いろ覇のFM新参者~フットボールの虜

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football managerというシミュレーションゲームであれこれやっていきます。気付いたらユナイテッドの事ばかり書いてます

【 #MUFC 】プレシーズン初戦、アカデミーの選手が印象深い活躍

 

※23/24 プレシーズンマッチ inオスロ

マンチェスター・ユナイテッドvsリーズ・ユナイテッド戦の記事です。

 

 

プレシーズン最初の試合はユースチーム主体の後半に2得点を奪ってライバルクラブリーズに快勝!!

幸先よく新たなシーズンを始める事に成功している。

 

 

 

 

【Match Review】

 

ノルウェーオスロ、同国代表チームのホームスタジアムとしても知られる売れヴォール・スタディオン(Ullevaal Stadion)にて行われた赤い悪魔のプレシーズン初戦。

 

試合前には現役時代マン・ユナイテッドとリーズの両方に在籍し、ここ数年はヘディングによる慢性的な脳へのダメージが要因と考えられる血管性認知症に苦しんだゴードン・マックイーン氏(2023年6月に死去)への黙祷が捧げられ、普段はいがみ合ってばかりの両クラブサポーターもこの時ばかりは共に故人を悼んだ。

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Starting lineup

ベンチ入りマンチェスター・ユナイテッド
30 Bishop, 33 B.Williams, 38 Kovar, 44 Dan Gore, 47 Shoretire, 48 W.Fish, 51 C.Savage, 52 Hugill, 54 M.Jurado, 57 Emeran, 59 I.H.Aarøen, 65 T.Colyer, 66 R.Bennett, 68 Oyedele

リーズ
2 Ayling, 3 J.Firpo, 9 Bamford, 16 S.Perkins, 20 Dan James, 21 Struijk, 26 L.Bate, 30 J.Gelhardt, 34 D.Monteiro, 39 Wöber, 40 Van den Heubel, 49 M.Joseph, 52 K.Moore, 55 H.Christy, 63 A.Gray  

 

 

前半

 

リーズのキックオフ直後、サンチョとハンニバルのプレッシングで相手の足元からボールを奪い去り、こぼれてきたボールを収めたメイヌーはすかさずLB-CB間のスペースにパスを送ると、これに反応したアマドがファイナルサードで早速ファウルを獲得。マンチェスター・ユナイテッドのペースで試合は進む。

 

サンチョのフィットネスに関しては一部で揶揄されたような状態では無い事が試合のパフォーマンスで証明され、1stプレス隊としてのコース制限や寄せの強度は流石の一言。以前は燃えるような気性が災いする場面の多かったハンニバルも感情をコントロールしつつ、プレッシングの厳しさにそれを活かしてそれぞれ充実したゲームになったと思う。また、アマドも切り返すというアクションを挟まずに自然と横方向へ進行する独特なドリブルや足元に吸い付くようなボールタッチで持ち味を発揮した。

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そして、気になる新加入メイソン・マウントのプレーは怪我の影響を全く感じさせずサイドへ散らす中距離のパスやトランジションの鋭さといった部分で持ち味を発揮。精度はまだ足りない感もあったが、実戦を積み重ねていく中で改善できる程度ではあると思いたい。

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 チーム全体を振り返るとざっとこんな感じ。

 

驚かされたのはメイヌーとアルバロの成長速度。

前者はポゼッション時3-1-5-1の1アンカーというバランスを取るのが難しい役割も苦労する素振りを見せず、スキャニング(首振りによる情報取得)を怠らないので背後からプレッシャーをかけられても身体の向きで騙しながら次の局面にプレーを繋げる事が出来ていた。

 

後者もローン先で任されたWBとは全く異なる役目ながらビルドアップ時のバック3形成やミドルサード以降のInverted-WBとしてのポジショニングに違和感はなく、持ち前のドリブル以外にも配球でセンスを感じるプレーが複数回見られた。このクオリティならばプレミアリーグでも通用するだろう。

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最初のビッグチャンスは10分。

メイヌーへのサポートが薄く中盤でボールを失いかけるが、何とかルーズボールの取り合いを制したユナイテッドはマウントのDFラインを抜くパスからアマドへボールが渡り、折り返しにハンニバルが合わせるもシュートはGK正面。

 

やはり今季もコーナーキック後のカウンターケアが甘く、19分にはラター→ポヴェダ→シニステラのスピーディーな攻撃で自陣ゴール前までボールを運ばれたものの、全力でプレスバックしていたハンニバルがギリギリの所でクリア。彼の将来の姿が何となく浮かび上がったシーンでもある。

 

22分にはリーズGK クラーソンのパスを高い位置で奪って即時ボックス内へ侵入。ラストパスを受けたサンチョは一瞬もたついてシュートを打てず、リカバリーして横のフォーソンへ後を託すも右足インサイドでゴールを狙った一撃は相手DFにブロックされた。

