いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #WIGMUN 】新年初ゴールは好パフォーマンスを続けるDalot

※23/24 FAカップ3回戦

ウィガン・アスレティックvsマンチェスター・ユナイテッド戦の記事です。

 

試合内容には不満も多分にありますが、今季最もよくやっている選手のゴールで新年の幕開けとなった縁起の良さを次のMatchday、スパーズ戦に繋げてもらいたい。ただ、今回は相手がLeague Oneのクラブだったのでデュエル負けする回数は少なかったが、このままの緩さだと間違いなく次の一戦は苦戦してしまうだろう。

 

 

 

 

【Match Review】

 

 

Starting lineup

 

ベンチ入りウィガン
9 Wyke, 12 Ben Amos, 15 J.Kerr, 18 J.Smith, 19 C.Lang, 20 C.McManaman, 28 Magennis, 31 James Carragher, 34 L.Robinson 

マンチェスター・ユナイテッド
1 Bayındır, 22 Heaton, 28 Pellistri, 46 Hannibal, 47 Shoretire, 52 J.Hugill, 53 Kambwala, 62 O.Forson, 66 R.Bennett

 

マンチェスター・ユナイテッドのベンチメンバーはバユンドゥル、ペリストリを除く全員がアカデミー出身で、カンブワラはすっかりトップチームの戦力に加わったようにも見える。

 

ウィガンの指揮官ショーン・マロニーと言えば中村俊輔が在籍していた頃のセルティックの中心選手の1人で、選手時代にも2011年夏から2015年1月までのおよそ3年半の間在籍経験がある。選手としての印象が強い人物も続々と監督やコーチに転身しているのを見ると時の流れを実感させられる。。。

 

前半

 

マンチェスター・ユナイテッドは4-2-3-1をベースにポゼッション時はCB前にメイヌーがアンカーとして振る舞う形とその横にダロトが左からスライドするダブルピボットを併用し、マクトミネイとブルーノもその変化に応じて縦の立ち位置を変化させていく。なお、基本的にブルーノはビルドアップに関与しないケースがほとんどだった。

 

ウィガンは4-4-2のブロック守備で1stプレスはCBではなくその前、メイヌーの所が開始ラインで相手のバックスからの縦パスを狙いどころに中央のスペースを消して全体を狭く纏めていた。

 

 

3分、メイヌーがフィルター役の2-1-7でアタッキングサードでのポゼッションを行っていたユナイテッドだが、前線の動きが少なく、なおかつ相手のプレッシャーで時間的余裕がない中でメイヌーから大外ラッシュフォードへのボールが短くなってインターセプトされると一気に危険な被カウンターへ。

 最後は相手RWマーシャル・ゴドからの質の高いグラウンダークロスに生え抜き10番のセロ・アースゴーアがファーサイドで合わせるものの、オナナのファインセーブによって何とか失点を避けた。

Embed from Getty Images  

 

テン・ハフ体制のチーム、特に今季のプレーぶりを見て腑に落ちない要素の1つがこの2-1-7。

 ボールスキルが特別優秀であったり、7の中で横縦の動きを活発に入れて高確率でノーマークの人員が生まれているのならばともかく、実際にはただ人数をかけているだけで相手の前に止まっている選手ばかりで逃げ道になるパスコースの確保すらままならない上に、エラーや相手の好プレーでターンオーバーになれば即座に数的同数や不利の危険な被カウンターに対面しがち。リスクマネジメントが全く出来ていないので早急に手を加える必要があるだろう。

 

14分、右サイドのコンビネーションから最後は中央に進出したガルナチョのシュートのこぼれ球をラッシュフォードが拾うと、流石に個の質で上回っていると示すような仕掛けで2枚の相手をものともせずに決定機を創出。

 このプレーは確かに凄い。ただ、その一方で自身のテイクオンに対して自信を持ちすぎているような傾向もハッキリとこの試合では現れており、ダロトやブルーノを使ってリターンを貰えばもっと簡単にゴール前に進出出来る場面が片手には収まらないほどに有った。

 

ラッシュフォードLW起用のいい所はガルナチョとの比較で縦突破に拘らない点で、右足のインスイングクロスの質に限って言えばブルーノよりも上なのではないかと思う。後は本人がどれだけ周りとのコンビネーションを重視してくれるかという部分にかかっている。

 

もう1つ、気になったのは20分のシュートチャンス。メイヌーが球際の守備に勝ち、ブルーノが運んで相手DF前に潜り込んだダロトを使ったウォールパスでゴール正面に進出。ブルーノは更にホイルンドへのタイミングを外したアウトサイドにかけたパスを試みたが、ボールが渡る直前でマクトミネイが割り込んでいってシュートを放ち相手に掠めて枠外へという一連のプレー(判定はゴールキック)。

 

参照:MUTV | Manchester United
研究・批評目的の引用であり、著作権侵害の意図はありません

 困惑するようなホイルンドの表情が一瞬カメラに抜かれていた事が全て。仮にマクトミネイがホイルンドよりもシュート技術に自信を持っていたとしても、そもそもこのパスに対しては左利きの方が広角に強いシュートを撃てるので得点に繋がりやすく、瞬間的な状況判断能力の不足も実感させられるシーンだ。

 

22分、単騎で仕掛けていくステファン・ハンフリーズのボールタッチが大きくなった所からワン=ビサカがボールを奪ってユナイテッドの攻撃になるとそこからの縦パスに対しマークを背負いながら反転してマクトミネイがボールキャリー。更にブルーノ→ガルナチョと繋いで右サイドからのクロスはゴール前を通過したものの、ラッシュフォードをこれを収め、自身で狙ったシュートは相手にブロックされるが、リバウンドを拾って落としのパスからダロトのカーブショット炸裂!!

