いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUFC 】シーズン前半戦の選手評価

 

 

 

 

10段階の選手評価

 

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対象とするのはトップチームの公式戦(PL,CL,EFLカップ,FAカップ)で出場機会を得た選手で、後半アディショナルタイムからの出場など、10分にも満たない極めて少ない出番に終わったユース選手らは対象に含めない事とする。

 

主な評価基準は

  • プレーの内容
  • 出場時間の多寡及び離脱の有無
  • ピッチ内外での振る舞い

 また、紹介順はスコアの高い順から行う。

 

 

8.0: Diogo Dalot , Kobbie Mainoo

 

不振に苦しむクラブの中でありながら、そのプレーぶりや振る舞いを鑑みて8/10という高い点数を付けたのはディオゴ・ダロトとコビー・メイヌー。

 

現地サポーターからの評価が不当と思えるほどに低いダロトだが、旧来の大外を動き回るフルバック像と中盤に吸収されるインバーテッドの役割の両方でプラスを生み出せる器用さは大きな魅力であり、突発的なボーンヘッドがしばしば発生するところは課題であるが、身体能力の高さ、パスレンジの広さ、空中戦の強さ、ミドルショットで得点が狙えるキックの質と1人のフットボーラーとして完成度が高い。

 

もう1人の最高値は瞬く間にトップチームの欠かせない戦力になっていくメイヌー。スキャニングの回数が多く常にピッチの情報を取得し続けていく上に、身体の向きでフェイクを入れるようなパスも18歳にしてマスターしているその天性の中盤適性は本当にマン・ユナイテッドの下部組織出身なのかと疑いたくなるほどに底知れぬものがあり、フィジカル的に無理が効くというタイプではないが、十分に4-3-3のアンカーをこなす素質を有しており、チーム状況によってはNo.8やフルバックにポジションを変えても高い貢献度を記録する選手になるだろう。

 

 

7.0: Jonny Evans , Bruno Fernandes , Alejandro Garnacho

 

当初、次のクラブを見つけるまでのトレーニング先として古巣に戻ってきたと思われていたエヴァンスは、経験を積んで花開いたリーダーシップを発揮し今やチーム内でも上から数えた方が早いくらいに指揮官の信頼を掴んでいる選手。勿論身体能力の衰えは至る場面で見え隠れしており、ルーズボールに対して純粋なよーいドンになれば脆いのだが、準備と先手を呼んだ動き出しでそれをカバーし、左右両足で距離を問わず高精度のボールを蹴れるという長所で得点に直結するパスもいくつか。ポジティブな意味での元の期待感との違いという点ではチーム一番だと考えている。

 

正直、ブルーノに求めたい基準からすればこれでも若干甘めの評価かもしれないが、怪我をせずにチャンスクリエイトという強みが毎年安定している点を鑑みて7点とした。今シーズンは以前に克服したものだとばかり思っていたアンガーマネジメントにおいて良くない対応が目立ち、Argument,抗議のイエローカードを積み重ねた結果リバプールとのライバルマッチを出場停止処分で欠場、今季からはキャプテンを任されているにしてはその自覚が少々足りていないのかもしれない。どちらかと言えばカッとなりやすい若い選手を宥める側に回って欲しいのだが……

 

エバートン戦のバイシクルのセンセーショナルさも含め、年齢からすれば本来チームが上手く循環していればリザーブのはずのガルナチョの肩に大きすぎる期待と重圧がのしかかっている申し訳なさを加味してこの位置に。プレー面では、試合単位での好不調の波が激しく、周りを使える日とセルフィッシュばかり目立ってチャンスを逃していく時との差が著しいのでまだまだ絶対的な選手とは言えない。もう1つ、左ウイングで出場する際、ドリブルのルート選択を左足でしかキック出来ない場所と身体の向きに勝手に追い込まれていく点については至急修正が必要。

 

