どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
ミッドウィークに行われているプレミアリーグ第13節は各地で波乱が巻き起こる展開となっており、チェルシーはウルヴスに敗北して日曜日のエバートン戦から2連敗。
マンチェスター・シティも試合後に監督交代が発表されたウエストブロムにドローと上位陣がこぞって勝ち点を落としています。
マンチェスター・ユナイテッドは敵地ブラモール・レーンに赴いて今シーズン、未だリーグ戦未勝利のシェフィールド・ユナイテッドとの試合に臨みます。
試合プレビュー
カバーニがセインツ戦後にインスタグラムに投稿した”Gracias Negrito"という差別的ともとれる表現を含んだメッセージに関してFA(イングランドフットボール協会)は規約通り処分を下すと発表しました。
1月4日まではこの決定に異議申し立てをすることが可能ですが、過去の例を見ても3試合程度の出場停止処分が濃厚。
良いニュースもあります。
クラブレジェンド、ウェイン・ルーニーの長男kai君がクラブのアカデミーに入団したとルーニーのTwitterから報告がありました。
Proud day. Kai signing for @ManUtd. Keep up the hard work son ❤️ pic.twitter.com/tTYuUZj7yn
— Wayne Rooney (@WayneRooney) 2020年12月17日
前日には自身が暫定監督を務め、このブログでも度々取り上げているダービー・カウンティが上位スウォンジーに2vs0でアップセットを果たすなど彼にとっては良い事づくめですね。
怪我人情報
シェフィールド・ユナイテッドはオコネル、K.ブライアン、マクバーニーがアウト。
マンチェスター・ユナイテッドはカバーニが欠場。
スタメン
シェフィールド・ユナイテッド
ベンチ入り
10B.シャープ、11L.ムセ、15ジャギエルカ、16ノーウッド、21M.フェリプス、23B.オズボーン、24ブリュースター
お馴染みの3-5-2システム。
右CBのバシャムが攻撃時に高い位置を取って人数をかけた攻めをするのが特徴的でしたが、今シーズンは深刻な得点力不足に苦しみ未だリーグ戦で複数得点を挙げた試合がありません。
ロングヘアが特徴だったチェルシー出身のアンパドゥは髪を短く切り不調に苦しむチームの中で数少ない希望を感じさせる選手に成長しています。
全体的に重い空気がのしかかっている状況ですが、何かキッカケを掴んでまずはリーグ戦初勝利を目指して団結していきたいところ。
マンチェスター・ユナイテッド
ベンチ入り
GKにはヘンダーソンを起用。
昨シーズンは相手方のチームでその躍進を大いに支えましたが、今度は大きな壁として古巣相手に待ち構えます。
中盤2枚は過密日程を考慮してかポグバ、マティッチの組み合わせを選択。
次のリーズ戦はテンポの速い試合が予想されますので、そちらに運動量の多いマクトミネイ、フレッジの温存したのではないでしょうか。
試合内容
立ち上がりから激しいプレスを敢行するブレーズ(シェフィールド・ユナイテッドの愛称)。
ユナイテッドの苦手とするビルドアップやセットプレーの綻びを重点的に狙っている様子でした。
バッドスタート
すると試合開始間もない5分、マグワイアからの危険なバックパスをヘンダーソンが適切に対処出来ず、一度トラップしようとしたところに待ち構えていたO.バークがボールを奪取します。
そのボールを長いあご髭がトレードマークの17番マクゴールドリックが無人のゴールへ蹴りこみ、ブレーズに待望の先制点が生まれました。
今日も防げるエラーが出てしまいましたね……
勿論ヘンダーソンが最も悪いのですが、敵が近くにいる状態でバックパスをするマグワイアの判断もよくなかったですね。
こういったミスは減らして下さい。
最高の試合展開となったブレーズですが残念なアクシデントが先制直後の7分に発生します。
昨シーズン冬の移籍市場でチームに加入し、名だたるクラブからも注目される中盤のキーマン、サンダー・ベルゲが太もも裏を痛めてピッチ外へ。
結局彼は試合続行不可能という事でベテランのジャギエルカが交代で入り、早い段階で交代カードを1枚消費する事となってしまいました。
クリス・ワイルダー監督はプレミアリーグの交代枠増加に対して明確に反対の声を上げている人物の1人ですが、これで考えを改めて選手を守る方向に舵を切ってほしいというのが私の本音。
16分には左サイドを突破され最後は逆サイドの4番フレックに決定的なチャンスが生まれますが、シュートは枠の外で命拾い。
リードしている状況でしたがホームチームはバスを止めずにハイラインを維持して戦っていたので徐々にマンチェスター・ユナイテッドのカウンター攻撃が相手ゴールに近づき始めます。
高いDFラインの代償
試合が動いたのは26分、リンデロフから前線へフライパスが放たれると、ラッシュフォードがまるでデニス・ベルカンプ氏のような精密なトラップからパワーショットを繰り出しアウェイのユナイテッドが同点に追いつきました。
リンデロフ、やればできる男なのでこれからもどんどん縦のボールを供給していって欲しい。
ベンフィカ時代にはセットプレーのキッカーを担当することもあったくらい本来はキックに自信を持っている選手だと思うので、これをいい機会にしたいところ。
33分にはポグバのロングパスに対しやや中途半端な対応をしたブレーズGKラムズデールの隙を突き、マルシャルが今シーズンのプレミアリーグ初ゴールを奪いました。
