いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

北朝鮮戦不戦勝により弱点と正面から向き合う機会を失う

 

2024年3月のインターナショナルウィークにおいて、日本代表は21日に国立競技場でホームマッチを行い、26日に平壌でアウェイマッチを行うという北朝鮮とのH&A2連戦が予定されていたが、AFC(アジアフットボール協会)によれば、北朝鮮側から平壌での試合について「やむを得ない事情により試合を中立地に移す必要がある」と通達が入り、なおかつ代替案となる中立地での開催についても話をまとめる事が出来なかった為、FIFA(国際フットボール連盟)から26日予定の2次予選の中止がアナウンスされた。

 

 

1試合目のホームゲームではアジアカップの焼き直しのようなロングボール対策の無さを見せつけられ、スコアも前半開始すぐのカオスの時間帯に田中碧が決めた1点を何とか凌ぎ切り辛勝したものの、以前から続く継続的な課題が改めて露呈した事もあって森保ジャパンへのフットボールファンの不信感は強まるばかりだが、自国に戻ってプレー強度と献身性が更に増すと予想された北朝鮮とのリターンマッチの機会を失った事は戦わずして予選突破決定という表面的な喜び以上に深刻な懸念材料をそのまま後の戦いに残してしまう恐れもある。

 

例えばアジアカップに話を戻すと、ノックアウトステージで敗れたイラン戦ではモハメド・モヘビやサルダル・アズムンをターゲットとして板倉洸(右CB)と毎熊晟矢の間を執拗に狙うロングボールに対し、

 

  • オフサイドを狙ってラインコントロールを重視するのか、または配球役がロングボールのキックモーションに入る瞬間に後ろ側へのステップを踏み始めてスピード勝負への準備をするのか
  • ハイプレスでパスを出させない事を重視するのかある程度プレスラインを低めにしてブロックを形成したところからロングボールの弾き返しに重点を置くか
  • 板倉と毎熊のどちらが競るのかを人ベースで決めるのかゾーンで管理するのか
  • セカンドボールに対するセントラルMF2枚(遠藤,守田)のポジショニング

 この辺りが不明瞭で、失点シーンで悪目立ちしてしまった板倉についても彼が晒されやすい構造が頻発した事が真の問題だろう。

 

また、攻撃面では

 

  • ディフェンシブサードからショートパス中心に繋ぐ際の配置がそれぞれの機転ありきになっていて特に左サイドが機能していない事
  • CB型の伊藤洋輝が大外でウイングプレイをこなす従来型のフルバックになっていた点
  • アズムン+ボールサイドのウイングが1stプレスの4-4-2で守るイランに対して、その背後でパスを引き出せる位置取りをする選手が1人である事が多く相手FW-MFライン間を使えず

 このように全体的に選手それぞれのアドリブ任せに見えてしまい、伊藤のように明らかに適性とは異なる役割を担ったケースもある。

 

【イラン戦ハイライト】

 

 

 

・・・という流れを汲んで一体どのようにして課題を修正して来るのかが焦点になった北朝鮮戦でも、全くもってこれらのウィークポイントは解消されておらず、ただでさえ選手個々の機転と即興に支えられる体制である上、そこに強みを持つ毎熊がメンバー外かつ心肺機能や右足のキックは素晴らしいが意思決定の所でかなり脆さを併せ持っている菅原由勢がRBに入る事でかえって悪化してしまった。

 

また、ボールを持つ時間が増える事は戦前から容易に想像できるにも関わらず伊藤-前田大然というどちらがワイドを担当するにしても独力での局面打開は望めないユニットにした点にも強く疑問が残る。

 

北朝鮮戦ハイライト】

 

 

 

残念ながら現状のコーチ陣ではGKからショートパスで繋いでいくようなコントロール型のビルドアップの構築を望む事は叶わないと個人的には考えているので、今のに反代表には強力なウインガーの前方にロングボールを蹴ってそこからの回収で攻撃を始めるという形でポゼッション時にディフェンシブサードを省略してしまう形を推奨したい。

 

現状本気でワールドカップ優勝を狙うのだとすれば、ドイツやスペイン相手にも結果が出た持たざる者の戦い方が明らかに近いので、時間的制約と指導者の質の両面でどうやっても中途半端になるであろうポゼッションコントロールよりはハイプレス&ルーズボール回収に特化したカウンターベースの戦術で可能な限り守備のルールを明確にしつつ、縦と横の両比較で過去最も恵まれているアタッカー陣の優れた資質の邪魔をしない事を意識してもらいたい。