6.0: André Onana , Harry Maguire , Luke Shaw , Willy Kambwala , Sofyan Amrabat ,  Scott McTominay , Hannibal , Antony , Rasmus Højlund

 

 ダビド・デヘア去りし赤い悪魔の最終防波堤に守り人として加入したオナナは、前任者とは全く異なるプレースタイルで期待されたスイーパーGKの働きを早速こなしている。不思議な事にチャンピオンズリーグでは失点直結のエラーが多発しているが、プレミアに限ってみると少なくともショットストップにおいては印象でもExpected Statsでもプラスに振れている為、チームメンバーとの関係性を深めて連携が良化してペナルティボックス外での貢献度も増していけば、という未来予想図を描く事が出来る。

 

 DFからはマグワイア,ショー,カンブワラの3名を選出。マグワイアに関してはプレーぶりだけを見れば7.0に迫る内容だったが、夏のウィンドウの補強戦略に与えた影響や折角ポジションを掴みかけていた所での離脱分のマイナスで6.0止まりとした。

 ショーもボールプレーの質は一定の水準を保っているが、欠場の多さと一向に改善しないクロス対応やビルドアップ時のDecision Makingで高評価までは付けられず、特にウィークポイントが目立ったCB起用はしばらく封印したい。

 カンブワラはポゼッション時の身体の向きやボールキャリーを試みる際のスピードの緩急、相手が背後へのロングボールを狙う際の準備など細かい部分を見ればまだまだ詰めなければいけないポイントも多いが、緊急事態でいきなり先発起用されて破綻せずトップチームの試合をこなしてくれた事を高く評価したい。

 

 中盤ではアムラバト,マクトミネイ,ハンニバルが6.0。アムラバトは期待通りにミドル/ロングパスの配球能力と広いカバーエリアを見せた一方でプレー強度やショートパスでの致命的なエラーがやや多かったので絶対的に信用を置けるという水準までは達しなかった。買い取りオプションの行使は現状微妙なところ。

 マクトミネイのゴール奪取能力はアタッカーのフィニッシュ精度不足が深刻な今季のチームで重宝しており、アディショナルタイムの連続弾で逆転したブレントフォード戦のように彼で勝った試合もあるが、アンカーやホールディングMFとして試合の最初から出場させるとマーク管理や身体操作のぎこちなさによるビルドアップでの選択肢の狭さといった悪い部分が目立つ為、起用法を選んで最大限力を発揮出来る状況を作らなければいけない選手。

 ハンニバルは感情の起伏にプレーが影響されやすいという弱点を克服している最中で、持っているメンタリティの熱さを球際での粘り強さやトランジションでの踏ん張りといった献身性に転じさせているのが今季の大きな成長。劣勢が予想されるゲームにおいては中盤3枚の構成を考えていく上でメイヌーの次にバリューの高い選手なのではないかと個人的に考えており、冬の移籍市場では成長を促す為のローンを噂されているがチームに残してもらいたいと思う。

 

アントニーホイルンドに関して、どちらもアタッカーとしての得点関与には不満を抱いているものの、その前段階の部分、例えばミドルサードでのボールキープによる味方の準備を整える時間を作る力や守備で手を抜かない点については個人的に高く評価しており、どちらも超高額移籍金で加入した事でハードルが天元突破しているが、それを抜きに純粋に1人のフットボーラーとして見ていくと最低限のハードルはクリアしていると感じる。

 

 

5.0: Tom Heaton , Raphaël Varane , Sergio Reguilón , Mason Mount , Christian Eriksen , Amad Diallo 

 

ヒートンは今シーズン出場機会が0だが、実はクラブ育成選手及びホームグロウンの頭数に余裕がないという今のユナイテッドにおいては、3rdGKという立場で不満を表明せずにベテランとしてチームを支えるアカデミー育ちの彼の価値は高い。

 

