままピッチ上に表れていた。

 

 

 

 

【Match Review】

 

この試合の前日にはアカデミー選手中心のスカッドでハリウッド俳優ライアン・レイノルズが共同オーナーを務めている事でも有名なレクサムと戦い、対5バックのミスマッチや組織的なブロック守備に苦戦。更にセットプレーやクロス対応でマズいプレーが頻発し、アルバロのアシストでフラドが1点を返したものの最終スコア1-3で敗戦した。

 

なお、ゴアのレッドカードに関しては審判のジャッジがかなり厳しかったが故なのでそこまで深刻視する必要はない。寧ろ、ボックス外に飛び出した際に相手FWと接触し肺に穴を開ける大怪我を負わせてしまったビショップの方が遥かに危険なプレーで、被害を受けたPaul Mullinが後遺症なく出来るだけ早くピッチに戻れることを願う。

 

 

 

Starting lineup

 

ベンチ入りレアル・マドリー
1 Courtois, 3 Militão, 6 Nacho, 8 Kroos, 14 Joselu, 15 F.Valverde, 16 Odriozola, 17  L.Vázquez, 21 B.Diaz, 23 F.Mendy, 24 A.Güler, 26 D.Piñeiro, 27 N.Paz, 30 F.González

マンチェスター・ユナイテッド
2 Lindelöf, 5 Maguire, 14 Eriksen, 16 Amad, 20 Dalot, 21 Antony, 22 Heaton, 25 Sancho, 28 Pellistri, 33 B.Williams, 34 Van de Beek, 39 McTominay, 62 O.Forson 

 

 

前半

 試合開始2分弱でメイヌーがロドリゴとの接触で負傷、この時点で試合の価値が半減してしまっているようなものだがまずは彼の怪我が軽傷である事を祈る。

 

代わって入ったエリクセンはそのまま左のDMに入り、ベースとなる戦い方は恐らく変化していないが、そもそもブルーノをRW、尚且つ大外で受けたとしてもキックの種類が少なくクロスや裏へのパスが脅威にはなり得ないワン=ビサカとユニットを組ませた時点で右の攻撃は息をしておらず、更にカゼミロやヴァランといった近い位置にいる選手も精彩を欠く状態なのでこれではどうしようもない。

 

かといって左から崩せたかといえば、ロングフィード一発からカウンター気味になった際のガルナチョには可能性を感じたものの、スピードを落としてボックス内へ切り込もうとするとボールを身体から離す時間が長く、歴戦のダニ・カルバハルにとっては容易に対処できる状況ゆえに遅攻での崩しは中々作れず。

 

また、ラッシュフォードは依然としてスイッチが直ぐに切れてしまう仕様で守備の2度追いやタイトに寄せきるプレッシングはほぼ無し。マウントも攻撃面で彼でなければならないという絶対的な強みを未だ見せられず、歯がゆさの目立つゲームであった。

 

マドリーの中央を固める4-3-1-2に対しユナイテッドの4-2-3-1(ポゼッションではリチャが前に上がって3-2-2-3のMW型になるケースも)は本来サイドの優位性を作りやすい筈なのだが、ルーク・ショーに対してはモドリッチロドリゴのスライドが早くそれ程楽にはならなかった事と、ワン=ビサカにはある程度ボールを持たせてもここから直に得点に繋がるプレーは出てこないという割り切りで対応されてしまった。

 

6分、メイヌーがピッチを出て10人になっている間に、自身のマークについていたカゼミロから距離を取って視界から外れ一気に広く開いたチャンネル(CB間)へダッシュしたベリンガムに対してリュディガーからドンピシャのパスが入る。

 前に出たGKとの駆け引きになったが、期待のイングランド代表MFは慌てる事無くループシュートを選択して先制はマドリー。

 

 最初はベリンガムの抜け出しが完全なるオフサイドだと信じて疑わなかったが、多方面からのカメラ映像を確認するとワン=ビサカがラインコントロールを乱して1人後ろに残る形になってしまっていたので意外と際どい。得点の可否は別として、守備の対応に失敗があったのは事実なので単なる不運で片づけてはいけない。(それでも,VAR有ならば得点が無効になっていたとは思う)

 

18分にはブルーノのサイドチェンジからコート左側でチャンスを作り、ショーのクロスをガルナチョがニアポケットでワンタッチ、軌道が変化したボールをゴール前でマウントが詰めるがシュートはGK正面。

 

