他の誰でもなくクリスティアーノ・ロナウドがあのパスを出したというところに大きな意味がある。(もしかするとアシスト数の単独トップも頭の片隅にあったからなのかもしれないが)
Cristiano Ronaldo extends his record of goal involvements in EURO history (14 goals, 8 assists) ⚽️🅰️#EURO2024 pic.twitter.com/26jct9K4Ze
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【Match Review】トルコvsポルトガル
前半
トルコ
3 Demiral, 5 O.Yokuşlu, 8 Güler, 9 C.Tosun, 11 Yazıcı, 13 Kaplan, 15 Özcan, 16 Yüksek, 18 Müldür, 19 Yıldız, 23 Çakır, 24 Kılıçsoy, 26 B.Ö.Yıldırım
ポルトガル
1 Rui Patrício, 2 N.Semedo, 5 Dalot, 9 G.Ramos, 11 J.Félix, 12 José Sá, 13 D.Pereira, 14 Inácio, 15 J.Neves, 16 M.Nunes, 18 R.Neves, 21 D.Jota, 24 A.Silva, 25 P.Neto, 26 F.Conceição
ポルトガルはチェコ戦で見せた3CBベースの可変システムではなく、ノーマルな4-1-2-3でゲームに入りアンカーのパリーニャを起用する代わりにダロトが控えに。ただ、4バックではカンセロの守備対応、特に逆サイドからクロスを上げられた際のボールウォッチャー癖は到底許容出来ないレベルなので素直にダロトをRBに使った方が良かったと思うが。
また、展開のあやでベルナルド・シウバがトルコ左CBバルダクチをマークする際、他の後ろの選手たちは1つずつ右に押し出すように動いているのだがカンセロはLBのカディオグルへのスライドが基本的に間に合っていない為、ここからプレスを回避されてトルコにボールを前に運ばれてしまう。
攻守において核となるのは今回もヴィチーニャ。基本的にはDFライン前にパリーニャが構える+1の形でビルドアップを行うポルトガルだが、相手のプレスの枚数が多くなった場合には彼がタイミングを計ってアンカーの横に降りてダブルピボットになり、守備でもブルーノの横でそのまま4-3-3ベースのポジショニングをするケースとロナウド-ブルーノの2枚が1stプレスになる4-4-2フラットを併用する。
また、トルコのビルドアップにマンツーマンベースで圧を強める場合にはアンカーのパリーニャがチャルハノールの所までポジションを上げる為、その分空いた中盤のスペースのカバーに回る事も。正しくヴィチーニャがポルトガルの攻守のバランサーを担っていると断言してもいいタスクの多さ。
21分、敵陣で長い時間ボールを持つポルトガルはペペ→ヌーノ・メンデス→レオンと綺麗に斜め前にパスを繋ぎながら左サイドでポゼッション。レオンがテイクオンを狙う素振りを見せながらタメを作り、メンデスは抜群のタイミングでアンダーラップをしてパスを引き出すとそのままゴール前にクロス。ヴィチーニャがニアで潰れ役になって相手DFから余裕を奪うと、クリアをしきれなかった所にベルナルドが詰めて先制。
🇵🇹 勝負強さは健在 🇹🇷#ベルナルド・シウヴァ がクロスを左足で合わせ、#ポルトガル代表 に先制点をもたらす。#トルコ代表 を相手に3-0と快勝し、#EURO2024 決勝トーナメント進出を決める。
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ポルトガルにとって幸運だったのはトルコの崩しのキーマンであるアルダ・ギュレルがコンディションの問題でベンチスタートになっていた事。彼がいた場合、守備貢献が低いレオンを抱える左サイドでは満足なフォローの得られない状況でメンデスが守備に奔走し先制点のようなオフボールを行う余裕が無かったかもしれない。
28分、ディオゴ・コスタのロングフィード後のセカンドボールにカンセロが素晴らしい反応を見せてポルトガルのカウンターが始動すると、ロナウドとの呼吸が合わずスルーパスは不発に終わったのだが、トルコCBアカイディンがスキャニングを怠った上にバックパスの軌道を自陣ゴールから外さなかった事で前に出て自分がボールを収めようとしていたGKバユンドゥルの横を無情にもボールが通過し、このレベルではあってはいけないようなオウンゴールに……
Samet Akaydın’ın kendi kalesine attığı golün tribün çekimi… pic.twitter.com/KrRTaBxRJr
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このプレー自体にバユンドゥルの責任は無かったと個人的に考えているが、それはそれとしてマン・ユナイテッドの2ndGKでもある彼のプレーについて、全体的にディストリビューションが苦手なように見えたのでエリック・テン・ハフの求めるゴールキーパー像とは乖離が大きいかもしれない。
トルコの選手で最も得点の匂いがするのはLWで起用されたアクトゥルコール。逆サイドからのクロスに対しカンセロの背後をとってゴール前に顔を出したり、自分でテイクオンを仕掛けてシュートまで完結させたりとギュレル不在の攻撃陣で孤軍奮闘。
後半
