20-21プレミアリーグのベストイレブンを先日勝手ながら選出させて頂きましたがベストがあるならばその反対、つまり期待外れに終わってしまった選手達も当然ながら存在します。
今回はそんな思うようにいかないシーズンとなってしまった選手を11人挙げていき来季以降の奮起を期待したいと思います。
因みにベストイレブンについてはこのような陣容になりました
スカッド
フォーメーションは4‐4‐2、主にビッグ6からの選出ですがチーム最多は2人でトッテナム、アーセナルのノースロンドン勢となりました。
GKのアレックス・マッカーシーは19‐20プレミアリーグでPSxG±:+6.5、90分辺りでも+0.23とリーグ有数のスタッツを記録していましたが一転して今シーズンは絶不調に陥り同スタッツで主戦GKとしてはワーストの数字。
今季含め過去4シーズンのデータを見ると+の値だったのは19‐20のみだったのでこの年度だけ運が良かった可能性も否めませんが、それでも昨季との落差で言えば彼をここにノミネートせざるを得ませんでした。
(data:Alex McCarthy Stats | FBref.com)
ディフェンダー
DF4枚は左からバンジャミン・メンディ、ダビド・ルイス、ダビンソン・サンチェス、マット・ドハーティ。
メンディはそもそもプレー以前の問題。昨年の大みそかにはイギリスのCovid-19プロトコルに違反して親戚やシェフを呼んでどんちゃん騒ぎのパーティを開き当時カブリエル・ジェズスやカイル・ウォーカーを筆頭に新型コロナのクラスターが発生していたチーム状況でのこの行いを看過することは出来ません。
プレー面でも攻撃参加、特にドリブルは一定の脅威を与えていましたが守備強度が低くそもそも負傷続きで戦列を離れている期間が圧倒的に長いので計算しにくい。
マン・シティの補強ターゲットとしてスポルティング・リスボンのヤングスター ヌーノ・メンデスの名が熱心に取り沙汰されているのもそれを証明するかの如き要素。
ダビド・ルイスも期待外れだった選手で、11月29日(現地時間)の対ウルブス戦ではエースFW ラウール・ヒメネスの側頭部に自身の前頭部をぶつけてしまい相手には頭蓋骨骨折の重傷を負わせてしまう不幸も。
そして肝心のパフォーマンスについても精彩を欠き、FBrefのスカウティングレポートからDefenceのスタッツを見ると欧州5大リーグのCBと比較した場合軒並み低い水準に留まり、アーセナルのDFリーダーになるはずだった彼の不振はクラブが欧州カップ出場圏外でのフィニッシュに至った要因の1つ。
ダビンソン・サンチェスとマット・ドハーティのトッテナム勢2人はそれぞれ状況は異なりますが不安定なパフォーマンスで思うようにいかないシーズンを過ごしました。
サンチェスは基本的には高い身体能力を活かしてタックルやシュートブロックで強みを見せてくれるのですがあまりにも軽率なプレーが多く、例えるならばマンチェスター・ユナイテッドのエリック・バイリーになりますがこれではCBとして計算しにくいと思わせた選手。
バイリーか彼のどちらにするか正直迷いましたが私個人の主観ではバイリーに元々あまり期待をしていなかったという事もあってサンチェスを選択。
一方でマット・ドハーティについては同情したくなる要素もあり、ウルブスでは5バックのWBとしてプレーした時間が圧倒的に長く、アダマ・トラオレとのコンビネーションはプレミアリーグのクラブに大きな脅威を与えていましたが新加入のスパーズでは4バックを採用しているので強みを中々出せず本来ならば放出される予定だったセルジュ・オーリエにRBのポジションを奪い返されて新天地での1年目シーズンを終了。
昨夏に続いてオーリエには放出の噂が上っているのでドハーティの真価が本当の意味で問われるのは来シーズンになる予感。
ミッドフィールダー
中盤は左からウィリアン、チェンバレン、ロフタス=チーク、アレックス・イウォビの4名。
ロンドンのライバルチェルシーからフリーで加入したウィリアンのアーセナル1年目のピークはデビューとなった20‐21プレミアリーグ開幕節 vsフラム戦。
いきなり2アシストを記録して以後の活躍に期待したサポーターも多かったと思いますがその後は一転して低調な出来が続き、公式戦初ゴールはなんと年が明けて2021年5月9日まで待たなければいけませんでした。
