いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUTOUR22 】リバプールに快勝。ビルドアップに大きな変化

 

 

 

バンコクリバプールと対戦

 



2022年夏のマンチェスター・ユナイテッドはアジアでプレシーズンツアーを行い、第1弾としてタイはバンコク ラジャマンガラ・スタジアムで公開練習とリバプールとのフレンドリーマッチが行われました。

 

●トレーニング動画(80分の長尺です。貴重な映像)

 

 

50,000人以上の収容人数を誇るタイの国立競技場に集まった観客が(恐らく)最も楽しみにしていたであろうクリスティアーノ・ロナウドは残念ながら今回のツアーメンバーに含まれていませんが、試合開始から攻守に豊富な運動量を見せつけライバルクラブに4得点の大勝という結果で期待に応えられたはず。

 

また、エリック・テン・ハフの船出という意味でも相手がかなり調整色の強いメンバー起用だったとはいえ開始から30分強で3得点。更に、リバプールが主力を投入し始めた60分以降にもリザーブ中心のメンバーで追加点を入れて更に無失点で乗り切れたことには大きな価値があります。

バイリーのキャリーからの前目につけるパスが得点の4分の3を占めていたように思います。 また、ペリストリはシーズン1,2点しか決めていない選手とは思えないフィニッシュワークの落ち着きを昨季プレシーズンに続いてアピール。

 

 

右サイド問題に1つの答え

余程深刻ではない限りこの時期の勝敗はシーズンの結果とあまり関係がありません。

それよりもケミストリーの構築や約束事の確認や植え付け等を優先して来たる開幕に向けて徐々にチームの完成度を高めていくのが一般的なやり方。

 

そういう意味で今回注目していたのは昨季機能していたとは言い難かった右サイドの連携、特にビルドアップ~ハーフウェーを越える辺りまでの部分。

 恐らく、この試合の先発メンバーが現時点のファーストチョイスに近い陣容であると思われ、選ばれたのはRBダロト,RWサンチョという組み合わせでした。

 

 

見たところ、5レーンの内右ハーフスペースと右大外に1人ずつ配置というのが原則となっており、主にダロトが前者サンチョが後者でRBダロトはインサイドで配球やタイミングを見計らったアンダーラップなど、"Inverted fullbacks/wing-backs"と呼称される役割を求められていたように思います。

 

 

(以前記事にしましたが、オーバーラップの対になる動きとして使用されるインナーラップという言葉は相応しくありません。正しい使用例:オーバーステアアンダーステア、アウターマッスル↔インナーマッスル)

 

これは先程の画像の拡大版ですが、時には中に入ってセントラルMFの役目を任されるRBやプレッシャー回避のためにサリーダ(salida lavolpianaの略。肝心なのは後ろの枚数を増やし中央に三角形を作る事なので降りる場所は左右真ん中どこでも良い)するDM1枚の動きがスムーズな攻撃への移行の大半を握っていると言っても過言ではありません。

 

中盤が降りて最終ラインの逆三角形▽を形成する場合、ハーフスペースに陣取る左右の選手が前進を担う事が多く、この2人のキャリー・縦パスの能力が高ければ高い程効力を発揮するので、アヤックス時代にテン・ハフ流の薫陶を受けていて尚且つこれらに長けたFrenkie de JongとLisandro Martínezがトップターゲットになっている理由に関しても改めて納得させられました。

 

また、ピッチ上の全体的な距離感も近すぎず遠すぎず適切なバランスを保てていたので、1つ飛ばしのミドルパスがこれまでよりも通りやすくなってボールホルダーに圧縮プレスをかけられても1発で展開、回避出来た場面も今までより圧倒的に多かった様に思えた。

 

今回スターティングメンバーが戦った相手はユース組中心で、より強度の高い相手と戦った場合にどれだけ通用するかは分かりませんが、これをベースに完成度を高めてプレミアリーグや欧州コンペティションでも自信をもって戦える状態に積み上げていってもらいたい。

 

この試合、個人的には後半から出場したイクバルとサベージのボールプレーやポジショニングに感銘を受けました。リバプールのユース/リザーブ組がこちらのトップチームにてんやわんやしていたのに比べ、相手の主力組に対し一歩も引けを取らなかった2人の評価はクラブ内外を問わず上昇したと思います。

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