 ヴァランは今季評価を下げざるを得なかった選手の1人で、元々の故障癖に加えて出場した試合では右足でパスすればいい所でも何故か左足のキックを試みてボールロストを招いたり、明らかに相手に狙われている場所に正直に蹴ってインターセプトされる場面が今まで以上に目立った。リーダーシップという意味でも、どちらかと言えば職人肌で周りを言動で引っ張れるタイプではないので、年齢を考慮すると契約を更新するか否かについては慎重に判断したほうが良さそうだ。

 2024年になって数日でローンバックが発表されたレギロンはショー、マラシア不在時の一番苦しい所でよくやってくれた。細かくを見れば簡単にマークする相手を自分の内側に入れてしまったり、中央に入って疑似的な守備的MFとして振る舞った際の質など課題もあったが、感情表現が豊かで情熱溢れるプレーはファン/サポーターに勇気を与えてくれた。彼自身の評価も上がる取引だったと思うので今後の活躍を願う。

 

 マウントについては獲得前の段階で書いた記事でも触れた怪我に関する懸念が残念ながら現実となってしまい、離脱期間は既に80日以上に上り公式戦12試合の稼働に留まっている。プレー強度や各フェーズにおける気の利いたオフ・ザ・ボールには将来性を感じるものの、そもそもスカッドにいないので連携の部分でも関係性が深まりづらく真価を発揮するにはまだまだ時間がかかりそうなので現状では成功した補強とは言いづらい。

 エリクセンも今季は細かい離脱が多く、ダブルピボットでのパスレンジ及び精度、味方のサポートに入る細かなポジショニング修正はチーム一番なのだが、昨季以上に悪くなっているトランジションの甘さや、ペナルティボックス付近での守備における飛び込んでくる相手を捉えられない点は無視できない。起用する際はフィットネスが整っているかどうかをより重視する必要があるだろう。

 

アマドの評価対象は2023年最後の試合となったフォレスト戦の途中出場からの35分程度だが、短い時間でもボールタッチの柔らかさやスムーズに内側にコース取りして味方とのコンビネーションプレーを挟みながらゴール前に進出していく仕掛けの質がハッキリと伝わってくる濃い内容だった。恐らくウイングのみならずNo.8やトップ下でも苦労せずにこなしてしまうタイプだと思うので、後半戦が楽しみな戦力の筆頭。

 

 

4.0: Altay Bayındır , Victor Lindelöf , Lisandro Martínez , Dan Gore , Facundo Pellistri 

 

バユンドゥルはまだユナイテッドでの公式戦を経験していないのでプレー面からは評価のしようがない。ヒートンと差をつけた理由は先述の通り選手登録における価値の差だけで、アフリカネーションズカップでオナナが離脱する間の試合で見せるパフォーマンスが彼にとっての勝負所。

 

 リンデロフは慢性的に腰のトラブルを抱えているからなのか恵まれた体格の割に地上でのコンタクトやハイボールの競り合いにおいての強度不足が著しく、昨季のシーズン後半はヴァラン離脱の穴を埋めるのみならずファーストチョイスになってもおかしくない好内容であったものの、その貯金を半年の間にすべて吐き出してしまった。更に12月上旬から鼠径部の故障で戦列を離れており、手術を経て1月中の復帰を目指すとのこと。

 リチャがいない事が今季の不振の最大の理由である事は明らかで、今年4月に負った中足骨の骨折からの復帰を急いでしまった事が結果的に仇となってしまった。エヴァンスが予想以上に貢献してくれているとはいえ、純粋な左利きでプレイメイカー並みのキックを有している彼と比べるのは流石に酷な話。

 

ダン・ゴアは現状全体的なスケール感が一回りレベルアップしないとトップチームでの戦力化は難しそう。アカデミーでのポリバレント性とボールを受ける際のハーフターンに移行しやすい姿勢の作り方は良い部分なので、下部コンペティションへのローンでプロ水準のプレー強度に慣れさせるのが一番いい選択肢なのではないか。

 

