いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #PremierLeague 】Expected statsから見たリーグ序盤

10月のインターナショナルブレイクに突入した23/24イングリッシュプレミアリーグはこれまでに全20クラブが8試合を戦い、シーズン日程の2割強を消化した計算となる。

 丁度良い頃合いなのでここらでリーグ序盤の結果を振り返りつつ、Expected Statsからみたときに今後状況が変化しそうなクラブについても考えてみたい。

 

 

 

 

23/24プレミアリーグの序盤の戦いをおさらい

 

順位表(Matchday8消化時点)

参照:premierleague.com

 

現時点のポイントリーダーはトッテナムアーセナルのノースロンドンのライバル同士で勝ち点20、得失点差でも並びゴール数の差で前者が首位に立っているが、特に就任初年度で開幕ダッシュに成功しているスパーズの新指揮官,アンジェ・ポステコグルーは内外からその手腕を高く評価されており、チーム状態を見ても試合に臨むメンタリティが昨年との比較で明らかに好転しているように見える。

 

一方、メガクラブの中ではマンチェスター・ユナイテッドチェルシーがそれぞれ4勝4敗、3勝2分け3敗と不安定な日々を過ごしていて、両クラブに共通するのは壊滅的なまでの怪我人の多さ。勿論他にもピッチ内外の要因は数多く存在するが、一番大きな所では間違いなく希望するスカッドを組むことが許されない状況が足を引っ張っている。

 

また、今季は昇格3クラブが例外なく思い描いていた船出に失敗し、現時点でルートン17位,バーンリー18位,シェフ・ユナイテッド20位と例年の傾向から言えば対策が進み切っておらず最も勝ち点を稼ぎやすいタイミングと思われる開幕からの3か月でポイントを積み上げる事が出来なかった。

 

 

Expected stats

 

順位表と全体の大まかな状況をおさらいしたところで、今度は本題であるExpected statsから23/24のリーグ戦序盤を見てみよう。

 

まずはExpected goals、通称xGでソートする。

参照:understat.com

 

understat.comのデータではリーグで最もゴール期待値を稼ぎ出しているクラブはニューカッスルxG:18.78。2番手以降は順にリバプール(18.74)→ブライトン(18.26)→トッテナム(18.59)→エバートン(18.74)・・・と続き、以外にもマンチェスター・シティアーセナルはTOP5までに名を連ねていない。

 

また、ボトム5の顔ぶれを見るとボーンマス(10.03)→フラム(9.75)→フォレスト(7.91)→バーンリー(7.03)→シェフ・ユナイテッド(5.84)となっている。とりわけまずい状況にあるのは1試合平均のゴール期待値が1.00を大きく下回っている下の2クラブで、ブレーズに至っては2-2のドローになった第4節のエバートン戦を除きすべての試合でxGが0点台という深刻な状況である。

 

次に守備側から見たゴール期待値、Expected goals against。数字が低い方がいい指標なので昇順ベースで見ていく事とする。

参照:understat.com

 

こちらではマン・シティが2番手ニューカッスルに2.36の差をつけてトップに立っており、ケビン・デ・ブライネの負傷離脱で彼のクロスからアーリング・ハーランドで合わせるという必勝の得点パターンが無くなり、xGにおいてもその影響は感じられるなかでそれほど勝ち点獲得ペースが落ちていないのは守備の安定感が理由なのだろう。

 xGで1位だったマグパイズに関してもxGA:7.84で前年度王者に次ぐ2位なので非常に優秀な推移と言う事が出来、xG及びxGAからペナルティキックオウンゴールの分を差し引いた"Non-penalty expected goals difference"(略称:NPxGD)ではこの2クラブが全体を牽引するような数字。

 

実際のリーグ戦順位で勝ち点11,得失点差+4の11位に沈むチェルシーは被ゴール期待値8.93、現実の失点数も7と悪いどころかむしろリーグ上位に位置するスタッツであり、ここまでの3敗もxG,xGAの比較では五分か優位を取っているので、あくまでもこれらの指標を見る限りの話だが、今後上昇の目がありそうだ。

 

参照:understat.com

 リーグ順位最下位のブレーズはxGに続きxGAでもブービーボーンマスに2.00程差を付けられた20番目。正直戦いぶりを見てもデータから見ても彼らから他との違いとなる強みを見つけ出す事は大変難しく、シーズン終了時に勝ち点20、いや15を積み上げているかどうかすら分からないというのが現状の水準。実際にxPTS(ポイント期待値)は断トツで低い2.42で、この数字を単純に38試合換算すると11.495となる……

 

 

良化しそうなクラブ&悪化しそうなクラブ

 

先に結論から言えば、Expected statsから見て今後成績好転を期待出来るというクラブはチェルシーエバートンブレントフォード。逆に今よりも悪化するかもしれない傾向が見られるのはウエストハム

 

良化

 

チェルシーについては先述した通りで、エバートンは強きに屈し弱気を挫くというのが試合結果からも内容からも明らかになっており、優位性のある試合を確実にモノに出来そうな点から対ボトム10のクラブに対しての戦績が安定すると予想。よって現状の16位から最終的には10位±2程度に収まるのではないかと考えている。

 

年明け2024年1月中旬までエースFWのイヴァン・トニーを欠いて戦わなければいけないブレントフォードは想定よりはその影響を抑える事が出来ていて、ブライアン・エンベウモはxG4.36に対し8試合4ゴールと課題であった決定力を改善。xG0.30で3ゴールを奪うMFマティアス・イェンセンの得点奪取能力開花?は嬉しい誤算で、ここにトニーが加われば今季も残留争いからは一歩抜けた位置でフィニッシュしているだろう。

 

悪化

 

リーグ序盤のサプライズの1つであるウエストハムの躍進について長続きするかどうか懐疑的な目で見ている理由としては、被ゴール期待値の悪さである。マン・シティ、リバプールとの連戦でxGA4.00越えというのはある程度考慮するとしても、得点力が高いとは言えないボーンマスやルートンとの対戦で数字が負けていたという事実がある。ミカイル・アントニオとジャロード・ボーウェンのカウンターやジェームズ・ウォード=プラウズのセットプレーという安定した得点源を確保しているので、序盤の貯金も込みで降格圏までは行かないにしても、守護神アルフォンス・アレオラが今の調子を維持しない限りはリーグ順位を落としていく事になりそう。