例年は30%台中盤から40%台前半で推移していた枠内シュート率が今季は15.0%まで落ち込んでプレイメーカーとしてもxA2.5と奮わず。
オックスレイド=チェンバレンも中盤から最終ラインにかけて負傷者続出のリバプールの中で彼が怪我前のパフォーマンスを維持出来ていればもう少し楽にCL出場権を確保できたのではないでしょうか。
大怪我から戻ってきた選手にいきなり以前のプレーを求めるのは厳しいかもしれませんが本来の能力との差で言えば彼の名前が必然的に上がってきました。
ロフタス=チークの名前をここに加えたのは保有元のチェルシーで定位置を掴み活躍しているメイソン・マウント、リース・ジェームズ、アンドレアス・クリステンセンら同じアカデミー産のプレイヤーとの対比という面もあり、特に同年代のクリステンセンとここまで大きく差を付けられてしまうとはマウリシオ・サッリ下の18‐19シーズンには誰1人として想像していなかったのでは。
同シーズン8試合出場に留まったクリステンセンは今やCL優勝チームのレギュラークラス、片やロフタス=チークはと言えば2019年5月に負ったアキレス腱断裂以後はフォームを取り戻せず、再起をかけたフラムへのレンタルでも運動量の欠如からか終盤はスタメンを外される試合が増加して最終成績は31試合1ゴールに留まっています。
トップ下をメインにする選手でこのゴール関与率だと残念ながらチェルシーでのキャリアは閉ざされてしまったように思いますが今後彼の名前を再びいい意味で聞く日がやってくる事を願っています。
19‐20シーズン開幕前の移籍市場でエバートンが3,400万ポンドとされる高額移籍金でアーセナルから引き抜いたアレックス・イウォビ。
残念ながらここまでの2シーズンでその期待に応えているとは言えず昨季は25試合1ゴール、今季も30試合で1ゴール2アシストと低空飛行が続いています。
おじであるジェイジェイ・オコチャを思わせるドリブル突破の魅力は健在ですが1人交わしてその後何が出来るかと言えばクロス制度も低く、かといってカットインからシュートまで持ち込む事も得意ではないので結局ドリブルが上手いで終わってしまうのが現状。一方で守備貢献はアーセナル時代から継続して高い水準なのでもしかするとポジションを下げるのが正解なのかもしれない。
ストライカー
FWはアントニー・マルシャルとリアン・ブリュースター。
昨季PK無しでリーグ戦17ゴールを挙げて遂に本格化したように思えたマルシャルでしたが今季はゴールに見放され、それに伴い以前から指摘されていたオフザボールやプレスの質の低さがより目立ってしまう形となりシーズンが進むにつれてチーム内での序列が下がってしまいました。
更には3月の代表戦で離脱して一足先にシーズンを終えてしまい、その間にエディンソン・カバーニがクラブ内での立場を高めたこともあって残念ながら今オフは放出候補の1人として名前が挙がる始末。
ジェイドン・サンチョ獲得を熱望するように創造的な選手が不足しているユナイテッドにとってマルシャルのアイデアは本来ならば大きな力に成るはずなのですが、その長所すら消してしまうボール非保持での無力さが彼の足を引っ張っています。
プレミアリーグでの実績は無く、ローン先のスウォンジーで半年間に10ゴールを奪ったポテンシャルのみでシェフィールド・ユナイテッドがクラブレコードの2,350万ポンドで獲得したリバプールユース出身のリアン・ブリュースター。
ブレーズもとんだ大バクチに出たなあと獲得のニュースを見て感じていましたがこの賭けは残念ながら得点を1つも奪えず大ハズレ。
ストライカーの第一候補はアストンヴィラで14点をマークしてイングランド代表にも選出されたオリー・ワトキンスだったそうなのでもしも彼をブレーズが獲得した未来があればPLに残留していたのではないかなどと捕らぬ狸の皮算用をせずにはいられないサポーターも多そうです。
あとがき
他にはユナイテッドのファン・デ・ベークやブライトンのニール・モペイも辺りも候補でした。
ファン・デ・ベークはどのポジションで使えばいいのか未だにハッキリしていない事とクラブが彼の不調によってそれほど大きな打撃を受けたわけではない事を理由に除外。
モペイは同じようにブレントフォードからプレミアリーグのクラブに移籍したワトキンスの出来や今季チャンピオンシップ歴代最高のゴール数をマークしてプレミアリーグへやってくるイヴァン・トニーと比べるとどうしても不甲斐なさが強調されてしまう。