守備ではCB-RB間を自由に動くヴィニシウスを捕まえきれず、オナナのファインセーブが無ければという場面を何度か作られている上に、ポゼッションでも先述のようにそれぞれの立ち位置やリリースのタイミング,パスの出し先と既に以前の段階から判明している粗がそのままチームを苦しめているというユナイテッド。テン・ハフが何をもってこのラインナップと配置に決めたのかは定かではないが、過去上手く行かなかったものを個or全体の劇的な変化無しに再現しても上手く行くわけがない。

 

 

後半

 根本的な部分は変えずも、1点リードのレアル・マドリーは6人を入れ替えてモドリッチを左へ移動。中盤構成は2DMベースでアンカークロースとBox to Box風味のカマヴィンガというスタイルに。恐らく、実際には選手ベースで勝手にそうなったのだと思うが、11人の埋め込み方を間違えないのは流石カルロ・アンチェロッティ

 

51分、ハーフウェー付近のボールリカバリー合戦のなか、ユナイテッドはカゼミロ→RWブルーノ→LWガルナチョとピッチを広く使った三角形のパスワークでチャンスを作ると、反対サイドへパスした後に猛烈なダイアゴナルランでニアポケットを突いてガルナチョのサポートに入ったブルーノがリターンを貰い、お膳立てのボールをゴール前に送るがナチョ・フェルナンデスの足が良く伸びてこれをカット。

(オン・ザ・ボールでもオフ・ザ・ボールでも最も変化を加えられるのはブルーノだという事が顕著に表れたシーンだと思う)

 

60分を過ぎた辺りで両チーム選手交代を行い、ユナイテッドはブルーノ以外のフィールドプレイヤーを全員入れ替えている。

 

相手の面子が変化している事も考慮する必要はあるが、比較するなら前半よりも途中出場組の方がプレッシングの統一性や献身性,ポゼッションでのスペースメイク意識や3~4人のコンビネーションと多くの面で見応えのある内容。

 個人に目を向けると致命的な課題が露呈した選手もいるが、どちらがシーズン本番のファーストチョイスに多く残りそうかと問われると案外こちらかもしれない。

 

特にリチャを引き継いで中盤へのスライドを担当したリンデロフは相手FWとの走力勝負に優勢で、アンカー役としての位置取りや散らしのパスもそつがなく、対戦チームに身体能力ごり押しタイプのアタッカーがいる場合を除けば、リチャの相棒役には彼が最も相応しいのではないかと思わせた。

 

また、帳簿上で新戦力獲得に必要な資金を作りだす為の整理対象と目されるドニーについてもサンチョやアントニーとは非常に息の合ったコンビネーションを見せており、今プレシーズンで評価を上げている選手の1人。

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一方、マラシア負傷でアピール機会を得ているブランドンは1つ良い仕事をしたかと思えばその倍迂闊な失敗をするといった相変わらずの不安定さで、ホセルの漫画から抜粋したような美しいバイシクルシュートによる失点もあっさり彼がマークを外してしまった事が直接的な要因。

 

同様の傾向はマグワイアにも見られ、確かにフィットネスは改善されているのだが首振りの回数は少ないままでボールを受けてから次のアクションへ移行するまでの間に危険な状況を作りがちである点は変わっていない。

 

 

データ

 

シュート数15オンターゲット5本で両チーム並び、ポゼッションは47:53とややマンチェスター・ユナイテッドが上回る形に。ただ、レアル・マドリーはボールを保持してなんぼというチームではなく、寧ろカウンターの迫力に魅力がある構成だったのでこの結果はある程度織り込み済みだったのではないかと考えている。

 

それ以外にもファウル数が11で並んだり奇妙なくらいスタッツが似通ったが、最終スコアには瞬間的なマークであったりDFラインの管理、或いはオフボールの回数と1度に関与する人数の差,そして2手3手先まで考えたパスの出し方といった小さな積み重ねの差が現れたか。

 

相手GKルニンはセーブ5回(内3つがボックス内からのシュート)に加えハイクロス対応でも安定していたが、白い巨人にはクルトワという絶対的な存在がいる為、どれだけ良いパフォーマンスを見せてもポジションを確保出来なさそうなことが勿体なく感じる。

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あとがき


プレシーズンの内に悪いところが出て良かったと捉えるべきか、昨季以前の課題が今も続いている事に対して悲観的になるかはその人の見方次第。個人的には「やっぱりそうか」という感覚で、ある意味答え合わせのようなゲームだったと解釈している。