 

全体的には良い前半を過ごしたと評価している。

ただ、主力級の選手で言うとヴァランとワン=ビサカに関してはあまりポジティブな変化を感じず、ポゼッション時のプレー選択や判断速度、そしてポジショニングといった昨季の課題がそのまま残っていた45分間。

 

 

後半

 

両クラブ先発22人中リーズRBドラメーを除く21選手がHTで交代。ただ1人残った彼も折り返し45分はLBに移動しているので、ユーティリティとしての試験的運用の可能性がある。マン・ユナイテッドが前半トップチーム,後半アカデミー中心だったのに対しリーズはどちらかといえば後半組に主力が多かった。

 

 

後半出場組の短評をまとめたが、ショレティレやサベージといった去年以前の時点でこの時期の試合に出場していた選手はバンプアップに成功している点が顕著に表れており、実際に接触での強さは以前より増している。前者に関しては流れの中で中央に収まった際の方が明らかにプレーの内容が良く、以前にも感じた事だがトップ下や4-1-2-3の2が適性だと思う。

 

最もインパクトを与えたのはやはり2ゴールに直接絡んだエメラン。

 1つ上にはグリーンウッド、下の世代にもガルナチョやショレティレのように早期からトップチームに目をかけられている選手が多かったサイドアタッカーの中ではやや埋もれがちになってしまっていたが、最も得意とするLWではなく逆足側で結果を残したのは大きな収穫になったのではないだろうか。

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今年21歳を迎えるプロ経験の無いアカデミー選手という事で順調なキャリアを歩むにはギリギリのタイミングでもあり、この活躍がユナイテッドでの未来に直結するとは言い難いものの、分かりやすい強みを持つタイプなので彼を正当に評価してくれる場所は必ずある筈。

 

トップチームでの居場所という観点では、コヴァルは既に2ndGKとしてなら十分計算できる水準にあると改めて証明し、逆に彼をほぼ試合に出れない2番手に押し留める事が心苦しくなる内容。フィッシュやベネットからかなり苦しいボールが入っても冷静にショートパスで繋げられる足元の技術はテン・ハフの求めるモノ。なお、展開のあやでショットストップを見定める機会は無かった。

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母国凱旋のイサク・ハンセン・アーロンは見た目もプレーも王子様風で、守備面に関してはまだまだ足りない部分ばかりであるが、エメランの先制点をアシストしたように配球能力や自分の身体を軸に円を描くように小回りするターン(カラコーレス)などボールプレーでは随所に素質の高さを見せている。順調にキャリアを歩んだ先の将来像としては、ユナイテッドが獲得を熱望しながら実現しなかったあのルカ・モドリッチか。

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先制点は67分。

 フィッシュから前線への縦パスは前に出てきた相手CBにカットされるも、すぐさま懐に入ったハンセンがボールを奪い返しショートカウンター発動。CB-LB間のギャップに位置取りするエメランにスルーパスが通りそのままGKとの1on1を冷静に制して遠いサイドのネットを揺らした。

 

追加点はコヴァル→ショレティレへの正確なミドルパスから始動したポゼッションで生まれている。

 相手陣地を進んだ後、右サイドのエメランに仕掛けられる状態でボールが入り、プレスバックしてくる相手LMの意識を自身に引き寄せながら一瞬フリーになったボックス内のへパスを送る。受けに行ったショレティレは敢えてボールをスルーし、ゴール正面でフリーのチャンスを得たヒューギルがフィニッシュ。

 

 

データ

 

ポゼッションはおおよそ6:4、パス成功率もユナイテッドは9割に乗せて更にデュエル勝率も相手を大きく上回ったので基本的な部分では文句なし。選手個々や局面でのユニット単位の動きには改善してもらいたい所もあったが、シーズン始動の一発目としては中々良かった。

 

地上戦3/3のアルバロはセットプレーでも高打点を活かしたヘディングで惜しい場面を作っており、ターゲットとしての役割も期待できるというのはチャンピオンシップで記録した空中戦スタッツ通りだった。

 

 

あとがき


主力組みとのコンビネーションを見たかったメイヌーやアマドはそれぞれ強みをアピールする事に成功。思った以上に器用だったアルバロは良い意味でのサプライズで、それ以外にも復帰した主力組や後半に大きな見せ場を作ったエメラン等価値のある90分になったと思う。

 

次は7月19日スコットランドエディンバラでリヨン戦。

代表に参加していた選手も15日にはチームに合流するとの事で、今回目立った若手選手にとっては一段と厳しい生存競争が始まるが、1人でも多くの選手が指揮官を悩ませるようなパフォーマンスを見せてくれる事を願っている。