ペリストリは出来る事と出来ない事が明確に分かれているタイプで、自分がボールを持っている場面では左足を使わないのでどうしても取れる選択肢が少なくなりがち。真価を発揮するのはポゼッションorアウト・オブ・ポゼッションを問わず自分の足元にボールが存在しないシチュエーションで、相手DFの内側や背後を取るオフボールについてはブルーノと並ぶくらい上手いと思うが、ここから大成するかと問われると中々首を縦に振りづらい。

 

 

3.0: Tyrell Malacia , Aaron Wan-Bissaka , Casemiro , Donny van de Beek , Anthony Martial , Marcus Rashford 

 

3.0は怪我や構想外でほとんどスカッドに含まれなかった者たちをベースに、出場する試合でチームへの献身性が見られない一部のメンバーも加えたいわば大きく期待を裏切った/ている選手のゾーン。

 

 マラシアは本当に一度も公式戦に出場していないので評価のしようがなく、彼が無事だったらフルバックの運用は遥かに楽だったはず。身体能力では厳しい状況が多い代わりに理知的なプレーが売りというユナイテッドでは珍しいタイプなので、それを予測によってカバー出来れば十分ショーからポジションを奪えるポテンシャルを有している。

 ワン=ビサカはここ2~3シーズン悪い意味で「これくらいでいいだろう」という慣れでプレーしており、なおかつトランジションにおける手の抜き方が露骨になっているので外部からの評価が高い内に放出するべきだろう。基本的にフットボールの中でフットサルをしているようなプレーが多く、時にそれが見る者を魅了する事もあるが、全体で考えるとかなり使いどころを選ぶ選手である。

 

 明らかなオーバーウェイトでシーズンを迎えたカゼミロは案の定動きが鈍く、フィットネスが上がらない内に負傷離脱して10月以降はほとんど戦力になっていない。このような体たらくのまま終える選手だとは思っていないので、戦列復帰を目指す後半戦では本当の彼を是非見せて欲しい。

 ファン・デ・ベークは在籍していた事も忘れてしまいかねない影の薄さで、もう少しチャンスを与えられても良いのではないかというくらい可哀想な立場にあった。ミドル・ロングパスの精度やトランジションの迫力に欠ける所がプレミアリーグでキャリアを積み重ねられなかった理由だろうか、ローン先のフランクフルトでの再起を願う。

 

マルシャルはもう諦めた。この一言に尽きるが、敢えて言わせてもらえば彼のような圧倒的なボールプレーの能力を秘めている一方でチームコミットメントに課題を抱えているタイプの選手を正しく導けるような組織にマンチェスター・ユナイテッドは生まれ変わらなければならない。グレイザーのフットボール面からの追放はその一歩目になると信じている。

 

さて、問題はラッシュフォードだ。直近2試合(1月11日時点)は左ウイングでまずまずのパフォーマンスを見せ、若干ではあるがDecision Makingも改善しているように思えるが、前半戦全体を振り返ると、プレスラインの高さや誰に対しどの方向へ誘導していくかといった守備の約束事が頭に入っていないかのような緩慢かつ迷いが見られる守備が目立ち、攻撃面ではコンタクトプレーを避けるので全くボールの収まり所にならず、前述の意思決定の脆弱さに加えクロスに対するポジショニングの悪さとオフボールの少なさが顕著だった。このまま腐ってしまうのかそれともフォア・ザ・チームの精神を取り戻し復活できるのか、この半年が本当に最後のチャンスだろう。

 

 

1.0: Jadon Sancho

 

実質的な下限は2.0なのだが、サンチョに関してはピッチ外での問題、それも自分自身に大きな原因のある事象でチームから外されたという点を重く受け止めて1.0。プレー面だけ見れば批判されていた昨季までも個人的には同情的に見ていたものの、遅刻の積み重ねや公の場での造反行為などはそれらをすべて吹っ飛ばす最低最悪の行為でしかない。ドルトムントへのローンが成立し、背番号10が与えられる等古巣では大いに期待されているようだが、反省を余程目に見える形で示さない限りは即座に換金すべきだと思う。