7月25日に各地で行われた東京オリンピック男子サッカー グループステージ第2節。
今節からは埼玉2002スタジアムを加え5会場で行われる事になったサッカー競技ですが、蓋を開けてみると全8試合で5人の退場者が出るという荒れに荒れた展開となっています。
▼第1節について
今節は特にグループAがアツかったので、日本vsメキシコ戦を含む2試合について振り返っていこうと思います。
試合結果
16:30 キックオフ
C組:エジプトvsアルゼンチン⇒0vs1でアルゼンチン勝利
17:00 キックオフ
A組:フランスvs南アフリカ⇒4vs3でフランス勝利
B組:ニュージーランドvsホンジュラス⇒2vs3でホンジュラス勝利
17:30 キックオフ
19:30 キックオフ
C組:オーストラリアvsスペイン⇒0vs1でスペイン勝利
20:00 キックオフ
A組:日本vsメキシコ⇒2vs1で日本勝利
B組:ルーマニアvs韓国⇒0vs4で韓国勝利
20:30 キックオフ
D組:サウジアラビアvsドイツ⇒2vs3でドイツ勝利
ATの劇的勝ち越し弾でシーソーゲームを制したフランス
グループA1試合目は共に1戦目を落としているフランスと南アフリカの直接対決。
トーナメントに勝ち進むためにも何としても勝利が欲しい両チームの思惑もあって非常にオープンな展開となり、序盤から激しいシュートの打ち合いとなりますが23分のエヴィデンス・マクゴパのシュートはポスト直撃、40分にコバメロ・コディサングがボックス内で倒されて得たPKもクロスバー直撃と南アフリカにとっては決定機を幾度も作りながらも得点が生まれない非常にフラストレーションの溜まる前半でした。
ところが喉の奥に何かが詰まるような最初の45分が嘘のように後半はゴールラッシュとなり、まず手始めに南アフリカがFKのリスタートでフランスが集中力を欠いた一瞬のスキを逃さずフランスRBクレマン・ミシュランとGKポール・ベルナルドーニの連係ミスも重なり52分にコデイサングのゴールで先制。
すると4分後にはフランスもサイドチェンジから左サイドに流れたコロ・ムアニの折り返しにOAのアンドレ=ピエール・ジニャクが合わせてすかさず同点。
追いつかれた南アフリカは73分に右サイドからのニアを狙ったクロスにマクゴパがダイレクトボレーで再びリードを奪い、フランスも78分に途中出場アルノー・ノルダンのスルーパス⇒ミシュランのクロスでジニャクが2点目を記録。
82分にはテボホ・モコエナの文句のつけようがない完璧なゴラッソも決まり3度リードを奪ったバファナ・バファナ(南アフリカの愛称)がこのまま勝利すると思いましたが、僅か2分後に痛恨のPKを与えてジニャクのハットトリックを許すとATには同じくOAのテジ・サヴァニエの地を這うシュートがゴールネット左端に突き刺さり、初めてリードを奪ったフランスは値千金の勝ち点3を手にしています。
フルマッチ
ハイラインハイプレスがハマり前半2得点の日本。しかしながら課題の残る後半
林大地、相馬勇紀、堂安律と前線にチェイスの得意な選手を集めてハイプレスを敢行したサムライブルーは6分に酒井宏樹のスルーパスに反応した堂安の折り返しに久保建英が左足アウトサイドで合わせて幸先よく先制。
更に8分の日本はアタッキングサードでボールを奪取するとそのまま左サイドの相馬がボックス内に侵入し、ラストパスは味方に繋がらなかったもののVARによってクロスを蹴る際にメキシコ3番のモンテスが足裏を見せて脛にタックルをしたという事でPKをゲット。
堂安のキックは真ん中上への強烈なショットで名手オチョアの読みを外し、12分の段階で日本は2点リードに成功。
ここまではプラン通り、いやそれ以上の完璧な試合運びだったと思いますが望外のリードを手にした事で逆にゲームプランが狂ったのか、ややペースを落としてミドルサードで相手を迎え撃つ守備になってからの日本はあたふたする場面が目立ち、特に後半に入り相馬選手がスタミナの問題か或いは負傷疑いなのかでピッチから退いた65分以降はその傾向がより顕著に。
日本の交代で入った選手は前田大然、上田綺世、三笘薫とアタッカーが並びますが、いずれも残り時間が少なくなった状態である程度ゲームの締め方を考えるべき時間帯にも関わらずリスクの高い攻撃を繰り返し、実際に85分のセットプレーからの失点は大元を辿れば三笘の不用意な仕掛けがキッカケなので要反省。
これまではチャレンジャーだった日本のフットボール界においておそらく初めて勝った状態をキープすることの大変さを痛感させられたのが2018年ロシアW杯のベルギー戦だったと思いますが、あれから3年経過して再び同じようなミスを犯してしまった事実はしっかりと受け入れなければいけませんし、逆に言えば今後に向けて明確な改善点が見えたので未来の選手育成に教訓を生かして欲しいところ。
基本的に低評価を受ける事の多い森保監督ですが、この試合の入り方は本当に見事なもので日本サッカーの進むべき道筋をある程度示してくれた事も個人的には良かったと考えています。
ただ、選手交代に関しては勿論プレイヤー側の判断力の問題が一番ですが、指揮官として彼らにどのような指示を出していたのかが気になるようなパフォーマンスだったので満点はつけられない。
プレイヤーではブンデスリーガでデュエル王に輝いている遠藤航がその看板に偽りなしの見事な中盤の制圧度合いで私的MoM。
LWの相馬勇紀もテクニカルなタイプではありませんが例えるならばダニエル・ジェームズのような献身性の高さで最も警戒する必要があったメキシコの右サイドを封殺。
ディエゴ・ライネスが孤立気味だったのは相手のRB、IHのサポートが薄かった事もありますが彼の守備面での貢献も大きいと思います。
フルマッチ
あとがき
10人のドイツがセットプレーから勝ち越したのは見ていて心に訴えかけるものがありましたが、今大会のドイツはOAを除けば最も実績のあるベンジャミン・ヘンリクスがワーストに近いパフォーマンスの一方でほぼクラブ実績のないフランクフルトのアヘは今後フル代表にも名を連ねるのではないかと期待が持てる内容なのでフットボールというスポーツは改めて面白いなと感じます。
サンドロ・ヴァーグナー以降大型FWに恵まれないマンシャフトにとっても先のU-21EUROで大会得点王に輝いたルーカス・ヌメチャと共に将来のレギュラー候補として大切に育てていきたい選手でしょう。(ダヴィー・ゼルケが伸び悩んだのは結構な痛手)
日本の3戦目はフランスですが、今大会の彼らは右サイドの守備が脆く、2戦合計7失点と守備崩壊と言っても差し支えない状態なので今のチームならば十分に勝てる相手。
水曜日の夜にグループステージ首位通過を達成している事を祈って今回は終わりにしようと思います。
最後に、ピッチレポーター内田篤人氏は120点でした😁
日本版のジェイミー・キャラガーになれると思う