どうも皆さんこんにちは、いろ覇です。
遂に今シーズンも第一号の解任者が出てしまいました……
解任第一号はウエストブロムから
対象となったのはウエストブロムのスラベン・ビリッチ監督
つい先日行われたプレミアリーグ、対マンチェスター・シティ戦ではアウェイながら勝ち点1をもぎ取った試合の直後だったのでこの一報を聞いた時には思わず耳を疑いましたが、どうやら試合前にビリッチ氏の更迭は既に決まっていたというのが事の真相。
(https://twitter.com/WBA/status/1332808662642028545より)
ウエストブロムは現在勝ち点7でリーグ19位に沈んでいますが、戦力層やデータを見ても正直言って特に上振れも下振れもしていないシーズンだと思うので、彼が一番最初に解任されたのは意外でしたね。
期待との落差で見ればアーセナルのアルテタ監督、マンチェスター・ユナイテッドのスールシャール監督辺りが一人目になるのではないかと考えていました。
解任理由は試合内容だけではなく補強を巡る争いも関連?
イギリス国内の報道によればビリッチ氏はクラブの今夏の補強体制に不満を抱いており、クラブを所有する中国企業側や首脳陣の一部と深い確執があったようですね。
ウエストブロムは夏の移籍市場で4500万ポンド強を費やしましたが、その金額のうち1350万ポンドをウエストハムからローン加入のディアンガナに、825万ポンドをスポルティング・リスボンから同じくローン加入していたマテウス・ペレイラの完全移籍への移行に費やしたので実質的な戦力の増強はハダースフィールドから1650万ポンドで獲得したカーラン・グラントくらいです。
そのグラントもここまで9試合出場で1ゴール。xGも1.8で90分辺りのゴール期待値が0.26と高額な移籍金に見合った働きをしているとは言えない内容なので確かに補強に不満を持ってもおかしくない現状ですね。
更に今シーズンはクリスタル・パレスのエベレチ・エゼや以前取り上げたアストン・ヴィラの二人などチャンピオンシップから個人昇格してきた他の選手達が素晴らしい貢献を見せているので、より一層グラントへの失望が溜まってしまう環境が出来上がっているように思います。
〈ヴィラの2人についてはこちらから〉
後任人事はあの老将
後任候補には前ボーンマス指揮官でその手腕が国内外で高く評価されるエディー・ハウ氏や前ワトフォード指揮官ナイジェル・ピアソン氏など多数の名前が上がりましたが、最終的には最も有力視されていたビッグ・サムことサム・アラダイス氏の新監督就任が発表になりました。
ビッグ・サムと言えば古典的なキック&ラッシュを愛用するプレミアリーグの残留請負人であり、監督としての職場復帰はエバートンを去った2018年5月以来2年7カ月ぶりとなります。
そのエバートン時代には現在バルセロナで指揮を執るロナルド・クーマンの元で13位に低迷していたチームのバトンを引き継ぎ、シーズン終了時には8位まで順位を上げる成果を出しています。
彼はピッチ外でも何かとメディアを賑わせる人物で、イングランド代表監督を務めていた際にはテレグラフ紙のおとり調査にまんまと引っかかって選手の保有権を第3者が持ってはいけないというルールに反し、自らもその闇ビジネスに一枚噛もうとした事が明らかとなり就任から僅か67日間で解任の憂き目にあっています。
ただし監督としての力量は実力十分なので、今回就任するウエストブロムでも自らのロングボール戦術に見合う選手を見つけ出せれば残留に向けて巻き返しを図ることが出来ると思います。
具体的にチームの戦力層を見てみると、中盤の底で起用される事が多いロメイン・ソウヤーズはロングパスを61回試みて52回通していて、成功率にすると85.2%と高いキック精度を持っているようなので彼をボルトン時代のイバン・カンポのようなボール配球役にして戦っていくのではと勝手に予想しています。
問題なのは中盤から前線に空中戦勝率の高い選手が殆どいないという点。
FWのグラントはどちらかと言えば裏抜けタイプで勝率は11.1%とリーグワースト3に入る低水準ですので出来れば冬の移籍期間でポストプレイヤーを一人加えたいところ。
補強を巡るいざこざで監督と揉めていたチームが新指揮官に十分な支援体制を整えてくれるかどうかは分かりませんが、彼を監督にしたからにはロングボールを収められる選手がいなければ話にならないのは確かです。