あえて辛辣な意見を述べますが、遅すぎる。
本来の彼なら既に6、7得点していて貰いたい試合数なのでここから逆襲してファンの信頼を取り戻していきましょう。
流れるような見事なカウンター
51分、自陣深い位置からポグバがドリブルで持ち上がり前方の相手をルーレットで交わすと、ここからポグバ→ブルーノ→グリーンウッド→ラッシュフォード→ブルーノ→マルシャルとダイレクトパスで敵陣ペナルティエリアまでボールを運び、マルシャルのトラップがやや左へ流れた所に詰めていたラッシュフォードがこの日2点目となる得点を挙げました。
テキストでは伝わり切らないとおもうのでこのゴールに関しては是非自らの目で確かめてほしいです。
シーズンベストゴールの有力候補になる素晴らしいゴールでした。
〈ポグバのルーレット〉
🍽 Perfect lunchtime viewing 😋#MUFC @PaulPogba pic.twitter.com/V6LaNVqOJz
— Manchester United (@ManUtd) 2020年12月18日
今日もコーナーから失点……同点の危機も
2点リードを保持して危なげなく試合を終えたいマンチェスター・ユナイテッドでしたが87分、右からのコーナーキックでマクゴールドリックの2点目を許してしまい、試合の行方は分からなくなります。
今回はリンデロフが一度頭で触れたボールの跳ね返りがたまたま相手の頭に当たって不運な形での失点となりましたが、これでプレミアリーグ直近4試合5失点のうち、4ゴールがセットプレイから生まれたものとなりました。
ただし、得点後のリプレイを見るとコーナーキックのきっかけとなったテレスのクリアの場面はテレスが触れた後、相手の足にボールが触れていたので本当ならば存在しないゴールでした。
しかしながらセットプレーの対応に問題があることに変わりはありません。
この悪夢は一体いつまで続くのでしょうかね。
嫌な形で試合終盤を迎えたユナイテッド。
90分にはロングボールからペナルティエリア内に侵入を許し最後は途中出場のムセがジャンピングボレー。
これは同点に追いつかれてしまったと絶望しましたが、ヘンダーソンがスーパーマンばりの横っ飛びでボールをパンチして何とか1点のリードを守りきり、勝ち点3を得ることが出来ました。
試合は2vs3でアウェイのマンチェスター・ユナイテッドが勝利しています。
動画ハイライト
交代選手
12分 in:ジャギエルカ out:ベルゲ
63分 in:L.ムセ out:ジャギエルカ
73分 in:ブリュースター out:O.バーク
74分 in:マタ out:グリーンウッド
80分 in:ファン・デ・ベーク out:ブルーノ
90分 in:マクトミネイ out:マルシャル
データ
ポゼッションではアウェイのマンチェスター・ユナイテッドに分があったものの、シュートの数ではその差は僅かに2本。
パスのスタッツに両チームのスタンスが顕著に表れており、ブレーズは362本中77本がロングパスでこれは割合にすると2割を超えているので執念深くマン・ユナイテッドのウィークポイントであるマグワイア以外のDFのハイボール対応を狙ってきていたことが伺えます。
ちなみにアウェイチームは557本中66本、約11%という数字だったので、この差を見てもその一貫した狙いは明らかですね。
xデータ
(参照:Sheffield United 2 - 3 Manchester United (December 17 2020) | EPL | 2020/2021 | xG | Understat.com)
xGを見ると枠内シュート数で相手に差をつけたアウェイのマンチェスター・ユナイテッドがやや優勢という試合になりました。
しかしながらホームのシェフィールド・ユナイテッドにもペナルティエリア内から9つのゴールチャンスがあったので、今後に希望を持てる一戦となったのではないでしょうか。
一方でマン・ユナイテッドとしては3点を奪ったものの決定機を逃してしまった場面が3回あったので安定してポイントを積み重ねる為にはもう少しシュート精度を求めたい。
この試合で輝いた選手は両チームのスコアラー、マクゴールドリックとラッシュフォードですね。
共に5つのシュートを放ち2ゴールと点取り屋として十分な仕事を果たしました。
また、低パフォーマンスが続いていたマルシャルも久々に合格点の出来。
xG:0.91、xA:0.64と共にこの試合トップの数値を稼ぎ出しました。
決定機のミスが2度あったのはマイナスポイントですが、1ゴール1アシストは自信を取り戻す良いキッカケになるかもしれません。
(https://twitter.com/ManUtd/status/1339852400543338497より)
バックラインではリンデロフがその存在を強くアピールしています。
地上戦勝率は9分の7で約77%、課題のハイボールに対してもこの日は7分の5で約71%と奮闘を見せてくれました。
それでもなお失点シーンに関わってしまう不運さが少し不憫ではありますが。
攻撃面でもパス成功率は88.7%、先制点のアシストとなるロブパスを繰り出すなどマグワイアのおまけ扱いされてしまっていた頃とは別人のような出来栄えとなっています。
あとがき
これでアウェイのリーグ戦は昨年12月8日のマンチェスター・シティ戦から続く連勝記録を6に伸ばしました。
新型コロナによる特殊日程を考慮しても一年間アウェイで勝ち続けているというデータは素直に誇っていいのではないでしょうか。
年内はカップ戦込みで残り4試合。
全勝で走り抜けて優勝争いに食い込める事を願っています。