 

まずもってダロトのシュートが素晴らしいのは大前提として、ラッシュフォードも相手の目線を集めながら小さい動作かつノールックで意表を突いたバックパスを通した所は良い判断だった。安定してこのように味方を使えるようになれば本当に驚異的なアタッカーなのだが……

 

得点直後、23:25辺りから右サイドで生まれたコンビネーションは課題であったワン=ビサカが内側に入るパターンから、流れるようなダイレクトプレーで最終的にガルナチョのクロスにラッシュフォードが合わせて決定的なチャンスまで到達する内容の濃い攻撃で、縦突破に拘っている今のガルナチョに関してはクロスをスピードに乗ったまま利き足で蹴れる右ウイングで起用する方が良いと再確認。

 更に、アカデミー時代のプレーから薄々感じていた事だが力や回転を調節するというよりは全力で振り抜く、つまりシュートならば左足でも得点を狙う事が出来るので尚更逆足側での起用にこだわる理由が無くなったかも。

 

 

被害者的な側面が強いと先述したホイルンドだが、それはそれとして36分のリバウンドのように彼自身も決めきるべき所で機会を逃している点に関しては大いに改善が必要。メンタル的な部分でもう少し迫力を出して欲しいと思うと共に目の前のチャンスを決め続けてより仲間からの信用を得てもらいたい。

 

 

後半

 

HTの交代は無かったが、ウィガンはボールを持った際に最も可能性を感じさせるゴドを一番前に持っていき代わりにハンフリーズが右ウイングへ。ある程度ポジショニングの自由を与えられたようにも見えるゴドは自然と左サイドに流れていく事がしばしばあるので、実質4-3-3のように変形している時間も増える。

 

とはいえ試合全体の展開が大きく変わったかと言えばそういうわけでは無く、ユナイテッドがチャンスを作ってはフィニッシュワークの未熟さで追加点の機会を逃し続けていくだけなので正直書くもそれほどない。

 

1つ言及し忘れていたメイヌーについて、プレミアリーグの荒波に揉まれていた影響からか、リーグカテゴリーが2つ下の今回の対戦相手だと技術的な部分のみならず球際のひと踏ん張りや1on1のデュエルといったフィジカル面でも普段より楽そうな場面が多く、実際にデュエル勝率10/13という驚異的なスタッツを記録しているので、本当に若い選手の成長の速さには驚かされる。

Embed from Getty Images  

 

前半の振り返りとしてポゼッション時にボールロスト後を考えたリスクマネジメントが希薄過ぎる事を取り上げたが、コーナーキックに際しても同様の傾向がハッキリと見られ、67分のCK後のゴドのカウンターをメイヌーが何とか1on1に勝って止めた場面がその典型例。

 

72分、一度GKオナナまで戻してポゼッションを低い位置からやり直していくユナイテッド。エヴァンスからセンターサークル内に待つマクトミネイへラインブレイクのパスが通り相手陣内へ侵入すると、ボールが乱れてもすぐさまルーズボールを抑え続けて押し込んだ状態が続く。そして、ラッシュフォードのキープからマイナスのパスをボックス内で受けたブルーノがキックフェイントでリアム・ショーのスライディングファウルを誘ってPK獲得に成功し、ようやく追加点が生まれた。

 

3点リードの安全圏にこそならないものの、一方で失点の匂いも殆どないというやや中弛みを感じさせるようなDWスタジアム。80分以降はカンブワラ、ペリストリ、ハンニバルと若手選手に続々と出番を与え、プレシーズンで一定の出場機会を得ていたおマリ・フォーソンはトップチームデビューを果たした。おめでとう!!

 

 

データ

 

Standard

 

流石にユナイテッドが圧倒するスタッツだが、33本シュートを撃ってDFのミドルとPKによる2ゴールだけという結果は攻撃陣の物足りなさを強調させる。

 

カップ戦で下部のクラブと戦う時は相手のラフプレーを警戒しなければならないのが常であり、昨シーズンは実際にエリクセンが怪我を負わされたが、ウィガンはファウル数6回と非常にクリーンなプレーで球際でもシャツを引っ張ったり足裏を見せて危険なタックルを試みるようなダーティーさとは無縁だった。この点については感謝している。

 

個人的なマン・オブ・ザ・マッチは先制ゴールを決めたダロト。アタッキングサードでのボールタッチも多かったにもかかわらずポゼッションロスト僅か3回、パス成功率48/50(96%)と圧倒的な精度の高さで非の打ち所がない出来だった。

Embed from Getty Images  

 

xG

 

 

markstats算出のゴール期待値はウィガン1.23、マン・ユナイテッド4.62とGKの忙しなさを反映するような結果。ユナイテッド視点で見ると、正直League Oneの相手に1.0を越えるxGを許した守備、特にカウンターへのケア不足については今後痛い目を見させられるだろう。

 

PASSING NETWORKを見ると、ホイルンドはともかくとしてこれだけこちら側がボールを繋いでいた試合にもかかわらずマクトミネイに1本も線が繋がっていないのは予想外だった。印象としてはゴール前で邪魔になっていた以外はポゼッションにおいてそこまで嫌な要素を感じなかったので。

 

あとがき

 

ウィガンはグレーターマンチェスターのクラブなので広義ではライバルマッチに当たる対戦相手でした。正直どちらのクラブにもその熱量はありませんが、フラムからローン加入のゴドをはじめ、生え抜きのティックルやアースゴーアといった若い選手が多いのでリーグ戦の順位以上に将来性を感じる。

 

ユナイテッドの次戦はオールド・トラッフォードでのトッテナム戦。先述したカウンターのリスクマネジメントについて、コーチングスタッフがどのような答えを見出したのか、無策では失点を積み重ねる事になる相手でしょうから。