ポルトガルはパリーニャ、レオンと前半にイエローカードを貰っていた選手を下げてルベン・ネベス、ペドロ・ネトを投入し、トルコもボールに絡む回数が極めて少なく存在感の無かったコクチュを下げてセカンドストライカータイプのユスフ・ヤズジュにトップ下を変更。なお、レオンのカードは前回に続いてまたしてもダイブで反則を取られたという内容だったので正直どうなんだと叱りたくなる。
55分、自陣左サイドでのFKからメンデスが逆サイドへのロングフィードを通し、交代で入ったネベスと目を合わせてロナウドが完璧なタイミングで裏のスペースへ抜け出す。目の前にはバユンドゥルしか相手がいない状況下、自分でシュートを打っても良い場面だったが、チームの勝利を盤石にする事を優先し横に走るブルーノへプレゼントパスを渡してポルトガルのリードは3点に広がった。
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ポルトガルの選手は強すぎるくらいにロナウドへの尊敬の念を抱いているというのが試合中の動きにも時折反映されており、その当人がエゴを捨ててチームプレーに徹した意味は確実に後輩たちにも伝わっているはず。 そして、このアシストによってEURO本大会での出場試合数,ゴール数に続きアシストでもレコードホルダー躍り出た事で欧州選手権の象徴ともいうべき伝説となった。
トルコも交代で入ったヤズジュや前半から目立っているアクトゥルコールが何度かゴールを脅かしたものの、結局自分たちのエラーで失った流れを取り戻す事は出来ずそのまま完封負け。
【Match Review】ベルギーvsルーマニア
前半
ベルギー
2 Debast, 9 Trossard, 11 Carrasco, 12 T.Kaminski, 13 Sels, 16 Vranckx, 17 De Ketelaele, 18 O.Mangala, 19 J.Bakayoko, 20 Openda, 23 A.Vermeeren, 25 De Cuyper
ルーマニア
4 Rus, 5 Nedelcearu, 7 Alibec, 8 Cicâldău, 9 G.Pușcaș, 10 Ianis Hagi, 12 Moldovan, 14 Olaru, 16 Târnovanu, 17 F.Coman, 22 Mogoș, 23 Sorescu, 24 Racovițan, 25 Bîrligea, 26 Șut
1戦目からは4人の選手を入れ替える大幅なテコ入れで勝利を狙うベルギー。特にCBにベテランのフェルトンゲン投入してディフェンスリーダーとしての役割を担ってくれた事と中盤にティーレマンスが入りデ・ブライネ以外の配球元が生まれた2点が非常に大きなプラスを生み出した。
2分、ルーマニアビルドアップでの縦パスをティーレマンスがスライディングカットしベルギーのカウンター発動。ルカクがミドルサードからアタッキングサード入り口までを運び、左サイドでパスを受けたドクは時間を作りながらゴール正面でDFを背負うエースにボールを預け、最後は落としのパスに豪快なダイレクトショットでティーレマンスが応えあっと言う間に先制成功。
🇧🇪 開始1分の先制弾 🇷🇴#ベルギー代表 が先制点を獲得。#ルカク の落としを #ティーレマンス がミドルシュートで叩き込む。
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ルーマニアはボールホルダーに対する寄せが大会中でも3本の指に入るのではないかという位に速く、尚且つ前線から人数をかけて積極的な守備を見せるのでベルギーもビルドアップでボールを奪われて危ない展開になる事が少なくなかったが、開始2分でのビハインドはやはり重い。
ポゼッション時には両フルバックを前に押し上げた3-2-5に可変し、それぞれの役割が明確に定まっているルーマニア。守備強度の高さ含め、チーム戦術の植え付けという点ではエドワード・ヨルダネスクの手腕はオーストリアのラルフ・ラングニック、デンマークのカスパー・ヒュルマンドと並び大会出場国の中では頭1つ抜け出ているように感じる。
守備時のシステムはマリウス・マリンがフィルター役に収まる4-1-4-1で全体の連動性は先述のようにベルギーよりも優れていたものの、ドク,デ・ブライネ,ルカクといった強烈な個を抱えるレッド・デビルズに対し、どうしても1on1で押し切られる事が多いので耐えの時間が多くなるルーマニア。ただ、最後の所でドラグシンの身体能力やGKフロリン・ニツァのショットストップが輝き最少失点を継続し続けて前半終了。
後半
48分のルーマニアは前線の素晴らしいチェイスでアマドゥ・オナナからボールを奪い、カウンターから決定機を作るもミハイラのシュートは枠を捉えず。フィニッシュワークの精度さえ伴っていればという場面の多いチームだが、後半始まってすぐのこのチャンスに関しては試合の勝敗を左右したと言っても過言ではない。
ベルギーはデ・ブライネ中心にあと一歩で追加点というチャンスを何度も作るが、ゴール前で急に委縮したようにプレー精度の落ちるルカクはやはり得点を決められず、66分にはカウンターから遂に汚名返上の一発を決めたかに思えたが、常に何かに追われる男らしくここもオフサイドで得点取り消し。
早めの交代となったルケバキオについて、ドクのように無からチャンスを生み出せる圧倒的な個人解決能力こそ無いが、体格を生かしたプレーで周りの選手と連携しながらサイドを攻略し、カットインからのシュートも狙えるので周りの選手との相性に気を付ければ有用な駒だと思う。事実、彼がいた事でカスターニュはプレーしやすそうに見えた。
1-0で迎えた80分、カステールスのゴールキックをルーマニアDFが目測を誤り後ろに流してしまい、これがデ・ブライネへの絶好のスルーパスになってニュルっとベルギーが追加点をマーク。ドラグシンが最後までついていったものの、レッド・デビルズの7番のコンタクトプレーでの強さに軍配が上がった。