いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #CHEMUN 】ATの劇的カゼミロ弾!! チェルシーとは5試合続けて勝敗つかず

※22/23 イングリッシュプレミアリーグ

チェルシーvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

試合全体で大きな得点チャンスがほとんど存在せず、BIG6直接対決らしい非常に締まったゲームになりました。チェルシーとはこれで20/21シーズンの第6節以降5回の対戦機会で全てドロー決着とチーム力がかなり拮抗しているのかもしれない。

 

 

 

 

【Match Review】

 

Starting lineup

 

ベンチ入りチェルシー
8 Kovačić, 10 Pulišić, 16 E.Mendy, 18 Broja, 20 Zakaria, 22 Ziyech, 23 C.Gallagher, 29 Havertz, 30 Chukwuemeka

マンチェスター・ユナイテッド
2 Lindelöf, 12 Malacia, 17 Fred, 22 Heaton, 28 Pellistri, 36 Elanga, 39 McTominay, 49 Garnacho, 55 Z.Iqbal

 

 

前半

 

スパーズ戦に続き対3バックの試合となったユナイテッド。以前は引いて最終ライン5枚になった相手を崩す事が苦手だったチームですが、今やすっかりお手の物でこの日もセントラルMFの両脇を使いたい放題、単純にこちらのカゼミロ-エリクセン-ブルーノの3枚に対し相手はロフタス=チーク-ジョルジーニョの2枚で守る事になるので頻繁に1枚があまり、試合序盤の主導権を奪ったのは完全にアウェイチーム。

 チェルシーのプレッシングの細かい設定に関してエンゲージラインはやや低め、強度も少し余裕のあるようなモノで、特にバックス+GKのパス回しで楽を出来たところにも救われた部分があります。

 

 

所々でショートパスの乱れからカウンターを喰らう場面があったものの、前述のように中央2枚脇、左右のハーフスペースをルーク・ショー,ダロトのキャリー等から崩し、ゴールキックからパスを繋いだ9分のショーのシュートは正にその典型的な例。

Embed from Getty Images  

 

10分台、チェルシーが先述の問題を解決できずにいる時間帯に連続してボックス内までボールを運んだユナイテッドですが、どうもフィニッシュ局面になってもシュートを撃たず勿体ぶってボールを失う場面が目立ち、とりわけサンチョはダイナミックさを欠いたプレーでボールの持ち過ぎで攻撃の流れを遮断してしまった。

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最大のチャンスは28分、右サイドのスローインから狭いところで計8本のパスを繋ぎ中央レーンを突破すると、最後はラッシュフォードがボックス内で決定機も飛び出てきたGKの上を狙ったチップキックはケパの身体に当たって阻まれる。

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 ファーストタッチがやや伸びて選択肢が少なかった事は考慮したいが、前節は近距離からパワー重視のインステップ、今節は股下を抜くのが一番確実な場面でループと難しい事をやろうとして自滅しているように見える10番。更なる本格化のためには冷静さが求められる。

 

先制点を得られないながらもゲームを支配する時間が続き、少なくとも最初の45分は安心して見ていられそうだと考えていた35分過ぎ、チェルシーはククレジャを下げコバチッチ投入。流石は戦術家グレアム・ポッター思い切った判断を見せます。

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この交代でホームチームは3-4-2-1から4-3-1-2へ大胆にシステム変更を加え、コバチッチが入った事でセントラルMFの数が2→3、ユナイテッドと同数に増えてハーフスペースをブルーノ,エリクセン,両フルバックに自由に使われる事は無くなった。更に守備面もミドルからハイにプレッシングを切り替え、ビルドアップに対しても高い位置からマンツーマン気味で圧をかけるになり、ブライトン指揮時に散々苦しめられたスタイルが戻ってきた。

 

早い時間帯に負傷者以外で交代カードを消費するのは通常憚られる決断だが、結論から言えば試合結果を左右する程に見事な判断だったと言える。実際45分にカウンターからアントニーの右足がゴール横を掠めるチャンスこそあったものの、選手交代後は圧倒的にチェルシーに得点機会が多かった。

 

 

 

後半

 

前半の終盤からの流れをそのままにチェルシーが主導権を握るが、テン・ハフの動きも早かった。52分、悪い面が目立ったサンチョに変えてフレッジを投入。トッテナム戦で結果を残したセレソン中盤ユニットへ構成を変え、ブルーノは左サイドに回った。

 サイドに移動したとはいえ、ブルーノは純粋なウインガーではなくハーフスペースでのプレーが中心。味方との連携ではタッチライン際から低めにパスを貰いに来て、相手スペースをフレッジが利用するパターンを狙っていた。

 

56分、チェルシーは左サイドのスローインからボールを繋ぎ、スターリングのパスに反応したオーバメヤンがそのままゴールライン近くまで侵入。一度後ろに戻しコバチッチのインスイングクロスがファーサイド目掛けて飛んでいくが、その先にいたスターリングはシュートではなくパスを選び尚且つコントロール失敗、失点危機は回避した。

 しかし、オーバメヤンに対処しようとしたヴァランが着地の際にバランスを崩し右脚を痛め、ピッチを退く際にはシャツで顔を覆っていた事からもこの負傷は軽度なものでは無い恐れが強い。W杯を目前に控えた本人にとってもDFリーダーを失うチームにとっても非常に深刻な事態。

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交代で入ったリンデロフはそのまま右CBに就いたが、比較するとアジリティ欠如やファーストタッチの質、相手のプレスをいなす身体の向きの変え方等において劣る部分が目立ち、特に後ろ2つは強みであるロングレンジのパスまで減衰させてしまうので今後ファーストチョイスとして出場するならば改善が急務だ。

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73分、CK守備においてミスマッチが発生し、190㎝のチャロバーをマークしたのは小柄なフレッジ。ヘディングシュートはポスト上部に当たり枠上に跳ねて難を逃れたが危険な場面だった。

 

80分、ユナイテッドは2枚のカードを切ってラッシュフォードに変えてエランガ、エリクセンに変えてマクトミネイを投入。左に回っていたブルーノが中央に戻り、守備陣形を見た限りマクトミネイはそのままトップ下へ入った。そして、後半一列前でプレーしたエリクセンだったが、このポジションだと運動量の面で少し弱い部分が出てしまっていたように思う。

 

84分、またしてもコーナキック守備で脆さが出てしまう。ブロヤ(スターリングとの交代で79分より途中出場)をマークしたマクトミネイが両腕でホールディング。

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確かにプレミアリーグではスルーされる事も多く不満は抱くのも理解できるプレーだが、欧州コンペティションでは反則を取られるケースも多く、マグワイア含めこの癖を持つ選手は意識改革が必要かもしれない。

 ペナルティキックは名手ジョルジーニョがゴール右下に決めて終盤に痛恨の失点。

 

 

ただ、ここで終わらないのがマンチェスター・ユナイテッド-チェルシー戦。過去4試合連続引き分け中の魔力も働いたのかアディショナルタイム4分、左ハーフスペースからショーが入れた高弾道のクロスにカゼミロは高い打点のヘディングシュートで応え、ボールはケパの手に当たり軌道が変わりながらもゴールラインを越えた!!

 

劇的な同点ゴールが決まり歓喜に湧くユナイテッドの選手達とアウェイスタンドに集まったサポーター、そのまま1-1のドロ―でタイムアップの笛を迎えた。本来ならば勝っていなければいけない試合だったが、終盤の失点を許しながらも心を折らず結果的に敵地で勝ち点1を持ち帰ったのは収穫。

 

 

データ

 

Standard

 

スタンフォード・ブリッジチェルシーをシュート6本、内枠内はたった2つに抑えた事がこのロースコア決着最大の要因。ホームチームがククレジャを下げ4バック化してからはペースを握られたものの、許した得点チャンスは然程多くなかった。

 

特別優秀な活躍をした選手を挙げるのは難しいが、やはり殊勲の同点弾をマークしたカゼミロがマン・オブ・ザ・マッチに最も相応しい。

 アディショナルタイムの劇的なゴールは勿論のこと、地上戦7/9、空中戦3/4とデュエル勝率も非常に優秀で、タックル数もリチャ、ジョルジーニョと並び試合最多タイの5回と文句の付け所がない。ライバルのマクトミネイが不用意なプレーで大きなマイナスを記録した事も含め自身のレギュラーポジションを確固たるものにした感が強い。

 

 

xG

 

参照:

Chelsea 1 - 1 Manchester United (October 22 2022) | EPL | 2022/2023 | xG | Understat.com

 

90分を通したxGは1.20-0.73でチェルシーが上回ったものの、その内PK分(0.76)を抜くと0.44までその数字が低くなり、実質的にはこれで4戦連続xGAを1.0以下に抑える事に成功している。

 

特にスパーズからのロンドンの強豪との2連戦でこれを記録した事はチームの成果として誇っても良いのではないでしょうか。

 一方で攻撃面では課題山積。特に前半あれだけ相手ペナルティボックス付近に侵入した割にはゴール期待値の高いシュート機会が27分のラッシュフォード1回のみ、有利な時間帯で質の高い攻撃を積み重ねられなかった事と決められなかった事の両面でトップチームとはまだ差があるように思えた。

 

 

あとがき

 

 

一先ずリーグ中断前最大の1週間を2勝1分けと無敗で乗り切ったユナイテッド。しかしながら過密日程はまだまだ続き、ミッドウィークにはホームでシェリフとのヨーロッパリーグが控えています。

 

グループステージ1位突破には勝利が必須ですが、選手のコンディション管理を考えると控え組中心で戦って欲しいところ。特にダロト,ブルーノ,アントニー辺りは確実に休ませたい。